REPORT

【VINYL】hide Birthday Party 2025|ライブレポート

福井祥史(Vo / ex. D’ERLANGER、ex. STRAWBERRY FIELDS)と鈴木新(G / ex. 黒夢)からなるVINYLは、X JAPANのギタリスト、そしてソロアーティストとして日本の音楽シーンに多大な影響を与え続けるhideの助言を受けて結成されたロックユニットだ。1996年、hideが所属していたメジャーレコード会社・MCAビクター(現ユニバーサルミュージック)の新たなレーベルとし立ち上げたLEMONedに参加し、その存在を刻みつけた。
昨年9月に浜松どまんなか祭りのステージで本格的に再始動した二人は、多くのライブを重ねて、この日のクラブチッタのステージに立った。


それは懐古でも、勢い任せの復活でもない。
「体が動くうちにやっておきたい」——そんな切実で誠実な衝動が、この夜の音の核にあった。


この日のサポートメンバーには、ドラムにORCALADEのゆいぜ、ベースにValentine D.C.のJUNを迎え、強靭なリズムセクションを形成。さらに本公演では、heath projectの協力により、heathが着用していた純白の衣装とベースが使用された。
D’ERLANGER を脱退した福井が、STRAWBERRY FIELDS結成に向けて動き出した時に、最初のパートナーだったheath。
また、黒夢脱退後の鈴木がVINYLを結成した際の所属事務所は、


当時(1993年)hideがソロプロジェクトの活動をするために設立し、HEATHがソロミュージシャンのheathとして所属していたhideオフィシャルマネジメントオフィス株式会社ヘッドワックスオーガナイゼーションだった。


セットリストには、先月セルフカバー音源が配信リリースされた新曲「BE」も組み込まれた。この曲は、hideが最初に声をかけた「LEMONed」コンピレーションに収録された楽曲であり、デモ段階からhideの自宅で最初に聴いてもらったという、特別な経緯を持つ一曲だ。今回もまた、世界で最初にこの曲をかけたのがhideだったという事実は、この夜を“偶然”ではなく“必然”に変えていた。


二曲目は「KEEP MY SECRET」。44MAGNUMの影響を受けてロックミュージシャンになることを志した二人のオマージュ楽曲。
44MAGNUM の梅原Paul達也を彷彿とさせる福井の声は地声で高く、かつ太い。クライマックスの転調では、そのボーカルが圧倒的な存在感を放ち、観客をねじ伏せるように楽曲を支配し、痺れる瞬間を生む。脳裏に焼き付く圧巻のシャウト。そして、フライングVをかき鳴らす鈴木の姿は、師と仰ぐ広瀬Jimmyさとしの面影を重ね合わせる。


しかしそれは過去の再現でもない。時間を経た今だからこそ鳴らせる音として、観客の前に差し出された“現在進行形のVINYL”だった。


続く「50tの頭」「とまらない鼓動」では、VINYLのTシャツを背中に着た多くのファンが拳を上げ、熱狂の渦に包まれた。


鈴木がクールに囁く「ハッピーバースデー」の声とともに、福井と鈴木は抱き合い、華麗にステージを後にする。


そして夢のようなALL CAST SESSION。出演者全員がステージに集結し、hideの名曲「CELEBRATION」「TELL ME」が演奏されると、会場はこの日最大の一体感に包まれた。思い出に涙する観客も少なくなかった。hideの楽曲が世代や立場を越えて鳴り響く光景は、このイベントの本質を象徴していた。


hideから始まった縁に、heathへと受け継がれた意志、そしてそのDNAを受け継ぎ、令和の時代に進化を遂げて駆け抜けるVINYL。
それらすべてが交差したこの夜は、確かに“今”のロックとして鳴り響いていた。