INTERVIEW

<対談>【Kakeru(Zeke Deux)×Ruiza(Ruiza BAND)】互いの心を動かした“熱意”「今こうやって対談という形でお話させていただいているのは、本当に有難いことですね。それに、「夢があるな」って思います」(Kakeru)

12月22日に詳細が解禁となった、Zeke Deux主催ツアー『Dawn of The Luminous Tears』。2026年3月より全8公演にわたって開催される本ツアーの出演者の中で、今回ピックアップするのは、現在ソロ・アーティストとして活動中のRuiza率いる【Ruiza BAND】とZeke Deuxの共演だ。

“憧れの存在”と語るRuizaがZeke Deux主催ツアーへ参加するに至った経緯を踏まえ、Kakeru(Zeke Deux / Vo)とHaruka(Zeke Deux / Gt)それぞれと対談を実施し、シリーズとしてお届けしていく。

第一弾は、KakeruとRuizaの対談。近年、密に会話を交わすようになった中で、KakeruがRuizaから受けた影響は大きかったという。今回の対談でも、Kakeruが率先して質問を投げかけたり、お互いの在り方について語り合ったりと、交わることで相乗効果を生み出す、二人の素敵な関係性を垣間見ることができた。


写真:Kiwamu Kai

取材・文:平井綾子(Ayako Hirai)


――まずはKakeruさんから、Zeke Deuxの主催ツアー『Dawn of The Luminous Tears』を開催するに至った経緯を伺えますでしょうか?

Kakeru:はい。我々が2026年6月24日に渋谷WWWで行うワンマンライヴへ向けてまわるツアーになるんですけど、渋谷WWWに向けてレベルアップしていきたいと思ったときに、まず“ライヴで行ける場所を増やす”というのがあったんです。今まで東名阪を基本に仙台や新潟にも行く機会はあったんですけど、そこに北海道や九州をプラスして、範囲を広げようと。そこで、バンドがステップアップしていくにあたり、是非とも先輩のお力を借りたいということもあって、Ruizaさんに声をかけさせていただいたんです。


――北海道・仙台・新潟にRuiza BANDとして出演してくださるということもあって、今回の対談に至ったわけですけれども。Ruizaさんとしては、Zeke Deuxからのアプローチをどう受け止めたんでしょうか?

Ruiza:誘いを受けようと思ったのは、完全に“熱量”でした。ツアーにかける意気込みだとか熱い思いを感じたんで、僕にやれることがあるなら協力したいなと思ったのがきっかけですね。僕も今年(2025年)からソロ・アーティストの活動を始めたところもあって、実際に何ができるかわからないですけど、これまでの経験からのちょっとしたアドバイスをしたり考え方の部分では力になれるんじゃないかと思ったので。

Kakeru:もう、これは直にたくさんのことを教えていただける貴重な機会だと思っています!


――“先輩の力を借りたい”とKakeruさんがRuizaさんにお声掛けした背景として、お2人の関係性も気になるところなのですが……。

Kakeru:まず自分は、昔からRuizaさんのことを一方的に知っていたんです。雑誌でも見ていた存在ですし、パートは違うんですけど、憧れのアーティストの一人ですね。それで、今までの活動の中でちゃんとお話をさせていただいたのは、「覇叉羅フェス」(2024年9月)の(目黒)鹿鳴館でした。その前にも挨拶を交わすくらいのことはあったんですけど、その鹿鳴館でお話をさせてもらったときに、いろいろなアドバイスをしてくださって「初めて話すような間柄なのに、ここまで言ってくれるんだ。すごく良い方だな」って思ったんです。

Ruiza:Kakeruくんのことは、Zeke Deuxの前のバンドのときからちょくちょく現場では見かけていたんです。Dのライヴへ遊びに来てくれたり、音源をいただいたりしたこともあったので、「よく来てくれてるな」とちゃんと覚えてましたよ。ただ、なかなか今ほど交差することがなかったので、今までは挨拶程度だったんです。でも、Kakeruくんに限らずHarukaくん(Zeke Duex / Gt)もそうなんですけど、積極的に話しかけてきてくれるタイプなんで、僕の中ではすごく好印象だったんですよね。

Kakeru:でも正直、憧れているアーティストさんほど話しかけるタイミングを計るところはありますけどね。

Ruiza:わかる。僕も、先輩に声をかけるときっていうのは気合いがいるんですけど、結構僕は“行く派”なんですよ。だから、同じタイプだとやっぱり打ち解けやすいし、話を聞いてあげたいなと思いますし。それこそ、今回のお誘いの熱量の話にも繋がってくるわけで、そういうところから真剣さって伝わるじゃないですか。


――そうですね。実際、Zeke Deux の熱意がKakeruさんを通してRuizaさんへ伝わったことの証拠に、共演へ繋がったわけですから。

Kakeru:やっぱり、先輩に限らずとも相手の人間性を知るためにはこっちから壁を壊していかないといけないし、そうしないとこちらのことも知ってもらえないじゃないですか。知ってもらえなければ、チャンスやきっかけをつかむこともできないと思うので、僕は進んで話をしに行くようにしてるんですよ。


――大事なことですね。Kakeruさんとしては、Ruizaさんのどういった部分に憧れを抱いていたんでしょうか?

Kakeru:まず、美しいところですね。初めて存在を知ったのは、自分にとってドツボだった90年代だったんですけど、そこからずっと第一線で活動されていて。もともと、Ruizaさんには“リーダー気質”を感じていたんですよ。それが今のソロ・ワークスでも活かされていると思いますし、そもそも僕が初めて接点を持ったのが、RuizaさんがSyndrome時代だったんですけど、そのときからバンド内でのリーダーという立場ではなかったにせよ、サウンド面やステージングの部分ですごくリーダーのような存在感を感じていたんです。メンバーさんの中にはRuizaさんから見て先輩もいらっしゃったと思うんですけど、ライヴともなるとそこに遠慮することなく華があるというか、そういうところに憧れがありました。だから、今こうやって対談という形でお話させていただいているのは、本当に有難いことですね。それに、「夢があるな」って思います。


――今のお話を受けて、Ruizaさん自身としてはソロ・ワークスとしてのRuiza BANDと、これまでのバンド活動とではやはり向き合い方に異なる部分もあるんでしょうか?

Ruiza:取り組む気持ちとか、かけてる熱量に変わりはないんですよ。これまでのバンドもメンバーそれぞれが得意な分野を担当しながら動かしていましたし、当たり前ですけど、ソロは自分一人が主軸となって全部を動かすというところでバンドとは違う忙しさはあるにせよ、自分がやりたいことしかやってないので「楽しい」だけなんですよね。


――ソロは、バンドならではのメンバーの意見がクロスオーバーしていく楽しみ方とは違うベクトルの楽しみ方があるんじゃないかと思います。

Ruiza:特にバンドは、「メンバーが喜ぶことをしたい」って思うんですよね。だから今は、自分がやりたいことしかやっていないっていうところでいうと、「この曲もやりたいけど、もっと新しいものも生み出したい」とか「形になっていないものを早く形にしたい」っていう気持ちは強いです。そこで、理想に追いついていないギャップにもどかしさを感じることもありますけど。


――こういった部分がバイタリティーとなって、これまで止まらずに活動を続けてこられたというのもあるかもしれませんね。

Kakeru:本当に、止まらないのはすごいことだと思います。Ruizaさんからは、“続けることの大切さ”を勝手に学んでるところはありますね。

Ruiza:そこに関する自分の感覚としては、“周年”をあまり気にしていないんです。もちろん誕生日と同じなので記念すべき日ですし、“周年”を謳うことは素晴らしいことなんですけど、「何年やりたい」って考えたことが人生で一回もないんですよ。たぶん、この先もそう思って活動はしないと思うんです。それよりも、「ずっとやる」って思いながらやってるんですよね。“~周年”っていうのを目標に設定しちゃうと、それを達成したら終わっちゃうと思っていて、だから周年というのは「結果として到達した」っていうのが一番の理想なんじゃないかなと、僕は思っていて。

Kakeru:その話に付随して、以前Ruizaさんからいただいたアドバイスですごく自分の中に刺さったものがあるんです。それが“死ぬまでの計画”という話で、Ruizaさんは目先の目標ではなくて人生という長い尺でものを考えていて、「死ぬまでにどうしたいか・何をしたいか」って考えてるっていう話が、すごく印象的だったんです。僕は、正直そこまで考えたことがなかったんですよ。

Ruiza:僕もそこまで重く考えたことはないけど、結局はそこやん。“人生のゴール”っていったときに、どこをゴールとするかは人それぞれだと思うのよ。例えば、「身体が動く元気な状態で一番いいライヴをする」っていうのをゴールとするならば、それは人生のゴールじゃなくて、音楽人生としてのゴールなんだよね。でも、そこから人生はあと何年か続いていくわけで、じゃあその先はどうすればいいのか?って途方に暮れてしまうと思うから、本当に人生の最後をゴールとして設定して考えるべきなんじゃないかなっていう。

Kakeru:その話を聞いたときに「究極やな」と思いましたし、それが自分の中に刺さったので、僕も考えるきっかけになったんですよ。そこで考えたのは、「続けよう」っていう意志だったし、しっかりと人生設計をした生き方をしている人の元には仲間が集まってくるんじゃないかと思うんです。Ruizaさん自身を見ていて、すごくそう思うので。

Ruiza:「こうやって死にたい」っていうよりも「こういう死に方は嫌だな」っていうぐらいにしか考えてないところはあるけど、「楽しんで死にたい」とは思う。じゃあ、そのためには生活を豊かにしないとダメで、“豊か”っていうのはお金を使って贅沢をすることではなくて、“心豊かに”っていうこと。だから「楽しい」と思うことを増やしていかないといけないし、とにかく今は楽しいことをずっとしていたいって思ってるかな。結局、楽しんでやってると熱量が上がるんだよね。ちなみに、ハロウィンのときに出ていた『Carnival』のMVも見たよ。今までにはない感じで楽しんでるのが伝わってきてああいうのもよかったよね。

Kakeru:あのMVの撮影は、みんなで装飾を買ってきて、文化祭気分でスタジオを飾り付けしたんです。そういう部分から楽しい撮影でしたし、“みんなでやる”っていうのがトータルで楽しかったですね。

Ruiza:きっと、そういう気持ちの部分が映像にも出ていたと思うんだよね。それも、僕の言う「楽しいことしかやらない」っていうことにちょっと近いというか。制作だったり事務作業だったり、もちろん大変なこともあるけど、考え方次第で楽しくなるっていうか。

Kakeru:そうですね。いつもRuizaさんはこういうお話をたくさんしてくださって、徐々に僕の中で考えが変わってきたこともあったんですよ。なので、今日はいろいろ聞きたいことがあって……この流れで聞いてもいいですか?


――是非。では、しばし話の進行をKakeruさんにバトンタッチしますね。

Kakeru:はい。まず、Ruizaさんはもともと作曲はされていましたけど、ソロになってからは作詞もしてるじゃないですか。作詞のインスピレーションは、どこから湧いてくるんですか?

Ruiza:場合によるんだけど、一つは曲を作りながらイメージと同時にフレーズとメロディーが浮かんでくるパターン。あとは、曲を作ってから掘り下げていって「この曲はきっと、こういうことを歌いたいんだな」って後から考えていくパターンがあるけど、その方が多いかな。僕の場合は作詞の経験が少ないから、使いたい言葉とかフレーズのストックもないし、極論「僕の人生でこれを伝えていきたいんだ」っていう大きなテーマがないの。だから探してるっていうのもあるんだけど、いつも考えてることは「ハッピーでありたい」っていうことで、巻き込んだみんなの力になれる歌詞になればいいなとは思ってるね。

Kakeru:では、Ruiza BANDはもともとソロ・ワークスのインストゥルメンタルが始まりだったと思うんですけど、同じメンバーとRuiza BANDとして活動していくにあたって、「このメンバーだ!」っていう決め手はあったんですか?

Ruiza:まずドラムの美景は、昔、僕のローディーをしてくれていたから、人となりは知っていたのね。それでコロナ禍って、みんなお客さんの人数を制限してライヴをやっていたと思うんだけど、そのときに僕少ない人数でやれることをやろうと思って美景に「一緒にやろうよ」って声をかけて、ドラムとギターと同期だけでインストゥルメンタルをやったのが始まり。彼も一生懸命やってくれるから僕もすごく楽しんでできたし、そのときから「この先何かやるときには一緒にやろうぜ」っていう話しはしてたんですよ。

Kakeru:YouTubeチャンネルでも、美景さんと2人でお喋りしていた回もありましたもんね。

Ruiza:うん。あと、ツネ(Tsunehito)は僕がこれまで一緒にやってきたベーシストの中で一番ワクワクするベーシストで、なにせ20年以上一緒に活動してきてるから、制作してても「こういうベースを弾くんだろうな」っていうのが勝手に出てくるんだよね。自分が思いつくフレーズも、なんとなくツネから影響を受けちゃってる部分もあるし、逆に「ここは頼む」ってお願いしても思った通り、それ以上になっていて。このRuiza BANDに関しても、自分のソロ・ワークスに対する気持ちを全部話した上でお願いしたら、「全然、やりますよ」って言ってくれた感じだね。

Kakeru:Sethさんは、どうだったんですか?

Ruiza:実は、Sethさんとは付き合いがメチャクチャ長くて。それこそ、初めて会ったときからすごく歌が上手くて歌声もすごく好きだったんだけど、当時の僕からすると先輩過ぎて“誘う”っていう感覚がなかったのよ。でも久々にSethさんの歌を聴いたときに、歌の説得力とか気持ちの込め方とか、創られたものではなくて芯で歌っている感じがして、「やっぱりこの人はすごいな」と思ったから、「Sethさんの声が必要なんです」っていう具合に相談をして歌ってもらってる感じかな。正直、初めは自分の中でやりたいことも定まっていなかったし、ソロだからいろんな人とやってみたいっていう気持ちもあったんだけど、Sethさんの歌声を聴いたり自分の曲を歌ってもらったりして、「これだ」って思っちゃったね。今、自分のやりたい音楽性と世界観に一番合ってると思う。

Kakeru:あと、僕らが12月3日にリリースしたアルバム『Flare』の感想を聞かせていただいてもいいですか……?

Ruiza:最初に、「一生懸命やってるな」っていうのが伝わってきたかな。新体制になって、「急いで届けたい」とか「今すぐ届けたい」みたいな気持ちで作ったんじゃないかなと思ったし、とにかくファンに「今、届けたい」っていう思いがトータルして伝わってきた。

Kakeru:それはありますね。自分たちで言うのもなんですけど、今、すごく自信があるというか。最近、周りからも「Zeke Deux、すごく調子いいね」って言っていただけることが増えたんですけど、調子がいいっていうところに関して自分たち自身はそんなに実感はないまでも、ただただ自信はあるっていう状況ではあるので、それが音に出たのかなと思います。

Ruiza:そう。いい意味での荒さがあって、それが勢いに繋がってるのかもしれない。いくらでも綺麗に仕上げることはできると思うけど、そうじゃなくて、人間っぽさとか感情がすごく残ってるなというか。


――プレイヤーサイドの姿勢や気持ちを汲み取ってくださった感想でしたね。

Kakeru:まさに、という感じですね。今まで、いろいろと辛い思いをしてきたメンバーたちなので、Ruizaさんと同じく楽しいことに目を向けるというか、「世界はもっと広いんだよ」っていうのをメンバーにも見せたいと思ってるんです。あと、Ruizaさんがソロで出されたミニ・アルバムのタイトルが『Alive』だったと思うんですが、収録曲には『Alive』という曲がない中でなぜそのタイトルにしたのか教えてほしいです。

Ruiza:全曲作り終わって曲順も決まったときに、全曲「生きることを歌ってるな」と思って。それに向けて作ったわけではなかったんだけど、結果そうなったから『Alive』が相応しいかなと思ってタイトルにしたかな。

Kakeru:Zeke Deuxにも『Alive』という曲があるので、気になったんです。あと、まだいいですか……?


――はい! 時間が許す限り、どうぞ!

Kakeru: Ruizaさん、ゲームも結構好きですか? 前まで、ゲーム実況の動画もアップしてらっしゃったので。

Ruiza:うん。『(帰ってきた)魔界村』、難しくて全然終わらない(笑)。

Kakeru:(笑)。ちなみに、ドラクエ派ですか? FF派ですか?

Ruiza:どっちもやるかな。自分の中では特に派閥はなくて、でも何が一番好きかって言ったら、ドラクエが一番好き。

Kakeru:そうなんですね! Ruizaさんの曲を聴いていると、結構ファイナルファンタジーっぽいというか、FFの戦闘シーンの要素を感じていて。ちなみに僕、ドラクエは7ぐらいまでしかやってないですね……。

Ruiza:ダメだよ! 全部やらないと!

一同:(笑)

Kakeru:ファイナルファンタジーも、9ぐらいまでしかやってないですね。

Ruiza:9っていうことは、名作の10をやってないってこと!? それはちょっと……。


――(笑)。Ruizaさんからの厳しいご指摘が……! でも、KakeruさんがおっしゃっていたFFの世界観かつ戦闘シーンを彷彿とさせる曲というのは、「確かに」と思いました。

Ruiza:もちろん、“何かっぽいもの”を作りたいっていう発想ではないんですけど、自分の中で人に響くものや美しいものを作っていくときのポイントとしてあることが、スリリングとか危険な香りがするもので、そういった部分がある方が美しさを引き立てるっていう感覚が自分の中にはありますね。基本的には、自分の中に出てきた構想をどうやったらよりよく表現できるかっていうことを考えながら構築していくのがすごく好きなんです。僕がこれまでやってきた音楽は結構「メタルだ」って言われるんですけど、僕の中では「メタルの曲調をやってる」っていうのはあまり思っていなくて。もちろんメタルが好きっていうのもあるんですけど、速さや攻撃的なサウンドというメタルの要素が美しさに繋がっているっていうところが重要でもあるんですよ。


――メタル要素の根源には美しさを基にした感性があったんですね……! では、反対にRuizaさんからKakeruさんへ聞いてみたいことはありますか?

Ruiza:バンドとして、どう在りたいのかっていうのは気になりますね。今、僕はソロだから全部自分で考えるのが当たり前なんだけど、Zeke Deuxはその辺りをどう舵取りしてるのかな、って。

Kakeru:基本的な土台となることを自分が考えるんですけど、僕のポジションは一番器が大きくないとダメだとは思っていますね。メンバー一人ひとりの意見を聞いて考えていくのが基本ですけど、僕としても譲れない部分があればしっかりと伝えますし、とにかくメンバーを尊重したいっていう思いの中でやっています。

Ruiza:大事なことだよね。

Kakeru:はい。このメンバーに出会えてバンドができていることは奇跡だと思いますし、本当に幸せなことだと思っているので、絶対に壊したくないんです。壊さないためには、メンバーそれぞれに向き合うことが大切なのかなと思っていますね。例えば、問題が起きたらすぐにそれを解消して、なによりも今はバンドを進めていく方がバンドにとって有意義だと思っているので。

Ruiza:きっと、そういう気持ちが「最近、調子いいね」って周りから言われることに繋がってるんだろうね。僕の場合、ソロではあるけど結局1人でやっているわけではなくて。なんでもそうですけど、もしも「すべて自分が」って思ってるんだとしたらちょっと勘違いというか。とてもじゃないけどそんな風には思えないし、ソロだけどRuiza BANDのメンバーには意見も聞きますし、最初からみんなには「バンドだと思ってね」って話して気軽に意見が出てくる環境にしたかったんですよね。とにかく、メンバーやスタッフ含めて全員がどんなときでも楽しくありたいと思っているのと、過去に対しても誰か1人ではなく、みんなで作ってきたものだからこそ大事にしていきたいということも踏まえて、今の僕はこういう考え方になってると思うんですよね。


――まさに、これまでのことを活かしてこその共演や対談が実現したというのもあるでしょうから、Zeke Deux主催ツアーは非常に意味のあるものになるんじゃないかと思います。

Ruiza:だからこそ、なんとしてでも成功させたいですね。そのためにアドバイスできればいいと思いますし、すでにいろいろとアイディアは伝えています。


――なんと! 強力なアドバイザーですね。

Kakeru:そうなんです。僕らの立場的に、事務所の社長から言ってもらえることはあっても、こうやってバンドマンの先輩から言ってもらえる機会はどんどん減ってきているので、むしろすごく有難いんです。Ruizaさんの愛を感じますね。

Ruiza:ちょっとでも良いものになれば、と思っているので。これも結局、自分だけじゃなくてみんなでやることなんで、出演するバンドさんみんなが良くなったら、みんなハッピーじゃないですか。せっかく参加するんだったら、全バンドのお客さんも含めてそうしたいなって思いますね。僕らは4公演だけの出演になるんですけど、その4公演をスペシャルなものにしたいと思いますし、「行けばよかった」って思わせるものを届けるつもりでいるので、「来なさいよ」っていう感じですね。この対談も、一つのきっかけになったらいいなと思っています。

Kakeru:本当に、Zeke Deuxのために、Zeke Deuxを良くしようと思っていただけているのが痛い程わかるので。僕らはもう、ガムシャラにやるしかないかなと思っています!