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<対談>【kisui×Kakeru(Zeke Deux)】Special 2MAN[Re:CREATORS]にて共演。貫かれる、各々が抱くヴォーカリストとしての“信念”とは?

2026年1月23日、巣鴨獅子王にて kisui × Zeke Deux Special 2MAN[Re:CREATORS] が開催される。今回、Zeke Deuxが2マンの相手として声をかけたのは、Phobiaのヴォーカリスト・kisuiだ。過去にはPhobiaとZeke Deuxによる2マンライヴが行われたことがあるが、今回はkisuiが“ソロ”として参加する。

本公演に先駆け、kisuiとKakeruの2人を招き、ヴォーカリスト対談を実施した。バンドとソロという異なる活動形態を持ちながらも、互いの関係性を軸に、内に秘めた思いを語ってもらった。


――2026年1月23日に開催されるkisuiさんとZeke Deuxの2マンライヴ『[Re:CREATORS]』に先駆けての対談となりますが、まずは今回の2マンが実現した経緯から伺っていきたいと思います。

Kakeru:もともとは、昨年PhobiaとZeke Deuxが2マンをやったことがあって。


――2月10日に池袋BlackHoleで行われた、Phobia×Zeke Deux 2MAN『新月の夜の奇妙なる交わり』ですね。

Kakeru:はい。そのときはウチの社長からのすすめで、「Phobiaと2マンやってみるのはどう?」っていうところからのスタートだったんです。kisuiさんのことは一方的に知ってはいたんですけど、そのときが“初めまして”だったんですよね。

kisui:Phobiaとの 2マンの提案は、社長さんからだったんだね。そのいきさつは、初めて知りました。

Kakeru:そうなんです。依織さん(Phobia / Gt)とは、俺とHarukaくん(Zeke Deux / Gt)も交流があったのもあって、「Phobiaとの2マン、良いですね!」っていうところからでした。それをきっかけに、今回もこちらからkisuiさんをお誘いさせていただいたという形です。


――それこそ“一方的に知っていた”というKakeruさんにとっては、kisuiさんやPhobiaはどういった存在だったんでしょうか?

Kakeru:Phobiaはバンド的にも刺激的で激しい音楽性だったのもあって、初めはkisuiさん自身もイケイケでオラオラしている人なんだろうなというイメージがあったんです。でも、実際にお会いして話をしてみたら、後輩の俺に対しても丁寧に接してくださって、正直「不思議な人だな」という印象はありました。もともと依織さんからkisuiさんの話は伺っていたんですけど……。

kisui:依織からは僕のこと、どういう人だって聞いてたの?

Kakeru:“変わってる人”ですね。「kisuiさんはkisuiさん」みたいな感じで。それもあって、初めてお会いするときはドキドキしながら会場に入りをしたんですよ。

kisui:なるほどね(笑)。やっぱり、ヴィジュアル系だったりPhobiaのバンドイメージからして、実際に素っ気ない態度だったら「本当に変な奴だな」って思われちゃうのが嫌で、そこに関しては「ちゃんとしなきゃ」って昔から気を付けてはいるんですよね。


――対してkisuiさんは、KakeruさんやZeke Deuxに対してどんな印象があったんでしょう?

kisui:Phobiaとの2マンのとき、会場入りして挨拶はしたものの、その後しばらく会話がなかったんですよ。僕も奥手なので、あまり自分からガツガツ話しかけるようなタイプではないんですけど、まず「どういう人たちなんだろう?」っていうのを知るためにZeke Deuxのリハーサルを拝見してたんです。そのときの第一印象は、「うわ、歌上手いな」と。だから、「この人たちと対バンするの、ちょっと嫌だな~」って思った(笑)。

一同:(笑)

kisui:そこで、Zeke Deuxというバンド名しか知らない存在から、まず「ヴォーカルが歌が上手いバンド」、それにKakeruさんに対しては「華のある方だな」っていう印象に変わったんです。で、楽屋に戻ってバンドのワチャワチャしている雰囲気を見ていても「仲の良いバンドだな」って思ったし、「意外といい人たちだな」って思ったんですよね。こちらはこちらで、見た目から察するに「(Zeke Deuxは)バチバチしてる人たちなのかな」っていう印象を持っていたんですけど、ウチのギターの依織とも仲がいいメンバーがいるし、実際にバンドの雰囲気を見ていたら「いい人たちだ。これは話せるな」と思ったんですよね。


――お互いに印象の変化もありつつ、交流が始まったんですね。

kisui:そうですね。でも、そのときはライヴが終わるまで話すタイミングがなかったんですけど、やっとお互いに時間のゆとりができたときにちょっと“90年代トーク”をしまして。それを機に心の距離が一気に縮まって「仲良くなりたいな」と思いましたし、Zeke Deuxの音楽にも興味を持てるようになったんです。僕、基本的に人の曲はあまり聴かないんですけど、Zeke Deuxは積極的にYouTubeで映像を見させてもらいながら「こういう曲なんだな」って勉強させてもらいました。

Kakeru:ありがとうございます! 僕としては、今でこそ自分の好きな音楽性に辿り着いて自分らしさを持って活動できているものの、バンドを始めた当時はkisuiさんや先輩方の音楽性に近づきたいっていう思いでやっていたところはありましたし、そういう憧れの対象でもあって。ちなみに、俺がPhobiaを初めて知るきっかけとなった曲が『neo-Nazism』だったんですけど、以前依織さんとHarukaくんと俺の3人でツイキャスをやっていたときに突然kisuiさんに電話をして電話越しに参加してもらったことがあって、そのときに2マンに向けて『仮面舞踏会』と『neo-Nazism』をリクエストさせてもらったこともありましたね。


――まさしくPhobiaはヴィジュアル系シーンの中でも90年代から“名古屋系”として名を馳せていたわけですけれども、kisuiさんがこのシーンで活動されてきた中でご自身の軸になっていたこととは、どういったことがあるんでしょうか?

kisui:初期の頃は、なんだかんだ“人と被らないこと”ですね。個性をどうしたら出せるのか、どうしたら表現できるのかっていうところだったと思います。そこでまず考えたのが、お客さんがバンドをどう見ているのか、バンドの何を見ているのかっていうことだったんです。単純に「音楽を聴きたい」っていうことだったら極論CDでもいいわけで、だとしたらライヴに来ている人たちは動いている僕たちを観に来ているわけだから、そこで僕が個性を出すっていうことを考えたときに“人より動けばいい”って思ったんですよ。


――そこで、kisuiさんなりのライヴパフォーマンスの主軸が出来上がったんですね。

kisui:はい。当時、名古屋 MUSIC FARMにPIERROTさんがいらしていて、ライヴを拝見したときにキリトさんが『ドラキュラ』という曲で振り付けをなさっているのを見て、衝撃を受けまして。しかも始終動いているわけではなくて、要所要所でかっこよく動いていらっしゃるのを見て、僕にそんなことができるかどうかはさておき「まず、キリトさん以上に動いてみよう」と思ったんです。そこからなんとなく振り付けを始めて、極力すべての曲で何かしらのアクションを起こすように意識していった結果、今となっては「あんなに動いてる人、他にいなかったですよ」みたいな話をよくされるようになったんですよね。だから結果論ですけど、音楽で個性を出すことは作曲をしているメンバーに任せていたとして、ヴォーカルとしてエンターテインメントの一翼を担う者としてはある程度の個性は出せていたのかなと思いますね。

Kakeru:2マンのときにリハーサルも観させていただいたんですけど、リハーサルから本番さながらに動いていましたからね。

kisui:あれはね、可動域をリハで確認するためでもあって。僕の場合、結構横に動くこともあるから、メンバーとお互いの距離感を確認する意味も込めてやっているんですよ。


――Kakeruさんも、これまで見てきたヴィジュアル系シーンに感銘を受けてきた部分も多々あるかと思うのですが、それをどういった形で今の表現に活かしているんでしょうか?

Kakeru:kisuiさんは、このシーンで“個性的”という道を作ってこられた方だから、自分的に今後それをどうやって作っていくのかっていうのは課題ではありますよね。実際に今のkisuiさんの話を聞いていて、「俺の個性ってなんだろう?」って改めて考えるところもありましたし。周りからは「歌が上手い」っていう風に言ってもらえることは多いんですけど、自分では全然そうは思わないんですよ。

kisui:いや、そんなことないけどね!

Kakeru:新しいことをやろうとしても、世界中のバンドを隅から隅まで知っているわけではないから、どこかしら似ているところがあるバンドはいるだろうし。その中でズバ抜けるにはどうすればいいのかっていうのは、永遠のテーマだと思いますけどね。

kisui:ただ僕としては、他のパートに関しては詳しくわからないですけど、“ヴォーカリストとして”というところであれば、生まれてきた時点でもう、個性がバンバン出てるんですよ。その人の声はその人にしか出せないものであるという、まずはそれが個性なので。その声が、世間にどう受け入れられるのかは神のみぞ知るなんですけど、生まれ持った個性である自分の声をかっこよく聴かせられる歌い方とキーやリズムの取り方を習得する、まずはそこなんだと思うんです。その上でエンターテインメントとして見たら、自分の動きも個性になってきますから、それが上手くミックスされたときが爆発しているときなのかなと。とはいえ僕自身も「まだまだだな」と思っているので、そこはKakeruさんと一緒ですね。

Kakeru:そもそも、自分の声を未だに好きになれないんですよ。何度もレコーディングしてきましたしライヴ映像も何百回と観てきましたけど、やっぱり自分の声って好きになれなくて。kisuiさんは好きですか? 自分の声。

kisui:それこそ、初めてレコーディングしたときに「僕はこんな声してたんだ」って初めて認識したんですけど、そのときから関心として興味はあるものの、未だに良いも悪いもないんですよね。自分の声を聞いていて思うのは、「ココ、もっとこうしたらいいのに」とか「どうやったらもっと上手くなるのかな」って、多角的に見ちゃってる部分はあると思う。たぶん、自分の歌声が世間に広く受け入れてもらえたら自ずと好きになっていくんでしょうけど、本当に結果は死ぬまでわかんないのかなって思いますね。


――そこで、今回はZeke Deuxとkisuiさんのソロでの2マンということになるんですけれども、kisuiさんのソロ活動は2024年から開始されたんですよね?

kisui:はい。“依織のせい”で(笑)。


――そうだったんですか!?

kisui: Phobiaのツイキャス内で依織が、「kisuiは、ソロやったらいいじゃん」っていう話をしたんですよ。それを聞いたお客さんの中には喜んでくれる方が若干数いらっしゃって、話を頓挫させるわけにもいかなくなった手前、始めさせていただきました(笑)。でも、実際にソロをやったらやったで楽しくていい経験になりましたね。もちろんメインは依織と2人でやっているPhobiaなんですけど、ソロはこれからも続けていきたいなとは思っているので、今はPhobiaとソロの2つで活動しています。やっぱりPhobiaは、大きな変革は見せずにやりたいことの一本筋を通せたらなと思っていて。その枠から飛び出したものがソロだと思っているので、Phobiaと近しいことをやっても面白みがないと思う部分もあるんですよ。


――その辺りが、バンドとソロとの住み分けでもあるんですね。

kisui:実は昔、「もしも僕がメジャー・デビューして売れっ子になってソロができるとしたら、何をやるか」っていうのを考えたことがあったんです。それで、「自分の声色にはどんなジャンルの音楽が似合うのかな?」って考えたときに、意外とhideさんやTHE MAD CAPSULE MARKETSのようなデジタルロックサウンドの系統に合うんじゃないかと思っていたんですよ。やっぱり、当時からオンリーワンでありたいと願っていますし、“僕だけができること”を目指してる部分もあったので、だったらヴィジュアル系シーンでもあまり類を見ない、デジタルロックサウンドに振り切った方向性で戦った方が個人的にも楽しいな、と。デジタルロックサウンドは、個人的に好きでしたし。なので、Phobiaとは毛色の違う方向性で、僕の中でソロの方はいろんな挑戦が重なったものになっています。

Kakeru:kisuiさんのソロに対する個人的な感想は、「kisuiさん、こう来たか!」だったんですよ。音楽性がデジタル系だったことに意外性を感じつつも、まったく違和感はなく。これは少し生意気かもしれないですけど、何よりも1人でステージに立って歌うっていうことが単純にすげぇな、と。それに加えて、パフォーマンスの一環としてお客さんがランタンを持っていたりするじゃないですか。そういうのも最近あまり見ないですし、いいなと思っていて。

kisui:ランタンに関しては、もともとキャンプグッズなんですよ。僕、キャンプが好きで(笑)。光るグッズとしてペンライトでも良かったんですけど、自分の趣味から着想を得て自分のデザインを入れてオリジナルグッズとして作ったんですよね。せっかくだから、ファンの方にライヴで使ってもらおうと思ったっていうのが発端なんですよ。


――好きが高じてといったところでもあると思うのですが、それがオリジナリティに繋がるというのも素敵だと思います。一方Zeke Deuxは、2026年の活動も続々と決定してきている中、大きなライヴとしては6月24日に控える渋谷WWWでのワンマンライヴですね。

Kakeru:はい。今年はメチャクチャ自分たちが主軸となる企画をやってきたんですけど、来年は積極的にイベントライヴにも出演していきたいと思っていますし、2マンのような長い時間ライヴを観ていただける機会を増やしていこうと思っていまして。


――その1つがkisuiさんとの2マンでもあると思うのですが、12月19日にもZeke Deux主催のクリスマスツアーでkisuiさんとの共演の機会がありますけれども。

Kakeru:しかもその日、kisuiさんの誕生日前日なんですよね!

kisui:そうなんです。僕としても、ちょうど誕生日近辺で「東京でライヴができればいいな」と思ってたんですよ。そこでZeke Deuxさんをお誘いするつもりでいて、「明日にでも電話してみよう」と思ってたときにKakeruさんから電話がかかってきたんです(笑)。それが19日のライヴのお誘いだったので、これは有難く乗っからせてもらおうと!

Kakeru:それもあって、「1月に2マンをやるなら、相手はkisuiさんがいいな」と。だから、流れとしては自然だったんですよね。来年は、6月に向けて我々も新規開拓という意味も込めて3月から主催ツアー(「Dawn of The Luminous Tears」)も始まりますし、Zeke Deux のライヴを観てもらえる機会を増やしたいなと思っているところです。


――今、Zeke Deuxは5年目に突入しているところではありますけれど、kisuiさんが現在のZeke Deuxを見ていてどんなことを感じていますか?

kisui:まず、「Zeke Deuxには芯がある」っていうところで、単純に僕は好きなんですよ。これは他を否定するわけではないことを前提にお話させていただくんですけど、僕は90年代をメインに活動していた人間で、当時の様子を簡潔に話すと、本当にヴィジュアル系とは名ばかりで、音楽的なジャンルで言うとパンク系もいればメタル系もいるし、ロック系もいるっていう感じで、本当に多種多様な世界だった記憶があるんです。でも、いつのまにか“右に倣え感”が強くなっていって、みんな同一方向を向き始めたなと思ったところで、僕はパツっとバンド活動を終えたんですよ。


――Phobia解散が、2002年5月1日のことでした。

kisui:それで、僕はこのシーンに3年前に戻ってきたんですけど、それまでのバンドから離れていた期間、僕は一切ヴィジュアル系に触れていなかったんです。それこそ20年近く経ってヴィジュアル系の世界に戻ってきたときに、やっぱり僕が最後にこのシーンに抱いていた印象と何も変わっていなかったというのが正直な感想だったんですね。その中でZeke Deuxさんと対バンさせていただいたときに、「このバンドはちゃんと自分を持ってるな」と思って、すごく嬉しかった記憶があるんです。だから、Zeke Deuxは世間に流されないバンドさんだな、と。

Kakeru:頑固者の集まりなんですよ(笑)。でも、我々も長いことこのヴィジュアル系の世界にいるメンバーばかりなので、一周回って結局みんながやりたいことというか、一番落ち着く音楽性に辿り着けているのかなとも思うんですよね。それぞれいろんなものが好きだけど、やっぱり90年代の雰囲気が好きですし、そこに落ち着いたのが今のZeke Deuxなのかなと。それでも常に今までにない新しいものを見つけながら、物語を書いていこうとしているところではあります。


――やはり、活動の主軸として大切なのは自分たちが何をしたいのかという意志ですよね。その点、それぞれの軸がしっかりとした両者の2マンは、非常に期待が持てるところです。

kisui:僕の場合、オケを流して1人で歌うことになるので、理屈で言うとまず音圧では勝てないんですよ。バンドサウンドには負けるというハンデがあるとは思っているんですけど、世の中には同じ形態で活動している方もたくさんいて、なおかつ突出して人気のある方々もいるわけなので、最近では“音圧を理由にはできない”っていうことを自分自身に課しているところはあるんです。正直、ステージに立つからには“根拠のない自信”は必要だと思っていて、僕自身もこうして復活してからは当時抱いていた野心や根拠のない自信は感覚的に取り戻せている気はしているので、これからもその炎を絶やさずに行きたいと思っています。バンドであれソロであれ、お客さんとしては何かしら会得できるライヴにしたいと思いますね。僕もキャリアを積み重ねてきたこともあって、「野心一辺倒でライヴをやるのもなんだかな」という大人の考えも同時にあるので、Zeke Deuxは気が知れた方々でもありますし、楽しい思い出の一つとして記憶に残るようなものにしたいと思っています。結果的に自分が楽しむことができれば、お客さんもきっとその空気感を感じ取って楽しんでくれると思うので、そんな1日にしていきたいですね。

Kakeru:普段、kisuiさんと連絡を取らせていただいているのは俺なので、これを機にウチのメンバーとも仲良くなってほしいなと思いつつ。先輩ではあるんですけど、すごく甘えやすいというか、なんでも話せる雰囲気で接してくれるのがとても有難いので、先輩の肩を借りながら、kisuiさんの背中を見て人間性やスタイルを勉強させていただきたいと思っています。ただ、やるからには「負けません」という気持ちで行きたいと思いますし、あとはなによりもお互いのお客さんがハッピーになるのが一番かなと思います。


取材・文 平井綾子

写真 Kiwamu Kai


2026年1月23日(金)巣鴨獅子王

kisui × Zeke Deux Special 2MAN

[Re:CREATORS]

OPEN 17:30 / START 18:00

前売 ¥4,000 / 当日 ¥4,500(※D代別)

出演:kisui(Phobia)、Zeke Deux


【チケット】

■A:eプラス (チケット発売日2025年11月08日10:00)

https://eplus.jp/sf/detail/4427730001-P0030001

※転売防止のため整理番号のスタートはランダムになっています。


■B:当日券

※バンド予約無し

入場順:整理番号順