INTERVIEW

<対談>【Kakeru(Zeke Deux)×KEITA(Sclaim)】時を経て、遂に叶う“約束の2マンライヴ”――「“次を約束する”ライヴにしたいと思っているんです」(Kakeru)

2月4日に西荻BETTYROOMにて開催される、Sclaim × Zeke Deux Special 2MAN『Fragments of Promise』。本公演に先駆けて、Zeke Deuxのヴォーカル・KakeruとSclaimのギター・KEITAによる対談を実施した。

この2マンライヴは、公演タイトルにもなっている通り、KakeruとKEITAのとある“約束”がカギを握っているという。そこで本対談では、2人の関係性やそれぞれに起きた変化を探りながら、その“約束”の意味を紐解いていく。

“あの日”から時を経て、ついに実現する共演。未来へとつながる新たな約束を交わすためにも、ぜひ念願叶った奇跡の瞬間を目撃してほしい。


写真:Kiwamu Kai

取材・文:平井綾子(Ayako Hirai)


――まず、お二人が初めて会ったのはいつ頃だったんでしょうか?

Kakeru:初めて会ったのは、俺がまだScarlet Valseで活動していた頃だったので、2017年ぐらいかな。ウチのレーベル主催のイベントに出てもらったのをきっかけに話すようになったという感じですね。Sclaimに対する第一印象は、「上手いバンドだな」っていうのがまずあって。演奏もそうだし、楽曲も俺好みだったし、だから仲良くなりたいと思ったんです。

KEITA:ただ、僕が結構人見知りなんですよ。逆にKakeruさんはグイグイくるタイプで、なんというか……“コミュ力おばけ”というか。

一同:笑

KEITA:でも、積極的に話しかけてくれたので有難かったですよ。Kakeruさんに対しては、初めから「華やかだな」っていう印象があったんです。ヘアメイクや衣装の雰囲気からして常に仕上がっているというか、“魔王”っていう感じ。それもあって、ちょっと近寄り難いイメージがあったのかもしれないです。だけど、話し始めるとすごく気さくに話してくれて。

Kakeru:その流れで、「2マンやりましょう」っていう話になったんですよ。


――それで行われたのがKakeruさんの前身バンドであるScarlet ValseとSclaimの2マンライヴで、2018年のことだったかと思います。

Kakeru:そうです。そのときに「“また”やりましょうね」っていう約束をしたんです。とにかく、すごく楽しかったんですよね。

KEITA:(池袋RUIDO)K3でしたね。その後、コロナもあったりしてだいぶ期間が空いちゃったり、いろいろあったりして記憶がちょっと薄れている部分もあるんですけど、K3での2マンのことはすごく覚えています。ステージからの景色もハッキリ覚えているくらい、印象に残っていますね。

Kakeru:当時、揚羽蝶(※Scarlet Valseのファン)もSclaimのことを気に入ってくれたみたいで。

KEITA:そう。ファン同士も、お互いのバンドをちゃんと観てくれてました。

Kakeru:正直、ジャンルとかヴィジュアル面を踏まえても、近しいものがあるバンド同士ではなかったと思うんですよ。


――言うなれば、Kakeruさんサイドの耽美で退廃的なものと、Sclaimのスタイリッシュさとでは、系統が真逆とも言えますよね。

Kakeru:そうなんです。でも、メンバーもファンもお互いを受け入れてくれたので、すごくいい2マンだったんですよね。だから、「“また”やりたいな」と思っていたんです。

KEITA:今思い返しても、いい2マンでしたよね。


――真逆な個性が、いい相乗効果を生んだ結果だったということですね。そして、今に至るまでにKakeruさんは2021年にZeke Deuxを結成したわけですけれど、それからSclaimと共演というのは……。

Kakeru:それが、Zeke Deuxになってからは今度の2マンが初めての共演になるんですよ!


――すると、まさに念願叶っての「“また”やりましょう」の2マンが、2月4日の西荻BETTYROOMで行われるライヴということで、『Fragments of Promise』という公演タイトルにつながってくるわけですね。

Kakeru:はい。俺はバンドが変わって、Sclaimもヴォーカルがチェンジするという、お互い変化がありましたけど。

KEITA:お互い形は変わりましたけど、やっとあのときの“約束”が叶うという。


――実際、2マンの話が持ち上がったのはいつ頃だったんですか?

Kakeru:それこそコロナ禍が落ち着いてきて、みんなで飲食できるようになったぐらいのタイミングですね。それまでも連絡はちょこちょこ取っていたんですよ。その頃、Sclaimに解散の話が出ていて、「そんなのもったいない!」っていう話をしていたんです。

KEITA:すごく相談に乗ってもらいました。今でも、しょっちゅう相談に乗ってもらってますけど。

Kakeru:なんなら、Zeke Deuxもそのとき今の体制になる前で俺とHarukaくん(Gt)しかいなくて新メンバーを探すか、原点回帰で活動開始時のようにユニットに戻るか悩んでいる時期で、「これは、2バンドがくっついたら行けるんじゃ!?」なんて、ちょっと考えたりもしたんですけど(笑)。連絡を取りながらバンドの相談も受けていたんです。


――Sclaimは、2025年2月に前任ヴォーカルの解雇という発表があって、その後すぐに新体制の発表がありましたよね。その際に出ていたKEITAさんのコメント内にも、“ゲストヴォーカルを招いて最後にベストアルバムを出して解散”という話もあったということでしたから、実際に解散の話も出ていたかと思うのですが……。

KEITA:はい。本当に限られた人にしか言ってなかったんですけど、Kakeruさんには「解散することになりました」っていう報告もしていました。

Kakeru:そのタイミングで、Sclaimの楽器隊3人と俺の4人で焼肉食いに行ったんですけど、そのときにも「何かあったら、俺、歌いますよ」っていう話もして。

KEITA:その言葉が、すごく心強くてね。救われました。


――その後、解散を想定して制作していたベストアルバムがトリビュートアルバムとして発売されることになり、そこへKakeruさんも参加されていて。

KEITA:新ヴォーカルとして常栄が加入してくれて、僕らとしては新しいバンドが動き出すくらいの感覚でSclaimの存続が決定したんですけど、それを受けてトリビュートアルバムをリリースすることになったという経緯ですね。そこで、Kakeruさんには2曲歌ってもらいました。

Kakeru:まず、「これを歌ってくれ」って言われた『Le verseau』と『Gemini』を聴いたとき、『Le verseau』の方は覚えていたんですよ。俺の希望としては、『鳳凰RAVE』を歌いたかったんですけど(笑)。きっと、KEITAさんが俺に歌ってほしい曲を選んでくれたのかなと思ったので、その2曲を歌わせてもらいました。

KEITA:Kakeruさんの声って、雰囲気があると思うんですよ。だから、Sclaimの中でも雰囲気のある曲ということで、『Le verseau』を選ばせてもらって。『Gemini』は、Kakeruさんのバンドの曲は割とメタル要素というかギターを刻んでいるイメージがあったので、それに近い曲を選びました。

Kakeru:レコーディングをした時点では他に誰が参加するのか聞いていなかったんですけど、告知の段階で詳細を聞いたときに、すごいメンツでびっくりしたんですよ! 「この中に俺、混ざっていいんですか!?」と思ったし、トリビュートアルバムのリリースとライヴまでがすごく楽しみになったんですよね。


――確かに、豪華なメンツでしたよね。2025年9月に行われた新体制Sclaimの始動ライヴには、トリビュートに参加されたゲストヴォーカルも出演されて、もちろんその中にはKakeruさんも。

Kakeru:俺、Gargoyleさんが大好きなんですけど、そのライヴのときにCDを持って行って「絶対にKIBAさんにサインしてもらうんだ……!」と思っていたんです。Sclaimがその願いを叶えてくれました!

KEITA:完全に、キッズになってましたね(笑)。

Kakeru:そのライヴでも2曲歌ったんですけど、『Gemini』の方はあんまりライヴでやらない曲っていうことで、俺が歌ったのを機に封印しようと思ってるっていうのを聞いていたんです。「いやいや、何言ってんだ!」って(笑)。この先もやってほしいと思ったから、どうにか盛り上がる方法はないか?って、サビの振りを考えていったんです。で、ライヴ中の短い時間で振付講座みたいなことをして歌ったんですよ。

KEITA:それもあって、封印できなくなっちゃいました(笑)。『Gemini』はかなり昔に作った曲なんですけど、Kakeruさんに歌ってもらったライヴのときが史上最高に盛り上がっていましたし、それを見て「さすがだな」と思いましたね。


――この一連の出来事も、新ヴォーカル・常栄さんの存在があって、Sclaimが存続してこそ起こったことだと思うんです。

KEITA:本当に、振り返るといろんなことがありました。正直、マイナスな記憶だけが残ったまま終わってしまうはずだったSclaimなんですけど、常栄がマイナスなものをすべてプラスに変えてくれたんですよね。

Kakeru:俺も、常栄さんとはかなり前から面識があって、Scarlet Valse時代にはよく対バンしていたこともあったから、会うのが楽しみだったんです。

KEITA:そういう話を聞いていても、なんだか“縁”を感じるというかね。俺はもともと常栄の歌が大好きで、友だちだけどファンだったんですよ。

Kakeru:すごく“縁”はあると思います。お互い、当時から変化はあるけど、8年ぶりに“約束”を果たせるので。ちなみに、HarukaくんはSclaimの存在を知っていたんで、2マンやることにもすぐに賛成してくれたんです。


――ここまでの経緯を考えてみても、今回の2マンの実現は感慨深いものがありますね。お二人は長きにわたりヴィジュアル系シーンでバンド活動を行ってきましたけれど、その中での経験もあったからこそ、お互いがピンチに陥ったときに交わせる言葉もあったと思うんです。

Kakeru:そうですね。“続ける”っていうのはすごく大変だけど、続けてきたからこそ、いろんな人と接してきた中で感じられることは絶対にあったし。そう考えたら、Sclaimの楽器隊はすごく長い付き合いだと思うんですよね。俺としては、そういうのがすごく羨ましくもあるんです。だからこその苦労もあるだろうけど、成功したときに長い付き合いでバンドをやってきたからこそ感じられることがあると思うし、KEITAさんにはそれがあると思うと羨ましい部分はありますよね。

KEITA:今、Kakeruさんが言っていたのと同じことを、常栄も言ってくれたんです。「3人がずっと守ってきたものを守りたかった」って、ライヴのMCでも話していたんですよね。自分たちからするとただ必死にやってきただけで、周りから言われることで「ここまでよくやってきたな」って実感するというか。

Kakeru:新体制のライヴを観ていても、メンバー同士の絆だとか、常栄さんのSclaimに対する愛情はすごく感じましたね。

KEITA:常栄自身、歌を歌うことから離れていましたし、「もう歌わない」っていう固い決意をしているのも知っていたんですよ。さっき言った通り、僕自身が彼のファンでもあるから、過去の楽曲はずっと聴き続けているんですけど、新たに歌声を聞くことはできないだろうなと諦めていたんです。でも、「俺で良ければ歌うよ」って言ってくれて、また常栄の歌声が聴けるだけじゃなくて、まさか一緒に(バンドを)やれるっていうところで、なんていうんだろう……救ってもらったのは僕たちの方なのに、常栄は「むしろ、ありがとう」って言ってくれるんです。「俺を救ってくれたのは、Sclaimだ」って。


――素敵な関係ですね。改めて、KEITAさんがこれまでバンド活動を続けてきた中で大切にしてきたことを言葉にするならば、どういったことだったんでしょう?

KEITA:バンドを始めたガキの頃に自分で言ったことなんですけど、「メンバーやスタッフを裏切るようなことをするのはやめよう」っていう約束をしたんです。それはバンド以前に人間として大切なことだし、チームであるということを大切にしながらやってきたんですよ。やっぱり人としての信頼がなくなっちゃうと一緒にはできないと思うし、いいものが作れないと思うので。

Kakeru:KEITAさんの話に通じるところもあると思うんですけど、俺も、常栄さんがやっていたFreeというバンドのYOUさん(Ba)からいただいた言葉で「音楽は人が作って人に伝えるもの」だから、人間がちゃんとしていないとダメだっていうのがあって。周りの人を裏切らないっていうのもそうだし、人脈とか人の輪を大切にすることは、音楽を作ることや音楽を人に伝えることにつながってるんだよっていう、YOUさんからいただいた言葉を今でも大切にしていますね。ヴィジュアル系アーティストとはいえ、中身は人間だから。

KEITA:そうですよね。それはきっと、ファンに伝わるところもあると思うんです。

Kakeru:こういう対談もそうですけど、言葉にして伝えることも、音楽を作ることの一つだと思うんですよ。楽曲から伝わることもあると思うんですけど、そこにはそれぞれの解釈があると思うし、「この曲を作ったのはどういう人なんだろう?」とか「どういう意図で作ったんだろう?」っていうことを掘り下げていくと、そこからまた伝わるものもあると思うんです。逆に、そこがちゃんとしていないと何も伝わらないというか。

KEITA:上っ面な、表面的なことになっちゃいますからね。もちろん、人間性をぶっちぎるような圧倒的な存在感があれば違うと思うし、そういう場合もあると思うんですけど。

Kakeru:そういう人も、蓋を開けてみたら人間臭い部分もあると思いますし。

KEITA:人がついてくるとか、人から支持されるっていうのは、そういうことですよね。


――根本にある感性も近しいものがあるお二人だからこそ、お互いのバンドについて話をしていてもプラスの方向に向いていくお話ができるのかなとも思いました。さて、2026年を迎えまして、Zeke Deuxとしては6月24日に控える渋谷WWWでのワンマンライヴが上半期のメイントピックスになります。

Kakeru:はい。このSclaimとの2マンも含めて、長い時間ライヴを観てもらえる2マンライヴを行いつつ、3月からは渋谷WWWに向けて全10公演に及ぶ『Dawn of The Luminous Tears』ツアーをまわります。


――Sclaimは、ひとまず現状で決定しているライヴが、Zeke Deuxとの2マンと4/5のアコースティックワンマンになりますね。

Kakeru:俺からの要望としては、Sclaimはもっとライヴを増やしましょう!

KEITA:そうですね。実は、クリスマスにやったアコースティックライヴも、Kakeruさんきっかけで決まったんですよ。

Kakeru:新体制の始動ライヴ以降のスケジュールが決まってないのは、ファンのみんながかわいそうだと思ったので「(ライヴを)決めましょう!」と。次のスケジュールが決定しているのは、ファンの安心感にもなりますからね。それで、「常栄さんの歌がすごくいいから、アコースティックでも行けるんじゃないか?」っていう提案をしたんです。なんだか、“パパ”みたいでごめんなさいね(笑)。次のスケジュール、どうします?

KEITA:近々、またパパに相談したいと思います(笑)。ただ、もともとは月に何本もライヴをやっていたんですけど、新体制で動くにあたって「以前とは違うやり方をしていこう」っていう話を最初にしたんですよ。現状はライヴの本数を絞って、なるべくたくさんの曲を聴かせてあげたいっていう意図もあって。


――そのための工夫もあるんですよね?

KEITA:はい。Sclaimの音源を作ったり、常栄の“歌ってみた”というアプローチをやりたいと思っていて。第一弾としてROUAGEさんの『白い闇』をカバーさせていただいたんですけど、それ以外にも今、レコーディングを進めているんです。


――きっとそれは、今のSclaimの強み=常栄さんの歌という部分が明確だからこその活動の仕方でもあるのかな、と。

KEITA:まさに、バンドの武器ってヴォーカルだと思うんですよ。バンドの顔なので。今のSclaimは、そこに自信を持てる状況でもあるんです。常栄の活動スタイルとして、2.5次元というか、アー写がイラストなんですよね、そこも“歌ってみた”と連動させたいんです。で、ライブに行けば会えるという。


――なるほど、そういった意図が!

KEITA:とにかく彼の歌声を広く届けたいので、それこそ“歌ってみた”界隈にも届いてほしいし、それをきっかけにライヴに来てもらえる状況を作りたいと思っているんです。こういう活動スタイルも他にはないと思いますし。


――新しいですね。すると、両バンドの2マンはより貴重なライヴの機会となりますし、お互いの“約束”が果たされる日ということでも期待が高まります。

Kakeru:俺が今思っているのは、“次を約束する”ライヴにしたいと思っているんです。

KEITA:それは、そうですね。

Kakeru:せっかく“約束”が叶って「楽しかったね」で終わるんじゃなくて、ちゃんと次の約束もしたいじゃないですか。その、次の約束が喜ばれるかどうかは、今回の2マンにかかっているとも思うんですよね。Scarlet ValseとSclaimのときはすごくよかったけど、Zeke Deuxとしては初めてなので未知な部分があるものの、Lux(ルクス / Zeke Deuxのファン)はSclaimのことを受け入れてくれると思うんです。逆に俺らは、Sclaimのファンに受け入れてもらえるようなパフォーマンスをしたいなと思います。

KEITA:ファンの名前、“Lux”ってかっこいいですね。

Kakeru:“Lux”はラテン語で“光”っていう意味で、我々を照らす光でいてほしいっていう意味で付けたんです。Sclaimは、ファンの子たちが自主的に“スクレイマー”って言ってますよね?

KEITA:そうですね。僕たちも、新体制になったのでファンの呼称がほしいですね。パパにつけてもらいたい!

Kakeru:じゃあ、2マンまでに考えておきます! 宿題ができましたね(笑)。


――また一つ、楽しみが増えたということで!

KEITA:本当に、“約束の2マン”っていう言葉がまさにピッタリという感じで、お互い約束を忘れていなかったんですよ。思い返せば、コロナ禍で会っていなかった間も、僕もKakeruさんも配信をやり続けていて、個人的に共通点を感じていたんです。お互いそういう時期を乗り越えて、あのときとは違う形になっても約束が叶うことが本当に嬉しいですし、やっと叶う2マンなので本当に楽しみです。


2026年2月4日(水)西荻BETTYROOM

Sclaim × Zeke Deux Special 2MAN

[Fragments of Promise]

OPEN 17:30 / START 18:00

前売 ¥4,000 / 当日 ¥4,500(※D代別)

出演:Sclaim、Zeke Deux


【チケット】

■A:eプラス (チケット発売日2025年11月15日10:00)

https://eplus.jp/sf/detail/4429900001-P0030001

※転売防止のため整理番号のスタートはランダムになっています。

■B:当日券

※バンド予約無し

入場順:整理番号順