INTERVIEW

【対談】こーちゃん(Z CLEAR)×鷹乃助(CHAQLA.)互いを刺激し合う正真正銘のライバル。闘志と野心で結ばれたベーシスト対談

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互いにリスペクトを抱きながら、ライバルとして意識し合うこーちゃん(Z CLEAR)と鷹乃助(CHAQLA.)の対談を実施した。

ベーシストとしての理想やバンド内での立ち位置、ヴィジュアル系に対する思いまで、2人の言葉から浮かび上がってきたのは現状にとどまることなく向上していくという強い意志だった。

先輩たちから受け取ったものを胸に、次世代を果敢に切り開いていこうと進化していく本音をこーちゃんと鷹乃助が語り合う。


――まずは、今回お二人が対談を行うことになったいきさつから伺ってもいいですか?

こーちゃん 僕から鷹乃助くんをお誘いしました。Z CLEARは今ツアー中(ONEMAN TOUR『序曲』-結成-)で、来年2月25日にグランドファイナルとしてVeats Shibuyaという大きなキャパの会場に挑戦するんですけど、そこに向けて何回かに分けてベーシスト対談をやっていきたいと思ったんです。


――これもまた、バンドを知ってもらういい機会になりそうですね。

こーちゃん はい。そこで、僕がリスペクトしているベーシストの方にお声がけしていこうと思っていて、その一発目ということで鷹乃助くんにお願いしました。

鷹乃助 光栄です。

こーちゃん CHAQLA.とは、まだバンド同士でガッツリ絡めているわけではないんですけど、僕が一方的に鷹乃助くんをライバル視していまして……。

鷹乃助 前にもそう言ってくれてたよね。ありがとう!


――対談の一発目からライバル視している相手をお迎えするなんて、Z CLEARらしい。

一同 (笑)

鷹乃助 でも、声をかけてくれたことはめっちゃ嬉しかった。俺もこーちゃんはベーシストとしてリスペクトしているし、Z CLEARのメンバーはみんな底なしにいい奴ばかりだから好きなんですよ。

こーちゃん ありがとうございます! この先対バンも何本か決まっているし、ここからバンド同士ガッツリ絡んでいけるかなと思っています。

鷹乃助 そうそう、新しくドラムが加入したじゃないですか。俺、まだ5人体制になってからのZ CLEARを観れてないから、すげぇ楽しみなんだよね。特に正式メンバーでリズム隊が揃ったことで、バンドがどう変わったのか楽しみです。

こーちゃん 緊張しますね。でも、完成されてきているのは確かなので!

鷹乃助 お互い、いい刺激を与えられると思うんだよね。気合い入るわ!


――そもそも、お二人が出会うきっかけはなんだったんでしょう?

鷹乃助 NICOLAS主催の『真世界』じゃない?

こーちゃん うん、埼玉会館(小ホール)の! そのときしっかり話したんだよね。

鷹乃助 そこで俺、初めてZ CLEARのライヴを観たんだけど、めちゃくちゃイケてて。で、こーちゃんから話しかけてくれて、打ち上げでめっちゃ仲良くなった。

こーちゃん すごい打ち上げがあったもんね、あの日(笑)。

鷹乃助 うん(笑)。そこが最初だったね。その前にも1回対バンしたのかな?

こーちゃん 僕らが広島から上京する前に、(池袋)BlackHoleであったね。俺は、そこでCHAQLA.のライヴを初めて観て、“このベーシスト、ヤベェ!”ってなった。

鷹乃助 あははは! ありがとうございます。きっと3年前くらいの、CHAQLA.が始動したての頃だったと思う。

こーちゃん そうだね。そこから個人的には意識してました。


――そんなお二人が普段一緒にいるときには、どういった会話をされていることが多いですか?

鷹乃助 結構、こーちゃんが呑みに誘ってくれるんですよ。そういうときには、バンドの近況報告とかを話すよね?

こーちゃん お互いのバンドの相談とかね。

鷹乃助 こーちゃんにはめちゃくちゃ救われたなぁ……。

こーちゃん ちょっと気持ちが下がっちゃってたとき、いっぱい話聞いたね。

鷹乃助 その節は、ありがとうございました。だから、結構こーちゃんとは真面目な話が多いかもしれないです。


――いい関係性ですね。

こーちゃん ベースに関する話題だと、やっぱり機材の話が多くなっちゃいますね。

鷹乃助 あとはバンド内での立ち位置というか、自分はどういうポジションでバンドに向き合っているのかっていう話も多いです。俺の中でヴィジュアル系の先輩で参考にさせてもらっているのは、ZEROさん(NICOLAS)とか70.さん(XANVALA)とか、あとЯyuさん(Azavana)なんですけど。きっと、そういう先輩たちを参考にしているところも、こーちゃんとは近いのかなって。

こーちゃん そうだね。中でも70.さんは、直属の先輩だから。

鷹乃助 そういうルーツも近いんだろうなって、勝手に思ってました。


――それぞれが理想としているベーシスト像も、この機会に伺ってみたいです。

こーちゃん 僕の場合は、理想と自分が今やりたいことはちょっと違うんですけど、まずベーシストとして“この人かっこいい!”っていう原点がIKUOさんだったんですよね。IKUOさんの超絶技巧から入っているので、指弾きで、スラップでっていうのにすごく憧れていたんですけど、実際にベースを始めてからはルート弾きのほうが気持ちいいなと思い始めて。そういう意味では、Jさん(LUNA SEA)寄りなのかなっていうのを感じています。ピック弾きで寡黙に粘りのある音でルートを弾くっていうのが、現実的に出したい音っていう感じになってますね。

鷹乃助 それは、ズゲェ感じる! こーちゃんは、しっかり土台を支えてる。それこそドラムが加入する前から、こーちゃんからはリズムをしっかり支える存在感というか、どっしり構えてるのを感じてた。それは、リズム隊の正式メンバーがこーちゃん一人だったからこそ意識していたことだったのかもしれないけど、丁寧にリズムを作ってる印象はありました。

こーちゃん 楽曲の歯車の1つでありたいというか、曲と一体化したいっていうのがあって。だから派手なことよりも、支えるほうに重きを置きたいとは思ってました。鷹乃助くんのルーツって、何になるの?

鷹乃助 俺が最初に弾いたのは、ラルク(アン シエル)の曲だった。そこからアニソンを弾きまくってて、ヴィジュアル系に触れたのは上京してからだったね。だから実は、思春期にヴィジュアル系を通っていたというわけではなくて、どちらかというと遅咲きなほう。こーちゃんは?

こーちゃん 僕も、最初はヴィジュアル系から入ったわけではなくて、高校生ぐらいにT.M.Revolutionを聴いていて。

鷹乃助 ああ! まさにIKUOさんだ。

こーちゃん そう。でも実は、当時ヴォーカルを目指してたんだよね。純粋に、西川(貴教)さんがかっこいいなと思っていたから。音楽のルーツとしてはそこからで、結局ギターも弾いたりベースも弾いたりしてきて、今はベースに落ち着いてる感じ。だから、ベーシストで影響を受けたのは? ってなったときに、“T.M.Revolutionでベースを弾いていたIKUOさん、かっこよかったな”と思って。

鷹乃助 赤髪なのも、IKUOさんの影響?

こーちゃん 髪色は、完全にIKUOさん(笑)。僕、本格的にバンド活動を始めたのはZ CLEARが初だったんだけど、いろいろ試してきたけど今はまた赤髪に落ち着いてる。

鷹乃助 ちなみに、俺もちゃんとバンド活動をしたっていうのはCHAQLA.が初めてに近いんだよね。だからその辺りもこーちゃんと似てるかもしれないし、それゆえの悩みなんかも話が合うんだと思う。


――節々に共通点も見えてきましたね。こーちゃんさんは、“曲と一体化したい”というスタイルとのことでしたが、鷹乃助さんはいかがですか?

鷹乃助 俺はもう、とにかく自分らしさを追求していて。今、CHAQLA.は4人なんですけど、みんながみんな攻めた個性をぶつけ合って爆発するようなイメージというか。だから、ベーシストとして土台をしっかり作るのはもちろんだけど、攻めたい気持ちのほうが上回ってると思う。なんなら俺の場合は攻めのほうが強すぎて、“もう少しちゃんとルートを弾いたほうがいい”って、よく言われる(笑)。

こーちゃん それくらい、CHAQLA.はステージ上でもバチバチだもんね。

鷹乃助 もともと5人編成だった頃は結構ベースに徹することを意識してたんだけど、4人編成になってからはステージの使い方とか、全体のバランスのとり方もスゲェ考えるようになって。うちはkai(Gt)も結構派手で華があるから、下手にも同じ熱量の人間がいたほうが観ている人には刺さるというか。


――鷹乃助さんは単にベースを弾くだけでなくて鍵盤も併用するなど、パフォーマンスにも力を入れていますよね。お互いテイストは違いますが、ライヴの豪快さという点では共通する部分もあると思います。

こーちゃん お互い、ヴォーカルが突っ走りがちというか(笑)。その突拍子のなさが刺さることもあると思うんですけど、それをいい塩梅で制御する意味でも、全体を見る立場にあるというところでは鷹乃助くんと共通するところもあるし、そういう話もしますね。

鷹乃助 こーちゃんは、本当に視野が広いなって思う。バンド内にそういうメンバーがいると、ヴォーカルも好きにやりやすいと思うし、すごくありがたい存在だと思います。ベーシストとしてのタイプは違うかもしれないけど、バンド内で置かれている立場とか、きっと同じ目線で物事を見てるんだろうなって思う。

こーちゃん だから、共感することが多いよね。

鷹乃助 根底にお互いリスペクトがあって、思想というか、考え方を共有しているところはあると思います。


――なるほど。ちなみに、音楽やバンド以外のラフな話題で盛り上がったりもしますか?

こーちゃん あ~、そういう話はまだしたことないかもしれない! この間、70.さん含めて3人で呑んだときも、結局音楽の話しかしなかった(笑)。でも、確かに気になりますね、鷹乃助くんの趣味的な話題。

鷹乃助 いや、マジで俺は音楽ばっかりで。たまにアニメを観ることもあるけど、本当に生活の8~9割は音楽だからな。暇さえあれば音楽について調べものをしていて、音楽以外にも映画を観たり、とにかく音楽に関連する新しいものをインプットしてる。こーちゃんは?

こーちゃん 僕も前まではアニメとかゲームも好きだったけど、例えば“アニメを観る”って言ったら、しっかり時間を取って観たいタイプではある。あとは、趣味って言えるかわからないけど、月1で遠出してます。

鷹乃助 それ、いいね!

こーちゃん バンドと音楽のことを考える時間が多くなり過ぎちゃうときは、意識的にリフレッシュしようかな、っていうことで。

鷹乃助 わかる。やっぱり、自然の中に行くと自分の考えてることを一旦整理できるよね。セーブポイントじゃないけど。

こーちゃん うん。そういうのあるね。


――Z CLEARとCHAQLA.は、ヴィジュアル系シーンにおいてこれからを担うバンドでもあると思うんです。そこで、今後どうありたいかについても伺いたいのですが、いかがでしょうか?

こーちゃん Z CLEARとしては、8月にユウ(Dr)が加入して5人体制になってから一気に10公演を回るツアーを始めていて、この規模感は僕らにとってすごく新しい挑戦でもあったんです。先のことと言えば来年のVeats Shibuyaに照準を合わせてはいるんですけど、“今を頑張る”というか、メンバーとしても5人になったZ CLEARをしっかり固めていくために一丸となっている段階にいて。だから、例えばこのシーンのどの立ち位置を目指していくのかっていうところは、まだちょっとぼんやりしてますね。

鷹乃助 CHAQLA.は、ヴィジュアル系シーンの中でいったらかなりのひねくれ者だと思ってるんですよ。正統派ではないというか、異端だと思っていて。だから他ジャンルのバンドさんとも積極的に対バンしていきたいと思っているし、そういう機会が増えてくるのかなと思っていますね。だからと言って、ヴィジュアル系である根っこの部分は絶対に忘れないですよ。むしろそれを武器に、拡張していくイメージですね。


――きっとそこには、CHAQLA.や鷹乃助さんなりのヴィジュアル系としてのポリシーがありながらの挑戦になるでしょうから、おもしろいアクションになりそうですね。

鷹乃助 やっぱり歴史のある文化として、先輩たちから与えてもらったもので自分が形作られている部分が大きいので、それを踏みにじるようなことはしたくないし、無駄にはしたくないですし。でも、CHAQLA.はそのカルチャーの中で新しいことをしたいんですよね。そういう意味で、異端なひねくれ者でいたいというか。先輩たちへの恩返しは俺らなりに新しいことをすることだとも思うし、それをCHAQLA.は自然とやれていると思うんです。


――確かに、文化というものは保守しているだけでは衰退してしまいますから。

鷹乃助 そうですね。本当に血の気が多いメンバーなので、常に変なことをしていきたいんです。

こーちゃん それで言うと、ウチも血の気が多いので。僕らもいずれは他ジャンルとの対バンや、フェスにも出られるようなバンドを目指して攻めていけるようにはなりたいですね。


――まさに、血の気の多い両バンドだからこそ期待をかけられるところも大いにありますけれど。Z CLEARやこーちゃんさんが考える、ヴィジュアル系としてのポリシーを問われたら、なんと答えますか?

こーちゃん 僕らも、王道からはちょっとはずれてるのかなと思うんです。より一層ヤンキー路線で進んでいて、氣志團さんみたいになれたらいいなぁっていう理想はあるんですけど。

鷹乃助 『夜露死苦ブギー』!?

こーちゃん (笑)。あの曲も、個人的にはヴィジュアル系っぽくはないと思うし、これはメンバーには言ってなかったけど、最初“大丈夫かな?”って思っていたんです。でも、実際は全然大丈夫で! ライヴでもみんなすごく楽しそうにのっていて、本当にヴィジュアル系は自由だなっていうのをそこで感じることができたし、Z CLEARとしても“これかな”って掴めたものがあったんですよね。


――それこそ初めてZ CLEARに触れたときに、本当に時代は回るんだということを痛感したんです。かつて不良=ロックと呼ばれた文化や正統なロックンロールを現代に昇華しているところが、Z CLEARの武器ですからね。

こーちゃん はい。今はもう、自分たちのやりたいことを提示していくことが、ただただ気持ちいいですね。


――ヴィジュアル系に合わせていくのではなくて、自分たちのやりたいことが主軸になっているのは理想だと思います。

こーちゃん でも、今でこそそうですけど、本当に『夜露死苦ブギー』ができたときはメンバーみんな“コレ、いいぜ!”ってなってた中、僕一人だけ冷静になっちゃってたんですよね。

鷹乃助 でもそういうところに、こーちゃんの視野の広さが出てるんだと思う。

こーちゃん 逆に、そのときは(視野が)狭かったかもしれない。あのときは頭が固くなっちゃってたけど、もっと楽しいことは楽しんでやらなきゃなって、改めて思えた出来事でもあったかな。

鷹乃助 Z CLEARの曲は色が濃いというか、目に情景が浮かびやすいよね。だから『夜露死苦ブギー』も、“こういう曲もやるんだ、いいじゃん!”ってめっちゃ思った。

こーちゃん ありがとう!


――そんな両バンドが対バンできる機会が今後も予定されていますけれど、ぜひ2マンが実現したらアツいですね!

鷹乃助 やっぱりライバルというか、刺激を与えてくれるバンドがいるっていうのは本当にありがたいんですよ。そこで自分もインプットできることがあるだろうし、刺激を受けてもっとかっこよくなれると思ってるから、Z CLEARとはそれができるバンド同士で本当によかったと思います。

こーちゃん 最初は、こちらが一方的に知っているところから始まって、今こうやって絡めてるのは本当に嬉しいですよ。これからどんどん絡んでいく機会が増えていくと思うから、どうなっちゃうんだろう? こんなアツいバンド同士がぶつかって、そこで相乗効果もあるだろうし、僕らもどんどん成長できそうだなと。まだ見たことがないところまで行けそうだなって思いますね。

鷹乃助 本当にそれ! 先輩たちからいろいろと教わっている2バンドだと思うんです、Z CLEARとCHAQLA.って。だから、恩返ししたいですね。その恩返しの仕方は俺らがかっこよくなることだと思う。で、先輩たちを焦らせるじゃないけど。

こーちゃん そうだね。それで“アイツら、最近ヤバいな!? ”って思われるようになったら。

鷹乃助 そうしたら先輩たちは今よりももっとかっこよくなると思うし、それを見た俺たちもまた“かっこいい!”ってなってまた頑張ろうと思えるし、みんなで相乗効果を生み出せると思うんです。そんなシーンにしたいですね。

こーちゃん それが今のシーンをもっと熱くさせることになるんだろうなと思ってるので、やっぱり僕らが上を目指して頑張るのが一番だね。

鷹乃助 そう、それが一番。


――お二人もそうですけれど、先輩たちともすごくいい関係性を築けているなと思いながらお話を聞かせていただきました。お互いに馴れ合うことなく、ちゃんと意識し合えている証拠だなと思います。

鷹乃助 そうですね。馴れ合いじゃないんですよね。


――まあ、先輩たちも含めて血の気の多いバンドたちですから、きっと心の中では沸々と煮えたぎる闘志を燃やしていることでしょう。

一同 (笑)

こーちゃん これからもお互いを高め合っていけるいい関係性でいたいですね。


取材・文:Ayako Hirai

写真:Kiwamu Kai