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【Z CLEAR】◆ライヴレポート◆5人のZ CLEARで立ち上げた、“上京”への狼煙───「俺たちはしっかりグルーヴを高めて“結成”しました。更新しようぜ、“5人で上京した”って」

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Z CLEAR ONEMAN TOUR『序曲』- 結成 –
TOUR FINAL
2026年10月26日(月)渋谷MALCOLM

「俺たち“5人”がZ CLEARじゃ、夜露死苦!」――8月にユウ(Dr)を正式メンバーに迎え、最強の布陣で臨んだ〈ONEMAN TOUR『序曲』-結成-〉の道のりが、この一見なんてことのない名乗り文句を特別なものにした。10月26日、渋谷MALCOLMで迎えたツアーファイナル公演でAKIRA(Vo)が初っ端から幾度となく名乗りを上げた声に裏付けられていた、確かな自信。ステージから放たれる脅威にも似た迫力に胸の奥がざわめき、気づけば何度も拳を握ってしまっていた。いやはや、恐れ入った。5人で名乗るZ CLEARの威力たるや、ただものではない。

今ツアーに“結成”というタイトルを掲げた理由をAKIRAは、「5人になって、ただライヴするだけじゃダメだと思って。一回、俺たちの気持ちを通してグルーヴを最大限に上げて、童子(Z CLEARのファン)と一緒にライヴしたいと思った」と語った。あらかじめ触れておくと、このライヴで発表となった通り、11月から始まる『序曲』ツアーの続編のタイトルは“上京”と明かされた。
「この『序曲』、俺たちはしっかりグルーヴを高めて“結成”しました。次は、“上京”です。俺たちは4人で上京したんだ。それを更新しようぜ、“5人で上京した”って」
これは上書きではない。これまでの歩みを消すことなく、その上からちょっとやそっとじゃ消えない漆黒のインクで潔く清書していくようでもある。

『至大至剛』の開幕と同時に、清々しいほどの全力投球ぶりが凄まじいエネルギーを放っていく。メンバーのギラついた眼差しと荒々しく響く音が、会場のアンダーグラウンドで露骨な空気にも調和して、非常に心地よい。続いて、「好きにやれ!」の掛け声を合図にモッシュが揺れた『JUNKIE』こそ、彼らが広島から上京した際にかました渾身の1曲だ。そんな曲中に、「とことんやっちまおうぜ! 見せつけてやるよ、俺たち5 人がZ CLEARだ。かかってこい!」と叫ばれれば、否応なしに感情は昂ってしまう。疾風のごとくヘッドバンキングを巻き起こした『羨望の風』、さらに『ぶちROCK』では、自身のROCK人生を思いきり謳歌するようなAKIRAの歌声に、こーちゃん(Ba)のうねるベース、みやこ(Gt)とトミー(Gt)のツインギターソロが炸裂する。そして「全員、連れてってやるよ」と叫ぶAKIRAには、包容力抜群な頭首たる頼もしさが滲み出ていた。仕舞にはユウがとびきりダイナミックにドラムを叩き込む姿も含め、バンドのアンセムソングにこそ現在のZ CLEARが持つ本質が刻まれていたといっても過言ではない。ロックンロールな『DINER』で“夢”を歌いながら生み出した一体感は『イナズマ』でも存分に発揮され、特にステージングのキレの良さは5人の息の合った呼吸を感じさせる。そこへ追い打ちをかけるように畳み込まれた『ビッグ・マウス』では、衝動こそが武器だった青春時代に戻れるロックの魅力を見せつける音とグルーヴに、思わず目頭が熱くなったほどだ。いったい何がこうまで感情を突き動かすのか、その“答え”が直後のAKIRAのMCにあったように思う。

「人間と人間がね、息を合わせてROCKするんだよ。俺はね、それが本当のROCKだと思っとるんよね」

誰でもいいわけではない。メンバーとファン、そしてZ CLEARと志を同じくする者たちとの絆があるからこそ、桁外れの爆発力が生まれるのだ。Z CLEARの音楽を通して感じるものと、彼ら自身が意図しているものがぴたりと重なり、まるで答え合わせをしているようなこのライヴもまた、“結成”から“上京”へと展開していくストーリーにあった清書の感覚に似ている。要するに、今のZ CLEARには抜群な説得力が伴っているということだ。

『KISS』ではセクシーに、『サイン』では切なげに、それぞれの形で歌い上げた恋愛観がこの後の展開を引き立てていた。観客と目を合わせ、力強く刻み込むように贈られたメッセージソングが『童子』ならば、続く『ハーメルン』は「絶対に離れんじゃねーぞ!」と皆を率いていく旗印。この結束を高める一連の場面は、これまで以上に暴走していくラストスパートへ向けた序章でもあった。EDMテイストを交えた豪快な『豚の貯金箱』が投下されると、冒頭でAKIRAが発した「思いっきりバカになれ!」との一声に焚きつけられるようにメンバーのタガが外れたのは明らかで、フロント陣だけでなくユウも立ち上がって威勢を露わにする。もっとも、彼らにとっての“攻め”は、ただ暴れて破天荒ぶりを発揮することだけにとどまらない。モンキーダンスさながらにツイストを繰り広げる『夜露死苦ブギー』の特異さも、常識破りな攻めの姿勢を物語っていた。骨太で古風なロックンロールを軸にしながら、Z CLEAR流のパーティーソングへと昇華させた『Drinker』もその一つ。曲中に飛び出した、かつて“ジャリバン”と呼ばれたエピソードすらも今となっては酒のあてにして笑い飛ばせる気概すら持ち合わせているのも逞しい。こうしてラストを飾ったのは、皆で歌声を重ねた『麦』。バンドのグルーヴを高め、さらにはバンドが独りよがりにならず、童子と共鳴すること。信頼とは、結束を強める何よりのファクターとなるという、このツアーで掲げられた“結成”の意味を再確認させたエンディングは、間違いなく“上京”に向けた最高の門出となった。

ライヴを終えて間もなく、“来てみんさいコール”(アンコール)に引き戻されたメンバーは、『八丁左回り』を5回ループして大暴走。ウォール・オブ・デスが起こるなか、こーちゃんが「標的がいないと」とけしかけると、その中に自ら巻き込まれにいったAKIRA。ステージに戻ったときにはサングラスが大きくズレており、まさに大事故と呼ぶにふさわしい有り様だった。さらにメンバーが代わる代わるマイクを取るたびにパートがシャッフルし、そのハチャメチャ具合を思う存分楽しみ尽くす。最後に贈られた『広島』がしっかりと“上京”への布石となり、演奏を終えたメンバーが一列に並んで「これからもずっと一緒だからな。もう1回、この5人で上京しよう」と告げて締めくくられた……はずだった。メンバーを見送るもすぐさま“来てみんさい!!”とコールが湧くと、なんとダブルアンコールが実現し、『豚の貯金箱』で再びフルボルテージに達した。それにつけても、最後の最後に楽屋からひょこっと顔を出したAKIRAから「帰れっ!(笑)」と言われるまで、“来てみんさい!!”と叫び続けた童子たちの愛おしさといったらない。

絶え間なく込み上げる熱い感情が、数珠繋ぎとなっていったひととき。「最高にアツくて、最高にバカになれたツアーでした」と総括した〈ONEMAN TOUR『序曲』-結成-〉だが、次に目指すは、渋谷MALCOLMの目と鼻の先にあるVeats Shibuyaだ。そしてこの日、この大きな舞台を最高のライヴにすると誓った。男に二言はない。きっと彼らならばやり遂げられるはずだろうし、我々が期待を寄せれば寄せれるほど、口角を上げながらこう言ってくれるはずだ――「上等じゃ!」と。


Photo ナカムラタクヤ
Report 平井綾子


(セットリスト)
SE.ブチアゲ
1.至大至剛
2.JUNKIE
3.羨望の風
4.ぶちROCK 
5.DINER
6.イナズマ
7.ビッグ・マウス
8.KISS
9.サイン
10.童子
11.ハーメルン
12.豚の貯金箱
13.夜露死苦ブギー 
14.Drinker
15.麦

ENCORE
16.八丁左回り
17.八丁左回り
18.八丁左回り
19.八丁左回り
20.八丁左回り
21.広島

WENCORE
22.豚の貯金箱