INTERVIEW

D ロングインタビュー 第1回(全4回)

D

Dが最新ミニアルバム『愚かしい竜の夢』のテーマに据えたのが「竜族の物語」。果たしてそれはどんな物語なのか…。ミニアルバム『愚かしい竜の夢』を主軸にした全国ツアーも11月よりスタート。この物語の世界観を、たっぷり味わっていただきたい。
ミニアルバムと同日にNew DVD『D TOUR 2016~2017 Wonderland Savior ~月の歯車~』も発売、ライブを楽しむうえでもぜひ触れて欲しい作品だ。
そしてミニアルバムとDVDの発売を記念したご購入者対象イベントの開催も決定している。
今回のインタヴューは、ミニアルバムの制作も佳境の時期に実施。そろそろ、4週に渡り『愚かしい竜の夢』に込めた想いを紐解こうか。

撮影:菅沼剛弘 / インタビュー:長澤智典
Photographs by Takehiro Suganuma / Interview by Tomonori Nagasawa

 

ブルガリアという国には竜にまつわる伝承が色濃く語り継がれている。その国を舞台にすることで、物語自体へ広がりを描けそうと思ったことが始まりでした


――この記事を目にする頃には、最新ミニアルバム『愚かしい竜の夢』が世の中に出回っています。取材自体は、レコーディングも佳境の時期。現状語れる範囲内でになりますが、取材よろしくお願いします。
全員 お願いします。

――ミニアルバム『愚かしい竜の夢』の中へ、なぜ今回「竜」というテーマを掲げたのか。まずは、そこから教えてください。
ASAGI 具体的なアルバム制作へ入る時期まで、「どういうテーマを打ち出そうか」ぎりぎりまで悩んでいたんですけど。今回、最終的に「竜」というテーマを打ち出したくなりました。

――なぜ、そこまで「竜」という存在へ惹かれたのでしょうか?
ASAGI これまでにもヴァンパイアストーリーを通し「飛竜」の話などを描いたり、「黒竜(へイロン)」というアジアを舞台にした物語も描きました。ただし今回は、「それらとは違う視点で竜を描きたいな」という意識が頭の中には渦巻いていた。
そこで今回視線を向けたのが、「東欧に拠する竜」の存在。向こうで言う「ズメイ(ドラゴン)」のことなんですけど。物語の舞台に「ブルガリア」という国を据えたのも、この国には竜にまつわる伝説や物語が歴史と重なり、伝承として色濃く語り継がれている。その国を舞台にすることで、物語自体に広がりを描けそうと思ったことが始まりでした。

――さすが、物事を深く検証しては、史実と空想を巧みに混ぜ合わせ形にしてゆくASAGIさんらしい始まり方だなと感じました。
ASAGI 最初は純粋に「竜」の物語として描き始めたのですが、話の展開がいろんな風に広がりやすければ、過去に描いた物語ともいろいろ重なりやすい面も多くあったからでしょうね。何時しか物語の中へ、飛竜の先祖に当たるこの火竜の物語とヴァンパイアストーリーが繋がってゆく面も描き出していました。そうやって物語が繋がりを持ちながら膨らんだ面も、制作してゆくうえでの楽しさでしたね。
 

 

とても重厚さを持った『愚かしい竜の夢』のデモ音源を聴いたときにも、これは壮大な物語になりそうだなと興奮を覚えていたのを思い出しました

――いくつかの楽曲の中、ブルガリアンヴォイスを彷彿させるような歌唱スタイルも用いていますよね。それは、東欧(ブルガリア)を舞台にした物語を描くと決めたことから使ったのでしょうか?
ASAGI そうです。「ブルガリアを舞台にした竜の物語」というテーマがまとまったうえで、そこへ民族音楽のテイストを加えたいなと思ったことが、今回の独特の歌唱スタイルを用いた要因になっています。
ブルガリアンヴォイスの意味自体は、おっしゃってる表現とは若干異なるのですが、今回あえてその言葉で語るなら、Dは以前からクラシックをベースに据えたオペラ調のクワイア(合唱)を用いてきました。その際に使った歌い方が、喉を開く感じの歌唱スタイル。でも、今回用いたブルガリアの民族テイストを活用したクワイアでは、あえて喉を締め、細いところから生まれる低周波な歌声を魅力にした歌唱法を取っています。そこの違いが、これまでとは異なる聞こえ方を生み出している要因になっているなとも感じています。

――あの歌唱スタイルは、とても強烈なインパクトを与えました。
ASAGI そう聞こえてくれたのなら表現した甲斐があったなと思います。今回の作品の特色としてもう一つ上げるなら、5拍子や、7拍子など奇数の拍子の曲たちを軸にしたこと。じつはその辺も、ブルガリアの民族音楽をモチーフにした流れから繋がったことでした。

――メンバー自身も、最初に表題曲となった『愚かしい竜の夢』を聴いたときは驚いたんじゃないですか?
Ruiza デモ音源の『愚かしい竜の夢』を聴いた時点で、とても壮大なテーマを感じたように、これがどう具現化されてゆくのか自分たちでも楽しみでしたからね。加えて、竜=ドラゴンというテーマにもすごくワクワクしました。

――その言葉って、なんか嬉しい幻想意欲を掻き立てるというか…。
Ruiza そう。ドラゴンにまつわる物語ってわくわくさせるじゃないですか。個人的にもドラゴンという存在にはとても惹かれますし、竜をテーマに据えて楽曲制作していきました。

――Ruizaさんも『遥かな涯へ』を制作。楽曲を作る時点で、今回のテーマを耳にしていたわけですよね。
Ruiza 今回の作品制作へ入るに辺り、そのテーマをメンバー全員がASAGIくんから聞き、その時点で『愚かしい竜の夢』のデモ音源も耳にしていたことから、全体的な感触をつかんだうえで僕も、メンバーそれぞれも制作へ取りかかりました。
Tsunehito Dには竜をテーマにした既存曲が幾つもあるんですが、今回は新しいテーマで竜を描いていくということで、すごく楽しみでしたね。
とても重厚で深さを持った『愚かしい竜の夢』のデモ音源を聴いて、ASAGIさんから曲のストーリーをもらった時にも、これは壮大に広がる物語になりそうだなとすごく興奮したのを思い出します。

――楽曲が出来上がるたび、メンバー自身わくわくしてゆく気持ちも強かったのでしょうか?
Tsunehito その気持ちはとても強かったですね。自分の作り上げた楽曲は2曲、収録されてますが、その曲達にASAGIさんに歌詞を付けてもらった時に「この曲にこういうストーリーや展開が描かれたのか!!」という驚きや感動もありました。
HIROKI 新たなストーリーの楽曲が生まれ、その曲がどのように既存曲とリンクしてくのるかというのも楽しみの一つでもあります。

――そこは、HIDE-ZOUさんも同じ気持ちですか。
HIDE-ZOU もちろん。先にも話が出ているように、Dはさまざまな「竜」をモチーフにした楽曲を、ヴァンパイアシリーズや皇帝シリーズなどを通して表現してきました。今回、東欧の竜という新しいアプローチは、僕ら自身も新鮮な驚きでした。しかも東欧のブルガリアという国を舞台に物語を描くだけではなく、ブルガリアの民族音楽の要素も楽曲の中へASAGIさんは取り入れられてたり…。もちろん、僕もその要素を吸収しようと、あの独特な音階を学んだわけですが。あの音階は自分の中でも、とても新鮮な刺激がありましたからね。

――それは、ミニアルバム『愚かしい竜の夢』を聞いてても強く感じたことでした。
HIDE-ZOU ブルガリアに限らず東欧のいろんな民族音楽を聞けば、そこで得た影響を楽曲制作やアレンジへ巧みに反映。正直、表現面での難しさもありましたが、それ以上に実のある経験を重ねることが出来たなと感じています。

 

 

『花摘みの乙女~Rozova Dolina~』に登場している主人公の孫が、ミニアルバム『愚かしい竜の夢』の中に収録した『竜哭の叙事詩』へ出てくる主人公なんです

――ブルガリアという国にどんなイメージを抱いてました?
HIDE-ZOU 僕の中では欧州の一角を占める国という印象だったんですけど。東欧とも言われるように、文化面では欧州文化が反映されているだけではなく、中近東の文化なども反映している印象も覚えています。最初にブルガリアという言葉を聞いたとき、僕の中では既存曲の『花摘みの乙女~Rozova Dolina~』の印象が強かったです。
ASAGI ブルガリアと言えば、薔薇がすぐに出てきます。『愚かしい竜の夢』の歌詞の一節にも「薔薇がそこかしこを染めた古き習わしは優しい記憶」と書き記したように、僕自身は「ブルガリア=竜」というイメージと同時に「ブルガリア=薔薇」という印象も強く抱いていました。
『愚かしい竜の夢』に描いたのは、竜と人とが親しく交流を持てていた時代の物語。その関係性を祝すために薔薇祭りを催しながら、人々は竜に対して敬愛を示していた。そういう時代背景が元にあったうえで…というところから物語が進展もしていきますからね。

――なるほど、だから『愚かしい竜の夢』の中には、人と竜との争いのみならず、交流を深めていた頃の親愛なる関係性も描き出されていたんですね。
ASAGI そう。もっと言うなら、先に出た『花摘みの乙女~Rozova Dolina~』に関しても、この歌に登場してくる主人公の孫こそが、ミニアルバム『愚かしい竜の夢』の中に収録した『竜哭の叙事詩』に出てくる主人公なんです。そこが、このアルバムと既存曲たちとの連動を示した形の一つでもあることですからね。

――それは、最初から狙っていたことだったのでしょうか?
ASAGI 今回の『愚かしい竜の夢』という作品を作ってゆく中、自然と物語が、Dの既存曲たちとも繋がりを持っていった。そう示したほうが正しいと思います。
 

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●New Mini Album「愚かしい竜の夢」ON SALE!!





■A-TYPE (CD+DVD) 限定盤
GOD CHILD RECORDS / GCR-148 / ¥2,871 (税別) /
5Songs CD & 1Song DVD + MV Making / Limited Edition
[CD]
1.愚かしい竜の夢
2.Draconids(ドラコニズ)
3.遥かな涯(はて)へ
4.Cannibal morph
5.竜哭(りゅうこく)の叙事詩(エピック)
[DVD]
「愚かしい竜の夢」 Music Video +「愚かしい竜の夢」Music Video Making



■B-TYPE (CD) 通常盤
GOD CHILD RECORDS / GCR-149 / ¥2,315(税別) / 7Songs CD
[CD]
1.愚かしい竜の夢
2.Draconids(ドラコニズ)
3.遥かな涯(はて)へ
4.Cannibal morph
5.竜哭(りゅうこく)の叙事詩(エピック)
6.隷獣(れいじゅう)~開闢(かいびゃく)の炎~(通常盤のみ収録)
7.愚かしい竜の夢(Instrumental)

 

●New DVD「D TOUR 2016~2017 Wonderland Savior ~月の歯車~」ON SALE!!

「D TOUR 2016~2017 Wonderland Savior ~月の歯車~」
~13 Songs LIVE (2017.1.27 Grand Final at 新宿ReNY) & Tour Documentary & "Wonderland Savior” 11 Songs Full CG Movie~

【会場・通販限定販売】
http://www.rosen-kranz.jp/shop/
GOD CHILD RECORDS / GCR-151 / ¥6,000 (tax in) / 2DISCS / ブックレット付き

D TOUR 2016~2017 Wonderland Savior ~月の歯車~ のツアードキュメント、ツアーファイナル公演となった 2017.1.27 Grand Final at 新宿ReNYのライヴシューティング13曲(アルバム”Wonderland Savior”収録曲)、そしてファイナル公演ライヴ時にステージバックで上映されたスペシャルフルCG映像をDVD化!

[収録内容]
■DISC1
・D TOUR 2016~2017 Wonderland Savior ~月の歯車~ 2017.1.27 Grand Final at 新宿ReNY ライブシューティング13曲
[LIVE]
1.Underground Revolution~反逆の旋律 (メロディー)~
2.シュレディンガーの夢遊猫 (むゆうびょう) とジャッカロープの杖
3.Keep a secret~帽子屋の憂鬱~
4.海王鯨島 亀毛海浜夢珠工場 (かいおうくじらとう きもうかいひんゆめたまこうじょう)
5.Egg Supremacism
6.HAPPY UNBIRTHDAY
7.月影の自鳴琴 (オルゴール)
8.Psychedelic Horror Show
9.フューシャピンクとフランボワーズの鍵盤
10.MASTER KEY
11.Wonderland Savior~太陽と月の歯車~
12.水たまりの空~ドードー飛行記~
13.七色革命

■DISC2
・D TOUR 2016~2017 Wonderland Savior ~月の歯車~ ツアードキュメント
・Album「Wonderland Savior」 11 Songs Full CG Movie

★スペシャル特典
・全国共通アウトストアイベント or ライブ終演後イベント参加券


<New Mini Album「愚かしい竜の夢」& DVD「D TOUR 2016~2017 Wonderland Savior ~月の歯車~」発売記念 ご購入者対象 全国アウトストアイベント開催決定!!!>
D New Mini Album「愚かしい竜の夢」A-TYPE、B-TYPEを同時購入された方、またはDVD「D TOUR 2016~2017 Wonderland Savior ~月の歯車~」をご購入頂いたお客様を対象に、全国共通アウトストアイベント「トーク(共通)& チェキ撮影会」、全国共通ライブ終演後イベントを開催!

【日程】
11月2日(木) 横浜 CIRCUS
11月5日(日) 新潟 community space 6 studio
11月9日(木) 名古屋 栄 FAMILLA
11月11日(土) 京橋 BERONICA
11月14日(火) 岡山 Wood Box
11月16日(木) 福岡 DRUM Be-1
11月18日(土) 広島 Bad Lands
11月21日(火) HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3
11月23日(木) 仙台 Nota Blanca
11月26日(日) 札幌 マルチスペースF
12月1日(金) 金沢 AZ Gスタジオ
12月3日(日) 東京 青山 EDITION
12月5日(火) 東京 なかのZERO 小ホール

※イベントの詳細・参加方法・注意事項
http://www.d-gcr.com/mobile/20171027CDandDVD_OUTSTOREEVENT.html

 




D TOUR 2017「愚かしい竜の夢」

11月1日(水) 新横浜NEW SIDE BEACH!! OPEN/START 18:30/19:00
11月4日(土) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE OPEN/START 16:30/17:00
11月10日(金) 名古屋Electric Lady Land OPEN/START 18:30/19:00
11月12日(日) ESAKA MUSE OPEN/START 16:30/17:00
11月13日(月) 岡山IMAGE OPEN/START 18:30/19:00
11月15日(水) 福岡DRUM Be-1 OPEN/START 18:30/19:00
11月17日(金) 広島SECOND CRUTCH OPEN/START 18:30/19:00
11月22日(水) HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3 OPEN/START 18:30/19:00
11月24日(金) 仙台CLUB JUNK BOX OPEN/START 18:30/19:00
11月27日(月) 札幌cube garden OPEN/START 18:30/19:00
11月30日(木) 金沢AZ OPEN/START 18:30/19:00

【TOUR FINAL】
12月4日(月) TSUTAYA O-EAST OPEN/START 18:30/19:00

[料金] スタンディング¥4,500(税別)/DRINK代別 
12/ 4 TSUTAYA O-EASTのみ スタンディング¥5,000(税別)/DRINK代別
※3歳以上チケット必要
※各公演のプレイガイド情報など詳細はオフィシャルサイトでご確認ください

 


その他ライブ情報や最新情報は OFFICIAL WEBSITE、Twitterをご覧ください。
【 D OFFICIAL WEBSITE 】
http://www.d-gcr.com/
【 GOD CHILD RECORDS OFFICIAL Twitter 】
@GCR_official