REPORT

stylish wave EXPERIENCE “無礼区#05” 渋谷REX ライブレポート

Axkey B'LAIVE NEVERLAND Sick2 ギガマウス シビレバシル スタア区。



10月29日(土)渋谷REXを舞台に、「stylish wave EXPERIENCE "無礼区 #05"」が開催になった。出演したのは、ギガマウス(ゲスト)/Sick2/スタア区。/Neverland/BLaive/シビレバシル/ Axkey(O.A)の計7バンド。
その日の模様をここに再現しよう。

TEXT:長澤智典

□Axkey(O.A.)


オープニングアクトとして登場したのが、大阪を拠点に活動中の(実年齢も含め)若手バンドAxkey。「好き勝手やっちゃいなよ!!」の声が合図だった。轟音炸裂した『Dispect』を頭からぶつけ、観客たちを「騒げ!!」とばかりに煽り出した。Axkeyは同期音も巧みに配色した歌系バンド。激しい演奏と書きつつも、一番の魅力に据えているのがメロディアスな歌ということは伝えておきたい。

演奏はさらに勢いを増してゆく。限られた時間の中での闘いだからこそ、Axkeyは「これでもか!!」と熱い演奏をぶつけてゆく。場内の人たちは『DAHLIA』に合わせ騒ぐよりも、生きざまぶつけるステージングを興味関心を持って見つめていた。

『クリアノート』はポップでキャッチーな楽曲。その理由もあるのか、場内のあちこちでスウィングする演奏に合わせ、心地好く身体を揺らしたり手を振る姿も。気持ちを弾ませる歌は、初めて触れた人たちの心も疼かせてゆく。この日つかんだ手応えが、今後どんな風に関東でも広がっていくのか、楽しみにしていたい。

[SET LIST]
1.Dispect
2.DAHLIA
3.クリアノート





□BLaive


ハロウィンの日も間近から、BLaiveのメンバーはモンスターな仮装姿で登場。「暴れようぜ!!」。ホラーなメイク姿に相応しい?一体化したライブを描こうと、彼らは激しい演奏を持って『イグサレーション』を突き付けた。舞台前方には頭を振る人たちも。凛々しく、何より挑みかかる様に、挑戦的なBLaiveの姿勢を実感。『おしくらまんじゅう』では、客席センターへ押し寄せるようにおしくらまんじゅう(モッシュ)が生まれていた。口ずさみたくなるキャッチーなサビ歌が、そのまま煽る姿勢にもリンク。客席では大きなモッシュの渦や、その場でくるくるまわる小さな輪があちこちで発生。いい感じで場内に熱が沸き上がりだした。

『FUCKER!!』は激しくダンサブルな楽曲。ベースを下ろし煽ラー&ラッパーになったwayuが、ヴォーカルのヨウと歌を掛け合ってゆく。BLaiveにとって新境地を開拓した煽り曲の誕生だ。最後にぶつけた最新シングル『タロット~誘惑に取り憑かれたXV~』でもBLaiveは、挑む意識で歌や演奏を突き付けていた。挑戦的なのに、つかみを持った歌。ライブゆえに激しさへ視線を向けがちだが、歌ものという姿勢を持っているからこそ、熱を持った演奏を素直に受け止められた。

[SET LIST]
1.イグサレーション
2.おしくらまんじゅう
3.FUCKER!!
4.タロット~誘惑に取り憑かれたXV~





□スタア区。


いきなり腹の奥底へズシッと響く演奏をスタア区。はぶつけてきた。性急なヘヴィビートとホラームードを持った装飾音の上で、生きざまをぶつけるように『ラララ…妄想少年』が熱く炸裂。かなり挑戦的で挑発した姿勢だ。その気迫が、そのまま演奏に反映しているのは間違いない。

ゾンビ風の踊りをしながら始まったのが、ヘヴィでアグレッシブなホラーナンバー『夕闇ディナーショー』。何処かオカルトめいている様が今宵には相応しい表情。地の底へ引きずり込むように激しさを増してゆく演奏、場内の人たちも次第にスタア区。の世界へ浸食されだした。

嘆くようにレノの歌が場内に響き出した。「死んでこいや!!」。その声を合図に凄まじく重い轟音を携え『オカルトカレー』か襲いかかった。凄まじい音の洪水の中から響くメロウな歌へすがるように身を任せてゆく人たちも。途中、祈りのポーズや座ってヘドバンしてゆく光景も登場。これは儀式?! 場内中の観客たちが先導されていたように、その瞬間、そこは暴れ狂う儀式の場に様変わっていた。煽り曲『地獄のクリスティーナ』に合わせ暴れ狂う観客たち、理性を壊し騒ぐことがこの曲のルール。客席は、騒ぐか傍観するかの二極化状態。どちらがこの場にいて得なのか、その答えはわかるだろ。

最後に、ヒステリカルでハード&パンキッシュな『セーラー服と夏休み』を叩きつけ、スタア区。は熱狂した人たちをさらに暴れ狂わせていった。

[SET LIST]
1.ラララ…妄想少年
2.夕闇ディナーショー
3.オカルトカレー
4.地獄のクリスティーナ
5.セーラー服と夏休み





□シビレバシル


「ゴミ人間」の声が飛び交う中、激しく疾走する『ゴミ人間発狂カリキュラム』がスタート。なんて破壊力満載なライブだ。激しい音で感情を壊すのではない、視線を離したくない存在感と楽曲の持つパワーに誰もがグイグイ惹きつけられてゆく。歌いながらテッシュをばら蒔けば、ポリバケツを振りまわし、和泉は歌い叫び続けてゆく。一緒にその喧騒と熱狂に飛び込まなきゃ、ここにいる意味がない。そんな訴求力の高いライブをシビレバシルはド頭から描き出していた。「軍手×4」のコール&レスポンスが炸裂。ハードコアな『軍手』の演奏に、誰もが理性を吹き飛ばし無邪気に暴れ狂っていた。

場内中から「肩パッド」の絶叫も炸裂、肩を上下しながら騒ぐ『肩パッド』が作り上げたノリの、なんて強烈なことか。舞台上の和泉の動きに合わせ、客席でも大勢の人たちが奇天烈な動きを持って一緒に熱狂を作りあげていた。気持ちを開放して楽しむライブとは、まさにこういうこと。暴れるばかりがライブじゃない、演奏は激しいながらも、自然に身体が疼きだし、いつしか「肩パッド!!」と無意識に声を張り上げてしまう。意識を無邪気に変えてゆく熱狂、それが最高じゃない!!

「中野を愛して憎んで」の合唱も生まれたのが、サイコヒステリカルな『中野駅北口』。シビレバシルのライブは、まるで大人のお遊戯会だ。先生(和泉)の言葉に従い無邪気に真似して楽しむ子供(観客)たちのような風景が、彼らのライブの時間には生まれてゆく。楽曲は、どれもかなり毒々しいのにね。だから、螺子を外して大人たちが楽しめるのか。

最後に叩きつけた熱唱歌謡ドライブビートナンバー『赤い空にチェーンソー』まで、とても濃い熱狂を味わえたのは間違いない。観客たちも、騒ぐかどん引くかどっちかだったのも素敵じゃないか。

[SET LIST]
1.ゴミ人間発狂カリキュラム
2.軍手
3.肩パッド
4.中野駅北口
5.赤い空にチェーンソー





□Neverland


バーストした演奏が、一気に身体中にアドレナリンを駆けめぐらせた。Neverlandは『SECRET WORLD』を叩きつけ、一瞬で観客たちの身体を跳ねさせた。この日はマリオの仮装姿をしていたように見た目は親しみやすさを覚えるが、演奏は凶器を振りかざすほどににギラついていた。この日のNeverlandはヤバいくらいに音の刃先を突き付けていた。

心地好いマーチングビートから一転、ラウドでダークな『Dummy』を投げ、騒ぐ観客たちの熱を彼らはさらに煽り立ててゆく。ヴォーカルの涼太に至っては、完全に客席へ食ってかかる勢いだ。サイコホラーナンバー『666Hz』に身を預け、右に左にモッシュしてゆく集団。ゆらゆらと揺れる身体の波は、いつしか後ろまで伝播していた。

どんどん熱の上がってゆく場内。「今日は俺の大切なピーチ姫を探すためにここに来たんだ」「今日は全員俺のピーチ姫な」の涼太のMCに続いて場内へ響かせたのが、サイコホラーでラウドな香りを満載した『SORROW GHOST』。今宵にとても相応しい楽曲だ。もっともっと騒ぎ狂えとばかりに、Neverlandはこの会場を怪しいモンスターたちが暴れ騒ぐ闇夜のパーティ会場に塗り変えていた。

最後にNeverlandは『憂鬱チェリー』を演奏。場内には、理性の螺子を外し暴走してゆく人たちが大勢誕生。轟音ギターロックの中でイカれてこそがNeverlandのライブ。暴れ狂い一体化してゆく興奮と恍惚が最高じゃない!!

[SET LIST]
1.SECRET WORLD
2.Dummy
3.666Hz
4.SORROW GHOST
5.憂鬱チェリー




□ギガマウス(GUEST)


「GIGA PARTY ROCKしようぜ!!」、式の声を合図に、ここからでっかい舞台へ一緒に駆け上がろうぜと呼びかけるように、 弱者たちへ反逆の狼煙を上げろとばかりに、ギガマウスは『SCRAP ROCK』をぶつけてきた。なんて気持ちを奮い立たせてゆく歌だ、いつしか身体まで奮い立っていた。「ギガマウスと一緒にてっぺんまでいこうぜ!!」。ミッドグルーヴな『頂王』が連れだしたのは、大きな音のうねりの中で恍惚を感じてゆくヤバいパーティ。何処か妖しい?! でも、その影を背負ったキラビやかさが『頂王』の魅力だ。

11月9日に発売したシングル『僕のCARICATURE、壊して燃やす。』を先行披露。とても攻撃力と破壊力を備えた楽曲だ。暴れるではない、触れている間に気持ちがどんどん高揚していく。上がってゆくその感覚が心地好い。一発で熱中するよりは、触れるたびに魅了されてゆく楽曲だ。

『プラトニック』が無礼講で暴れる合図だった。ヒステリカルでサイコティックなビートに導かれ、タオルを振りまわし騒ぐ人たちも。両隣の人たちと手を繋ぎ、大勢の観客たちが『SCARY GOD』に合わせ左右にモッシュや折りたたみを続けてゆく。会場中を一つにした熱狂をギガマウスはただただ求めていた。

最後は、お馴染み「監獄ロックメン!」の絶叫飛び交う『監獄ロックメン』だ。客席前方は暴れ騒ぐ人たちに支配されれば、中盤以降の場内からも「監獄ロックメン!」の熱い声が飛び交い続けていた。騒がずにいれない、身体中からエナジーが沸き上がるからこそ無邪気に踊り騒ぎたい、それこそがGIGA PARTY ROCK!! 笑顔あふれる熱狂を会場に描きながら、ギガマウスはトリへ興奮のバトンを繋いでいった。

[SET LIST]
1.SCRAP ROCK
2.頂王
3.僕のCARICATURE、壊して燃やす。
4.プラトニック
5.SCARY GOD
6.監獄ロックメン





□Sick2


「踊れ踊り明かせば」、優美で雅な香りを場内へ振りまきながら、和ダンスロック『CRAZY TOKYO』に乗せSick2の宴は幕を開けた。客席前方では幾つもの扇子が舞えば、扇子のない人たちはみずからの手をひらひらと揺らし、妖艶な宴に身を預けていた。感覚を揺らしてゆく雅なダンスビートの、なんて極上な味わいか。その熱をさらに激しさで煽ったのが、同じく、雅なダンスナンバー『CLUB SICK』。狂いだした空気は華麗さを増しながら、どんどん高く上がり続けてゆく。

華やかな熱狂もSick2の魅力だが、やはり今のSick2には暗い病み(闇)な姿がお似合いだ。深い闇の底へ引きずり込むように『フレゴリの錯覚』が身体を、感覚をどんどん堕としてゆく。それがとても心地好くも恍惚なんだ。黒い世界の中で踊り狂う様が、なんて刺激的で痛心地好いことか。

最新ナンバー『罪と罰とマゾヒスト』では観客たちが両手でうさぎの耳を作り、そのまま演奏に合わせ跳ねだした。ただし、楽曲はとても痛くて激しくて暗い。でも、しなる鞭のような刺激が極上な恍惚も導き出してゆく。ダークでゴシックなダンスロックにエクスタシーを覚えていく?!、まさにそんな感覚だ。ヴォーカルのジェネ★は鞭を手に観客たちを熱狂へと導いてゆく。まるで興奮を求める奴隷を操る女王様のように。

破壊的な、ハードコアでダークなブラストビートナンバー『deep:sleep』が頭の螺子を次々と外していく。荒れ狂う演奏の上で、大勢の人たちが狂ったように頭を振り乱し、大きく手の花を咲かせていた。歪んだ心模様を隠してしまう闇夜のカーニバルだからこそ、本能剥き出しで狂っていける。闇が支配するライブは、なんて本性を曝け出してゆくことか。

最後にSick2は豪快でラウドな『ヴィデオドローム』を叩きつけ、騒ぎたい衝動に駆られた人たちを、闇の宴の中、本能を剥き出した野生の姿に変え暴れ狂わせていった。

[SET LIST]
1.CRAZY TOKYO
2.CLUB SICK
3.フレゴリの錯覚
4.罪と罰とマゾヒスト
5.deep:sleep
6.ヴィデオドローム



そして、冬の「stylish wave」へ向けて…。
12月からは「stylish wave CIRCUIT'16 冬将軍」がスタート。12月31日には、新宿ReNYを舞台に恒例の「stylish wave COUNT DOWN'16-'17」も控えている。次は、その会場で会おうか。

TEXT:長澤智典



stylish wave CIRCUIT'16 冬将軍
2016年12月18日(日) 新横浜NEW SIDE BEACH!!
出演:ジン / アンフィル / Sick2 / Neverland / ViV / BLaive / 甘い暴力

2016年12月24日(土) 大阪MUSE
出演:the Raid. / ベル / ジン / ギガマウス / Purple Stone / Axkey / 甘い暴力

2016年12月25日(日) 名古屋E.L.L.
出演:the Raid. / ベル / ジン / ギガマウス / Sick2 / ASTARIA / 甘い暴力

[各公演]
前売り ¥3,800- /当日¥4,300- (消費税込み)
OPEN 16:00 / START 16:30 オールスタンディング / ドリンク代別途


《- カウントダウン前夜祭 -》
2016年12月30日(金) 渋谷REX
出演:the Raid.(ゲスト) / the LOTUS / THE BLACK SWAN / Neverland / スタア区。 / 0.1gの誤算 /
シビレバシル / バラライカ / ASTARIA / BLaive / シュヴァルツカイン / Axkey
前売り ¥4,000- /当日¥4,500- (消費税込み)
OPEN 14:30 / START 15:00 オールスタンディング / ドリンク代別途



stylish wave COUNTDOWN '16-'17
2016年12月31日(土) 新宿ReNY 開場14:30 / 開演15:30 ~終演25時
前売り¥5,800(税込) 当日¥6,500(税込)
出演:Kra(guest) / グリーヴァ / ジン / ベル / 黒百合と影 / Chanty / ギガマウス /
Sick² / アンフィル / Purple Stone / the LOTUS / ViV / exist†trace / ラッコ / 甘い暴力

※イベントの進行状況により、演奏開始・終了時刻が多少前後する場合ががございます。
※本公演は深夜におよぶ公演の為、18歳未満の方は保護者の同伴もしくは保護者の同意書が必要です。
※オールスタンディング (入場整理番号有り ) /ドリンク代別
※当日は再入場可能です。

◇各公演チケット発売中!!