INTERVIEW

THE BEETHOVEN インタヴュー 後編

THE BEETHOVEN

Psycho le Cemu/DaccoのYURAサマ(Dr)/メトロノーム・ADAPTER。の福助。(G)/元ドレミ團、現:怪人二十面奏のマコト(Vo)/人格ラヂオの那オキ(B)/元花少年バディーズ、現:The Benjaminのミネムラアキノリ(G)…。
ドリームバンド、THE BEETHOVEN。命綱のない綱渡りの人生をコンセプトシングル『CIRCUS CIRCUS』へ投影。

Psycho le Cemu/DaccoのYURAサマ(Dr)/メトロノーム・ADAPTER。の福助。(G)/元ドレミ團、現:怪人二十面奏のマコト(Vo)/人格ラヂオの那オキ(B)/元花少年バディーズ、現:The Benjaminのミネムラアキノリ(G)と、ヴィジュアルシーンの歴史を担い続けてきたメンバーらが集まり誕生したドリームバンド"THE BEETHOVEN"。

5月10日(水)に約2年ぶり通算5枚目となるシングル『CIRCUS CIRCUS』を2-TYPE発売。彼らは、同作品を手に、発売後すぐ「THE BEETHOVEN主催ツアー「CIRCUS CIRCUS」」を実施。結成日となる5月31日には、TSUTAYA O-WESTを舞台に「THE BEETHOVEN 4th Anniversary ONEMAN「Classical×Circus」と題したワンマンライブを行う。

今回作りあげた『CIRCUS CIRCUS』は、「サーカス」をテーマに据えたコンセプト作品。メンバー自身が、表現面で一芸どころか多彩な芸風を持つ音楽シーンの曲芸師たち。彼らがどんな「音楽の曲芸技」を見せたのか、華やかな舞台を彩る裏に、どんな悲哀を抱いた想いを抱え日々を過ごしているのか、彼らの言葉を通して紐解きたい。

TEXT:長澤智典

 

『MIND Theater』


――A-TYPEには、那オキさんの手による『MIND Theater』を収録しています。
那オキ 今回「サーカス」というテーマを掲げたことから、すごく想像しやすかったし作りやすかったですね。実際に、いろんな楽曲のアイデアが沸き上がったことから、何曲もの構想を一曲の中へ全部詰め込みながら『MIND Theater』を作りました。加えて、サーカスには人間のみならず動物も登場するように、猛獣の声も巧みに曲の中へ折り込んでいます。
福助。 デモの時点からかなり作り込んでいたように、聴いた瞬間から「これは凄いな!!」と。自分の中で抱いてた「サーカス」小屋のイメージを遥かに超えるスケールの大きい、まるで木下大サーカスのような規模を持った楽曲です。
マコト あえて規模感で例えるなら、YURAサマの作った『Sorrow The CLOWN』は、酉の市のときに新宿の花園神社へ姿を現す見世物小屋な雰囲気。それが、ミネさんの作った『Burluesque Script』で規模を拡大し、福助。さんの作った『輪廻LINE』で木下大サーカスになり、那オキさんの作った『MIND Theater』でシルク・ド・ソレイユになるという印象なんですよ。中でも『MIND Theater』には、一番サーカスの要素が多彩に詰め込まれていますからね。
那オキ じつは俺も、シルク・ド・ソレイユのイメージで『MIND Theater』を作ったんだよ。
YURAサマ 次々とテンポも変われば転調もしていくように、いろんな表情が一曲の中からポンポン飛び出してきますもんね。最初、「これ、ライブで演奏すること考えて作ったのかなぁ」と思ってたけど。しっかりそこも考えたうえで練られた曲でした。
ミネムラアキノリ 『MIND Theater』は本当に次々と、しかも振り切った姿を持って一曲の中で風景を変えてく曲だからね。サビなんかは、まるでディズニーのパレードみたいな印象ですからね、僕は。中に出てくる猛獣の声は、那オキさんが実際に動物園に行って録ってきたのか、那オキさん自身の声真似なのかが、いまだ気になっている。那オキさんがライブで猛獣の声真似するのを勝手に期待しています。
那オキ 制作中にディズニーランドも動物園も行ったけどね。ただし、遊びとしてね(笑)。
マコト 「人生はタイトロープ そこに命綱はない」と歌っているように、今回の作品の中で一番「サーカス」を具現化しつつ、メンバー自身の人生模様と重ね合わせ描いたのが『MIND Theater』なんです。サーカス小屋の中で繰り広げられるいろんな要素を歌詞へ詰め込みながら、その人たちの悲喜を背負った人生模様と対比させつつも、さらにそこへ自分たちの「音楽界のサーカス曲芸師」としての心の揺れも重ね合わせましたからね。

 

 

『輪廻LINE』


――B-TYPEには、福助。さんの手による『輪廻LINE』を収録しています。
福助。 これは、自分が作るうえでの特色なんでしょうね。何処か日本寄りな曲調になってしまう。だから僕の場合は、那オキさんのようなシルク・ド・ソレイユではなく木下大サーカス寄りになっていくんだと思います。実際に僕自身も、めくるめくサーカスの演目のように、いろんな展開を曲の中へ詰め込みながら作りあげました。
YURAサマ まさに福助。さんらしい楽曲だなと思ったんですけど。ドラムを叩いてて感じたのが、聴感上はゆったりしているのに、じつは凄く体感速度の速い曲だなということ。途中、三拍子になるところも、サーカスっぽくていいですよね。
ミネムラアキノリ 毎回思うけど、あの緻密な構成力は流石というか、福助。くんの作る曲には付け入る隙がない(笑)。確かに、体感するテンポ感は、聴感上の印象以上に忙しいなとは俺も感じた。
那オキ 福助。さんらしい展開の多さというか、『輪廻LINE』は超絶サーカス感のある曲だからね。しかも途中に三拍子を加えたように、余計にサーカス感を抉っていく。実際にベースを演奏していても、気持ちをそぐられる曲だなという印象だったからね。
マコト 僕は『MIND Theater』の歌詞へ、でもサーカスと人生の悲哀を巧みに重ね合わせましたけど。『輪廻LINE』も、そう。人は生まれては死に、また生まれてはと輪廻を繰り返していく。そうやって途切れぬ円のような人生の縁を繰り返しながらも、活きてるときはただただ真っ直ぐに人生を突き進んでゆく。そういう複雑に絡み合った人生模様を、サーカス自体の印象と混ぜ合わせながら書いています。
 

 

 

音楽界の曲芸師とは、まさに僕らのこと。


――A/B-TYPEに振り分け収録した『MIND Theater』と『輪廻LINE』は、「サーカス」というテーマを色濃く具現化した曲たち。それを、あえて振り分けて収録したのが逆にもったいないなと感じました。
ミネムラアキノリ そこは、僕らも非常に悩んだところ。今回はシングルということもあってキャッチーさを優先に表題曲を『Sorrow The CLOWN』にし、その対極にある『Burluesque Script』をC/Wという形で落ち着かせました。ただし、今回はコンセプトシングルとして制作しているように、一枚を通してサーカスという世界観を楽しんでいただけるようにと思い、それぞれの作品の2曲目から3曲目に至る曲間の繋ぎにも細かいこだわりを持って作りあげています。
『MIND Theater』を通して華やかに終わるのか、『輪廻LINE』に触れながら繰り返される世界へ堕ちてゆくのか。それぞれの作品ごとの世界観も楽しんでもらえたらなと思います。

――今回も、本当に色濃い作品が仕上がりました。
ミネムラアキノリ 音楽界の曲芸師とは、まさに僕らのことです。
マコト 5人の天才集団だからね(笑)。
ミネムラアキノリ まさにドリームバンドです(笑)。
 

 

曜日に合わせて日程を移動もせず、結成したその日にライブを行う。記念日って、その日にちが大切なものだからこそね。


――5月中旬からは、THE BEETHOVENの手による主催ツアー「THE BEETHOVEN主催ツアー「CIRCUS CIRCUS」」が始まります。今回は、なぜ主催ツアーという形を取ったのでしょうか?
マコト ファイナル公演はワンマンにしたよう、最初は全ヶ所ワンマンツアーと考えたんですけど。THE BEETHOVENはサーカスのように、決まった時期に集中して活動を行うバンド。だからこそ、THE BEETHOVENの音楽にまだ触れたことのない人たちへ少しでも多く観て欲しいと思い、今回はいろんなバンド仲間たちに声をかけ、一緒に廻ろうと決めました。まさにサーカスのように、気の合う仲間たちと共に各地を巡業します。

――5月31日には、TSUTAYA O-WESTを舞台に「THE BEETHOVEN 4th Anniversary ONEMAN「Classical×Circus」と題したワンマン公演を行います。最後に、メンバーそれぞれ主催ツアーとワンマン公演へ向けての想いを語っていただけますか?
マコト 主催ツアーについては先に語ったことになります。ワンマン公演に関しては、この日が結成4周年の日であり、周年ライブになります。だからこそ、これまで活動してきた4年間をギュッと詰め込んだライブにしていけたらなと思っています。
福助。 サーカスを観に来た人たちが笑顔になって帰るのと同じように、主催ツアーへ足を運んだ人たちが笑顔で帰れるライブにしていくつもりです。
ワンマン公演ですが、毎回のライブで自分たちの集大成を更新し続けているように、またしっかりバンドのレベルを更新しながら。この日も4周年という気持ちをしっかり抱きながらライブへ向かっていきます。
マコト 毎回、真剣にぶつかっていくのは当たり前だからね。
福助。 そう。毎回真剣に向かっているからこそ、かならず毎ライブごとにバンドの成長は更新されてゆくはず。
個人的に好きだなと思っているのが、THE BEETHOVENは結成日など記念日を大切にしていること。曜日に合わせて日程を移動もせず、結成したその日にライブを行う。記念日って、その日にちが大切なものだからこそね。
那オキ 今回は「サーカス」というコンセプトを立てて作りあげた作品を手に各地を廻るように、一本一本の中でドラマを作りあげていければなと思ってる。イベントに関しても、ある程度決まった流れをセットリストの中へ作りあげてくだろうし、そこでつかんだ流れをしっかりワンマンへ繋げていこうと思っている。何より、今回で得たものを次のTHE BEETHOVENの展開へと繋いでいくんで。
YURAサマ 主催ツアーはけっこう本数を廻るので、いろんなバンドさんと仲良くしながら、その雰囲気で各地でのステージを楽しみつつ、それぞれにサーカスな夜を作りあげていこうと思います。
ワンマン公演についてですが、THE BEETHOVENが始まったのは4年前の5月31日にTSUTAYA O-WESTでのワンマン公演からでした。それ以来のTSUTAYA O-WESTでのワンマン公演になるよう、きっと演っているときはいろんな想い出が甦ってくるのかなぁとも思っています。
ミネムラアキノリ もしや、泣いちゃう?
YURAサマ 泣いちゃうかも。そこは、自分でも今から楽しみにしています。
ミネムラアキノリ 主催ツアーってみなさんと楽しくまわるのも大切ですけど、今回『CIRCUS CIRCUS』というとても強烈な武器が出来たからこそ、改めて真剣勝負の場とイベントツアーを捉え、THE BEETHOVENの格好良さを、各地のお客さんや対バンする他のバンドさんにも見せつけたい気持ちがありますね。もちろんワンマン公演でも、ドリームバンド(笑)としての格好良さをしっかり見せつけるライブを行おうと思います。

 

 

主催ツアーのどっかかワンマンか、どこかでピエロ姿のTHE BEETHOVENがライブに登場するかも知れないし、しないかも知れない…かな!?


――今回のジャケットの裏をめくると、オッと驚く嬉しいヴィジュアルも観れます。
マコト A-TYPEは発表しているスタイルの僕らが写ってるんですけど、B-TYPEには白塗りのピエロ姿になった僕らが映し出されています。
ミネムラアキノリ もしかしたら主催ツアーのどっかかワンマンか、どこかでピエロ姿のTHE BEETHOVENがライブに登場するかも知れないし、ないかも知れない…かな!?


TEXT:長澤智典

 

★CD情報★
『CIRCUS CIRCUS』



【Type A】
【 収録曲 】
1.Sorrow The CLOWN
2.Burlesque Script
3.MIND Theater
発売日 : 2017年5月10日
価格 : ¥1,500- ( tax out )
品番 : BDBX-0041A
発売 : 株式会社BadeggBox
販売 : 株式会社タイムリーレコード


【Type B】
【 収録曲 】
1.Sorrow The CLOWN
2.Burlesque Script
3.輪廻LINE
発売日 : 2017年5月10日
価格 : ¥1,500- ( tax out )
品番 : BDBX-0041B
発売 : 株式会社BadeggBox
販売 : 株式会社タイムリーレコード                            

★LIVE情報★
●THE BEETHOVEN主催ツアー「CIRCUS CIRCUS」


【 20170513 新潟GOLDENPIGS-BLACK STAGE 】
■日程 : 2017年5月13日(土)
■会場 : 新潟GOLDENPIGS-BLACK STAGE
■出演 : THE BEETHOVEN / TAG / Kra / Dear Loving

【 20170514 仙台HooK 】
■日程 : 2017年5月14日(日)
■会場 : 仙台HooK
■出演 : THE BEETHOVEN / Kra / Dear Loving

【 20170518 福岡DRUM SON 】
■日程 : 2017年5月18日(木)
■会場 : 福岡DRUM SON
■出演 : THE BEETHOVEN / Dear Loving / Leetspeak monsters
■開場 : 17:30 / 開演 : 18:00

【 20170520 心斎橋VARON 】
■日程 : 2017年5月20日(土)
■会場 : 心斎橋VARON
■出演 : THE BEETHOVEN / 天照 / Dear Loving

【 20170522 名古屋JAMMIN' 】
■日程 : 2017年5月22日(月)
■会場 : 名古屋JAMMIN
■出演 : THE BEETHOVEN / ベル / 天照 / Dear Loving


●結成4周年記念ワンマンライブ!
THE BEETHOVEN 4th Anniversary ONEMAN「 Classical×Circus 」

■日程 : 2017年5月31日(水)
■会場 : TSUTAYA O-WEST
■出演 : THE BEETHOVEN
■開場 : 18:30 / 開演 : 19:00
■前売 : ¥4,000- / 当日 : ¥4,500-
■別途 : 1ドリンク