stylish wave EXPERIENCE“無礼区#02” ライブレポート!

10月から11月にかけ、東名阪を舞台に開催になった「stylish wave EXPERIENCE "無礼区 #02"」。次なるブレイクを担うと期待をかけたバンドたちを集めたこのイベント。11月1日(日)に渋谷REXを舞台に開催したイベントには、the Raid./AvelCain/ジン/ALIVE/パノラマ虚構ゼノン/ViVが登場。この日の模様を追いかけた。
TEXT:長澤智典
□ViV
ViVのライブは、冒頭から拳と絶叫を戦わせあう様を描きながら幕を開けた。轟音鳴らし襲いかかる『バレないようにkissして』を通し、ジャブを打ち始めたViV。その一発には、最初から熱狂という体重がだいぶ圧しかかっていた。ファンたちとのやり取りから始まった『MESSAGE』でも、クール/パワフルな楽曲をぶつけ、場内の熱をガンガン上げてゆく。ViVは 歌がしっかり胸に響く表現力を持っている。彼らに惹かれる子たちが増加中なのも、そこに理由と強みがあると見た。続く『Supeoki Pain』でも、切れ味の鋭さを演奏に加え、観客たちを左右に走らせ、祭の渦へと飲み込んでいった。
「飛べ!!」。『LOVE SICK』の演奏に合わせ、キラキラ光るリングライトが上下に大きく揺れる風景広がった場内。アグレッシブに煽るステージングを見せながら、同時に、印象強い歌を持っている面も嬉しい。最後も激しさと情熱を重ねた『Cage』を奏で、ViVは熱く熱く観客たちを熱狂へと煽動していった。また新たな無礼家(ブレイカー)が登場したようだ。
[SET LIST]
1.バレないようにkissして
2.MESSAGE
3.Supeoki Pain
4.LOVE SICK
5.Cage
□ALIVE
駆け上がる疾走性を持った演奏と気持ちを高揚させる歌が心地好く交錯。『FULL COLOR REVOLUTION』を通し、いきなり場内をモッシュの風景へと塗り上げたのがALIVEだ。青空へ向って羽ばたくよう心を開放してゆく『君色プライマル』。ALIVEが得意としている晴れたポップカラーな曲たちが、スカッとした爽快さと嬉しいドキドキを胸に与えていた。
ダークホラーなムード醸しだす幕開けから始まった『Helloween Night』。そこはALIVEのこと、闇の空間へウキウキとした暖色性を抱かせるところに"らしさ"も感じていた。月夜の下、アンニュイな気分抱きながらも宴に酔い知れた『夢空princess』。最後は、ふたたび心も身体も思いきり開放するように『pathos』をプレゼント。身体折り畳む熱狂の様も描きつつ、大勢の人たちが楽しくはしゃぎ続けていた。
[SET LIST]
1.FULL COLOR REVOLUTION
2.君色プライマル
3.Helloween Night
4.夢空 princess
5.pathos
□パノラマ虚構ゼノン
熱を携えた力強い演奏に触れながら、身体に熱い脈動を憶えずにいれなかった。パノラマ虚構ゼノンがぶつけた『カガミバリ』に触れ、誰もが騒ぎたい疼きへ身を焦がしていく。轟音鳴らし、暴れ狂いだした演奏。『HIGH ROLLER』が連れ出した、気持ちを昇天させてゆく興奮と高揚感。何時しか会場中の誰もが、頭振り乱し喧騒の渦へ飛び込んでいた。
突き上がる無数の拳、重く激しく唸る『Phantomime』が作り上げた激情な物語。左右に飛び跳ね踊りたくなる?! その気持ちもわかるよ!! 激烈な音と静謐な表情とが交錯。激しく重くうねる演奏の中へ凪な歌を重ね合わせた『ヒトシズク』。立て続けに映画の予告編のよう濃密な短いドラマを、パノラマ虚構ゼノンは観客たちの瞼に、心にリアルに映し出していった。
最後も『クチナシ』を叩きつけ、パノラマ虚構ゼノンは大きく揺れる髪の束の渦を場内中に導き、熱に冒されたライブの幕を閉じていった。
[SET LIST]
1.カガミバリ
2.HIGH ROLLER
3.Phantomime
4.ヒトシズク
5.クチナシ
□ジン
ジンのライブは、豪快に暴れる音の上で艶やかな音色と歌が舞い狂う『純情恋歌』から始まった。場内前方では、すでにモッシュや折り畳み行い暴れてゆく狂姫たちが大勢出現。何時しかその余波は、最後尾まで広がっていた。
会場のあちこちで、扇子やいくつもの手の花が舞い踊り続けたのが『サクラノ恋』。雅な香りも振りまきながら、ジンは場内を宴の園へと彩り変えてゆく。一転、低音が身体に響く重厚な『自我自損』を叩きつけ、会場中を暴れの空間へと様変えだした。どんな曲調だろうと、雅さを色づけてゆく面は流石だ。続く『紫炎』でも、大勢の人たちがタオルを振りまわし、猛る轟音の中へ嬉しく溺れ続けていた。そして…。
暴れることで生まれた熱狂をさらに加熱するように、ジンは『偽モラトリアム』を突き付けた。挑発的で挑戦的な演奏に刺激を受けた観客たちが、首振り、手の花を咲かせてと、激しさの中で表情変えてゆく演奏に合わせ熱狂。終盤では、しゃがんでのヘドバンや逆ダイ続ける暴れの風景も導きながら、気狂った熱狂空間をジンは描き続けていった。
[SET LIST]
1.純情恋歌
2.サクラノ恋
3.自我自損
4.紫炎
5.偽モラトリアム
□AvelCain
いきなり奈落の底へグイグイ引きずり込まれた気分だ。AvelCainが『手首の切り方』を奏したとたん、そこは瞬時に異空間へと変えられていた。解き放された感情のままに音を、叫びをぶつけてゆくメンバーたち。魂を開放するとは、このように狂ってしまうということか…?! 激しさの中でも歌がとても印象深く胸に突き刺さってくる。だから、この痛みへ病み付きになるのかも知れない…。『操り人形』でも、猛々しいまでに気狂った演奏に身を任せ、大勢の人たちが舞台上の4人へかしづくように折り畳み続けていた。暴走した衝撃は、誰も止められやしない。むしろ、一緒に狂ってこその宴だ。
重く嘆くように轟きだした『踏切少女』。暗い闇の中で嘆いた魂を開放することが、こんなにも痛心地好い悦楽になろうとは…。歪み上げる重低音まとった『午前二時』が導いた、哀切な絶叫と興奮。ヒステリカルでサイコティックなフレーズの数々の上で、「勝って嬉しい花いちもんめ」「負けて悔しい花いちもんめ」と叫ぶ業-karma-と観客たち。まるで奈落の底でお遊戯するように、『花一匁』を通し、絶叫のやり取りが何度も何度も繰り返されていた。黒く染まった絶叫と熱狂の宴。この刺激、闇好き(病みつき)になる。
[SET LIST]
1.手首の切り方
2.操り人形
3.踏切少女
4.午前二時
5.花一匁
□the Raid.
the Raid.のライブは、観客たちを暴れの感情へ導く『純潔ピラニア』からスタート。すでに十分温まっていた場内中の人たちが気持ちを熱く掻き立て疾走する演奏に身を預け、笑顔で左右に手の花咲かせステップ踏めば、飛び跳ね、折り畳み続けていた。歌で熱狂を作り上げる、その姿勢を示すthe Raid.。だからこそ、大勢の人たちのハートをつかんでいるのだろう。キラキラとした楽曲に合わせ、満面の破顔浮かべ跳ね続けた『Smile&Smile』。なんて気持ちをハッピーにしてくれる歌と演奏なんだ、まさに「どすこーい!!」な気分だ!!。その楽しさへ嬉しい追い打ちをかけるように流れたのが、『欠落LOVER』。誰もが思いきり拳と頭を一緒に振りまわし、激烈メロディックな楽曲へ全力で感情をぶつけ、はしゃぎ続けていた。
頭空っぽに騒いでこそライブ。激しく走り続ける『ゆびきり』で分かち合った、絶叫と熱狂の約束。『Colors』では、全力で一斉に飛び跳ねる観客たちの熱狂により床が揺れ続けていた。最後に叩きつけた『HEARTLESS』の頃には、すっかり場内は暴れ祭の場と化していた。大サビでは合唱も。胸くすぐる高揚与える歌と身体に振動与えてゆく曲の数々に触れながら冷静でいれるわけがない。イベントのトリを締め括るに相応しい熱狂を、the Raid.はしっかりと描き出していた。
[SET LIST]
1.純潔ピラニア
2.Smile&Smile
3.欠落LOVER
4.ゆびきり
5.Colors
6.HEARTLESS
□エンディング
最後は、出演したバンドの代表者と星子さんがトークセッションを実施。この日は、パノラマ虚構ゼノンが翌日のライブ移動のため、ライブ終了後、先に出てしまったことから、5バンドで実施。こういう時間を設けることで、各バンドのパーソナリティ面を知れるのも嬉しいこと。さらに,各バンドメンバーと観客たちがじゃんけん。勝ち残った人が、各バンドからプレゼントをもらえるというコーナーを実施。これこそが、「stylish wave」というイベントの特色とも言えようか。
NEXT EVENT
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stylish wave EXPERIENCE 無礼区 #03
2016年2月11日(祝・木)大阪RUIDO
出演:Smileberry / 少年記 / Sick² / Synk;yet / Purple Stone / SHIVA / ASTARIA(OA)
2016年2月13日(土)渋谷REX
出演:Smileberry / 少年記 / Sick² / Synk;yet / Neverland / CLØWD / 乙女国家(OA)
[各公演共通]
OPEN 16:00 / START 17:00
前売り¥3,500- / 当日¥4,000- (消費税込み)
※オールスタンディング / 入場整理番号有 / ドリンク代別
club Zy.会員先行チケット受付中!