K ロングインタビュー 第1回(全4回)
BORN解散後、いち早くソロ活動を表明したのが、ギタリストのKだった。彼は、8月19日に新宿ReNYを舞台に「Rebirth of the Kingdom』と題したライブを行う。その日に、会場限定シングル『Rebirth』も発売。Kがどんな意志を持ってソロとして歩み始めたのか、その想いを伺った。
撮影:菅沼剛弘 / インタビュー:長澤智典
Photographs by Takehiro Suganuma / Interview by Tomonori Nagasawa
――5月26日にZepp DiverCity Tokyoで行なわれたBORNの解散ライブ。BORNらしい終わり方と言いますか、「また、次のライブが控えてるんじゃない?!」という錯覚を覚えそうなくらい、悲しみの色に染まることない最後を飾るステージになりました。
K ほんと、その通りなんですよねぇ。これまでにも自分は、いろんなバンドの解散ライブを見てきました。それが先輩のバンドだったり、友達のバンドだったり。そういう姿を見るたびに、「解散ライブってこういうものだなぁ」という感覚を持っていました。
BORNが「解散」を発表した1月のワンマンのときに、舞台上で猟牙の言葉を聞きながら「解散ライブの日は、自分の想いを伝える最後の日になるんだろうなぁ」「そのときは、こんなことを言おう」「俺らしく伝えるなら、こうだな」とイメージしていたんですけど…。
その後、解散ライブへ向けて活動していく中、事務所主催のツアーを通して全国各地をまわれば、戻ってきてすぐに2マンイベントをバーッとやって、そうこうしているうちに…頭でわかってはいたことですけど、「もう最後のZepp DiverCity Tokyoじゃん」となっていた。
そして迎えた当日、何よりも嬉しかったのが、ファンのみんなも先輩や仲間のバンドマンも関係者の人たちも、みんな口々に言ってくれたのが「BORNらしいライブだったね」「この日のライブが本当にラストなの??」という言葉でした。
――実際、そういうライブでしたからね。
K 自分でも、そこは同じように感じていたことなんです。舞台へ立つ前までは、「こういうことを言おうかな」といろいろ考えていたんですけど。本編を駆け抜け、最初のアンコール前のMCで何をしゃべろうかとなったとき、単純にZepp DiverCity Tokyoのステージに立ててライブを演れている嬉しさしかなかった。それは、メンバーみんながそう。解散を決めるまでにもたくさんの話をしたし、何より、ずっと仲良かったのもあるんだろうけど。「これでもう俺らはBORNを卒業だね、二度とこのメンバーで会うことはないね」という気持ちには誰一人としてならなかった。むしろ、「また何日か後にはライブじゃねぇ?!」みたいな感覚を全員が覚えていた。だからこそ、俺ら自身も悲しみは無かったんです。
――ライブを見ていても、また次のライブが控えてる。むしろ、今回はヘトヘトになるまで暴れきったよなという感想でした。
K そう感じてもらえたのは嬉しいこと。今でも俺ら自身「解散」とは銘打ったけど、やりたかったらまたBORNをやればいいんじゃない?!っていう感覚なんですよ。
「解散」にも、いろんな考え方がある。そりゃあ「また演る意識でいるんだったら、解散なんかしないほうがいい」という人もいれば、その考え方も正解なのは自分らでもわかってる。
――「解散」という名目はあるけど。それこそ、別れたりしても仲良い関係で付き合いを途切れずにいるのと同じ感覚だ。
K そう、そんな感覚なんですよ。よく人にはあるじゃないですか、夢を求めるために実家を飛び出すことって。それが「二度と実家には戻らない」というよりは、「夢を求めるために一度家を飛び出すよ」的な感覚というか。もちろん、BORNの中にも「活動休止」という選択肢はありました。でも、そこはメンバー全員「休止ではなく、しっかり解散という言葉で区切りをつけようぜ」という想いで一致していたこと。
解散した今、心の何処かには「終わっちゃったなぁ」という感覚もあるんでしょうけど。俺自身は解散後すぐにソロ活動を表明したように、今はすでにBORNという実家を出て新しい自分の家を作っている感覚だし、8月にはワンマンライブも控えているように、そこへ向けて走り続けてるって意識なんです。
――解散ライブを終えた日も、お客さんによっては悲嘆に暮れる人もいましたけど。意外と、身体ヘトヘトになりながらも、暴れきった余韻に浸りながら満足げに帰路へ着く人たちも多かったなというのが感想なんです。
K 実際にファンの子たちから届く感想でも「途中泣いちゃいました」とか「バラード聴いてたら涙が出ました」という声もありつつ、不思議だったのがみんな同じ感想というか、ファンの子たちからですら「BORNらしい、ハッピーエンドなライブで良かったです」という声がすごく多かったんですよ。みんなが悲しみではなく満足感を覚えていた。そうやって同じ感覚を一緒に味わえたことは、自分らとしてもすごく嬉しいことでしたからね。
――それだけ、BORNの発する想いをみんなで共有出来てたということなんだろうなと想像します。とはいえ、ステージへ上がる前までは感傷的な気持ちも心に抱いてました??
K Zepp DiverCity Tokyoに立つという意味での緊張はメチャメチャしてたんですけど…。「解散」とか「終わる」というよりも、実際にステージ上でも口にしていたことですが、Zepp DiverCity Tokyoという舞台でライブを演れること自体が嬉しくて、俺自身はZepp DiverCity Tokyoへ挑戦している気持ちしかなかった。あのときは、もうBORNが終わるなんて意識は一切思わずにライブを演っていました。それは、メンバーも同じだったと思う。
――あの猟牙さんも、終始攻め続けた野獣の姿で終わりましたからね。
K あのときは、誰も悲しみに浸る空気ではなかったんでね。最初のアンコールでRayが面白い話をしてたけど。リハーサルの時点では、そういう話は辞めようという意見も出てたんですよ。
――そうだったんですね。
K いつものBORNのライブと言えば本編で突っ走り、アンコールがあったらちょっと軽い話をしたり。ワンマンだったら、アンコールでRayが軽いトークをしてゆくことが通例してあったんだけど。さすがに解散の日なんで、最初Rayには「さすがに解散ライブで、それいる?」と言われたんですけど。メンバー内で話していく中、「いつものBORNを見せるんだったら、それも無きゃ駄目でしょ」という話になり、まあ俺も聞きたかったし(笑)。それでああいう話をしたんですけど。それもあったせいか、悲しさはなかったですね。ただただ楽しかったですからね。
きっと、解散ライブでみんな号泣していたら、それまでインタヴューで話をしていたような「解散するのかな?という空気は、今のバンドにはまったくない」という話に対して、みんな「じつは強がっていたんだなぁ」という気持ちになっていたと思うんだけど。解散ライブの日には、その感覚はなかったからね。ホント、「41曲も演奏出来て楽しかった」というのが素直な感想なんですよ。
――Zepp DiverCity Tokyoでは全部で41曲を演奏。それでも、まだ気力に満ちていませんでした??
K そうっすね。普通ならワンマンライブの翌日は身体がガッチガチに固まるんですけど、翌日も身体はぜんぜん動いてました。そう出来たのも、本番に向けたリハーサルをしっかりやっていたし。何より、ライブをギリギリまでやっていたからZepp DiverCity Tokyoを乗り越える身体は既に出来ていたように、Zepp DiverCity Tokyoへ向け地獄のロードを駆け抜けてきた成果が大きかったんでしょうね。
――ファンたちも、きっと最初は感傷的な想いも持って会場へ足を運んだのかな!?と想像するんですけど。一切そういう空気にはならず。むしろ、互いに全力で感情をぶつけあった熱いライブバトルの風景を描き出していた。その姿は、本当に印象深く、今でも瞼に焼きついています。
K もっともっと時間が経ったときにどう思うのかはわかんないですけど、いまだ終わった気がしてないっていうか…。もしかしたら、もう一生あのメンツで演んない可能性だってあれば、また一緒に演る可能性だってあるかもしれない。正直、そこは今でもわかんないことだけど、すごく綺麗さっぱりとした気持ちでいれてる感じは自分でもなんか不思議な感覚なんですよ。
――それだけ、気持ちを完全に吹っ切って演りきったということなんでしょうね。
K きっと、そうだったんでしょうね。
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INFORMATION

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<<会場限定SINGLE 「Rebirth」2016.8.19 RELEASE!!>>
PSKK-0001:¥2,000 (in tax)
[収録曲]
1. Rebirth
2. Lily
3. Screaming for~
4.「affect」
PS COMPANY PRESENTS K 1st ONEMAN LIVE
『Rebirth of the Kingdom』
2016年8月19日(金) 新宿ReNY
OPEN:18:00 / START:18:30
Member:
Vo. & Gt.:K
Gt.:Cazqui (NOCTURNAL BLOODLUST)
Gt.:MASATO
Ba.:美央
Dr.:SORA (DEZERT)
Prg.:DAICHI (club-D)
前売:¥4,200 / 当日:¥4,700 (税込・Drink代¥500別)
一般発売:2016年7月3日(日)より各プレイガイドにて発売。
・チケットぴあ:http://t.pia.jp/ (Pコード:299-811)
・ローソンチケット:http://l-tike.com/ (Lコード:77024)
・イープラス:http://eplus.jp/
PS COMPANY PRESENTS
『929 Peace & Smile Session 3MAN』
2016年9月29日(木) 高田馬場AREA
OPEN 18:00 / START 18:30
出演:
NAOKI [Vo.NAOKI / Gt.RENO / Ba.K / Dr.靖乃]
RENO [Gt.RENO / Gt.K / Ba.NAOKI / Dr.靖乃]
K [Vo&Gt.K / Gt.RENO / Ba.NAOKI / Dr.靖乃]
[チケット] 前売¥3,800 / 当日¥4,300 (Drink代別)
[問い合わせ] PS COMPANY Co.,Ltd. TEL:03-5913-9008
《チケット販売情報》
■PS mobile先行受付
http://m.pscompany.co.jp/r/ticket_20160929/
受付期間:7月1日(金)14:00~7月11日(月)18:00
入金期間:7月15日(金)14:00~7月19日(火)23:59
■一般発売
2016年8月6日(土)〜 イープラスより発売開始
その他ライブ情報や最新情報は OFFICIAL WEBSITE、Twitterをご覧ください。
【 K OFFICIAL WEBSITE 】
http://www.pscompany.co.jp/k/