stylish wave CIRCUIT'18 春の嵐"今宵、乱れ打ち" ファイナル 2018.4.28 高田馬場AREA ライブレポート
3月から始まったstylish wave春の嵐。今回はシェルミィ、Vexent、レイヴが全公演を周り、最終日の4月28日にはMORRIGAN、JILUKA、甘い暴力、アンフィルも出演した。
熱く迎えた最終日高田馬場AREAのライブレポートをお届けしよう!
TEXT:岡田茉奈佳
■シェルミィ
この最終日ではトップバッターを務めたシェルミィ。シェルミィらしい哀愁を漂わせながら見世物公演の幕を落とした。
「辛いとき、哀しいときに頼る方法が分かりません。そんなときに必要だったのが音楽でした。自分もそういう音楽を作りたい。心を込めて歌います、心で聴いてください」。豹がそう語りかけて始まったのは『哀しい日はいつも雨』。切ないピアノの旋律と雨の音が会場を優しく寄り添うように包み込み、青く照らされるステージから流れるメロディに心の奥をぎゅうっと締め付けられる。
誰もが一人になることを望む瞬間があるだろう。それなのに孤独は嫌だ。そんなどうしようもない感情を振り払うように会場を大きいモッシュで揺らしたのが『ファッションマイスリー』。続く『フラッシュバック炉利ポップ』では観客達に「アメダマを頂戴!」と叫ばせると、メンバーがフロアーに向かってあめ玉を投げ入れた。メンヘラ的衝動音が頭を駆け巡り、観客達は狂おしい程に頭を激しく振り上げていく。
白百合があしらわれたマイクスタンドで豹がギターを持って歌う『少女地獄』は、「純粋無垢」の花言葉を持つ白百合とは裏腹に、鋭いサウンドと豹の苦しい胸の内のシャウトがもがく少女の心模様を表していた。
「押し殺したこの世界を歌いましょう」と、『優しい世界』ではもがきながら生きる意味を歌う。その答えは探しても見つからないかもしれない。ずっと苦しいかもしれない。それでもシェルミィに出会うと彼らが苦しみを昇華させてくれるだろう。
上手いことばかりじゃない人生にそっと寄り添って、酸いも甘いも全て受け入れてくれる。苦しいときは彼らと共に胸の内を曝け出そうじゃないか。
[SET LIST]
1.哀しい日はいつも雨
2.ファッションマイスリー
3.フラッシュバック炉利ポップ
4.少女地獄
5.優しい世界
■Vexent
SEが流れると、会場中から手が上がり、手拍子が沸き起こる・・・。さぁ、Vexentの暑い夜の始まりだ!
「楽しんで行こうな!」という真虎の声を皮切りに、後ろまでモッシュの波が広がった『WELCOME TO THE DARKNESS』からステージはスタート。真虎の低く色気のある声に会場は触発され、一瞬にしてフロアは手を高く上げ飛び跳ねる観客達の姿でダンスフロア状態と化していた。
まだまだイケんだろ!!!とヴォイヴォイ観客と掛け合いのバトルを見せたのは『PSYCHOPATH』。真っ赤に照らされたステージで幾度となく繰り返されるバトルに、会場は更に熱を帯び、フロアーは一糸乱れぬヘドバンで黒く染め上げられていた。
「全員で来い。」Vexentのライブは、互いに暴れ求め合う姿が最高に刺激的であり魅力だ。『#CARRY』では折りたたみで荒れ狂う波が後ろまで伝染し、会場がVexentの重低音で心地よく毒されていく。
勢いは止まらず『咄嗟』では観客達の手拍子が会場を揺らした。奥まで手を伸ばし歌う真虎のシャウトで最高潮に熱を帯びた会場を迎え撃ったのは『哀なんて青春。』。観客達が両手を挙げ大合唱が沸き起こったかと思うと、瞬時にモッシュ、折りたたみ、振り切れるほどのヘドバンと激しく荒れ狂っていた。考えている暇など無い・・・!Vexentのライブでは体感したそのままに体を動かせばいい。フロアーで感情のままに暴れ狂う観客一人一人を満足げに眺める真虎の表情が、この日最高のライブを迎えられていることを物語っていた。
息つく暇のないパフォーマンスに誰もが心を奪われていく・・・。今後のVexentの勢いに目が離せない・・・!
[SET LIST]
1.WELCOME TO THE DARKNESS
2.PSYCHOPATH
3.♯CARRY
4.咄嗟
5.哀なんて青春。
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■レイヴ
「つらいつらいつらいつらい・・・・」、『人生つらみちゃん』からレイヴのライブはスタート。「生きていると辛いよな。辛いけど、そういうときこそ頭振れ!!!!」。レンの言葉を合図に、バンギャルちゃん達が激しいヘドバンで荒れ狂う波を作り出していく。人生辛いと感じるとどうしても下を向いて生きがちになるが、彼らと一緒に「つらい」と大きく声に出して叫ぶ事によって下向きな感情を昇華させてくれる。つらいなら、つらいなりに彼らと暴れ狂おうじゃないか!
『アンチメランコリック』では観客達が両手を上に踊り、サビではタオルで旋風を巻き起こす。ヒステリックな歌詞をnisaがギターで突き刺していくと、共鳴したように会場は踊り狂うバンギャル達の姿で溢れていた。
「全員で掛かってこい!最高に汚い有終の美を飾ります」。『サイコキラー』では、歪んだ愛情をレイヴらしく愛を持って会場に届けた。凶器的な世界観の中で響く、過激的なレンのシャウトが更に会場を熱く火照らせる。
終わりたくないとレンが呟き、愛おしそうに会場を見渡した『オヒトリセレナーデ』。「今世界にお前らと俺らしか居ないぞ!」と言ったその言葉通り、会場は互いに溢れ出た感情を共有するかのように一体になっていた。
完全に彼らと観客達が一つになった会場を最後に迎え撃ったのは『ツミトバツ』。「あむあむじゃれ合いたい」の大合唱が会場に沸き起こった。ここまでシニカルな楽曲を届けてきたレイヴだったが、今、この瞬間は、互いに求め合う強烈な愛で溢れていた。溢れ出た愛を表現するかのように大いに暴れ狂うバンギャル達。
強烈な音楽を放ち、しっかりと会場をレイヴ一色に染め上げた今宵は、汚く最高な有終の美であった。彼らに汚されるのであれば何度でもと願ってしまう・・・。
[SET LIST]
1.人生つらみちゃん
2.アンチメランコリック
3.サイコキラー
4.オヒトリセレナーデ
5.ツミトバツ
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■MORRIGAN
壮大で生々しい音楽を届けに来たのはMORRIGAN。ドスの効いた『BLACK OMEGA』を通して会場のボルテージを一気に上げていく。フロアーでは彼らの凄まじいまでの迫力あるハードなサウンドによって、理性という名の檻を壊し、激しく踊り狂う観客達で溢れていた。
『Everlasting』では、エメラルドグリーンに染め上げられたステージの中、Aryuが力強くも色気のある声で艶やかに歌い上げる。途中アカペラで歌い上げたAryuに、ミラーボールで照らされたフロアーの観客達はその荘厳さに酔いしれていた。MORRIGANは激しさだけではない。圧倒的世界観を作り込み、引き入れるのもこのバンドの大きな魅力である。
『もしも黒い翼が生えたなら(DEVIL.ver)』では激情的なサウンドが心地よく会場を襲う。怒濤のステージをSETSUNAとKULOEのリズム隊がガツガツと追い立て、フロアーの観客達は激しさを増していく・・・!
「いいか、東京。高田馬場、盛大に揺らして帰りたいと思います。悪魔的に踊れ!」。Aryuの叫びを合図に観客達は両手を高く掲げ、激しいモッシュを繰り広げた『DEVILPARADE』。SETSUNAの生み出す力強いドラム音に観客達は跳ね上がり、会場を揺らしていく。カラフルな照明の中、ヘドバンが激しく乱れ打つその光景は、まさに悪魔的で誰もがイカれている状態だ・・・!!
『BRAINPINK.AD』では、ピンク色に染まった会場で激しいヘドバンとステージに迫る勢いの折りたたみが繰り広げられた。Aryuが観客達を全員床に座らせて土下座ヘドバンを行うその光景は、黒い渦が会場でひしめき合う圧巻な光景だった。
MORRIGANの放つ強烈な轟音に、身体は隅々まで痺れ、会場は心地よい麻痺感に浸っていた。
[SET LIST]
1.BLACKOMEGA
2.Everlasting
3.もしも黒い翼が生えたなら(DEVIL.ver)
4.DEVILPARADE
5.BRAINPINK.AD
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■JILUKA
重低音を叩きつけにやってきたのがJILUKA。頭のてっぺんから足の先まで図太い音が体を揺らしてくる・・・。
「拳あげろ!」Rickoの叫びに会場からは次々と拳が突き上がる。重厚なメロディをつんざく様に奏でるSenaのギターソロに刺激され、飛び跳ねる観客でステージが隠れる程だ。
続く『Divine Error』では「揺らせ―!」とRickoが叫ぶと強烈な衝動音が箱を刺激した。観客達は体の隅々にまで染み渡る刺激に挑発され、体を激しくステージに向かって折りたたんでいく。もうJILUKAに蝕され勢いが止まらない・・・!!
「ファイナル、すげー覚悟で来てんだよ。お前ら、覚悟出来てんのか!?」JILUKAの『Necropolis』が飛び出すと同時に、会場は大きく跳ね上がった。赤く染まるステージで、小柄なRickoの身体から放たれる強烈なシャウトとSenaのテクニカルなギターが身体を稲妻のように走り抜ける。
『Crossing Fate』が始まると、会場からは嬉しい悲鳴が沸き起こった。BoogieとZyeanのリズム隊による低音がガツンと来る中、Rickoは今までと違って爽やかに歌い上げる。そのギャップも、このバンドの魅力なのだ。曲の終わりには真っ青なステージに、一体次は何をぶちかましてくれるのだろうか!?と期待と興奮の入り交じったなんとも言えぬ静寂が会場を包み込んでいた。
ラストに、再び過激な『Lethal Affliction』を持ってきたJILUKA。「ここまで来いよ!」と熱く煮えたぎっているフロアーをまだ足りないと煽り立てるメンバー達。観客達は、神々しい物に手を触れるかのようにステージに向かって大きく手を掲げていた。
中毒性のある重厚な音楽に勢い止まぬ熱いパフォーマンス。またすぐに彼らと抑えきれぬ熱情を求め合いたいと思わせてくれるステージだった。
[SET LIST]
1.ZONE
2.Divine Error
3.Necropolis
4.Crossing Fate
5.Lethal Affliction
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■甘い暴力
『依存』と『嫉妬』と描かれた大きなボードが上手と下手にそれぞれ配置されたステージ。「手拍子をください!手拍子をオカズにオ○二―します!」出だしからとんでもないことを言い放つ咲。甘い暴力、一体どんな暴力的なステージをかましてくれるのか!?
『最低最悪、だ。』で一曲目からフロアーに降り立つ咲は、満員寿司詰め状態のフロアーでもみくちゃにされながらも、関西弁で次々と直接煽り立てる。
『使えね。』では観客達と一緒に中指を立てて「使えねぇ!」のコール&レスポンスが行われた。観客達の声が会場中にこだまし、熱を帯びると『君、依存、タトゥー』では、メンバー全員がフロアーに降りて「依存」という名のタトゥー(判子)を観客一人一人に押して回る。ステージだけでは収まらない彼らのパフォーマンスに観客達は引き込まれ、完全に音楽というバイオレンスに依存していた。
『本能』では、「本能」と「暴祭」と描かれた旗を義と咲がそれぞれはためかせながら、ステージから観客達を右へ左へと大きく揺り動かす。「お前ら、星子さんに恐れを成して声あげろ!」と咲が叫ぶと、なんと楽器隊が星子さんの大きい顔写真のついた袋を被りフロアーに迫りやってきた・・・!『現実逃避癖』が披露されると、目まぐるしく繰り広げられるステージに振り落とされるまいと、観客達は下手から上手へと勢いよくダッシュする光景が会場いっぱいに何度も広がった。
「お前ら、あり得ねぇ声を聞かせろ!汚ぇ声で来い!」。咲の煽りに応えるように、フロアー中の人たちが頭の螺子を外したかの様に激しく踊り狂った『ヒス症』。次々に起こる光景は、まさにヒステリックで、イカれたその光景は暴力的である。そんな彼らの事件的なステージに思わず虜になってしまう・・・。
また彼らに激しい暴力を振るってもらいたいと感じてしまうのは、甘い暴力という依存症に侵された証である。
[SET LIST]
1.最低最悪、だ。
2.使えね。
3.君、依存、タトゥー
4.本能
5.現実逃避癖
6.ヒス症
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■アンフィル
stylish wave最終日のトリを飾ったのはアンフィル。幕が開き、一列に並んだメンバーを会場は沢山の光るリングの明かりで迎え入れていた。
『RIP』で途中マイクを離して地声で歌い放った翔梧。会場の後ろにまでしっかりと響き渡ったその歌声には、最終日のトリという堂々とした威厳が宿っていた。
深海のような深い青の照明の中、切ない歌声を届けたのは『リオ』。ステージにうずくまり心の底からの言葉を届ける翔梧の歌声と、鋭くもエモーショナルなyukitoのギターソロが胸を打ち付ける。続く『螢の瞳』では、会場中を螢が飛び回っているかのように、観客達のリングが煌めいていた。レトロを感じさせるメロディーに、どこか儚さを含んだ歌詞が光輝く会場を更に幻想的に物語る。
「stylish wave好きですか?俺は大好きです。さっき星子さんと話をしてたら、昔はZeppでやっていたんだって。良いなぁって思ったけど、今皆の顔見たら違うなって。やっぱり悔しい。俺たちのV系は日本全国に通用する。だから、一緒に日本を盛り上げよう。星子さん、俺らがZeppでやれるようなバンドになったら、その時は呼んでください。一緒にZeppでstylish waveやりましょう!」。翔梧の力強い宣言から始まったのは、この日初披露となった『銀の贖罪』。この曲で、未来への誓いと想いをしっかりと会場へ届けたアンフィル。『ルピナスアンハピネス』で「ここからZeppのツアーを始めよう。」と会場に告げると、その想いに応えるように観客達はメロディにノって激しく舞い踊る。
「このヴィジュアル系業界、どんな暗闇迷ってても、俺が連れ出してあげるからさ」と最後に届けられたのは『迷い姫』。俺らに委ねろ!!と届けられる彼らの音楽は実に頼もしく、今後を期待させる。
V系シーンを語るには、間違いなく彼ら無しではいられないだろう、そう確信させてくれる心強いバンドがアンフィルだ。
[SET LIST]
1.RIP
2.リオ
3.螢の瞳
4.銀の贖罪
5.ルピナスアンハピネス
6.迷い姫
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様々な系統のバンドが集結して遂行された今回のstylish wave春の嵐。各地では激しさと勢い溢れるステージが展開され、多くの観客達を魅了して行った。
続く物語は6月のstylish wave無礼区と夏の陣へ・・・。今年どんな熱いドラマが生み出されるのか。
数多くのバンドが強い想いを音楽と共にアナタへ伝えにやってくる。是非、現場でこの熱狂を彼らと共に味わい、忘れられぬ宵を過ごして頂きたい。
TEXT:岡田茉奈佳
▶NEXT EVENT
stylish wave EXPERIENCE ”無礼区 #08”
2018年6月23日(土)大阪RUIDO
出演:JILUKA / DAMY / てんさい。 / 未完成アリス / ハクビシン / CANIVAL / メリーバッドエンド
2018年6月30日(土)渋谷REX
出演:JILUKA / DAMY / てんさい。 / 未完成アリス / ハクビシン / まみれた / ジグソウ
OPEN 16:00 / START 16:30
前売り¥3,500- / 当日¥4,000- (消費税込み)
チケット先行予約:
[Aチケット]
・WEB『club Zy.』プレミアム会員/モバイル&スマホ日刊ブロマガ!『club Zy.チャンネル』会員最優先
・WEB『club Zy.』一般会員優先
[Bチケット]アーティストHP先行予約
[Cチケット]一般チケット発売中!
ローソンチケット ▶チケット購入ページ
e+ ▶チケット購入ページ
ライカエジソン大阪:06-6252-6262
ライカエジソン東京:03-3369-3708
ZEAL LINK渋谷:03-5784-9666
ZEAL LINK高田馬場:03-6908-9682
入場順:A→B→C
※オールスタンディング / 入場整理番号有 / ドリンク代別
stylish wave CIRCUIT '18 夏の陣"今宵狂乱"
7月8日(日) 渋谷REX
出演:JILUKA / シェルミィ / BabyKingdom / マイナス人生オーケストラ / てんさい。 / ハクビシン / メリーバッドエンド
7月15日(日) 新横浜NEW SIDE BEACH!
出演:JILUKA / シェルミィ / マイナス人生オーケストラ / まみれた / IGGY / メリーバッドエンド / ジグソウ
7月21日(土) HEAVEN'S ROCK さいたま新都心VJ-3
出演:JILUKA / シェルミィ / マイナス人生オーケストラ / まみれた / IGGY / ハクビシン / ジグソウ
7月28日(土) 仙台MACANA
出演:JILUKA / シェルミィ / BabyKingdom / IGGY / ハクビシン / ジグソウ
8月4日(土) 大阪MUSE
出演:JILUKA / Vexent / シェルミィ / BabyKingdom / てんさい。/ 未完成アリス / Leetspeak monsters
8月5日(日) HOLIDAY NEXT名古屋
出演:JILUKA / Vexent / シェルミィ / BabyKingdom / てんさい。/ 未完成アリス / メリーバッドエンド
8月25日(土) 高田馬場AREA
出演:JILUKA / Vexent / シェルミィ / DAMY / BabyKingdom / てんさい。 / 未完成アリス
OPEN 16:00 / START 16:30
前売り ¥3,800 / 当日 ¥4,300(tax in)
オールスタンディング、入場整理番号有り
*ドリンク代は各会場ごとに異なります
主催:JVK 企画:club Zy. / club Zy.チャンネル 制作:com agent
協賛:ESP Entertainment Group 協力:Gab. / club Zy. MAG
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