REPORT

誰もが気持ちを一つに、心の両手で互いの気持ちを結び合っていた。結んだその先にはRyujiがいた。「The Brow Beat Live Tour 2019 "Hameln"」ツアーファイナル公演レポート!!

HAKUEI The Brow Beat 佐藤流司

PENICILLINのHAKUEIがトータルプロデュース。俳優の佐藤流司が、アーティスト「Ryuji」として結成したバンドプロジェクトがThe Brow Beat。
佐藤流司と言えば、「仮面ライダーフォーゼ」へ出演し俳優デビュー後、『ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン』『ライブ・スペクタクル「NARUTO」シリーズ』『學蘭歌劇「帝一の國」シリーズ』『ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ』など、「2.5次元」と呼ばれるジャンルの舞台を中心に活動している。とはいえ、もともと生粋の音楽好き。しかもヴィジュアル系を好んでいたこともあり、PENICILLINのHAKUEIとの出会いから、彼のプロデュースのもと、Ryujiとして活動を始めたという経緯がある。
これまでにThe Brow Beatは、『ラグナロク』『Hameln』と2枚のアルバムを発売。昨年は、日比谷野外大音楽堂での単独公演もSOLD OUTさせている。
The Brow Beatは2ndアルバム『Hameln』を手に、1月より全国7大都市ワンマンツアー 「The Brow Beat Live Tour 2019 "Hameln"」を行い続けてきた。そのファイナル公演を、2月6日と7日に豊洲PITで開催。ここへは、7日の公演の模様をお伝えしよう。

 


その音色は、人々を夢の世界へ連れ出した。舞台を覆ったスクリーンに映し出されたのは、Ryujiを先頭に行進する5人の賢者たち。その様は、まるでハーメルンに現れた笛吹男の音色に導かれ行進してゆく姿のようだ。いや、すでにこの会場にいる満員の観客たちが、Ryujiの歌う声に惹かれ、行進をする仲間たちになっていた。

 

 

「Are You Ready?!」、幕の内側から上がるRyujiの声。冒頭を飾る『光のアルペジオ』が流れだすと同時に、大きな幕が落ち、The Brow Beatのライブが始まった。沸き上がる闘志を雄々しい音に乗せ攻めるメンバーたち。豪快な音の上、想いを届けるように歌うRyuji。演奏が進むにつれ歌声にも熱が滾れば、サビでは、胸に抱えた想いをすべて解き放つように歌う姿も。その姿に触発され、フロアー中から無数の拳が突き上がる。
爆裂した音を合図に飛びだしたのが、『日本』。Ryujiと一緒に「サクラサク」と歌う満員の観客たち。とても激しく攻める楽曲だ。Ryuji自身の中から沸き上がる情熱を、荒ぶる音や感情的な歌声に投影。「覚醒させろ!!」。その歌が、観客たちの理性の奥に閉まっていた本能を引きずり出す。ハード&シンフォニックな音を相棒に、Ryujiは雄々しく歌いながら、『Hide and Seek』を通し熱狂のドラマを描き続ける。その様は、まるで狂気と歓喜を両手に掲げ観客たちを煽動する魔性の王子のようにも見えていた。

 

 

「最期まで悔いを残さないように」。これまでの熱狂から一変。『Brilliant Transparency』を相棒に、Ryujiは胸の内に渦巻く想いを切なさ抱いた声色を通して歌いかける。とても心を揺さぶる、抑揚のある歌声だ。その様に、誰もが呼吸を止めるくらいに魅せられていた。何より、歌うその姿を。届く声を、しっかり受け止めていたかった。
美しさと切なさが同居すると言えば良いだろうか。心の奥底から込み上げる想いを嘆くように歌うRyuji。『unlost』を介し、彼は観客たちの心へ哀愁を抱いた歌声を直接注いできた。なんて美しくも切ない想いだろう。心を揺らすミドルバラードに触れながら、何時しか心も震えていた。「自分の大切な人を思い出しながら聞いてください」。続く『ドミノ』も、触れた人の感情へダイレクトに想いを届けるバラードナンバー。胸を痛く締めつけるほど切なく儚い楽曲だ。Ryuji自身も、みずからの心の中から沸き上がる潤む感情へ揺さぶられるまま、歌声を滲ませていた。 

 

 

「Brow Beatとは"威嚇する"という意味。みんな、俺を威嚇してくれるか!!」。熱い手拍子を合図にワイルドなロックビートが飛びだした。『CLOWN』だ。とてもスリリング、かつジャジーでムーディな楽曲だ。疾走する演奏の上に華やかさと艶やかな色を塗り重ねてゆく。毛羽立ったロックンロールナンバーに呼び込まれ、HAKUEIがステージに姿を現した。ここからは、RyujiとHAKUEIのツイン・ヴォーカルによるコーナー。絢爛華美な楽曲の上で、RyujiとHAKUEIが時に激しく、時に艶かしい声で歌を掛け合いだす。その様に身体は熱狂しながらも、視線は、ズッと2人の王子の姿を追いかけていた。


メンバー紹介を兼ねた煽りナンバー『Member Call』を挟み、楽曲は、さらに華やかさを増すように『OVER』へ。激しい音の渦の中、艶かしい声を掛け合うRyujiとHAKUEI。何時しか2人は放熱する演奏に煽られ、感情を剥き出しに歌声をぶつけあっていた。互いに顔を突き合わせ、気持ちを重ねながら歌う、その姿がとても魅惑的だった。それ以上に、身体が熱を吸い込み続けて爆発しそうだ。
轟音響かせる『Snow White』が流れると同時に生まれた、Ryujiと観客たちによる「ハイホー!!」の掛け合い。本編では、爆発した気持ちをRyujiとHAKUEIが歌声を介してぶつけあう。とてもスリリングな光景だ。熱した演奏や歌声が、観客たちを騒ぐ宴の中へグイグイ引き込んでゆく。激熱なステージングに魂の震えが止まらない!!
HAKUEIを送り出した後にRyujiが届けたのは、ザクザクとしたワイルドな音を相棒に激しく攻めゆく『Scarlet Syndrome』。その歌声や楽曲は、触れた人たちへ光を降り注いでいた。その光を感じた会場中の人たちが心の手を伸ばし、その輝きをつかもうとしていた。何より、Ryujiの命を燃やし尽くすように歌いあげる声に、心が嬉しい熱狂の悲鳴をあげていた。もっともっと、その情熱を響かせてくれ!!

 

さぁ、ここからはラストへ向け一気に走り出せ。とても華やかで派手な彩りを持った『ジセイノク』が、気持ちを嬉しく突き動かす。Ryujiも、沸き上がる想いのまま抑揚を持った声で歌いあげる。続く『パラノイド・スター』では、ダークでパンキッシュな演奏の上で、Ryujiがメガホンを片手に剥きだした感情のままに煽り続けていった。とても激烈で、激情した気持ちをぶつけるステージングだ。激しい音の衝撃に煽られ、会場中の人たちも熱狂の中、心身悶えるほどに騒ぎ続けていた。
それまでの熱狂をすべて光で包み込むよう、最後にThe Brow Beatは『メビウス』を届けてくれた。気持ちを優しく包み込むRyujiの歌声に触れ、会場中の人たちが手を高く掲げ、彼へ想いを捧げていた。両手を舞台上へ伸ばしながら、Ryujiの歌を介して響く想いをつかんでは、心の箱の中へ次々と詰め込んでいった。

 

「これは、命を大事にしようという歌です」。アンコールでは、Ryuji自身がとても大切にしている『睡蓮』を歌唱。シンプルな演奏が、次第に音の色を加え感情的になってゆく。その様は、まるで闇に落ちた心が、生きる意味を見いだし立ち上がろうとする姿にも感じれた。終盤に起きた、「命は歌に乗り旅をする」「命は風に乗り旅をする」の大合唱。誰もが、生を謳歌するよう気持ちを一つに。Ryujiと想いを分かちながら、会場中に歌声を響かせていた。その様の、なんて胸打つ光景だったことか。
続いては、今回のツアーで毎回歌ってきた hide with Spread Beaverの楽曲のカバーコーナー。Ryujiは、このツアー用に『ever free』『ROCKET DIVE』『ピンクスパイダー』の3曲を用意。会場ごとに、そのいずれかを演奏し続けていた。ファイナルのライブの場に選んだのが、『ever free』。心地好く疾走する演奏の上で、hideの魂を乗り移らせ、光を集めるよう輝きを持った歌をRyujiは届けてくれた。間奏では、衣装を身にまとったHAKUEIが乱入する一幕も。


さらにRyujiは、「前日のライブで歌った『ROCKET DIVE』のときに、歌詞が一部飛んだでしょ。ツアーに悔いを残したくないからもう1回歌いたい」とメンバーらにお願いをし、『ROCKET DIVE』も届けてくれた。この曲の間奏でも、HAKUEIが乱入していたことをも伝えておこう。もちろん、ライブは観客たちもノリノリで騒いでいた。
最後は、バンド名も冠した、心を開放してゆく『Browbeat』だ。この歌に触れていると、心に翼が映え、歌に合わせ大空を自由に飛び交う気分になれる。いや、何時だってThe Brow Beatの音楽は、触れた人たちに心を解き放つ自由を与えてゆく。ライブを通し体感することで、その想いをさらに強く感じれたのが嬉しいじゃない。

 

止まぬ声を受け、ふたたびRyujiはステージへ。これが最後のブロックということから、ふたたびHAKUEIもステージへ。飛びだしたのは、派手で華やかなロックンロールナンバー『Black & Black』だ。楽曲に合わせ、RyujiとHAKUEIが歌の掛け合いを繰り広げる。魂を熱く掻き立てるやりとりだ。沸き立つ衝動に、身体が壊れそうだ。
その嬉しい衝動をすべて温かく包み込むよう、最後の最後にRyujiとHAKUEIは『アイリス』を歌いあげた。誰もが気持ちを一つに、心の両手で互いの気持ちを結び合っていた。もちろん、結んだその先にはHAKUEIが、Ryujiがいた。幸せを身体中に染み込ませてゆく、この瞬間が堪らない。この幸せを知った人たちが、これからも増え続け、The Brow Beatをどんどん大きな舞台へ連れ出していくのだろう。それを知れたことが、この日、一番の喜びと財産だった。


TEXT:長澤智典

 


≪The Brow Beat information≫

DVD「The Brow Beat Live Tour 2019 “Hameln” at Toyosu PIT 2019.02.07」発売決定!

【タイトル】The Brow Beat Live Tour 2019 “Hameln” at Toyosu PIT 2019.02.07
【発売日】2019年6月5日(水)
【販売価格】5,000円+税
【内 容】本編+特典映像
※内容詳細は決まり次第、お知らせいたします。

【予約期間】1月17日(木)14:00~4月26日(金) 23:59
【予約特典】撮り下ろし ライブ写真2枚セット(会場・通販共通)
【販売場所】ツアー各会場 /  silkroad store(通販)
※特典は商品1本につき、1セットプレゼント致します。

【会場予約】
※ライブ会場物販ブースでの予約受付は、別途送料700円がかかります。
また、ライブ会場物販ブースでのお支払いは現金のみとなっております。予めご了承ください。
会場予約はライブ会場物販スケジュールに準じます。

【通 販】
The Brow Beat 公式通販サイト   silkroad store:https://silkroadstore.jp
※予約期間内にお申し込みされたお客様へは、発売日にお手元へ到着するよう発送致します。(一部地域・離島除く)
※4月27日(土)からも引き続き御予約いただけますが、予約特典はお付け出来ません。
 また、順次発送となり、発売日に届かない場合もございますので予めご了承ください。
※予約商品の場合(同時購入商品を含む)、ご注文から7日以内のみキャンセルをお受けいたしますが、
 理由の如何を問わず、7日を過ぎての予約キャンセルはお受け出来ませんのでご了承ください。
※ご注文確定後の<商品の追加><数量変更>は出来かねます。
※商品発送時に発送メールをお送りいたします。発送メールを送信後<1週間以内>に商品をお受け取り頂けない場合は、
 キャンセルとさせて頂きますので予めご了承ください。

※この商品はCDショップでのお取り扱いはございません。
お求めは、「ライブ会場物販ブース」もしくは「The Brow Beat 公式通販サイト silkroad store(https://silkroadstore.jp)」にてお願いいたします。
 

日比谷野外大音楽堂ワンマンライブ開催決定!

2019年6月8日(土)
日比谷野外大音楽堂
http://hibiya-kokaido.com/
 
Produce & Guest Vocal:HAKUEI
 
Support Members
Guitar:鳴風
Bass:CHIROLYN
Drums:O-JIRO(PENICILLIN)

※チケット詳細は後日発表いたします。
※会場へのお問い合わせはご遠慮ください。


The Brow Beat Official Site
https://thebrowbeat.jp/