REPORT

0.1gの誤算、五・三の日に提示したホールの新常識(2019年5月3日@日本青年館)

0.1gの誤算

 

2月末の新宿BLAZE、3月中旬のZepp DiverCityと、今年に入ってから早くも2本の大箱ワンマンを行い、大成功を収めている0.1gの誤算。彼等が5月3日=誤算の日の舞台に選んだのは、ここ日本青年館だった。

 

奥行きのあるステージ、指定席が並ぶフロア…普段のライヴとは違う環境に、0.1gの誤算はどう対応するのか。

 

場内が暗転しSEが流れ始めると、一斉に座席から立ち上がるオーディエンス。メンバーがステージ上に出揃ったところで、「ホールだろうが関係なく暴れることを誓います!」と、ボーカル・緑川裕宇が選手宣誓の如く右手を真っ直ぐ挙げる。ライヴ開始の合図だ。最新曲「獣猛戦争~轟け!超誤算狩猟!~」が始まると、椅子に座った状態でヘドバンや折り畳みが繰り広げられる。開演前、席に腰かけ静かに待っている観客の様子を見た時には、ロックバンドのライヴをホールで観るという事にやはり違和感を覚えた。しかし、会場後方から見る今の眺めは、ライヴハウスの光景と変わらない。そう感じる程、場内は気合十分だ。この曲を初めてライヴで披露した時より、演奏も格段にパワーアップしている。

 

 

その後、「ホールに慣れていないだろうから(緑川裕宇)。」と織り込まれた準備体操タイムでは、ジャンプ、モッシュ、ヘドバン、折り畳みと、彼等のライヴでの主要な動きをチェック。どんな場所でも瞬時に対応してみせる誤算ファンが、なんとも頼もしい。しっかりと暴れられる事を確認したところで、2曲目「敵刺す、テキサス」。立ったり座ったりと忙しい様子のフロアだが、メンバーのキメポイントとも息がぴったりで、心地良い空間が創り出されている。また、こうして普段と変わらぬ調子を保ちつつも、4曲目「グリッターレイ」では、ステージを右往左往しながら、会場の広さを実感している姿を見せた。

 

【俺達がホールの常識をぶっ壊す】という公演タイトル通り、ロックバンドがホールでライヴを行う際に懸念される事は、0.1gの誤算にとってはさほど大した問題ではないことが、次々と証明されていく。更に、今日のライヴについて特筆しておきたいのは、ライヴそのものの表情がいつもとは大きく異なっていたことだ。演奏も暴れ方もいつも通り激熱なのだが、“熱い”だけでなく、“温かい”空気に包まれている様な感覚。これが何なのか最初は分からなかったのだが、緑川裕宇がMCで語った次の言葉で、その理由が分かった。

 

「今日はなんか気が楽なんだよね。ZeppやBLITZでのライヴは勝負の日だけど、今日は誤算の日ってことで、お祭りみたいな。」― MCでメンバー全員がマイクをとり自己紹介をしたり、スペシャル企画としてドラムの聞き比べが行われたりと、確かに今日のライヴは、こうした考え方が溢れ出ていた。

 

 

 

「しいたけ人生論」では、ギターを鳴らす緑川裕宇が眞崎大輔をベースのお立ち台からちょこんと押し出すお茶目な一面も。こうして、“熱”“温”入り混じる誤算の日ならではの特別な温度が続く中、フロア二列目に居た小学生にも注目。緑川曰く、誤算の振りも完璧というこの小さなお友達は、地方からの参戦者とのこと。他にも沢山の人が遠征をしてきている事に対し、「次は俺達が会いに行くから。今度はそれぞれの地元で会おう!」と、間もなくスタートする47都道府県ツアーへの意気込みを示した。

 




 

 

本編終了後、スクリーンでは、ツアー初日から発売開始の会場限定シングルを一足早く届けてくれた。また、新アー写も大公開。メンバーの個人アー写が映し出される度に、場内は歓声に包まれた。更に、9枚目となるシングル「絶望メンブレガール」のリリースも発表。嬉しいお知らせの後は、アンコールでメンバーが再びステージへ。

 

先述したメンバー自己紹介が、眞崎大輔(Ba)・河村友雪(Gt)・水田魔梨(Gt)・神崎流空(Dr)・緑川裕宇(Vo)の順で行われる。トップバッターの眞崎が身長、体重、出身地、母親の名前を言ったことにより、普段は聞けない内容を惜しげもなく披露。また、ゲスト3人を迎えて、ドラムの聞き比べ大会も実施された。インタヴューで「神崎のドラムじゃなきゃ嫌だ。」というメンバーに対する挑戦状。目隠しをした誤算メンバーが、8ビートと2バスの音を聴いて、どれが神崎かを当てるゲームだ。8ビートではさすが、リズム隊・眞崎とドラマー4人全員とライヴをした経験があるフロントマン・緑川が見事に正解。だが、2バスの音聞き比べでは、全員不正解という結果に。但し、不正解だった理由は神崎がドラムを叩かず、罰ゲームの執行人役になっていたからという、なんとも誤算らしい内容。そんな特別企画では、終始和やかな笑い声が響いていた。

 


 

ライヴの始めに確認した誤算の暴れ方、基本動作にスクワットを加えた無限ループで攻め立てた「必殺!からくり七変化!」、ダンサーと共に盛り上げた「【K】0626【渇望】」、演奏・歌声に魅了された「サイレントメモリー」と、アンコールでも多様な楽曲が繰り出される中、「月詠センチメンタル」演奏中に突如幕が閉まったのだ。本編中のMCで「時間がきたら幕が閉まります」とメンバーより確かに忠告はあった。とはいうものの、本当にこんな“とんでもなく盛り上がっている”タイミングで閉まるとは予想外。演奏再開を促すコールが沸き起こる。最初は「ありがとうございました。………だって俺、延長料払いたくないもん。」と言う緑川だったが、会場中の熱気に押され、神崎が延長料を払ってくれるという事で話がまとまったらしい。神崎に「ありがとう~!」という声が場内に響くと同時に幕が開くと、「月詠センチメンタル」の後半から演奏が再開された。

 

 

 

「日本青年館でライヴをしたバンドの中で、“一番狂ってた”って言わせようよ。」と言い、ファンを中央へギュッと寄せ集める。そして、座席の間をぬって、フロア中央を陣取った緑川の周りで、座ったまま頭を振り乱したり両手を大きく広げて咲いたりするファン。それは、緑川の言葉通り、恐らく一番狂っていて、とてつもなく異様な光景だったと確信している。ラスト「有害メンヘラドール」では、明る過ぎる客電の中、大きな情熱を放った。


メンバーの珍しい一面を披露した事、ホールの常識を覆し楽しみ尽くした事、本日この2つを掲げた0.1gの誤算。ちょうど一週間後から始まる全国ツアー、そしてファイナルのZepp DiverCityでは、再び勝負に出る。各地で待っている皆の願いを携え、前回のZepp DiverCity公演を超える瞬間が、今はただ待ち遠しい。

 

文◎藤代冬馬
写真◎堅田ひとみ    

 

 

セットリスト

01. 獣猛戦争~轟け!超誤算狩猟!~
02. 敵刺す、テキサス
03. オオカミ男と月兎
04. グリッターレイ
05. 21gの感傷
06. プラチナ
07. 2008年高田馬場AREA
08. 残飯パセリーナ
09. しいたけ人生論
10. ZOMBIE's LOVE LETTER
11. 天地開闢
12. 男闘魂戦争卍燃えよ!誤算光殺砲卍
13. 溺愛ヤンデレボーイ

-encore-

14. 必殺!からくり七変化!
15. 【K】0626【渇望】
16. サイレントメモリー
17. 月詠センチメンタル
18. 混沌的極悪暴曲-ヴィジュアロックパロディウス-
19.【L】1126【悲劇】
20. 有害メンヘラドール

 

 

<最新情報>

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【Zepp DC】47都道府県民割引ツアー【攻略祈願】

5/11 (土) 札幌Crazy Monkey
5/12 (日) 札幌Crazy Monkey
5/18 (土) 新潟Golden Pigs BLACK STAGE
5/19 (日) 新潟Golden Pigs BLACK STAGE
5/25 (土) 名古屋HOLIDAY
5/26 (日) 名古屋HOLIDAY
6/01 (土) 仙台HOOK
6/02 (日) 仙台HOOK
6/07 (金) 心斎橋VARON
6/08 (土) 心斎橋VARON
6/09 (日) 心斎橋VARON
6/15 (土) 福岡Drum son
6/16 (日) 福岡Drum son
6/17 (月) 福岡Drum son
6/22 (土) 岡山CrazyMama 2nd
6/23 (日) 岡山CrazyMama 2nd
6/26 (水) 池袋Black Hole
7/06 (土) 池袋CYBER
7/07 (日) 池袋CYBER
7/09 (火) 池袋CYBER
7/10 (水) 池袋CYBER
7/12 (金) 池袋CYBER
7/13 (土) 池袋CYBER
7/14 (日) 池袋CYBER

 

 

-改・鬼畜企画- 夏のラストスパート!
【Zepp DC】牙を持つ太陽【攻略祈願】

7/20 (土) 名古屋ReNY
7/25 (木) 札幌KRAPS HALL
7/27 (土) 仙台MACANA
8/04 (日) 渋谷Duo MUSIC EXCHANGE(河村友雪バースデー)
8/10 (土) 福岡Drum Be-1
8/12 (月) 江坂MUSE

 

 

-改・鬼畜企画- Tour Final
『俺達の前に道はない、俺達の後ろに道はできる』 ~緑川裕宇Birthday~

8/22 (木) ZeppDiverCity

開場/開演 16:00 / 17:00
前売/当日 ¥5,000 / 未定(D代別)

 

 

8thシングル「獣猛者戦争~轟け!超誤算狩猟!~」が読売テレビ(日本テレビ系)「ワケあり!レッドゾーン」4月度エンディングテーマに決定!  

大阪 土曜日 深夜1時28分~

東京 木曜日 深夜1時59分~

 

 

2019年夏、あの有害メンヘラドール、溺愛ヤンデレボーイに続く3作目
9thシングル「絶望メンブレガール」発売決定!!

 

 

会場限定シングル第三弾リリース決定!
5/11 北海道公演より販売開始

 

0.1gの誤算 OFFICIAL WEBSITE
https://gosan.g1-corp.com/