CHOKEインタヴュー 俺らは「全然問題ねぇ」!!お前らはどうなんだい?!~CHOKEの最新曲は「全然問題ねぇ」超問題作!!~
Interview: 長澤智典
ただ怒りをぶち撒けても感情の発散にはなるけど、根本的な問題解決には繋がりにくい。そこから、伝えたい感情をもっとロジカルにぶつけたい意識に変わってきた。
――6月5日に配信シングルとして「全然問題ねぇ」を発売します。
歌詞に綴った内容が、コロナショックに翻弄される人たちを揶揄した楽曲にも聞こえました。この歌詞を書いたのは、最近のこと?
REON めちゃくちゃ最近です。
――それは、今の社会情勢に対して言いたいことがあって?
REON その気持ちはかなり大きいですね。コロナ騒動によってCHOKEも「活動していけるのか?!」という状態へ追いやられていたように、今の世の中の動きへ振り回されているのも事実。だからと言って世の中の情報に攪乱され、SNSを通して正否さえ判断の付かないいろんな情報や気持ちを垂れ流すのは止めておこうと自分たちは思っていた。
もちろん、正しい情報を理路整然と語れるならSNSを通して発信するのは有りだけど、誤った発信の仕方になり、逆に応援してくれる人たちを不安にさせるのは違うこと。何より、自分たちには音楽という発信手段がある。だったら、そこで発信しようという想いもあったからね。
――過激な発言や誤った情報、検証が必要な事柄を噂が噂を呼んでのように垂れ流される状態はSNS上でも次第に収まり出しましたが、それでも、当時も今も政府や知識人らの発言に振り回され、訳もわからずパニックに陥り、正否の判断もないまま情報を垂れ流す状態があります。「全然問題ねぇ」を聴いていると、CHOKEとしてはそこへ「もの申す」の姿勢を持っていません?
REON 怒っているだけでは何も解決はしないからね。CHOKEには、MVも制作した「Fuck It」という楽曲がある。その曲では直接的な言葉で攻撃するようにというか、ぶつけたい対象に向け100%で怒りをぶち撒けていた。当時のCHOKEにとっては、それが一番有効的な表現手段だった。
だけど今は、ただ怒りをぶち撒けても感情の発散にはなるけど、根本的な問題解決には繋がりにくい。そこから、伝えたい感情をもっとロジカルにぶつけたい意識に変わってきた。
――ロジカルにぶつける…ですか。。。
REON そう。モヤモヤとした感情のままにいても、根本的な物事の解決には至らない。それよりも、怒るなら、その怒る理由を整理整頓し、納得する言葉を持って伝えていくべき。CHOKEとしては、たとえ怒りであろうとその感情を最終的にはポジティブな意識へ導きたい。その表現手段として、たとえば「夢に向かって」という気持ちを、その言葉を使わずに皮肉を効かせてというか、シニカルな表現で気づかせ、先導してあげたい。その気持ちを持って表現しているように、「全然問題ねぇ」を通しても、そういう風に気づいてくれたらなという想いはあったことだからね。
今のCHOKEなら、どんなジャンルやスタイルの音楽を表現してもCHOKEにしかならないなという自信がある。
――曲調としての狙いもあったら、ぜひ教えてください。
KVYA NONO CHOKEはミクスチャーという意識を掲げ活動をしているように、つねにいろんな音楽性を柔軟に取り入れてきました。ここ最近は、ニューメタルと呼ばれるスタイルを好んで取り込んでいたんですけど。トラップコアに触れたとき、ギターの比重を抑えていたり、ドラムが入っていなかったり、クラブエレクトロな雰囲気を加えたうえでラップメタルを行うなど、それまでの常識をいろいろ覆す手法に強い衝撃を受けました。
そこから自分たちも、一度「こうあるべき」という常識をすべて消し去り、フラットな状態にした中で楽曲を作り始めました。そこで出来上がったのが、「全然問題ねぇ」。CHOKEの場合、先に上げた要素はもちろん。メタルコアな世界では取り入れる人たちの非常に少ないシンフォニックな要素を組み込めば、コード進行も、一度構築したものをあえて壊し、複雑化。
アバンギャルドなアプローチを描いた楽曲を次々と制作し、それらを1曲の中へコラージュするようにして構成しています。聴く人によっては、とっ散らかった楽曲という印象を受けるのかも知れないけど。自分たちにとっては、これでもめっちゃまとめ上げた形なんですよね(笑)。
B5 CHOKEはつねに、「わかりやすく、盛り上がりやすく」のような姿勢とは対極を求めている。だからと言って、突拍子もなく意味不明な展開を1曲40-50分やってしまっては違うなと思っていて。いかに難解なことを数分の中へ起承転結を持って構築していくか。そのうえで、「わかりにくすぎないけど、わかりやすくもない」という絶妙な按配を求めてゆく。それを上手く実践させたのが「全然問題ねぇ」だからね。
Toshiya Sato CHOKEの楽曲は、セクションごとにメリハリがあるというか、セクションセクションをばらして聴くとぜんぜん異なる曲たちばかりになる。それを一つに構築してゆくのがこのバンドの面白さなわけで。その面白さを作っているのも、セクションごとに「一番強調し、伝えたいのは何か?!」と明確にしたうえで、各メンバーがそのための演奏を心がけているからなんですよ。その絶妙なバランス感もCHOKEの魅力だなと、ドラムを叩くたびに感じていますからね。
――ふわふわと沸き立つエレクトロな不況和音、その上へブツブツとレコード針のノイズ音が重なりだす始まり。そこへ絡むのは、押し殺したように言葉を呟くREONのラップ。CHOKEが示したのは、重低音を効かせたトラップミュージックと不協和音なエレクトロ音、ラウドなメタルサウンドにラップをミックスさせるなど、独自の解釈も加えた"CHOKE流トラップメタル"なスタイル。さらにCHOKEの場合、突然、シンフォニックな展開をぶち込むなど、ブロックごとに楽曲の表情をガラッと変えてゆくように、様々な音楽を組み合わせるコラージュな手法も用いたうえで成り立っている楽曲なのが「全然問題ねぇ」という印象を自分は受けました。
KVYA NONO 先にも語ったように、「全然問題ねぇ」を作るうえで最初に心がけたのが楽曲として持つべき価値観…テンプレートを一度全部消し去ること。そして、ポップなアプローチをしたものをいかにぶち壊し、再構築してゆくか。「全然問題ねぇ」では様々な楽曲のブロックを数分間の中へコラージュするように濃縮。同期を用いながら、同時に、人間だからこそ作り出せるグルーヴも意識。
さらに、不協和音を相当詰め込めば、エクストリームな表情から落とす面などテンポチェンジも緩急を効かせれば、セクションによってはBPM10どころかBPM5やBPM2などの緻密な単位で変えるなど、複雑ながらもCHOKE流の売れ線曲として作り上げました。でもまぁ、これでもだいぶマニアックですけどね(笑)。
でも、一つ実感しているのが、今のCHOKEならどんなジャンルやスタイルの音楽を表現しても、絶対にCHOKEの色に染め上げられる…というか、何をやってもCHOKEにしかならないなという自信。やることはないけど、極論、メロコアをやっても、絶対に「やっぱCHOKEだよね」というスタイルに昇華していける自信はあるからね。
――「全然問題ねぇ」は6月5日に配信リリースになります。この時期は、バンドとしてもちょうど結成3周年を迎える時期になるわけですよね。
KVYA NONO そう。6月14日には3周年記念の主催イベント「"BEEF"」も控えているように、その前には世の中へ届けたかったのと、今のタイムリーなメッセージを素早く届けるという意味でも、CDリリースではなく配信という手段を取って今回は届けます。
今後も、タイムリーにホットな衝撃を届けてゆくという面では、CDという形にこだわることなく、配信を通して次々とリリースしても良いなとは思っています。
「みんなで一つの目標や夢に向かって仲良く始めたはいいけど、結局、最期は仲悪くなって壊れてしまうよね」ということ。
――積極的にMVも制作しているCHOKEのように、「全然問題ねぇ」もMVを作りあげました。
その内容がホラーでグロテスクでと、かなりエグくえげつないですよね。
KVYA NONO 「全然問題ねぇ」を撮影したのが、廃村と、その村へ繋がる手段であり、今は廃墟と化したトンネルの中。撮影したときは雨が降り、気温もだいぶ下がっていたように過酷でしたね(笑)。
REON 俺は、ゴミ袋のようなものに身体中をグルグルに巻かれ、雨で濡れた冷たい路面を死体のように引っ張られていたんだけど。とにかく冷たくて、何時しか身体の感覚がなくなっていたように、「あー、やべぇ」という表情がいい感じで映像にも出てる。そこも観て欲しいね。
KVYA NONO 昨年の台風の影響からか、今も丸太や樹木がそこら中に転がっていたように、だいぶ不気味な環境だったけど。そこで数時間撮影をしていたら、逆に、その環境へ愛着が沸いていたからね。
――ストーリー立てたあの映像も、ついコロナ騒動と絡めてしまいますが、その辺も狙ってだったのでしょうか?
KVYA NONO そんな風に受け止められそうな描写もありますけど。僕らが伝えかったのは、そこではないです。バンドの結成や解散もそうだけど、「みんなで一つの目標や夢に向かって仲良く始めたはいいけど、結局、最期は仲悪くなって壊れてしまうよね」ということを、この映像では伝えたかった。ただし、そこに描いた想いが悪いことだとは、僕らは思ってない。
誰もがそうだと思うけど、何かを突き詰めてゆく過程の中、次第に異なる意見や感情が生まれてしまうのは仕方のないこと。それを嫌ったり怖がるのはちょっと違うなというか。それぞれ「一つの夢や目的のうえで集まった」以上、それを求める過程でそうなってしまうのなら、それは素直に受け止めていくべきだなと思ってる。
REON 映像では、仲間をボコボコにしてお金をせしめるなど、あえて過激な表現にしていますけど。バンドマン界隈でよく起きる楽屋での置き引きを皮肉るなど、一つ一つの描写を通し、いろんな物事を皮肉っているので、そこも分析しながら楽しんで観て欲しいね。
「ルールの上で狂っていきましょう」とか言うと、「だせぇな、お前ら!!」と言われそうな連中ばかりなんで(笑)。
――CHOKEは、6月14日(日)渋谷CYCLONEを舞台に主催イベント「CHOKE 3rd anniversary "BEEF" 」を行います。
REON 自分たち自身が観たときに"心が完全にロックオン"されたバンドばかりのように、イベントへ出演してくれる全バンドとも、共演するうえで"自分らの気持ちが引き締まる"くらいに格好いいバンドばかり。どのバンドも、とくにPXLLYは自分の中の常識が通用しないというか、そんなものに束縛されずに活動しているように、どれも奇天烈なバンドばかり。共演者らに「ルールの上で狂っていきましょう」とか言うと、「だせぇな、お前ら!!」と言われそうな連中ばかりなんで(笑)。
B5 CHOKEとして主催イベントは何回かやってきたけど。どのバンドも、自分たちの目で観て聴いて…ライブハウスでの演奏を体感して、「格好いい」と思った人たちだけを呼んでいる。むしろ、俺ら自身が「こいつらと共演できるのも、CHOKEとして3年間頑張ってきたからだな」と思っているように、本当に最高のメンツで主催イベントを組めたようにそれが嬉しい。ただし、ちょっとでも気を抜くとヤバいぞという連中ばかりなのも、事実。これだけのバンドを一晩で味わえるのは滅多にない刺激的なイベントのように、ぜひ、それを感じてもらいたいよね。
REON どのバンドも、お互いをリスペクトしあっているように、他のイベントでは見れない、とてもクオリティの高い内容になるのは間違いないんで。
Toshiya Sato 3周年という一つの節目であり、これまでの3年間でCHOKEが組み上げてきたものを発揮してゆく場のように、そこへ自分はプレッシャーも感じていますけど。けっして受け身になることなく、とにかくアグレッシブに挑戦してゆく姿を見せていく意識です。この凄いメンツとぶつかりあう中で得る刺激も多いように、とにかく自分は当たって砕けろの姿勢でぶつかります。
KVYA NONO メタルコア、ヴィジュアル系etc、ジャンルで括る事は気にせずクロスオーバーしていこう、と活動しているのがCHOKEというバンド。その中でも技量の高いバンドばかりを集めたように、見れば誰もが「ジャンルなんて何も関係ないじゃん」と思ってくれるメンツばかりがここには揃ってる。それをしっかり示せたときが、イベントとしての成功なんだろうね。
それを導くためにも、CHOKE自体がもっともっと評価を得るバンドになっていくべきだし、そのために頑張っていこうと思ってるように、まずは会場に足を運び、自分の身体でその衝撃を感じてください。
「全然問題ねぇ」Trailer May 2020
★インフォメーション★
●配信情報
「全然問題ねぇ」
https://linkco.re/f8SNsZ12
●ライブ情報
2020年6月14日(日)渋谷CYCLONE CHOKE 3rd anniversary "BEEF"
2020年6月14日(日)
場所:渋谷CYCLONE
CHOKE 3rd anniversary "BEEF"
OPEN17:30/START18:00
前売り¥3000(+1D) / 当日¥3500(+1D)
【出演】
・CHOKE
・breakin' holiday
・GIVEN BY THE FLAMES
・PXLLY
・REVIVAL OF THE ERA
・WORLD END MAN
※タイムテーブル5月下旬公開
【チケット】
・e+
https://eplus.jp/sf/detail/3262900001-P0030001
・バンド取り置き
※入場順 e+→バンド取り置き→当日券
【問】渋谷CYCLONE(TEL:03-3463-0069)
●PROFILE
2017年結成のRapmetalバンド。
Rapmetal+Djentをコンセプトに活動を続け、最近ではHardcoreやTrapcoreの影響を強く受けた楽曲を制作。
更にライブ活動は"cross over"というキーワードを掲げジャンル関係なく積極的に活動の場を広げている。
CHOKE Web
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CHOKE twitter
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CHOKE YouTubeチャンネル
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