【聖飢魔II】ヘヴィメタル界のベルリンの壁崩壊!!

新型コロナ禍で世界中が混乱に陥り、社会の価値観も大きく変化した今年も、あと残り僅かとなった。そんな混乱のなか、悪魔集団の聖飢魔IIは地球デビュー(メジャーデビュー)35周年を迎え、5年振りの期間限定再集結をし、「ヴィデオ黒ミサ&生トークツアー『特別給付悪魔』」を10月11日、福岡サンパレスホールを皮切りに全国15ヶ所で合計30公演を行い、残すところ12月27日の長野・ホクト文化ホール 大ホールのみとなった。今年激動の音楽業界、更に激震が襲うコンサート・エンターテインメント業界にあって全国ツアーをやり遂げようとしている。
『伝説の聖飢魔IIデビューアルバム0点事件』
初の無観客での開催となるNHK紅白歌合戦は、BABYMETALの初出場が発表され、大きな話題を呼んでいるが、実は31年前にヘヴィメタルバンドとして、また人間以外の生物として史上初の紅白出場を聖飢魔Ⅱは果たしている。そんな日本のヘヴィメタル界に大きな足跡を残し、今もなお大規模な全国ツアーを展開する聖飢魔IIだが、実は魔暦前14(1985)年のデビューアルバム(聖飢魔IIは大教典と呼んでいる)は、当時ヘヴィメタル/ハードロック専門誌として洋楽を中心に邦楽メタルバンドにも絶大な影響力を誇っている雑誌「BURRN!」のレコードレビューで、当時の編集長に前代未聞の『0点』を付けられたという事件があった。そもそもデビュー盤に0点を付けることはデビューそのものを否定するもので、SNSが当たり前の現在なら炎上必至のこの出来事は、当時の音楽関係者やロックファンの間で論争を巻き起こし、聖飢魔II信者やメタルファンには今も「聖飢魔II 0点事件」として伝説になっている。
結果的に、その後に「蠟人形の館」が日本のヘヴィメタル史上初の30万枚のセールスを叩き出し、追ってオリコンアルバムチャート1位を獲得するなど日本のヘヴィメタルをお茶の間にまで浸透させ、魔暦前14(1985)年〜魔暦22(2020)年の現在も第一線でメジャーな存在として活躍し続けている。ヘヴィメタルというのは日本では特殊なジャンルで有ることを考えれば奇跡的な、いや恐るべき魔力とでも言うべきキャリアだと言える。

『聖飢魔IIが黄金の魂で貫いたロックバンドとしての生き様』
そんな聖飢魔IIは地球デビュー35年。かたや日本のヘヴィメタル業界を未だ代表する雑誌媒体である「BURRN!」。実は聖飢魔Ⅱは「BURRN!」からは一度も取材を受けたことがない。しかし12月19日、この因縁に終止符を打つ日が訪れた。12日に行われた川崎公演のトークにて信者からの「0点事件」に関する質問に応えた聖飢魔II構成員のやり取りをSNSで知った現「BURRN!」広瀬編集長が、聖飢魔IIの悪魔寺(マネジメントオフィス)に取材を申し込み、編集長自ら聖飢魔IIの広島黒ミサに出向き「BURRN!」の取材を直訴するために、参拝券を買って入場していたのだ。
歴史的瞬間は、公演の本番真っ最中に訪れた。聖飢魔IIの侍従(マネージャー)よりその情報を聞いた構成員は、トークの中で、「編集長!いるのなら起立して前に来るように!」と発言。起立した広瀬編集長は、ニュース等で話題となった聖飢魔IIのフェイスシールドを付け、ステージ上に呼び出されたのである。悪魔の公開処刑か!?と場内に戦慄が走った。
そして広瀬編集長はマイクを握り・・・思わずここでジャンピング土下座か!と息を呑む会場に、広瀬編集長のマイクアピールが。
「こんにちは、BURRN! 編集長の広瀬です。聖飢魔IIの構成員の皆さま! 信者の皆さま!地球デビュー35周年おめでとうございます。35年前に先代の編集長が聖飢魔IIのデビュー大教典に0点を付けるという無礼な事をしまして本当に申し訳ございませんでした。私は、35年もの間ずっとメジャーでこのシーンを牽引して来られたことは本当に素晴らしい偉業だと、心の底から思っています。雑誌の黒歴史を無くす為にも、直接私の取材を受けて頂き、BURRN!誌面で改めて聖飢魔Ⅱがいかに素晴らしいバンドかという事を読者にアピールしたいと思って参りました。どうか宜しくお願いいたします。」その言葉には強い意志が込められていた。
「聖飢魔IIが35年の時を経てBURRN!に初登場ということが実現すれば、結構な一大事だが、それなりの覚悟は持って来たのかな?」と問いかけられると広瀬編集長は、「はい!是非とも聖飢魔IIにBURRN!の表紙を飾って頂き、聖飢魔IIの大特集をさせていただきたいと思っております!」と答えた。
そして構成員同士で確認したのち、構成員が「広瀬編集長の心意気は分かった!信者諸君どうかね?」と客席の信者に尋ねると、信者からは大きな拍手が起きた。広瀬編集長の勇気ある直談判を認識した事で、『ヘヴィメタル界のベルリンの壁』が歴史的に崩れ去るかもしれないやり取りが、信者の目の前で繰り広げられたのだ。そして構成員は「この後は侍従と打合せをしてくれたまえ!」と広瀬編集長を送り出した。
聖飢魔IIの黄金の魂で貫いたロックバンドとしての生き様は35年の因縁を越えてここに1つの答えを導き出しそうだ。




