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全面LEDフル活用で城内でのライブが実現【復活!風雲!バブル城~令和版~】ジュリアナの祟りZepp Shinjukuワンマンライブレポート

 2023年の後半は、4か月連続の無料ライブ、【復活!風雲!バブル城~令和版~】を展開してきたジュリアナの祟り。そのシリーズライブのファイナル公演【風雲!バブル城令和版 ~最終決戦!!江夏城編~ 「来たれ!祟りの殿のお膝元」】が、2024年1月13日、Zepp Shinjukuで行われた。年明け一発目のワンマン、さらにはリーダー、江夏亜祐(Dr&楽曲制作などのプロデュースも担当)のバースデーも兼ねており、開演前から場内のワクワク感はかなりのもの。客席はピンクのグッズTシャツを着用したファンで埋め尽くされ、何ともポップな空気が漂う。家族連れや、年配のグループ、ギャル風女子や男子学生など、相変わらず客層が幅広い。開演前にはライブの盛り上がり方(コール&レスポンス)などのレクチャームービーが流され、初めてライブに参戦する人にも優しい配慮がなされている。もちろん、多くのファンは盛り上げ方をマスターしており、ペンライトや無料配布のハリセンを準備して本番に備える。開演と同時にステージを覆う紗幕が落とされ、派手な和装に身を包んだメンバーが現れると2階からはオリジナルの紙幣(!)がバラ巻かれた。

派手な演出から1曲目の「キミクロニクル」へ。本日の主役、江夏を中心に蕪木蓮(Vo.)、矢島銀太郎(Ba.)、翌桧ダンク冬雪(Pf.)、佐川ネル秋吉(Pf.)が一糸乱れぬパラパラダンスを披露。観客も一緒に完璧な振りで反応する。「今日1日、全力で楽しんでいこうな!」と、江夏も観客を鼓舞し、「薄紅色の淡い夢の中で~バブルの呪文はAYATRA~」へ。ここでサポートギタリストのノブと、ダンサーの麻布美佳子とそら♨️るる(彼女たちは派生ユニット、そのまんま祟りのメンバーでもある)が登場。ステージは賑やかさを増す。

 

続く「結論」では観客がジャンプで反応し、前半から“もう後半では?”という盛り上がり。4曲目はポップでかわいらしい「しゅわわ、なシャララ。」で聴く者を魅了する。

Zepp Shinjukuにはステージ背面だけでなく客席をぐるりと囲むようにLEDビジョンが設置されているのだが、事前にXにて江夏から「めちゃくちゃ映像演出拘って絶賛製作中!」と匂わせがあった通り、画面を余すとこなく使用。ステージ背面LEDの上部には楽曲タイトルとメンバーのキャラクターアイコンが、下部には3面VJ映像が写し出され、中部は生カメラを挟む様に和柄の壁と障子があり、まさに江夏城内部でライブが行われているかのような空間に。障子は楽曲や場面にに合わせて開閉し、マスコットが手拍子で客を煽ったり、キャラクター群が走り去ったかと思えば、常時楽曲のタイトルが表示されていた客席側のLEDへと走り抜けていく演出も!(この演出に気づいた客は一体何人いたのだろうか・・・?)
観客の射幸心を煽るかのような激しい映像は、さながらパチンコの激アツ演出のよう。

 アッパーな最初のブロックを終え、MCタイムに突入。ここで江夏から観客に“SNSでポン!”というお題がつきつけられる。つまりは「これから3曲のあいだはスマホで動画撮影OK!そしてぜひSNSで拡散を!」というよびかけだった。観客はノリながらスマホを掲げ、「ギリギリ勝負な僕たちは」から「だーりん」、「夏のyou」をしっかり撮影。
 中盤では、さらに沁みる歌詞のラブソングが並び、追いかける恋心を歌った「鬼ごっこ」、桜をモチーフに狂おしいまでの思いが伝わる「SAQRA」、そしてハートフルで温かい気持ちにさせてくれる「New Scene」で、聴き手の感情をゆさぶる。「New Scene」では感情が溢れだしたのか、蕪木が涙ぐむ場面も……。だが、続く「キミリウム」で蕪木は持ち直し、のびやかな歌声で人気曲を歌い上げた。

 後半に入る前、メンバーはいったんステージをハケて、その間、動画上映でクールダウン。ムービーにはバンドの派生ユニット、“そのまんま祟り”の麻布美佳子、そら♨️るるがフィーチャーされ、ヒートアップした会場をなごませる。しかも、動画には人気のゆるキャラ、ちぃたん☆が登場し、息のあったやりとりを繰り広げた(それにしても、彼らのコネクションの広さには驚かされるばかりである)。
 上映タイムを終えると、見慣れたいつものコスチュームに着替えたメンバーがステージへ。ここから先は容赦のないバブリータイムだ。ノリノリの鉄板曲が次々と飛び出すのは言うまでもない。「泡沫の罪な夏」から後半戦が幕を明け、「キラキラ☆hero」「ギラギラサマーパラダイス」など、パーティーチューンで客席はダンスフロア状態に。「パンティーナイト♂」では、落ち武者ヘアーの矢島がパンツ一丁で登場。観客も手拍子のレスポンスで反応し、心地良い一体感がさらなる熱気を生んでいく。アグレッシヴに聴かせる「【事勿れ主義】SNSメッセンジャー【痛い人】」では、合間に観客からおなじみの掛け声“ドル・ユーロ・ポンド・ペソ・ウォン・円・元・バブリー!”を引き出し、バブルムードは最高潮に(ちなみにこの掛け声はライブの随所で使用される)。その後も「紫陽花モードで責めてくれ!」や、江夏&蕪木のコンビボーカルが楽しめる「無敵シュプレヒコール~このSを、聴け!」など、パンチの効いたキラーチューンを連発。気づけば本編はあと2曲を残すのみに。「あー もー!アモーレ!!〜アイツのタタリ〜」では、本家たけし城のレポーターの衣装をオマージュしたバックダンサーも登場し、ジュリ扇、ハリセン、ペンライトを揺らして大団円。

 

スモークの演出で熱狂は加速し、いよいよラスト曲の「リグレット~君を想い返している~」まで辿り着く。曲終わりでは、観客とバンドによるジャンプと、蕪木の「バブリー!」の声で、本編は幕を閉じた。

観客もかなり体力を消耗したであろうと思いきや、即アンコール……彼らの場合、“アンコール!”の掛け声ではなく、“あ~やと~ら~あや~とら~”という独特のコールが起こる。もちろん、これも開演前のレクチャー動画で初参戦のファンも学習済みだ。メンバーが出てくるまでのあいだ、客席がステージ上のスクリーンに映され、いい表情のファンの姿が抜かれていく。しかも、場内に流れる曲に合わせ、観客も歌声を響かせていた。こういう流れは初めてだったかもしれない。コールに応えてピンクのグッズTシャツに着替えたメンバーがステージに戻ってくると、なぜか江夏が「あのね~……トラブルなんですよこれ(苦笑)」と、謎の第一声を発する。観客全員が“ん?”と思ったところで、江夏が「実は告知映像が流れるはずだったんです。でも、スイッチを2回押しちゃって」と、客席映像はアクシデントだったと説明。だが、江夏は歌っているファンの声と雰囲気に感動して、2コーラス分、まるっと映像を流したという。とはいえ、告知も重要!……ということでメンバーはいったん、ステージからハケて、アンコールをやり直すレアな流れに。この告知内容も超アツ盛りで、9周年を迎える彼らが“9周年9ヶ月連続9円あげちゃうワンマン”で、無料どころか9円あげちゃう!ワンマンを行うというものだった(第1回目は3月28日 全公演、新宿MARZで開催)。いやはや、毎度バブリーな企画をブチ上げてくるのはさすがとしか言いようがない。また、本編で言っていたノリのいいファンに敢闘賞を!……という企画の勝者も発表。何と、最前でノリノリだったオジサマファンが高級焼肉お食事券をゲット! ライブを楽しんだ上にお食事券まで……こういう太っ腹なところがジュリアナの祟りの心意気だ。なごやかに始まったアンコールだが、本来のアンコールはここからである。曲に入る前には動画に参加してくれたちぃたん☆も呼び込まれ、準備が整ったところで代表曲「バブリー革命~ばんばんバブリー~」に突入。ダンクとネルはスモークガンを持ち出し、観客を挑発。そのまんま祟りの麻布美佳子とそら♨︎るるも合流し、ライブはクライマックスに! 

 

大ラス曲「アクシデント」ではバブリーな金テープが発射され、ライブを締めくくった。ライブが終わり、蕪木は「今日はZepp Shinjukuに集まってくれてありがと……」と語り出すも、やはり感極まって目をうるませる。ファンからは「頑張れ!」の声も飛び、「うん!」と気持ちを入れ、バースデーライブの主役である江夏に「生まれてきてくれてありがとうございます!」と、感謝の気持ちを伝えた。その後、記念撮影もあり、感動の1日が終わる……というタイミングで、蕪木が「忘れてた~!」と声を上げ、あわてて江夏への“ハッピーバースデー”ソングを熱唱。江夏は「みんなに会えるのが最高のプレゼントです」と、ニクいコメントを残し、バンドと観客ともども万歳三唱でライブを終えた。ファンを思う温かさと、エンタメに対する泥臭いまでのいちずさ、そしてキャッチーなポップスを存分に楽しめる公演だった。そんな彼らのバブルパワーはまだまだ止まらない。9周年の2024年も音楽シーンをかき回してくれそうだ。

 


■セットリスト

OPSE.タタリノハジマリ
1.キミクロニクル
2.薄紅色の淡い夢の中で~バブルの呪文はAYATRA~
3.結論
4.しゅわわ。なシャララ。
-MC-
5.ギリギリ勝負な僕たちは
6.だーりん
7.夏のyou
-MC-
8.鬼ごっこ
9.SAQRA
10.New Scene
11.キミリウム
-VTR–
-MC-
12.泡沫の罪な夏
13.キラキラ☆hero 
14.ギラギラサマーパラダイス
15.パンティーナイト♂
16.【事勿れ主義】SNSメッセンジャー【痛い人】
17.紫陽花モードで責めてくれ!
18.無敵シュプレヒコール〜このSを、聴け!〜
19.あーもー!アモーレ!!~アイツのタタリ~
20.リグレット~君を想い返している~

-VTR-
EN1.バブリー革命〜ばんばんバブル〜
EN2.アクシデント


文:海江敦士
写真:蔵屋敷英樹/佐々木裕一


■ライブ情報
9周年9ヶ月連続9円あげちゃうワンマン
@新宿MARZ
開場18:30開演19:00 ※情勢により変更となる可能性がございます。

・絶対当選チケット¥3000+ドリンク代(¥600)
・抽選チケット 入場無料!(ドリンク代¥600別途必要)

▼日程
3月28日/4月25日/5月30日/6月27日/7月25日/8月29日/9月26日/10月31日/11月28日

▼チケット
https://tatari.tokyo/contents/706849


■ジュリアナの祟り(a.k.a.エナツの祟り) プロフィール
令和にバブルを呼び起こす!をモットーに活動するバブリー系エンタメバンド。ボーカルの絶対的な歌唱力とド派手なパフォーマンスが見どころ。ビートたけし命名“ジュリアナの祟り”で『バブリー革命~ばんばんバブル~』で2019年1月9日メジャーデビュー。令和改元と同時にバンド名を“エナツの祟り”に改名し『バブリー革命~ばんばんバブル~令和バブル盤』で2020年1月9日再メジャーデビュー。同曲は宝塚歌劇団 雪組公演でもカバーされ話題に。2020年6月20日のLINE CUBE SHIBUYA(旧・渋谷公会堂)ワンマンライブ直後に“ジュリアナの祟り”にバンド名を戻した。最新シングル『無敵シュプレヒコール~このSを、聴け!~』は世界初のモルック専門テレビ番組のテーマ曲として人気。Dr.でリーダーの江夏亜祐が全楽曲を作詞・作曲・編曲・プロデュース。江夏はにぎり寿司の考案者・華屋与兵衛の子孫で千葉県鴨川ふるさと大使。ボーカルの蕪木蓮は中臣鎌足の子孫で現役の神主。


■ジュリアナの祟り(a.k.a.エナツの祟り)公式サイト及びSNS
[HP] https://tatari.tokyo/ 
[X] https://twitter.com/ayatra_wrs  
[YouTube] https://www.youtube.com/enatsunotatari
[X メンバーアカウント]
Vo.蕪木蓮 https://twitter.com/kaburagiren
Dr.江夏亜祐 https://twitter.com/ayuing_tatari 
Ba.矢島銀太郎 https://twitter.com/AyatraGin 
Pf.翌桧ダンク冬雪 https://twitter.com/jt_dunk 
DJ.佐川ネル秋吉 https://twitter.com/nell_tatari


-そのまんま祟り-
https://twitter.com/manma_tatari
麻布美佳子 https://twitter.com/mikakoponn
そら♨︎るる https://twitter.com/lulu_tatari