INTERVIEW

<対談>【70.(XANVALA・Ba) × かる。(まみれた・Ba)】8月14日(木) 池袋EDGEにてXANVALA×まみれた 2マンライブ「死因:バラバラ」開催! 同じ熱を持ちながらも、“バラバラ”な個性を持つベーシスト対談が実現!

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まみれた XANVALA

XANVALA×まみれたの2マンライブ「死因:バラバラ」が、8月14日に池袋EDGEを舞台に開催されることが決定した。これを受けて実施された、70.(XANVALA)とかる。(まみれた)のベーシスト対談。

一見タイプが違う2人に見えるが、普段から少々物騒に思える言葉でお互いを鼓舞するほど性根に熱いものを秘めているという共通点がある。例えるならば、熱さを可視化した赤い炎が70.で、冷静に見えるが

実は高温な考えを巡らせている青い炎がかる。といったところだろう。

そんな両者の関係性を探っていくと、真逆な表現方法でありながらも、それぞれが信念として持っているバンドやベーシストに関する濃密な思いに触れることができた。

◆     ◆     ◆ 

――今回は、70.さんがかる。さんをお迎えして対談を行うとのことで参りました。

70.:対談の経緯としてはXANVALAとまみれたの2マンが決定したっていうのもあるんですけど、それ以前にかる。というベーシストのプレイにしても存在感にしても、俺は物凄く評価をしていて。

かる。:……本当ですか?

70.:本当に。昔から「この子、持ってんな~」っていうオーラを出してたんですよ。そこで今回2マンをやらせてもらうことが決まって、俺とかる。ってバンドの看板になるようなベーシストでもあると思うので、これを機会に話せたら楽しいかなと思ったんです。

かる。:ホント、サラッとかっこいいこと言いますよね。“バンドの看板になる”なんて、僕、初めて言われましたよ。

70.:すごく華のある子だし、音やプレイにしてもメチャクチャ技術的なものを持ってるのに、そういうところをあんまり表に出さないんですよ。「なんで出さないのかな?」って思ってることについても、今日は話したくて。

かる。:うわ。それ、いつも言われるやつだぁ……。

70.:呑みに行くとだいたいこの話題になるね(笑)。「もっと評価されるべきだろう!?」って、実際にそう思ってるし。

かる。:最後らへんになると、ちょっと怒られてるみたいになるんですよ(笑)。

――(笑)。これを機にSNSを遡ってみたら、意外にもお2人は予てより交流があるんですよね。しかも、普段は大人しい印象のかる。さんが「70.さんとはたくさん話しちゃう」と投稿されていたこともあって、今日はたくさんお話が聞けるんじゃないかと楽しみにしてきました。

かる。:僕、「たくさん話しちゃう」って前にも言ってたんですね。こういうインタビューの場になると、僕ってあんまり話すことがなくて。話すことがないっていうのはインタビューが「どうでもいい」と思ってるわけではなくて、まみれたでいうとヴォーカルの伐さんにいろいろ話してもらいたいっていうのが強くあるからなんですよ。やっぱりバンドって、“ヴォーカルの声がバンドの声”みたいなところがあるじゃないですか。だからバンドのインタビューのとき、僕が率先して話すことってまずないし、我(が)は1割も出してないかもしれない。

――普段、そんな風に考えていたんですね。でも、そんなかる。さんが70.さんとは「たくさん話しちゃう」というのは、きっと要因があると思うんですけれど?

かる。:それは、メチャクチャありますね。でも……言いたくないなぁ(笑)。いや、僕ってシンプルにあんまり人に興味がないんですよ。でも、70.さんは僕が心の底から「かっこいい」と思える数少ないうちの1人なんですよね、悔しいですけど。70.さん、ライブもメチャクチャかっこいいんですよ、悔しいですけど!

70.:(笑)

かる。:音作りに関しても70.さんが使っているものを見て自分のボードにすぐに取り入れたりもするし、ステージングも僕とはタイプが全然違うんですけど華があって、他のメンバーさんを見ようと思っても70.さんにどうしても目が行ってしまうし。それって、すごいことだと思うんですよ。あと、70.さんに関わる人が共通して言うのが、やっぱり“人柄”なんですよね。僕は結構冷めてるところがあるんですけど、70.さんは結構熱い人なので、僕にはないところが羨ましいなと思いながら見てるところもあります。……って、言わされてるわけじゃないですよ!?

――はい(笑)。むしろ、すごく慕っているんだなということがわかりました。そもそもお2人の出会いはいつになるんですか?

かる。:出会ったころって、まだFIXERでしたよね?

70.:そう。FIXERとまみれたとの対バンがきっかけでもあったけど、その前に“ベーシスト会”っていうのがあって、そのときから「こいつ、おもしろいな」って思ってたんですよ。かる。は自分のこと「冷めてる」って言ってましたけど、実はメチャクチャ熱いものを持っていて、そこが通じてなかったらたぶん仲良くなってないと思うんです。かる。の熱い部分はライブになるとすごく出てくるんですよね。ライブをしてるときの目の奥にある熱さみたいなものがすごく好きで、それは昔から感じているところでもあるんですよ。ステージングは、俺とは正反対なんですけどね。俺は結構「オラ!」って感情や熱さを解き放つタイプなんですけど、かる。は凝縮されているというか。俺が火炎放射器だとしたら、かる。はレーザービームみたいな感じなんですよ。

――的確な例えですね。もしかすると、正反対だからこそ惹かれるというのもあるのかもしれないなと思いました。

70.:すべてが正反対だとちょっとキツイところはあると思うんですけど、かる。の場合は熱いものを持っているっていうところでは根が一緒なので。それで仲良くさせてもらってるのはすごく嬉しいし、これからも高め合っていけたらいいなと思える存在ではありますね。表に出す方法は違えど、発信しているものは同じなので。熱いもんね? 実は。

かる。:そう、実は。普段から70.さんはそう言ってくれるんですけど……もう、あんまり僕の心の中に入って来ないでほしいです、怖いんで(笑)。

一同 (笑)

70.:それこそ、普段かる。ってこういう話を表ではしないタイプじゃないですか。だから、今回みたいな場で話が聞けるのって、たぶんかる。のファンの方も嬉しいんじゃないかと思うんですよね。お節介かもしれないけど、かる。は自分でやろうとしないから俺が無理やりこう……かる。が思っていることを具現化しようとしているわけです(笑)。呑みの場でもライブを観た感想を話しながら「かる。の中にある熱いものをもっと出していけばいいんじゃない?」っていう話もするんですけど、きっと言っても聞かないからたまには話す場があってもいいんじゃないかな、って。

かる。:すいません(笑)。ありがとうございます!

――よくかる。さんは“極悪”という言葉を使いますけれど、直近ではXANVALAのEX THEATER ROPPONGIのワンマンライブを観に行った際も、70.さんに対して「極悪でした」とXに感想を投稿していましたよね?

かる。:そう。あの日も悪いやつでした。

70.:あははは、最高の誉め言葉です(笑)。

かる。:まず、音がメチャクチャよかったしベースラインの動きもしっかり聞こえてきたし、あんなに広い会場なのにちゃんと体に響いてくる感じもあったんですよ。それだけじゃなくて、あんなに広いステージなのに普段のライブハウスでやってるくらいのパフォーマンスだったんで、それを見てまた「嫌だな~」と思って。帰りに挨拶したときに70.さんに言ったんですよ、「メッチャかっこよかったです。本当に悔しい」って……ですよね?

70.:うん、言った言った。

かる。:その日は僕、一直線に帰ってベース弾いてましたね、悔しくて。「この間は一緒に宅呑みしてたのに、この人はこんなに広い会場でやってるんだ」って、先輩ではあるんですけど、本当にかっこよくて悔しかったんですよね。僕にはメチャクチャ刺さったライブでした。

70.:嬉しいですね。

――ただ、「悔しい」と思うからには、かる。さんの中には目指すべきベーシスト像みたいなものがあるんじゃないかと思うんですよ。

かる。:僕の場合、やっぱりまみれたって中二病なところがあって、「他のバンドと違わなくちゃいけない」みたいなところがあるんですよね。じゃあ、何が他と違うのかって言われれば、僕は“気持ち悪さ”かなと思うんです。そこで、さっき70.さんもライブでは「感情を放出してる」っていう話をしてましたけど、最近は僕もそっちの方向に行っていて。特に対バンライブの短い時間だと、まみれたの世界観を表現するには初っ端から全部出していかないとお客さんには伝わらないと思うし、“常に自分の中に何も残さないライブをする”っていうことはすごく意識してますね。なんなら、後悔している時間はないっていう感じでライブをしてますし、「まみれたのベースはやっぱりコイツだな」って思わせるライブをしたいっていうことは、いつも心がけてます。……なんかすみません、大したこと言えなくて。

――いえ、むしろ感動しています。かる。さんはいつもこんなに熱いことを考えていたんだな、と……!

かる。:もう、絶対言わない!(笑)

70.:でも、呑んでるときは結構こういう話をする子なんですよ。

かる。:70.さんには話しますし、なんか話しちゃうんですよね。ちゃんと話を聞いて、聞いたことにも的確に答えてくれるんで。

70.:ちょっと怒りながらね(笑)。「オマエはさぁ!」って。

かる。:そう。「なんか怒られてる!? さっきまで褒めてくれてたのに……」ってなって、「なんで怒るんですかぁ!?」ってなるまでがセットです。

――なるほど(笑)。では、70.さんはいかがでしょう? 今、ご自分が目指しているベーシストとしての理想像といいますと。

70.:俺もかる。と同じで、「XANVALAのベースは70.しか弾けない」っていう存在になりたいし、唯一無二を求めるというか、自分にしか出せない表現方法を追求しているんですよね。かる。にしか出せないものがあるのと同じで、俺にしか出せないステージングや音や表現があって、結局お客さんもそれを見に来てると思うし、それがなければ結果はついてこないと思うんです。俺も、かる。のライブを観て「いいな」と思う部分は自分のステージに取り入れたりもしているんですけど、かる。の自撮りはマネできないんですよ(笑)。

――自撮り、ですか?

70.:かる。の自撮りの方法で撮ると、俺の場合ダメなんです。あれは、かる。しかかっこよくならない! そういう些細なところでも、自分の良さをわかってるからこそできることをかる。はやっているから、ベーシストとしても人としても尊敬してるんですよ。ちょっと俺の方が先に生まれたっていうだけで本当にライバルと思える存在でもあるから、かる。のいいと思えるところからも吸収させてもらいながら、俺は俺にしかないベーシスト像を未だに構築している感じですね。

――先ほど“ヴォーカルの声がバンドの声”という話題がありましたけれど、実際にXANVALAとまみれたは、センターに個性的なヴォーカルがいるバンドだと思うんです。そこでお2人は、バンド内のポジションというところで普段どんなことを意識されているのかもこの機会に伺ってみたいのですが、いかがでしょうか?

70.:俺、結構“ヴォーカルキラーみたいなベーシスト”って言われてたんですよ。それくらい前に出る、主張が強いタイプではあったんですけど、なんでそれをやっていたのかっていうと相乗効果を狙ってたんですよね。昔から言葉よりも行動でバンドの士気を上げていきたいというタイプだったので、「俺が前に出ることでヴォーカルの戦闘力を上げていく」みたいな意識だったんです。でも、最近は巽の存在感が物凄いものになってきて、だから「もう、コイツよりも前に出ないようにしよう」って言うことを意識してるんですよ。巽からも、俺は行動で思い知らされたんですよね。

 

――言葉よりも行動で、というのをメンバーからも示されたわけですね。

70.:そう。俺、こんな風に「任せられる」って気持ちになったのって、バンド人生で初めてで。「今の巽だったら背中を預けられる」というか……もちろん今までもメンバーに背中を預けているつもりではあったんですけど、最近は“背中の預け方”が本当に変わってきたと思いますね。だから、「俺は巽ができないことをやっていこう」っていうスタンスに変わってきてるところはあります。

かる。:今、70.さんが“ヴォーカルキラー”って言ってましたけど、僕は“ヴォーカルキラー”にはなれなかったんですよ。でも、「そうなりたかったか?」って言うとそうでもないというか、なんなら僕は「1人で全員殺してやる」っていう意識でやっていて、「だからオマエらも殺しに来いよ」っていうスタンスなんです。ある意味、70.さんが言っていた相乗効果に近いものがあると思うんですけど、僕が食ってかかる勢いに食らい付いてきてくれないと困るというか、そうじゃなかったら「全部嘘じゃん」って思っちゃう。だからそういう話は、たまにメンバーに言ったりしますよ。きっと、70.さんだったら「ここかな」っていう、言うべきタイミングをなんとなくわかってくれると思うんですけど、「今、こういう言葉が必要かな」っていうふとした瞬間にポロッと言ったりして、メンバーの意識を高めていくみたいなことはあります。

70.:うん、そういうときあるよね。

かる。:でも、ほんの一瞬ですよ? 毎回言ってたら疲れちゃうんで。まみれたは自由なバンドだと思うけど、自由であるからにはちゃんとやることをやらないといけないと思ってるんですよね。最近は大人になったんで、そんなことを思ったりもします(笑)。そうやって意識は変わってきてると思うんですけど、僕らはまだまだ途中と言いますか、全員で殺しに行かないと勝てるものも勝てなくなっちゃうんで、「全員で殺(や)ろうぜ!」っていう感じ。

70.:でも、それはウチも同じかな。俺も毎回ではないけど、「ここは気を引き締めなきゃいけない」っていうときは、ポロッと言ったりする。かる。と俺は、お互いバンド内でそういう存在だと思うし。

かる。:特に70.さんはリーダーじゃないですか。でも、言われなくてもステージを見てると「リーダーは70.さんなんだな」ってわかるんですよね。そういう納得させる力がある70.さんは「すごいなぁ」って思います。

70.:やっぱり、今話していても“言葉よりも自分が一番に動く”っていうところも、似てるなと思います。きっと、俺もかる。も言葉にするのは苦手なんですよ。だから、まずはちゃんと自分の道筋を作って、それをメンバーに見てもらうことでバンドを活気づけるっていうのは、すごく似てるなと思います。

かる。:そう。こういうところでも、話が合うんですよ。

――ではここで、両バンドの最近の動向をピックアップしながら今に至るまでの変化という話題を振らせていただきたいと思います。まみれたは3ヵ月連続で過去の音源を“作り直し音源”という形でリリースされていましたけれど、かる。さんはこの中でどんなことを意識されていましたか?

かる。:“作り直し音源”に対して意識的に変えたのは、やっぱり音作りですね。僕は歪みが好きなんですけど、最近はいろいろ試してきた音が定まってきたというか、自分なりに「これだな」っていうベースの音ができてきてちょっと嬉しいんです。特に6月以降は先輩と対バンの機会も多いので、だからというわけではないんですけど、やっぱり少しでも良くしたいっていう意識はあって。でも、音作りは一生続くんですけどね。そういう部分でも、まずは自分が音をよくする取り組みをして、「オマエらもやれよ!」っていうのを示せればいいかなと思っていて。自分ができてないと、やっぱりメンバーには言えないから。

70.:わかるっす!

かる。:でも、別にそれは苦労ではないんですよ。自分が好きでやってるし、なんなら「僕ができたんだから、みんなも絶対できるよ」みたいなニュアンス。

――実は、70.さんにも音作りの変化については伺いたいと思っていたんです。EX THEATERのライブを拝見した際に、最新曲の「ヴァジュラ」のベースが非常に印象に残っていて、これまでとは違う音のアプローチを感じられたというのもあったので。

70.:それこそ、さっきのかる。の話を聞いていてもまた共通点が見つかったと思ったんですけど、俺も「ベースは歪みだ!」っていう考えのベーシストだったんですよね。でも、まさに「ヴァジュラ」は歪みを落としたんです。厳密には、歪みとクリーンを2つ出していて、クリーンを主軸にして歪みを纏わせるみたいなイメージで音を作っていったんですけど、そのやり方をレコーディングでも初めて試みた楽曲でもあって。昔は出してる音が一発だけで、もちろんそれが好きでやっていたんですけど、もっと違うアプローチをしてみたいと思ったんですよ。そこで最近はクリーンの音も研究していて、トライ・アンド・エラーを繰り返した上で見つかった方法がEX THEATERに間に合ったっていう感じだったんですけど。たぶん、今までの俺のベースの音とは印象が変わったと思うんですけど、相変わらず歪みは大好きだし、それはそれでもっと届けたいんですけどね(笑)。ただ、「俺の音を聴け!」っていうからには、自分の肌感に合うもの以外にも目を向けていかないと伝わらないなと、最近感じる部分もあって。

――自分の音を伝えたいからと言ってそれを一辺倒でやっていくわけではなく、ある種より良くするためのテコ入れですね。

70.:引き算ができるようになったと思うんですよ。今まで歪みに対しても足し算しかできなかった中で、歪みを活かす方法として、クリーンが活かせれば歪みもちゃんと聞こえて引き立つはずなんですよね。そこら辺は周波数を見ながら、ワンマンツアー中は引きこもっていろいろやってました(笑)。だから「ヴァジュラ」のベースの音に変化を感じてもらえたなら嬉しいし、ファンの中にも「最近、音変えましたね」とか「前の方が好きでした」って言ってくれる子もいて、結構みんな気づいてくれるんですよ。俺的にはそういう声を聞くと「じゃあ、もっとよくしてやろう」って滾るんで!(笑)ジャンジャン素直な感想をもらえたら嬉しいですね。

――かる。さんも70.さんも、ご自身の理想の音に関しては日々探究というところも共通しているところですね。

70.:大事なところだと思うんですよね。俺としては、やっぱりIKUOさんとの対バンはマジでデカかったです。そのときにIKUOさんの音を聞いて、「これかもしれない」って今に繋がる気づきを得たところがあったので。

かる。:ちなみに僕も、IKUOさんとご飯を食べに行ったことがあるんですけど。やっぱり自分がやって見せた方が早いと思うタイプって言うこともあって、ステージングにしろ音作りにしろ、あとはヘアメイクなんかにしても日々いろんな知識を得ようとしてるっていうところでは、IKUOさんから聞いた話を参考にしてるところはありますね。

――そして、XANVALAのEX THEATER公演のタイトルであった「Ark」に関して70.さんより「自分たちの文化を運ぶ船」という説明がライブ中にもありましたけれど、文化というのはいわゆるヴィジュアル系文化ということにもなると思うのですが、お2人がこのシーンで活動しているからこその思いも伺えますか?

かる。:僕は、“ヴィジュアル系として”っていうよりも“まみれたとして”っていうところが強いんですよね。特に、復活してから。それに、復活してからすごく時間を気にするようになりました。きっと、長い間まみれたをやれてなかったっていうのもあるんですけど、「時間を無駄にできないな」というか。やっぱり復活したとき、素直に嬉しかったんですよ。だから、もう「終わらせたくない」っていう気持ちが強くて、だとしたらもっと良くしていかなきゃいけないし、そう考えたら時間は足りないし。それこそ自分だけが良くなってもダメで、メンバー全員で良くなっていかなきゃっていうのもあって、いろいろ考えることが増えたんですよね。

70.:「期待に応えなきゃ」とも、かる。は言ってましたね。まみれたが復活したときに、ファンだけじゃなくて関係者も含めて「待ってたよ」って喜んでいたじゃないですか。偉大なるバンドが復活するケースだとそうなるのはわかるんですけど、正直自分たちがライバルだと思える規模感のバンドで、あれだけ待望の声を起こさせる存在って脅威だと思うんですよ。改めてすごいバンドだなと思うし、もちろん俺も“まみれたでベースを弾くかる。”を待ってたので。

かる。:メンバーに対してもそうだし、お客さんや僕らを見てくれている人の時間も無駄にしたくないんですよね。だから、最近はそういうことをすごく考えてるし、やっぱり“まみれたのベーシストとしてのベースを弾きたい”っていうのは常に心がけてます。

――70.さんとしては、今、ヴィジュアル系シーンで活動しているうえで考えていることというと、いかがですか?

70.:今、一番意識してることは「かっこいい背中を見せ続けたい」っていうことなんですよ。昔は「自分が、自分が」っていうことばかりを考えていたんですけど、最近は“紡いでいくこと”って大事だなと思っていて。自分がこれまでやってきたことを話していきたいと思ったのもあって、今回みたいに後輩だけどすごく尊敬してるかる。との対談を記事として残したいと思ったんです。もちろん俺は第一にプレイヤーであるので、プレイ面やアーティストとしての表現に力を入れていきたいと思うんですけど、これから出てくるプレイヤーになる人たちに言葉としても伝えていきたいんですよ。

――とても大切なことだと思います。

70.:今、音楽やバンド業界が衰退してると言われていて、実際にそう思う部分もあるんです。でも、「バンドをやればこんなに楽しいんだよ」とか「ヴィジュアル系というジャンルだといろんなことができるんだよ」っていうのを発信していきたいし、そういうポジションになってきてるとも思うんですよね。そういう自覚を持ってかっこいい背中を見せつつも、ちゃんと言葉としても発信していきたいなと。だからと言って、偉そうにはしたくないんですよ。あくまでも対等に語り合える存在でいたいし、逆に今は尊敬されるように自分を構築しているところでもありますね。

かる。:大人だなぁ……(膝を抱えて座りだす)。僕、「殺してやる」しか言ってない……。

70.:いや、でも俺はかる。のその“殺してやる精神”、メチャクチャ好きだけどね。

――本当に素敵な関係だと思いますし、70.さんが「言葉として残したい」と設けてくれた対談でお2人の熱いお話が聞けて感無量です。

かる。:すいません、喋りすぎて……。

70.:いや、今日はかる。が主役だから!

かる。:でも、ありがとうございます。最初にも言いましたけど、自分がバンドで話すときはメンバーの取りこぼしがあったときに僕はこぼれ球を拾って話していることが主なので。

70.:そういうことができる子ってバンドのやりたいことをちゃんと理解できてないと、そのポジションにはなれないと思うんですよ。そういうところも、本当にかる。の尊敬できるところなんですよね。改めてバンドを見てみても、本当に正反対だと思うんです。XANVALAは割と王道というか……。

かる。:ウチは、外道なんで……。

70.:いやいや。でも、俺らの行く王道の道をまみれたはぶっ壊してくれると思うんですよ。

かる。:XANVALAってバンドもそうですけど、お客さんもかっこいいんですよね。それもまた、悔しいんですけど。ただ、ウチのお客さんもいい具合にイカれてるんで、「是非戦いたい」と70.さんにお願いしたところもあって。

――もしや、それが2マンのきっかけだったんですか?

かる。:そうです。そうしたら、「対談しない?」って言われて。投げたら投げ返された、みたいな(笑)。

――いいですね、「戦いたい」という意志表示とそれを全力で受け止めるのと。今日の対談を経て、ますます2マンが楽しみになりました!

かる。:はい。倒します。

70.:かかってこい!

かる。:ブチ殺しますよ! ……あ、このやり取り、僕らの「おはようございます」的な挨拶みたいなもんなんで(笑)。


取材・文:Ayako Hirai

写真:Kiwamu Kai


2025年8月14日池袋EDGE

公演タイトル: 「死因:バラバラ」
出演:まみれた/ XANVALA
開場 / 開始 18:00 /18:30
チケット代:前売り¥4,500当日¥5,000

プレオーダー:チケット
【期間】:6月12日(木)受付12:00~6月19日(木)23:59
【結果確認】:6月21日(土)13:00~6月22日(日)18:00
【入金期間】:6月21日(土)13:00~6月23日(月)21:00

一般発売: Bチケット
6月28日(土)10:00 ~

■購入ページURL
https://eplus.jp/sf/detail/4335540001-P0030001


お問い合わせ:EDGE 池袋 03-6907-1811