【宗馬(XANVALA・Gt) × 海(vistlip・Gt)】<対談>XANVALA主催『VASALA FEST.2025』、9月1日(月)にSpotify O-EASTにて開催! 互いを認め合い、世代の壁を越えて強い結束で結ばれたギタリスト対談。
9月1日、Spotify O-EASTを舞台に開催されるXANVALA主催の『VASALA FEST.2025』。主催者であるXANVALAをはじめ、vistlip,摩天楼オペラ,Azavana,CHAQLA.に加え、先頃O.AにHAZUKIの出演が発表されたことによって一層話題を呼んでいる注目のイベントだ。
本公演に先駆け、宗馬(XANVALA・Gt)が予てより親交のある海(vistlip・Gt)を迎え、対談を行った。なんと、両者が語り合うこと2時間強! 衝撃的な初対面時のエピソードから現在に至るまでのお互いに対する印象、そしてバンド活動における各々の考え方と、普段から交流があるからこその濃密な語らいから見えてきた、宗馬と海のミュージシャン / アーティストとしての熱い一面をとくとご堪能いただきたい。
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――XANVALA主催の『VASALA FEST.2025』に先駆けての対談となりますが、宗馬さんが対談相手に海さんをご所望だったところをみると、vistlipに『VASALA FEST.2025』への出演をオファーしたのも宗馬さんがきっかけだったんでしょうか?
宗馬:そうですね。メンバーと「どのバンドさんにオファーするか?」となったときに、僕から「vistlipさんは絶対に誘いたい」と言って、海さんに直談判しました。
海:「大事な話があるので時間ください」って言われて、テンション的には悪い話じゃなさそうだったけど「何事!?」と思って(笑)。で、店入って席着いてすぐに「話って何?」って聞いたら、「主催をやるので、お誘いしたいです」と。だから、「はい」って。
――二つ返事だったんですね。
海:僕の気持ち的にはね。ウチのバンドが何かを決めるときはメンバーの多数決制なんで、もちろんその後ちゃんとメンバーにも確認してから確定の返事をしたんだけど、宗馬から話があった時点で「僕の気持ちとしては、いいよ」って返事しました。
――ちなみに、XANVALAから主催イベントへのお誘いがあったと話したときのvistlipメンバーの反応はどうだったんですか?
海:割とスムーズに、「いいじゃん!」ってなったかな。
宗馬:嬉しいですね! てっきり、海さんが他のメンバーさんを説得するために戦ってくれたりしたのかなと思っていたので。
海:そもそもウチのメンバーって内向的だし、僕以外はXANVALAメンバーとほぼ会ったことがないから軽く説得を試みたところはあったけど、ちょうどウチもいろんなバンドと対バンしていこうっていう風になってたときのお誘いだったのもあったし、中には「XANVALAって最近メッチャ名前聞くよね」って言ってたメンバーもいて。まあ、最悪バンドで出られなかったら「個人的になんかやるわ」って言ってたくらいだったからね(笑)。
――実際にはvistlip総意で出演が決定したわけですけれど、それにはXANVALAの実力や評判もそうでしょうし、出演バンドのラインナップからもすごく気合いや意図が伝わったことも大きかったんだと思うんですよね。
海:今、XANVALAは活動5年目だと思うんだけど、バンドのステップ的にもこういう機会は必要なタイミングだと思ったから、僕自身のとしては即答できたっていうのもあったんですよ。それに、XANVALAって昔の自分たちに若干重なるところがあるなと思っていて。
――と、言いますと?
海:宗馬から、XANVALAは今の事務所の社長さんと二人三脚で、一から試行錯誤しながら活動してきたっていう話を聞いたことがあって。それって、自分たちが前の事務所に所属していたときに、ヴィジュアル系の右も左もわからない社長と一緒に失敗やわからないこともありながら活動してきたっていうバンドの進み方と似てるなと思ったんです。そういう風に活動してきたバンドが“横の繋がり”を作ることって容易じゃなかったこともわかるから、メンバーが“誰かの力を借りよう”っていうんじゃなくて、タイミングを見極めながらメンバー主導で“これをやりたい”っていう気持ちから『VASALA FEST.』を企画したのはすごくいいなと思ったんですよ。
宗馬:なんというか……海さんがXANVALAに対してここまで考えてくれていたというのが、素直に嬉しいですね。
海: あと、宗馬は個人的に一番可愛がってるギタリストなんですよ。
――それは、傍から観ていても感じていたところでした。というのも、XANVALAのZepp Shinjuku公演(2024年6月)のときにステージに置いてあったサブギターって、海さんのギターだったんですよね。それを伺ってから、「ギターを貸すほど海さんは宗馬さんに目を掛けているんだな」と思っていたので。
海:なんなら、もうずっと貸してる(笑)。宗馬が「自分のサブギターはこれだ!」って思うものを1本見つけるまで、一生持ってろって。もはや、そのままずっと使ってていいよって思ってるぐらい。でも、「傷つくのが嫌だ」って全然使わねーの(笑)。
宗馬:でも、ツアー中にメイン(ギター)の弦が切れたときとか、レコーディングのときにちょっと違う質感がほしいなっていうときに使ってますね!
――今ではここまで親交が深いお2人ですけれど、そもそも初対面はいつだったんですか?
宗馬:それが、僕と巽(XANVALA / Vo)がやってた前のバンドのときなんですよ。初対面はライヴハウスだったんですけど、確かそのときは他のバンドを観にきてたんですよね?
海:そうそう。
宗馬:僕らは楽屋で「あれ、海さんじゃん!?」ってなってたんですけど、そうしたらだんだん海さんが僕らに近づいてきて、巽に一言「惜しい!」って(笑)。
海:メチャクチャ嫌な奴だよね!?(笑)ただ、そのとき他のバンドを観に行ったはずだったのに、今でもはっきりと思い出せるくらい巽のことがすごく引っかかったんですよ。声はいいし、それこそ惜しいところはあるにせよ絶対に伸びると思ったから、楽屋で名前すらもわからない巽のところに行って「惜しい!」って言ったのも覚えてる。
宗馬:そこから5~6年経って、ちょうど僕らの4周年ワンマン(2024年1月31 日@下北沢シャングリラ)を観に来てくださったときに、海さんが「メチャクチャいいね!」って言ってくださったんですよ。巽からすると、ずっと「惜しい!」って言われたことを覚えていたから、XANVALAになって「いいね!」って言ってもらえたっていうのが嬉しかったっていうのもありましたし。逆に、初対面のときに僕は何も言われなかったから、ワンマンのときに「オマエ、いいな!」って言われたのがすごく嬉しかったんです。
海:もともと、猟牙(RAZOR / Vo)からXANVALAを薦められてワンマンを観に行ったんですよ。そのとき確かに巽もよかったけど、その日は宗馬のことがスゲェ気になったんです。弾いてるフレーズとかスタイル的には同じタイプのギタリストは他にもいるんだろうけど、ヴィジュアル系ではあんまり見たことないなと思って。語弊を恐れずに言うならば、XANVALAって激しくて攻撃的で、黒いオーラがあるバンドだと思うんだけど、その中ですごく爽やかに笑いながら楽しそうにギターを弾いてて、仕舞には最後にステージで意味わかんないこと言いだして(笑)。それがすごく気になったし、しかもちゃんとバンドにハマってたんだよね。きっと、XANVALAが「こういう系のバンドだよね」って一辺倒なイメージで完結しない大きな要因は、ヴィジュアル系としては優等生な70.くん(XANVALA / Ba)と、そこにハマり切らない宗馬っていう、下手(しもて)2人の存在が大きいと思う。
宗馬:僕からすると、まさに海さんは“ヴィジュアル系、下手(しもて)ギタリストの理想”なんですよ。それこそ、海さんは下手(しもて)ギターができることをもう、すべてやってらっしゃるというか。例えば、曲の中にラップが入っていたとして、その部分は下手(しもて)ギターが歌った方が絶対にかっこいいと思えるのって、たぶん海さんがやっているからそう思えるんだと思うんですよね。
――ある意味、海さんがそういうイメージの基盤を作ったと言いますか。
宗馬:そうなんですよ。爽やかなイメージのあるvistlipさんの中でも、ちょっと厳つめなポジションは下手(しもて)ギターしかできないだろうなって思うのも、海さんを見ているからだと思ってますし。やっぱり、ヴィジュアル系における下手(しもて)ギタリストの答えを出した人っていう印象はありますね。
海:恐縮です。
宗馬:ずっとそういう印象は持っていましたけど、今ではご飯に連れていってくださったり、一緒に楽器屋に行ったりする中で、ギターに関することにはじまりいろんなことを教えてくださるところからも、先輩としてメチャクチャかっこいいなと思ってます。だから最近、僕が後輩と話すときとかLINEしているときとかは、ちょっと海さんっぽくなってるところありますもん(笑)。
海:それは、大丈夫か? 宗馬のファンに怒られないかな?(笑)
――今、ヴィジュアル系の下手(しもて)ギタリストとしての在り方みたいな話が出てきましたけれど、そういったことは普段の会話に出てくることもあるんでしょうか?
宗馬:それについて前に海さんから教えていただいたのは、下手(しもて)ギターは仮にバンドのイメージから少し外れたことをしたとしても、バンドの色や意味を崩すことはないっていうことですね。さっきお話してくださっていた、一見ダークなイメージがあるXANVALAの中で僕が笑いながら弾いていてもバンドのイメージは崩れないっていうことにも言えることですけど、下手(しもて)ギターはある意味、好きなことができるポジションなんだっていうことを教えてくださったんです。
海:カミテ(かみて)ギターは、そのバンドの色を決めるポジションだと思うんですよ。そこで、下手(しもて)ギターが多少変わったことをやっていてもそのバンドの色は変わらないと思っていて。でも僕はHIDEさん(X JAPAN)に憧れてヴィジュアル系の世界に入った人間だけど、「じゃあ、どうして下手(しもて)なの?」って言われたら、次に憧れたのがMIYAVIさんだったからという単純な理由が根本にはある。
――MIYAVIさんはバンド時代、立ち位置が下手(しもて)でしたもんね。
海:そう。僕が下手(しもて)にこだわるのは憧れた人が下手(しもて)だったからっていうのもあるんだけど、自分がバンドの色を決めつけるような存在になりたくないっていうのもあって。実際、今では上手(かみて)ギター=リードギターっていうイメージが定着したことで良くも悪くも下手(しもて)ギターが完全にバンドの色を作ることは難しいと思っているから、僕はそれを逆手に取ってやりたいことをやってるんですよ。vistlipを始めるときも、他の4人がそれぞれのポジションを確立していたから「このメンバーだったら、自分は何やってもよくね?」みたいな。その究極の例が『LION HEART』で、さっきのラップの話じゃないけど、ライヴでは僕がセンターでラップするパートがあって。普通、やらないじゃん?
宗馬:その、“普通、やらないじゃん”っていうことをやってのけた人だと思うんですよ。
海:そんな風に「すごい」みたいな感じで言ってもらえることが多いんだけど、あれってもともとはメンバーのドッキリから始まったのね(笑)。音源と同じ尺で終わるはずのところが終わらないっていうドッキリを仕掛けられて、たしか悪ノリからセンターでマイク持ってやるようになったっていうのが始まりだった気がする。だから『LION HEART』のラップパートは考えた上でそうなったんじゃなくて、不可抗力というか悪ノリだったんだけど(笑)。でも、そういうことを下手(しもて)ギターである僕がやってもバンドのカラーが変わることはないっていうのは、メンバーも体感でわかってるんだと思うんですよね。そうやって自由度が高いポジションだからこそどんどん武器を増やしていけたし、かしこまらなくていいっていう話は宗馬にもしたことはありましたね。
――その中で、宗馬さんも自分なりに確立してきたスタイルがあると思うんですけれど、それはどのように構築されたものだったんでしょうか?
宗馬:たぶん、XANVALAの初期の頃は今ほどじゃなかったと思います。自分なりのスタイルみたいなものを見つけなきゃいけないとは思っていて、ステージに立っているシルエットだけで“XANVALAの宗馬”ってわかるようにしたかったんですよ。そこで、独特の弾き方とか立ち居振る舞いをいろいろ考えて、どんどん自分のキャラとしてプラスしていったという感じでしたね。
――例えば、ギターを構える位置一つとってもシルエットに影響する部分ですし、弾き倒す系のフレージングもキャラクターの一部分ではありますよね。
宗馬:そうですね。XANVALAのルールとして、その曲の作曲者が責任を持って難しいフレーズを弾くっていうのがあって、僕のギターの位置が高いのは弾きやすいようにっていうのもあるんですよ。リズムの取り方も「宗馬と言えばこれだよね」みたいな感じのものを作ろうとは思っていて、実際にリズムがちょっと複雑なのもあって独特な動きになってるのかなとは思います。
海:細けぇもんな、カッティングとか。しかも、ライヴだと音源の再現を最低限やった上で、それ以上のことをやるんですよ。これだけ細かいのによく弾いてんな、とは思う。
宗馬:“動き回ってるのにしっかり弾ける”っていうのが、僕の中ではギタリストとして一番かっこいい姿だと思っているので、それを目指しているっていう感じですね。ただ、そこまで作りこんだり演技をしたりっていうことでもなくて、ありのままでやってる部分もあって。それもXANVALAのバランスだから僕はこういう感じになったんだと思うんですよ。逆にXANVALAがめっちゃポップなバンドだったら、もしかしたら海さんっぽくなってたかもしれないです(笑)。
――実際、ギタリストとしてはお2人ともタイプが違うなとは思いつつ……。
海:自分と同じようなタイプもそんなにいないけど、仮にいたとしても同じようなタイプの子にはあんまり興味が持てない事が多いんですよ。そう考えたら宗馬は僕とは正反対だからこそ興味があるというか、たくさん曲も作るし、音源を聴いてても「細けぇな」って思うくらい弾くから、純粋にすごいなとは思う。ギタリストとしては全然違うけど、ライヴまでに自分の引き出しにたくさんストックしたものをステージに上がった瞬間から放出するっていうところは、同じっちゃあ同じかなとも思うけど。
――ギタリストとして、もしくはバンド内のポジションとして他にも共通点があるとしたら、どういったことが挙げられますか?
宗馬:海さんもそうだと思うんですけど、僕もバンドではデザイン面を担当しているので、そういうところでも刺激を受けてますね。vistlipさんの7月7日のライヴ(Zepp DiverCity)も観に行かせていただいたんですけど、途中に“清掃中”っていうのを挟んでいたのがかなり衝撃で。
海:直前で披露した楽曲で降らせた銀箔を掃除するっていう時間だったんだけど、そこでシリアスなライヴ展開を一区切りさせるっていう意図があってそうしたんだけどね。
宗馬:きっと、あれは誰も想像していなかっただろうし、そこでもイラストを使った映像を映していましたけど、他にもグラフィックの部分で表現するところを担っているのは海さんだろうなと思っていて。少し前のシングル『B.N.S.』の会場限定盤がクラフト紙のパッケージだったと思うんですけど、ああいうのも「やられたな」と思いました。僕、韓国アーティストのCDを集めるのがすごく好きなんですけど、結構CDのパッケージがおもしろいんですよ。CDだけじゃなくて、写真とか手紙とか、他にもいろんなアイテムが入ったりして遊び心があるというか。それは前にXANVALAでも似たようなことをやったことがあったんですけど、音楽以外のところでも楽しませる何かっていうところにも憧れがあるからこそ、それに近いことをやっている海さんをリスペクトしてるんです。
海:今はCDを買う必要がない時代になってきちゃってるから、もっと“モノ”として価値のあるものにしたいというか、所有欲が満たされるものにしたいっていうのはあるよね。それこそ昔のヴィジュアル系バンドのパッケージにはいろいろあって、CD屋で「うわ、スゲェな!」って思うようなものを見てきた世代だからこそ、自分もそういうことをやろうっていうマインドを大事にしてるところはあるかな。やっぱり宗馬もデザインをやるっていう部分では、感覚的に近いものがあると思う。XANVALAって、バンドのイメージに対してデザイン関係はすごく綺麗にまとめてるなって思うんだけど、そこのバランスはたぶん宗馬がやってるんだよね?
宗馬:はい!
海:グッズとかジャケットのデザインとか、あとは告知の画像とかを見てもそうだけど、パッと見「どんなバンドなんだろう?」って思うんだよね。でも、実際にライヴを観たときのイメージと乖離はしていなくて、ちゃんとスタイリッシュさに繋がるというか。
――それはバンドのイメージを固執させないというところでもあると思うんですけれど、言ってしまえば間口を広げているとも言えますよね。この話、海さんから以前伺ったことがあるvistlipのロゴを考案したときの話にも似ているといいますか。
海:そう。バンドに入り込む間口として、あえて「どんなバンドなんだろう?」って門構えを広くしているのは、XANVALAもきっとそういう風に見せたいっていう意図があったんだろうなと思っていて。
宗馬:まさに、そうなんです! ここまで言語化してくださったのは、海さんが初めてですね。僕は、XANVALAを“近代のヴィジュアル系の王道”みたいにしたかったんですよ。やっていることはヴィジュアル系の王道だけど、視覚的アプローチの面ではシンプルでソリッドなイメージで、デザイン関係もスタイリッシュにまとめるっていうのをXANVALAっぽさにしたかったんです。例えばロゴを毛筆書体にしたら、バンド名の由来や響き的には正解かもしれないけど、それだと全然おもしろくないなと思ったんですよね。
海:とある側面に偏ったデザインではないからこそ、XANVALAがどんなバンドか周知されるまではそれが足枷になったかもしれないけど、活動を続けてきてXANVALAとしていろんな側面がみえてきたときに、結果としてそこがしっかりと繋がったなとは思う。
宗馬:いや~、これを誰かに言われたかった!! 僕がずっと意識してたところはそういうところだったんですよ。
海:それに、「こうしたら目に入るだろう、見てくれるだろう」っていう風に考える感覚はお互い近いと思うし、あとは純粋に楽しんでやってるところもあるというか。
宗馬:そうですね。例えば、“黒”っていう色一つとってみても、なんとなく決まる色でもあるので結構使われがちですけど、僕はなんとなくでは使わないようにしていて。だから最近作ったフライヤーもグリーンが基調になっているし、しかも裏面はメンバーに内緒で新聞風にしたんです(笑)。
海:まあ、メンバーにも驚いてほしいところはあるよね。そこも、似てる(笑)。きっと、宗馬がここまでバンドのイメージについて考えられるのは、巽との関係値も関係してると思うんだよね。昔からの付き合いで、宗馬の中には「巽はこれ!」っていう絶対的なものがあるから、デザインの面でもコントロールできてるんだと思う。それが僕も同じで、智(vistlip / Vo)の歌に合わなかったり、ライヴ中の雰囲気に合わなかったりするものは初めから除外してるし。まあ、自然とそういう風に考えてるなって気づいたのは、割とここ数年のことだけどね。
――さて、感覚が近いもの同士、良き理解者である関係のお2人が共演する『VASALA FEST.2025』についてですけれども。最初に話題に出ていた通り、XANVALAがこのタイミングで開催することに非常に意味を持つ1日となりそうですね。
宗馬:僕らの中にある『VASALA FEST.』のテーマとしては、自分たちよりも上の世代で活躍している方々と、これから上がっていく自分たちと同世代のバンドを集めたかったというのがあったんです。そこで、「今、自分たちはこれだけの人たちと対バンができるんだぞ」っていうところを見せたいっていう意図もあったんですよ。O.A.にHAZUKIさんに出演していただくという、誰も予想できなかったであろう展開も実現できたので、本当に1日を通して楽しんでほしいと思っているんです。
海:本当にO.A.に関しては、意表を突くっていうところで僕もいつかやりたかったことの1つを先にやられたなと。このメンツの取り合わせっていうのは、きっとこの先もないでしょうね。
宗馬:そこは僕らも、“XANVALAでしかできないメンツを集めよう”っていうことは意識していたんです。実際、最高なバンドが集まってくださったと思っていて。僕らとしても、この日にしか見せられないものを絶対に見せたいと思いますし、他のバンドの皆さんもXANVALAが主催をやるから“手伝う”っていう気持ちではなくてブチ殺しにくる勢いでくると思うので、それを観られるのも、その空気の中でやれるのもすごく楽しみですね。
海:XANVALAは、ライヴを観に行くたびに違うものが見れるからおもしろいんだよね。そんなXANVALAに対しては同じラインで殴り合うのはちょっと違う気がするから、どうしようかなと考えているところではあるんだけど。ただ、ありがたいことに今回出演するバンドは全バンド知ってるんですよ。だからもう、俺は“二番目の男”でいいと思ってて。
――それはまた、大胆発言!
海:全バンド知ってるからこそ思えることなんだけど、ファンのみんなが「一番好き」っていうヤツのことは、僕も好きなんですよ。だから、みんなの一番はそのままでいてほしいんだけど、例えば「一番好きなヤツの予定がないときは、コッチ来ない?」って(笑)。過去にはこれをステージで言ったこともあったんだけど、これを言えるのって絶対的に僕自身が“いい”と思えるバンド相手じゃなきゃ言えないんですよ。
――“いい”と認めるバンド相手だからこそ言える、海さんなりの愛ですね。
海:なんなら、宗馬のことが一番好きなファンとは「気が合うね、趣味合いそうだね」っていうくらい宗馬のいいところ話せるから(笑)。前に、vistlipのインストアイベントにXANVALAのファンの子が来てくれたことがあったんですよ。そこでも宗馬の話題で会話したこともあったし、XANVALAの好きな曲を聴いて「だったら(vistlipの)この曲、たぶん好きだと思う。サブスクで良いから聴いて!」って話したこともあって。例えば、XANVALAの中でも激しめの曲が好きだったら、その子にとっての激しい曲の一番はXANVALAなんだから、同じような曲を薦めたところで勝てないんですよ。だったら激しい曲じゃない、ウチの武器となる曲を薦めるようにしてるんだけど、ライヴでも同じようなことを考えるかな。XANVALAでは観れない、vistlipや僕自身の武器を考えて見せようとはしますね。
――さすが“二番目の男”……取り入り方が上手い(笑)。
一同:(笑)
海:宗馬は真面目だし、いい子。でも俺は、どちらかと言うと狡猾だしいい子ではない。そこは、僕と宗馬の違うところだけどね。
――こういった具合に『VASALA FEST.2025』ではそれぞれが自分たちの強みを発揮してくると思いますけれど、是非XANVALAにも存在感をアピールしてほしいところではあります。
宗馬:はい。XANVALAという存在が、このシーンには絶対必要なんだっていうことを証明します。実際に、これからもヴィジュアル系シーンに欠かせない存在になっていきたいと思っています。