「これから売れます。グラビティです!」、グラビティが見せつけた可能性(2018.1.28 池袋EDGE)
昨年の9月に始動したばかりの新人バンド・グラビティが結成4ヶ月という短さでバンド初となるワンマンライヴ<見せつけたい!!>を1月28日、東京・池袋EDGEにて行った。当初は主催イベントの予定だったが、急遽ワンコインワンマンに変更されたこの日の公演は二部制で、一部は無料のトークイベント、二部がワンコインワンマンとなっている。今回は二部の模様をお届けする。
チケットはソールドアウト、超満員の池袋EDGEは関係者席も解放され、彼らの勢いを感じることが出来る。ライヴは2月7日にリリースされる新曲『ギラギラ卍系』からスタート。グラビティらしいフレッシュでポップな楽曲ながら“若さがなければ何もない、俺はそんなことを言わせない。”と歌うなど反骨精神が垣間見ることが出来た。
六(Vo)が「俺たちそんな曲数ないです。一曲一曲(気持ちを)込めて歌います。」と宣言して始まったのは『客が欲しい』。目の前の人をファンにしたいというストレートな気持ちを歌った曲だが、この日のライヴにおいてはフロアにいるのは全員グラビティを見に来た人たちであり、これまで4ヶ月間の彼らの成果がこの日の景色なのだ。『狼の夢』では六が「人生、何回あったって、俺は俺がいいと言っていたい!」と叫び、曲の最後に「これから売れます。グラビティです!」と力強く言い切る姿が印象的だった。
「みんなとコミュニケーションをとって、みんなのことを考えて歌うことが大事なんだと、このバンドを始めて知りました。僕はみんなのことを想って一曲一曲届けたいと思っているので、受け取る準備出来てますか?」と気持ちを伝えて始まったのは『アウトオブアウト』。「俺にもたくさん憧れの人や真似したい人がいます。だけどそれじゃ意味ないんだ!自分で自分の想いを自分なりに伝えられなきゃ!!」と叫ぶ六は未来を良いものしようと我武者羅に何かを伝えようとしているように見えた。
「誰しもが夢を叶えられるわけじゃない。俺もそうかもしれない。だからこそ、俺たちなりの応援歌を届けます。」と始まった『カナワナイ』では夢が叶わなかったとしてももがくことに意味があると歌い、六がギターを手に歌った『ろくでなし』では“また僕らは強くなれる”とポジティブに歌い上げた。
ここからはライヴは終盤戦へと差し掛かる。メンバー全員が楽器を置いて踊りながら自己紹介をする『よいしょ!わっしょい!グラビティ!』ではフロアも一緒になって踊り、『LIMITED『忍者』』では忍者モッシュというグラビティ独自のモッシュでフロアを楽しませた。「まだバテてないよな?」と煽り始まった彼らの代表曲である『HIGH Hi!!!』ではフロアにウェーブを巻き起こし、この日一番の盛り上がりを見せ本編の幕を閉じた。幕が閉じる最後の瞬間まで、笑い合いながら音を鳴らし続けていたメンバーたちがこの日のライヴの楽しさを表しているように見えた。
アンコールでもフロアを楽しませることを忘れないのがグラビティ。なんとオーディエンスからアンコールがかかる前に自らアンコールをかけ幕を開けてしまったのだ。六は後方の扉から登場し、フロアの真ん中で歌うと宣言。アンコールでは『SNOW』を披露し、フロアは最後の力を振り絞りヘドバンで応戦、完全燃焼で記念すべきファーストワンマンを締めくくった。誰かの真似ではなく、おもちゃ箱をひっくり返したようなカラフルでバラエティーに富んだ自分たちにしか出来ないやり方で登りつめていくという決意を見せつけたグラビティには無限の可能性に広がっている。誰しもが夢を叶えられるわけじゃないことを知っていてもなお、六は改めてこう言ってステージを後にした。
―――「絶対売れてみせます!」
終演後には4月に杏(Gt)のバースデー主催イベント<叩かれたい>の開催と、5月にはバンド初となる東名阪ワンマンツアー、そしてさらには6月にはニューシングルをリリースすると告知され、さらにギラギラと勢いを増すばかりのグラビティから目が離せない。
取材・文 オザキケイト
<ワンコインワンマン 見せつけたい!!>
2018年1月28日(日)@池袋EDGE セットリスト
01.ギラギラ卍系
02.客が欲しい
03.HITODENASHI
04.狼の夢
05.アウトオブアウト
06.意味不明3連発
07.カナワナイ
08.ろくでなし
09.よいしょ!わっしょい!グラビティ!
10.LIMITED 忍者
11.HIGH Hi!!!
ENCORE
12.SNOW
OFFICIAL WEBSITE
http://gravioffi.com/