stylish wave COUNTDOWN'16-'17 新宿ReNY ライブレポート
「stylish wave」年末恒例のカウントダウンイベント「stylish wave COUNTDOWN '16-'17」、今年も新宿ReNYを舞台に開催。出演したのは、Kra(guest)/グリーヴァ/ジン/ベル/黒百合と影/Chanty/ギガマウス/Sick²/アンフィル/Purple Stone/the LOTUS/ViV/exist†trace/ラッコ/甘い暴力。この日は、ニコニコ生放送も実施。日本中に届けた年を跨いだ熱狂のイベントを、ここにお伝えしよう。
TEXT:長澤智典
□ギガマウス
イベントのトップを飾ったのがギガマウス。「全員拳を上げてでっかい声をくれよ!!」。式の煽りを合図に、ギガマウスのPARTY ROCKが幕を開けた。頭に突き付けた『GIGA SPEAKER』の時点から、「気持ちを上げて騒がなきゃ損だろ!!」と言わんばかりのハイテンションで彼らは楽曲をぶつけてきた。フロアーにはたくさんの手の花が咲き、両隣の人たちと手を繋いだファンが跳ね続けていたのは言うまでもないこと。
ギガマウスの最新モード『僕のCARICATURE、壊して燃やす。』では、荒々しさ剥き出しの歌と演奏をぶつけ、沸き上がる感情という熱を客席へダイレクトにぶつけていた。
身体をグサグサと切り刻むようにソリッドなビートが舞台上から振り下ろされた。「踊れ!!」「叫べ!!」「歌え!!」、痛い刺激を与える『SCARY GODS SHOW』が荒ぶる感情を心の奥底からグイグイ引きずり出していった。どういうことかって?!、暴れろということ。暴れたくってみんな騒ぎ出していたってことだ。
「走れ×3!!!」、最後にギガマウス流最上級なPARTY ROCKチューン 『監獄ロックメン』を解き放った頃には、フロアーの大半が左右にモッシュする観客たちによって早くもグチャグチャになれば、 逆ダイの風景も描き出されていた。ギガマウスは冒頭からいい感じで場内に熱を生み出してくれた。さすがだぜ!
[SET LIST]
1.GIGA SPEAKER
2.僕のCARICATURE、壊して燃やす。
3.SCARY GODS SHOW
4.監獄ロックメン
□ViV
2月に解散を宣言したViV。彼らに触れる機会も残り少ないからこそ、ViVファンたちは最初から感情のアクセルを全開に昂る想いを舞台上へぶつけていた。その気持ちはViVのメンバーも同じ。彼らはド頭から熱いエナジーを剥き出しに『MESSAGE』を突き付けた。その熱に触発され、騒ぐ輪も次第に広がりだしていた。
ライブで観客たちを左右にモッシュさせるパーティチューン『Speoki Pain』の登場だ。ワイルドなのに身体を揺らすファンキーなテイストも含んだ楽曲は、騒ぎたい感情を嬉しく刺激してゆく。観客たちも両手を繋ぎながら右へ左へと駆けていく。途中には、ギターの渉やヴォーカルHIROHIROによる絶叫のコール&レスポンスを描く様も見せていた。
まさに今の彼らの想いを投影した楽曲だ。疾走する演奏に乗せながら、HIRIHIROは沸き上がる熱い感情を迸らせながら『いつまで経っても変わらずアナタを愛してる』を歌いかけてきた。歌では片思いなメンヘラな子を題材にしているが、彼らもファンたちに対してその要素を持っている。だからこそ、互いに想いを繋げあおうと大きく手の花を咲かせ熱狂を交わしあっていた。少なからずメンバーとファンたちの意識はそうだったと思いたい。
「こぶしー!!」。最後にViVは激しくワイルドにハードなロックンロールナンバー『完全無欠のスーパースター』をぶつけ、一緒に溶け合おうと今まで以上の熱狂を求めていった。この日のHIROHIROの歌声はベストではなかった。そのぶん気迫で挑みかかっていた姿も印象深く見えていた。
[SET LIST]
1.MESSAGE
2.Supeoki Pain
3.いつまで経っても変わらずアナタを愛してる
4.完全無欠のスーパースター
□グリーヴァ
グリーヴァらしいステージングだ。場内に黒い熱狂を描き続けてこそ、彼らの真骨頂。この日も『妄想主義者ノ背徳』を通し凄まじい熱を内包した重厚な音と煽り声を叩きつけ、フロアー中に暴れ狂う光景を生み出していた。一心不乱に頭を振り続ける観客たち。それが、グリーヴァのライブでは一番似合う楽しみ方だ。
歪んだ音が雪崩れのように身体へ襲いかかってきた。『Liar…』を通しグリーヴァは凄まじい音の唸りを巻き起こしていた。狂鬼の煽りに負けじと、身体を介して興奮した感情をぶつけてゆく観客たち。サビ歌が美しさを放つからこそ、それ以外のときの狂い様が何とも華やかに見えていた。
「深い深い憤りを持っている人、存分に不満を晴らしてくれ。全部俺がもらってやるよ!!」。場内中に響いた「殺せ×5」のやり取り。『自己精神殺害推進會』が音を解き放ったとたん、フロアー中に頭振り乱し髪の毛が大きく揺れる光景が広がっていた。途中、折りたたみしてゆく様や、狂鬼の「殺せ×5」の煽りに負けじと大勢の人たちが「殺せ×5」と絶叫をぶつけてゆく場面も描き出されていた。
思いきり身体を折りたたんだ様から始まった『潔癖症ノ僕。』でも、唸りを上げた黒い暴走音に大勢の人たちが触発され、左右に駆けだしたりと理性を壊しながら暴れ続けていた。ただただ熱狂へひれ伏すことが快楽とばかりに大勢の人たちが暴れ狂っていた。
[SET LIST]
1.妄想主義者ノ背徳
2.Liar…
3.自己精神殺害推進會
4.潔癖症ノ僕。
□黒百合と影
閉じた幕の内側から鳴り響くドス黒い始まりの調べ。烏名鳴の叫びを合図に、黒百合と影のライブは『「便所」』から痛い狂気の物語を描き始めた。今にも客席へ堕ちんばかりの勢いを持って、汚い言葉を次々と投げつけてゆく鳴。触れたとたん、自分にも狂気が伝染しそう?! でも、それくらいヤバい黒いウネリをぶつけてくるのが黒百合と影なんだよ。
重い音の絨毯で観客たちをぐるぐる巻きにするように『洗脳』が流れだした。理性を壊して暴れるファンたちが右へ左へ跳ねたり、思いきり身体を折りたたみながら、黒百合と影の作りあげた恍惚呼び起こす黒い唸りに嬉しく溺れていた。とても重い演奏なのに不思議と耳心地好さを覚えるのは、哀愁抱いた歌に魅了されていたせい?!
「さぁ、イケ!!」。『断崖地獄喉輪落とし』に合わせ、客席前方の観客たちが絶叫を上げながら頭をガンガンに振りまわしてゆく。鳴の煽りに絶叫の声援を返すやり取り。終盤では鳴が拡声器を片手にフロアーへ下りて煽ってゆく場面も。鳴の声に従い座って祈りを捧げたり逆ダイに興(狂)じたりと、そこへは儀式のような光景さえ生まれていた。
最後に『腐乱腐乱』を突き付けた頃には、フロアーの半分以上が両手を掲げ左右に跳ね続ける狂信者たちの熱気に支配されていた。黒い暴動とでも言うべき黒百合と影のライブ。あの渦の中へ巻き込まれることが堪らない快楽。だから大勢の人たちが黒い熱に浮かされ続けていた。
[SET LIST]
1.「便所」
2.洗脳
3.断崖地獄喉輪落とし
4.腐乱腐乱
□アンフィル
「俺たちのすべてを込めた決意のメロディー」。その言葉を合図に流れたのがアンフィルの最新シングル『Lamplight=melody』。身体はもちろん、何よりも気持ちに熱を注いでゆく楽曲だ。魂がフツフツと沸き立ってゆく。だからこそ、凛々しくも心地好い緊張感を携えた歌や演奏に気持ちが熱く引き上げられていた。何より、胸をグッとつかむサビ歌に、心が魅了されていた。
「はちゃめちゃに騒ぐ準備はいいですか!!」。『モノポリー』の演奏に合わせ、観客たちが右に左に跳ねだした。アンフィル流の攻撃的な楽曲が炸裂。荒ぶる演奏が心地好くも刺激的な熱を与えてゆく。歌と演奏に気持ちが馳せていく。まさに、そんな感覚だ。
爆発したい感情をはちゃめちゃな灼熱の空間へ連れてゆくように、ラテン系のダンスビートナンバー『賛否両論ストラテジー』が飛びだした。大勢の人たちがタオルを、突き上げた拳を振りまわし、熱狂のパーティへ笑顔で溺れていた。
「この幸せな時間が永遠に続きますように」。最後は、開放的な歌系曲の『timeless』を奏で、会場中の人たちの熱した気持ちをアンフィルは熱く抱きしめていった。身体がはしゃぐのはもちろん、染みる歌で心を弾ませる。だから彼らの歌は胸に残っていく。
[SET LIST]
1.Lamplight=melody
2.モノポリー
3.賛否両論ストラテジー
4.timeless
□exist†trace
フロアー中から突き上がる拳たち。exist†traceはいきなりアクセルをベタ踏みし、今にも飛び立たんばかりの勢いを持って『DREAM RIDER』をぶつけてきた。疾走し続ける演奏が、気持ちにガンガン熱狂というガソリンを注ぎ込んでいった。
今宵もexist†traceは、フル回転したエンジンをどんどんヒートアップさせていた。勢いと加速のついた熱気の中へ武者震い立つ気持ちを導くように、exist†traceは『GET BACK』を突き付けた。♪GET BACK♪と互い叫び合う風景。ドライブした音に飛び乗ったまま騒ぎ続けたい。
なんてスリリングでハードエッジな演奏だ。触れたとたんに気持ちをワクワクとはしゃがせたのが『BLAST』。観客たちが絶叫の声を舞台上に返していたのも納得だ。ドキドキとした興奮を抱いたまま騒ぎ続けたい。この曲、ぶっ飛ぶくらいにテンションを上げてくれるじゃないか!!
最後にexist†traceはスピーディでパワフルな音と歌の衝撃を持った、何よりサビ歌が胸を嬉しくくすぐる『SKY』を放ち、騒ぎ続ける観客たちをしっかり興奮という幸せの中へ連れていった。
[SET LIST]
1.DREAM RIDER
2.GET BACK
3.BLAST
4.SKY
□Chanty
Chantyが『フライト』を奏でたとたん、感情が明日へ向かって駆けだした。演奏が進むごとに気持ちのアクセルを強く踏み込んでゆくメンバーたち。勢いを持った楽曲は、身体に熱を与えたまま観客たちを空へと一緒に連れ出した。その演奏に触れながら、ずっとずっとそんな意識を覚えていた。
ライブはそのまま『無限ループ』へ。凄まじくコアなエナジーをChantyは空から思いきり投下してゆく。魂をグッとつかむ演奏に触発され、タオルを振り上げ、絶叫を舞台上へぶつけていく人たち。そこには気迫と気迫のバトルが生まれていた。
演奏が始まると同時に、その場で跳ね出した観客たち。ソリッドなビートが炸裂、うねるベースの音が胸を弾ませた『ミスアンバランス』が大騒ぎの場を新宿ReNYに生み出していた。躍動はどんどん大きく膨らんでいく。「踊れや、踊れ!!」、『やんなっちゃう』が会場を華やかな祭の場へ彩りだした。右へ左へ駆けまわり、タオルを振りまわし、熱狂へ溺れてゆく観客たち。まさに、一緒に騒がにゃ損な気分。Chantyの演奏も、カラフルな打ち上げ花火を次々と上げるようにどんどん速度を上げ爆発し続けていた。
最後にChantyは、大切な想いをスケールあふれた『世界に見捨てられてもきっと音は鳴り止まない』に乗せ、触れた人たちの心へ投げ込んできた。濃密な想いを濃密な演奏に詰め込み届けてゆくChantyのライブ。それが、とても愛おしかった。
[SET LIST]
1.フライト
2.無限ループ
3.ミスアンバランス
4.やんなっちゃう
5.世界に見捨てられてもきっと音は鳴り止まない
□ベル
演奏が始まったとたん、その場が一気に妖しい場末の歌謡CLUBに変貌。今宵のベルは、胸をくすぐる歌謡メロを熱した演奏を通し次々届けてきた。『やってない』が連れ出したのは、秘密のパーティに興じながら密かな熱狂を独占してゆくような恍惚感。
躍動するビートに乗せ、ハロの大きく手を振る動きとみずからの動きを重ね合わせ、大勢の観客たちが『涙傘』に心地好く身を溺れさせていた。切なさを抱きながら、それ以上にいなたい熱を持った演奏が胸をワクワクはしゃがせていく。影を背負った熱狂。そこが心地好さを覚えるツボなのは間違いない。
「もっと踊りたいかい?!」。胸を切なく痛く刺激するギターの旋律。哀愁浪漫な香りを運ぶ『雨に謌えば』が、浸りたい気分とはしゃぎたいワクワクを一緒に届けてくれた。切々とした歌に気持ちは寄り添いながらも、身体はウキウキ騒ぐ感情を抑えられなかった。
ハロと観客たちとの熱した声のやり取り。ファンキーに弾けた『音見世ディスコ』が、ねっとりとした熱に身を溺れさせるダンスホールへ新宿ReNYを塗り変えていった。タオルを振りまわし跳ね続ける観客たち。最後は、真夏の祭の場へ連れ戻すように『真夏のバラッド』を演奏。夏が放つドキドキした匂いを歌に覚えながら、誰もが無邪気にはしゃぎ続けていた。今宵のベルは、この空間へ素敵なドラマを描き続けてくれた。
[SET LIST]
1.やってない
2.涙傘
3.雨に謳えば
4.音見世ディスコ
5.真夏のバラッド
□Kra(guest)
心をドキドキさせるファンタジックな歌と旋律が会場中を優しく覆いだした。ゲストで登場したKraのステージは、華やかで軽やかな『エキストラキングダム』から幕を開けた。Kraのライブは触れた人たちをロマンチックな空間へ連れ出してゆく。その場にいるだけで、自分が輝き放つ夢に包まれた気分になれる。彼らのステージに寄り添っていると心が嬉しく蕩けそうだ。
ウキウキと弾む演奏が、空へと続く五線譜の階段の上で心地好く踊りだした。『空中ブランコ』に触れている間中、心がフワフワと舞い上がり続けていた。景夕とファンたちとの歌の交わしあいも、とても温かい景色として瞼に映っていた。
『無拓と無択と』が連れ出したのは、胸をときめかせる高揚。景夕の熱を持った歌と演奏に触発され、大勢の人たちがクルクルと指を振りまわし温かい高揚に嬉しく浸っていた。次第に熱を増す演奏。ときめきが何時しかドキドキに変わってゆく。
「あーテンションプリーズ、暴れろ!!、声上げろ!!」。手にしたタオルを振りまわし騒ぐ観客たち。『あー テンション プリーズ』が連れ出した突き抜ける興奮。大勢の人たちが大きく手の花を咲かせ4人へ想いを返していく。「もっとテンションプリーズ!!」、後半には、景夕の絶叫に合わせ飛び跳ね続ける光景も。最後に突き付けた『artman』では、メロディアスな中にもダークで激しい表情を提示。彼らの中にあるもう一つの面を魅力に観客たちを踊り祭る空間へと連れ出し、Kraは仲間たちと熱狂を分かち合っていた。
[SET LIST]
1.エキストラキングダム
2.空中ブランコ
3.無拓と無択と
4.あー テンション プリーズ
5.artman
□Sick²
年越しそば(カップ麺)をすすりながら舞台に現れたのは、ドラムの大志。さすが、自分のキャラクターの活かし方をわかったうえでの登場だ。Sick²のライブは、会場中を華やかなダンス空間に染め上げた『CRAZY TOKYO』から幕を開けた。雅びな旋律やメロディーを魅力に、扇子を振り翳し舞い歌うジェネ★。場内にはたくさんの手の花が揺れ続けている。「踊れ、踊り明かそう」、誰もが笑顔でその宴に嬉しく身を寄せていた。
華やかさから一転、Sick²はゴシックでラウドな闇の空間へ観客たちを連れ出した。フリーキーな音色が感覚を歪ませる『フレゴリの錯覚』だ。ねじれた黒い音のうねりに身を浸していると、奈落へ堕ちる気分に心が染まってゆく。鉄骨によじ登り煽るジェネ★。そのヤンチャぶりも、彼らしさ?!
MC中も、そばを食べ続ける大志。「君は小悪魔」「僕は悪魔」のやり取りから始まったのが、最新シングルの『罪と罰とマゾヒスト』。鞭を手にしたジェネ★が、激しい闇の儀式へ観客たちを連れだした。黒い唸りを持った音の渦が、触れた人たちを妖しい熱狂へ溺れさせてゆく。激情した空気を倍増させるようにSick²は最後に『isotope』を投入。場内を暴れ狂う風景に染め上げ、Sick²は闇のカーニバルを作りだしていった。
[SET LIST]
1.CRAZY TOKYO
2.フレゴリの錯覚
3.罪と罰とマゾヒスト
4.isotope
□the LOTUS
触れたとたん、体内を興奮という熱い血が巡りだした。デジタルなダンスビートの上でクールに、スリリングさも抱きながらthe LOTUSは『Zero』を突き付けてきた。演奏が進むたびにゾクゾクとした高揚が身体中から沸き上がってゆく。サビでその熱は爆発。なんてヒリヒリとした興奮を与えてゆく始まりだ。躍動するダンスビートに刺激を受け、踊り狂う観客たち。冷めた衝動。でも、そこには熱い血潮が漲っていた。
「声を聞かせろ!」。迸る感情をthe LOTUSは『Wish』を通しダイレクトにぶつけてきた。楽曲は、緩急を効かせたドラマを描いてゆく。雄大さと突き抜ける痛み、その二つを交わせながら、彼らは観客たちに熱を持った刺激を注入していった。
『愛されたくて』は美しくもメロウな、何より心をキュッと疼かせるハートフルな曲。それまでの熱狂を静め、誰もがその歌に心を寄り添わせていた。なんて心をズキズキさせるんだ。「愛されたくて強がっていた」。その言葉が、一人一人の心へ優しい痛みを持ってダイレクトに突き刺さってきた。
ライブはふたたび熱を抱きだした。カラフルでトランシーな音色を背に、狂気を帯びたギターの旋律を響かせ『PANDEMIC』が飛びだした。場内に沸き上がる火照った空気。メンバーらの熱い煽りを受け、ファンたちが熱狂の想いを舞台上へ全身で捧げていた。最後の『Magical Dancing Night』も、ファンたちは猛り狂った演奏に全力で挑みかかっていた。the LOTUS流のカラフルでマジカルなダンスロックは、身体中の熱い血を沸騰させてくれた。
[SET LIST]
1.Zero
2.Wish
3.愛されたくて
4.PANDEMIC
5.Magical Dancing Night
□甘い暴力
荒れ狂う音が場内中に響きだした。甘い暴力のライブは、その名の通り甘くメロウな歌と身体を直撃するハードなドライブビートの効いた演奏が絡み合う『溺愛シット』から始まりを告げた。グサグサと身を突き刺す音、その迫力にも負けることなく情熱的な歌が心へダイレクトに響いてきた。この衝動は、とても甘美な香りがする。身体を横揺れさせる演奏を届けたのが、『嘘キス』。歪みを上げたギターの音が身体を大きく揺らしていく。苦みの効いた熱も、興奮した中では陶酔してゆく濃密な刺激剤だ。
思いきり蕩けそうな甘い熱狂を呼び起こしたのが『いちごパニック』。甘い興奮に溺れてゆく観客たち。そのまま演奏は、激烈な音を叩きつけた煽りチューンの『本能』へ。舞台上を右へ左へメンバーたちが跳ねだした。その動きに合わせ、観客たちも荒れ狂う本能に身を預け、右へ左へ駆けてゆく。激しい音の中にも気持ちを高揚させる甘さを備えた『本能』は、甘い暴力流のパーティロックチューン。何時しか場内は甘い暴力の演奏に刺激を受け、お祭騒ぎの場に変貌していた。
続く『本能』『事例03-策略-』でも、荒ぶる衝動と心地好い歌を重ねあわせ、甘い暴力は観客たちを熱狂の中へ溺れさせていた。上がり続ける衝撃。「ファッションメンヘラ」の声が飛び交う場内。熱狂と絶叫を引き連れ、最後に甘い暴力は『君、依存、タトゥー』をぶつけ、熱狂の渦へ観客たちを呑み込んで逝った。
[SET LIST]
1.溺愛シット
2.嘘キス
3.いちごパニック
4.本能
5.事例03 -策略-
6.君、依存、タトゥー
□ラッコ
ヤバい連中だ。ラッコは始まりから螺子の外れた攻撃的な音を突き付け、場内に暴れ狂う衝撃的な空間を作りだしていった。冒頭に掲げた『色彩皆無』は、妖しい歌に猛り狂った音が絡み合うヒステリカルでハードでメロウな楽曲。途中スカビートを刻むなど、1曲の中にも彼らは多彩なドラマを描いてゆく。一筋縄ではいかない?! それこそがラッコのスタイルど言うべきか。
「暴れ足りないんだろっ!!」。...てんてんの煽りを受け、『Googly eyes』を通して作りあげた巨大なサークルモッシュ。「走るぞ」の声を合図に観客たちが会場中をグルグルと駆けまわってゆく。暴れ狂ってこそがライブとばかりに、ラッコはモッシュに折りたたみに逆ダイと刺激的な要素を次々と観客たちへ突き付け、暴れ狂う様をしっかりと作りあげていった。
観客たちの頭を狂ったように振りまわした『ほろ苦い』も、場内をグチャグチクャに掻き乱してゆく超絶フリーキーな暴れナンバー。場内をパニックな空間へ導いた中、最後に突き付けた螺子の外れた耽美メロウな『終演詐欺』でも、ラッコは会場中をモッシュの嵐に巻き込んでいった。楽曲は音源で楽しめばいい。ライブでは、とにかく暴れ狂う光景を作ることへラッコは終始してゆく。『終演詐欺』は歌ものなのに、場内には暴れ祭る空間が生まれていた。それがラッコらしいライブスタイルと言うべきか…。
[SET LIST]
1.色彩皆無
2.Googly eyes
3.ほろ苦い
4.終演詐欺
□ジン
愛でたい場に相応しいバンドの登場だ。今年のメインアクトを担ったジンのステージは、多数の扇子が舞い踊る熱狂を描いた『この好きはどういう好きなのかもはやわからないけど好きなのです。』から幕を開けた。激しく唸る和ビートと妖艶な歌が会場中の人たちを雅な熱狂へと連れ出した。激しさと妖しさを交錯させながら、ジンは会場中の人たちを自身の懐へ熱狂を持ってしっかりと包み込んでゆく。場内で舞い踊る扇子の様が、なんて華やかに瞼へ焼きついたことか。
この時点で2017年まで残り3分強。「我々と一緒に2017年に行きましょう」。ここからは星子さんを迎え、カウントダウンの準備へ。会場に足を運んだ人たちとジンと星子さんとで一緒に10カウントダウンをスタート。「HAPPY NEW YEAR!!」の声、そして年明け一発目の楽曲として、ジンは激しい琴の音飛び交う和ビートの炸裂した『純情恋歌』をぶつけてきた。気持ちを嬉しくはしゃがせてゆく演奏に合わせ、会場中の人たちも隣の人たちと両手を繋ぎ、左右に飛び跳ね、愛でたいこの瞬間を笑顔とモッシュや折りたたみで共有していた。それこそが、ビジュアル系のライブらしい年越しの風景だ。
『革命少女A』が今年最初の暴れ祭りの風景を導き出した。荒れ狂う演奏に合わせ、誰もが全力で興奮した感情を吐き散らしていた。会場中が一体化して暴れたときのパワーのなんて凄まじかったことか。華やかな和の旋律に乗せ、ふたたひ会場中を無数の扇子が舞い踊ってゆく。『焔ノトモシビ』が導いた艶やかな風景。なんて愛でたい気分だ。
ジンが最後に届けたのが、バンドの歩みを支え続けてきた『偽モラトリアム』。これがジンとして最後の最後に届けた歌。いや、そんな最後という意識さえ忘れさせるくらい、頭を空に騒ぎ狂う興奮と熱気をジンは注ぎ続けていた。延々と続く逆ダイの風景を見ながら、この風景を永遠に記憶にとどめたい想いをジンのメンバーたちは感じていたのかも知れない。止めたくない煽りに、そんな想いさえ想像していた。そしてジンは、2016年という歴史の中で幕を閉じて逝った。。。。。
[SET LIST]
1.この好きはどういう好きなのかもはやわからないけど好きなのです。
<カウントダウン>
2.純情恋歌
3.革命少女A
4.焔ノトモシビ
□Purple Stone
イベントのトリであり、2017年の幕開けを飾ったのがPurple Stone。彼らが新宿ReNYのライブの一発目に持ってきたのが『歌舞伎町バタフライ』というのも、なかなか洒落心が効いてて素敵じゃない。何より、サビ始まりの歌のように、いきなり熱狂へハイスピードで連れてゆく楽曲で幕を開けたところがポイントだ。時間はすでに0時40分過ぎ、そんなの関係ない。新年の幕開けという愛でたい中で一つになるために、彼らはパワーあふれる楽曲を頭から叩きつけ、眠らない街歌舞伎町と同じよう疲れを知らない熱狂を場内へ作りあげていった。
ガンガンに感情のアドレナリンを上げていけ!! 立て続けにPurple Stoneが突き付けたのが『アドレナリンBANG!』。荒ぶる演奏へ飛び乗り、会場中の人たちが左右にモッシュをしてゆく。昂る気持ちを冷ますなんてもってのほか。Purple Stoneが熱を持った感情を観客たちの身体中に駆けめぐらせていった。
エッジ鋭くも激しい音が炸裂!! 荒々しい演奏に乗せPurple Stoneが届けたのは『甘酸っぱいマンゴー』。疾走する演奏の上で、甘酸っぱいどころか超刺激的な甘味を振りまきながら、会場中の人たちを彼らは天高く飛び跳ねさせていた。誰もが思いきり両手を花咲かせ、身体をガンガン折りたたみながら、熟した興奮を場内に作りあげていた。
とてもテンションの高い演奏だ。いや、気迫を持って襲いかかってきたと言ったほうが正解か。熱気を携えPurple Stoneは、『キャットウォーク』を突き付けた。KEIYAはさりげなく猫の手袋を付けていた。その細かい演出が嬉しいじゃない。間奏で飛び交った「ニゃーニャーニャー」の掛け合い、猫ニャンポーズをしながら騒ぐ風景も、この曲の楽しさだ。
最後は新宿ReNY中を熱狂パニックな空間へ染め上げようと、Purple Stone流パーティホラーナンバー『パニックパニック!』を突き付けた。頭をガンガンに揺さぶれば、スリラー風ダンスも交えながら一緒にパーティ空間を作りあげてゆく。ただ熱狂に参加するのではない、ともに振りを真似ながら一体化した盛り上がりを『パニックパニック!』は作り出していく。この楽しさは病み付きになる?!
今年一発目、イベントの大トリに相応しい熱狂を作り上げながら、Purple Stoneは10時間近くに及ぶパーティのクライマックスを華やかに飾ってくれた。
[SET LIST]
1.歌舞伎町バタフライ
2.アドレナリンBANG!
3.甘酸っぱいマンゴー
4.キャットウォーク
5.パニックパニック!
最後に会場に残っていたバンドたちが舞台上へ。星子さんのリードのもと、the LOTUS/甘い暴力/ラッコ/Purple Stoneのメンバーらが新年の挨拶をしてくれた。さらに、最後の最後に縁起物の重さ当てクイズを実施。結果、誤差が一番少なかったthe LOTUSチームが勝利を獲得したこともお伝えしておこう。
今年のメインアクトを飾ったジンは、今年游彩として活動をスタートさせた。このイベントでトリを飾ったバンドは翌年出世するというジンクスもあるように、そこがどうなるのかも期待したい。もちろん、出演したバンドたちの今年の飛躍にもぜひ期待を寄せてもらえたら幸いだ。
stylish wave CIRCUIT'17 春の嵐
3月5日(日) 高田馬場AREA
出演:FEST VAINQUEUR(guest) / ベル / 甘い暴力 / Purple Stone / Neverland / the LOTUS / 游彩
3月12日(日) HEAVEN'S ROCKさいたま新都心 VJ-3
出演:FEST VAINQUEUR(guest) / Chanty / 甘い暴力 / Purple Stone / the LOTUS / シビレバシル(OA) / 游彩
3月19日(日) 高崎CLUB FLEEZ
出演:ゴシップ / 甘い暴力 / Purple Stone / 0.1gの誤算 / the LOTUS / BLaive(OA) / 游彩
3月25日(土):新横浜NEW SIDE BEACH!!
出演:ゴシップ / 甘い暴力 / Purple Stone / 0.1gの誤算 / ラッコ / シビレバシル(OA) / 游彩
4月1日(土) 仙台MACANA
出演:the Raid. / ベル / 甘い暴力 / Purple Stone / スタア区。 / 游彩
4月15日(土) 大阪MUSE
出演:FEST VAINQUEUR(guest) / the Raid. / 甘い暴力 / Purple Stone / スタア区。/ Axkey(OA) / 游彩
4月16日(日) 名古屋E.L.L
出演:FEST VAINQUEUR(guest) / the Raid. / ベル / 甘い暴力 / Purple Stone / Axkey(OA) / 游彩
[各公演]
前売り ¥3,800- /当日¥4,300- (消費税込み)
OPEN 16:00 / START 16:30 オールスタンディング / ドリンク代別途
チケット発売中!
stylish wave EXTRA '17 ”乱一夜”
2017年4月22日(土)新宿ReNY
出演:HERO(guest) / the Raid. / Sick² / 黒百合と影 / 甘い暴力 / ラッコ / 游彩 / the LOTUS / スタア区。(O.A.)
OPEN 15:30 / START 16:30
前売り ¥4,000 / 当日 ¥4,500(tax in)
*オールスタンディング / 入場整理番号有り / ドリンク代別
<下記プレイガイドでチケット発売中!>
ローソンチケット:0570-084-003(Lコード: 74188)
チケットぴあ:0570-02-9999(Pコード: 313-479)
イープラス: http://eplus.jp
ライカエジソン東京:03-3369-3708
ZEAL LINK渋谷:03-5784-9666/高田馬場 03-6908-9682