INTERVIEW

将&沙我(A9) ロングインタビュー 第1回(全4回) 「メイクをしていたバンドが持っていたきらびやかさや空気感を楽曲へ取り入れよう。」

A9

この記事を目にする頃には、最新アルバムの詳細も告知解禁になっているだろう。5月から全国ツアーもスタートするA9。この取材は、シングル『F+IX=YOU』をリリースして間もない、新作アルバムの制作へ着手し始めた時期に実施。今回は、バンドを代表し、将と沙我が取材に応じてくれた。
ここでは4回に渡り、アルバムがどんな風になりそうかの予測を立てた形で2人に話を聞いている。この時期に記されている情報と照らし合わせ、A9の新作アルバムがどんな内容に仕上がりそうか、あなた自身でも、心の中で楽しみを膨らませていただけたら幸いだ。

撮影:菅沼剛弘 / インタビュー:長澤智典
Photographs by Takehiro Suganuma / Interview by Tomonori Nagasawa

 

 

満を持してKenさんへプロデュースをお願いしたところ、快諾していただき、今回ご一緒させていただきました。

――最新シングル『F+IX=YOU』をL’Arc-en-CielのKenさんがプロデュースしています。まずは、Kenさんとの出会いから教えてください。
 ギターのヒロトが、何年か前からフェンダーのショールームなどでKenさんとお会いしてて、そこから仲良くさせていただいてというのがきっかけです。その流れから、Kenさんが主宰しているイベント「PARTY ZOO」へA9を招聘していただくようになったり…。
今回、『F+IX=YOU』をKenさんにプロデュースしていただくことになったのも、アクセサリーブランド「Reboot」とA9がコラボアクセサリーを作ることになり、さらに僕たちの楽曲がTV-CMとして流れることから、それに相応しい楽曲を制作することになりました。そこで、満を持してKenさんへプロデュースをお願いしたところ、快諾していただき、今回ご一緒させてもらえたわけなんです。

――同じミュージシャンの方にプロデュースをしていただく機会って、珍しいんじゃないですか?
 現役のミュージシャンとしても活動している方のプロデュースという面では、僕らも初になります。

――そうなんだ。
 元ミュージシャンでありながら、今は専業プロデューサーという方にプロデュースしていただいた経験は何度もありますけど、現役の方という面では初めてです。
沙我 僕ら恵まれてて、大物プロデューサーの方々とたくさん一緒に制作をする機会がありました。でもKenさんは、現役プレイヤーの方。何より、L'Arc-en-Cielのメンバーなんで経験の豊富さが全然違います。
実際にプロデュースしていただくときも、同じように苦労してきたからだと思うんですけど、僕たちメンバーの「こんな苦労をしてるんだろうな」という意識面まですごく考えてアドバイスしてくださるんです。そういう面でも現場ではすごくやりやすいというか、「こういうのやりづらいでしょ、だからこういう風にやろう」という制作進行の仕方をしてくれたり、個々に「こういう面で困ってるでしょ」「これをこうやるのって大変だし、面倒でしょ」「じゃあ、こうしようか」と、すごく気を使ってくれる。僕らと同じ目線で制作していただけたことは、すごく貴重な経験になりました。

――同じ肌感でわかってくれるのは大きいことだ。
沙我 そうですね。プロデューサーの方は…。しかも、大物になるほど俺らと見てる視点が違うんで、どうしても先生と生徒の関係になりがちなんです。もちろん、Kenさんも先生としての部分もあるんですけど。それ以上に、プレイヤーとプレイヤーという関係で話せるんで、そこは今までとは違いますね。

――その空気感こそ大切だ。
沙我 そう思います。

――現場の雰囲気って、楽曲にも自然と反映されますからね。
沙我 そうなんです。最初の打ち合わせの段階でエッチな話をして場を和ませたりなど、Kenさんのキャラクター性に最初から親しみを覚えられれば、僕ら自身、とてもわかりやすくKenさんのことをつかめた形でした。下手に難しい言葉を並べるんじゃなく、伝えてくる言葉のニュアンスにしてもKenさんはとてもわかりやすかったんで。

――プロデュースを受けるうえで、変な構えがなくなったのは大きい成果だ。
沙我 Kenさんもそこはすごく気を使ってくださってて、なるべく雰囲気のいい現場にしようというムードを作ってくれていたのがすごく伝わってきてました。
 

 

メイクをしていたバンドが持っていたきらびやかさや空気感を楽曲へ取り入れよう。

――『F+IX=YOU』はサウンド面でも、かなり遊んでいますよね。
沙我 そうですねぇ、これまでとはまったく異なる作り方をしてるというか。A9は5人バンドでツインギターなんで、今まではバンドサウンドから作るのが当たり前だったけど。今回は、80年代のイギリスで流行ってたニューロマンティックというシーン。カルチャークラブやデュランデュランなど、あの辺りの「メイクをしていたバンドが持っていたきらびやかさや空気感を楽曲へ取り入れよう」というテーマがあったんで、まず、「シンセ主体で曲を作ろう」というところから始まりました。正直、そこが最初にぶち当たった壁でもあったんですけど…。

――それでも『F+IX=YOU』は、打ち込み主体で楽曲を構築し、そのうえでバンドの音を重ねてゆくことを大事にしたかったわけだ。
沙我 そうなんです。

――A9のメンバーみんな、ニューロマンティックという音楽スタイルは完全後追いですよね。
沙我 ニューロマンティックが流行ったのが80年代なんで、全然リアルタイムで通ってないですね。たとえ80年代の音楽をレイドバックして聴いたとしても、僕らの場合はヘヴィメタルを通して80年代の音楽へ触れる程度だったから、メイクをしたニューロマンティックなバンドという今のヴィジュアル系に通じそうなスタイルって、意外にというか、僕ら世代で通ってる人は多くないと思います。

――ニューロマンティックに影響を受けてきたのは、それこそ初期ヴィジュアル系世代ですからね。
沙我 そういうムーブメントや音楽スタイルに気づかせ誘導してくれたKenさんは、さすがだなと思います。

――ニューロマンティックなスタイルというのは、Kenさんのアイデア?
沙我 そうです。Kenさんが「こういう音楽もあるんだよ」と教えてくれたんですけど。Kenさん自身もリアルタイムで通ってはなくとか、「こういう音楽もあったんだ」と後から追いかけたらしく、そういう話を雑談レベルで僕らに語ってくれました。そのうえで「ニューロマンティックというアプローチって、どう?」「今回、取り入れてみない??」という話をしながら、『F+IX=YOU』の制作がスタートした形でした。

――最初から「ニューロマンティック」というキーワードがあったうえで楽曲制作を始めた形だ。
沙我 そうです。ニューロマンティック=どういうサウンドかというのを、最初の時点では僕ら具体的にわかっていなかったので、そこは制作を進めながらだんだんつかんでいった形でした。

――将さんは、Kenさんと一緒に制作してゆく流れを、どんな風に受け止めていました?
 曲作り前の段階から、Kenさんを含め、みんなでどういう作品を作るかというミーティングをし、そのうえで制作に入ったのは大きかったこと。何より、Kenさんにはバンドの根本からプロデュースをしていただいたというか、楽曲制作以前に、バンドの在り方の話までお互いにディスカッションをしながら意見を交わしあえたのが良かったなと思っていて。
実際にKenさんからも「お互いの良いところを導き出すディスカッションを重ねていくやり方こそ、バンドとして理想的な楽曲の作り方だよ」と教えていただけたように、今まで以上にバンド感というか、Kenさんも含む一つのチームとして作っている感覚が強かったです。

――『F+IX=YOU』は生々しいバンド曲ではないけど。でも、何よりもバンドらしい姿勢で作り上げた楽曲だ。
 そうです。マインドと姿勢の面では、よりバンドっぽい制作をしていきました。

 

 

A9の中にあるダンスロックというか、ディスコ的なアプローチというのかな。そういう面を「もっとわかりやすく派手に描こう」「きらびやかにしよう」という話も、実際にしていたこと。

――もともとA9自体、ダンスロックな要素も持っていたバンドでしたよね。それを進化させた形が『F+IX=YOU』という印象も受けました。
沙我 A9の中にあるダンスロックというか、ディスコ的なアプローチというのかな。そういう面を「もっとわかりやすく派手に描こう」「きらびやかにしよう」という話も、実際にしていたんで。
ただし、わかりやすくきらびやかに楽曲を彩るという面では、もっともっと自分たちの中に知識やスキルが必要というのは、制作を重ねながら思ったこと。しかもその要素が、A9を輝かせる一つの魅力にもなると再確認していました。だからこそ、自分たちの今後の武器になるものをもっと磨かなきゃと改めて思わせられましたからね。

――『F+IX=YOU』は、冒頭からいろんな音を組み合わせ構築してゆく形で楽曲が始まります。まるで音のパズルを組み合わせていくような、そのスタイルがとても新鮮で刺激的でした。
沙我 そう思ってもらえたなら嬉しいです。まぁギターの音数がとても多かったように、それをどう構築してゆくか抜き差しのバランスは本当に大変でしたけどね。

――でも、こういうサウンドアプローチをし始めたこと自体が斬新だなと思います。演奏する側も新鮮さを感じていたのでしょうか?
沙我 新鮮でありながら、同時に、すごく勉強にもなりました。
 新しい刺激は多かったですね。自分は歌詞もKenさんに見ていただき、いろいろとアドバイスや意見をもらいながら書いたように、そういう新しい刺激もありましたからね。
 

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6. ECHO
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「A9 ONEMAN TOUR 2018」

4月25日(水) 高田馬場AREA ※FC限定
5月4日(金祝) EX THEATER ROPPONGI ※ヒロトBD
5月19日(土) 水戸LIGHT HOUSE
5月20日(日) 宇都宮HEAVEN’S ROCK VJ-2
5月25日(金) 仙台darwin
5月26日(土) 盛岡CLUBCHANGE WAVE
6月2日(土) 岐阜ROOTS
6月3日(日) 京都FAN J
6月5日(火) 高松DIME
6月7日(木) 広島SECOND CRUTCH
6月9日(土) 熊本B.9 V1
6月10日(日) 鹿児島SR HALL
6月16日(土) 新横浜NEW SIDE BEACH!!
6月23日(土) 新潟NEXS
6月24日(日) 郡山CLUB #9 ※沙我BD
7月5日(木) 福岡DRUM Be-1 ※将BD
7月7日(土) 大分DRUM Be-0
7月8日(日) 愛媛サロンキティ
7月10日(火) 松江AZTiC canova
7月11日(水) 岡山IMAGE
7月13日(金) 大阪BananaHall
7月14日(土) 浜松窓枠
7月16日(月祝) 名古屋E.L.L.
7月21日(土) 金沢AZ
7月22日(日) 長野LIVE HOUSE J
7月28日(土) 函館CLUB Cocoa
7月29日(日) 札幌PENNY LANE24 ※Nao BD


【ツアーファイナル】
8月25日(土)新木場STUDIO COAST

各公演の詳細、チケット情報等はオフィシャルサイトをご確認ください

 

【 A9 OFFICIAL WEBSITE 】
http://a9-project.com

【 A9 OFFICIAL Twitter 】
@a9_official