the GazettE LIVE TOUR 15 DOGMATIC-UN- 9.14 神奈川県民ホールLive Report!
the GazettE LIVE TOUR 15 DOGMATIC-UN-
9.14 神奈川県民ホールLive Report!
(PHOTO:田辺佳子 TEXT:長澤智典)
闇に包まれた場内に飛び交う、無数のストロボライトの光。漆黒の空間の中へ飛び交う幾つもの光の瞬きが、瞬時にしてその場を異境へと飲み込んだ。闇の奥から輝きだしたのは、2つの十二芒星の刻印。会場中を包み込んだ暗鬱な音の調べが痛みを持って降り注ぐ中、目の前に広がったのはホラームービーのような光景。
我々が踏み込んだのは、ホラー映画の世界!? いや、もっとリアルな現実だ。この会場自体が、脅威な存在(魔)たちが集い、宴を成す祭場へと繋がるパラレルワールドの入り口だ。思考を鈍らせてゆく眩い光の点滅と戦慄携えた音の響きは、扉の空いた入り口から奈落へと堕ちてゆくために目と耳へ撃ち込まれた導入剤。
視覚と聴覚、感覚を狂わせた音と光のドラッグを注入された満員の観客たちは、みずからが狂うための合図を待っていた。舞台上に姿を現した5人の魔導師たちが繰り出す音楽の合図を、期待に身悶えながら待ち望んでいた…。
狂った宴の幕開けを飾ったのは、最新アルバム『DOGMA』の冒頭を飾ったのと同じよう「DOGMA」だ。重い鉄槌をブンッと脳天へ叩きつけられたような火花散る重量感を持った衝撃に、身体も、心も、一気に闇の中へと転がるように堕ちだした。重厚なまでの衝撃が、一瞬にして理性を吹き飛ばした。闇に蠢く黒い渦に呑み込まれるごとに、感覚はむしろ恍惚を覚えてゆく。まるで、堕ちてゆくことに絶頂を感じるかのように…。
今回のツアーの本編は、最新アルバム『DOGMA』を軸に据えた形で構成されている。むしろ『DOGMA』というアルバムを、ライブというリアルを味わえる空間ならではの形に再構築しながら、その『DOGMA』へ深みや黒い臨場感を与えてゆくに相応しい曲たちを加えながら構築したメニューになっていると言ったほうが良いだろうか!?
余計な心配だとは思うが、これだけは言っておく。今回のツアーは、『DOGMA』に描いた思想をリアルに体現してゆく場。つまり、このアルバムの深みを知っていればいる人ほど、奈落に堕ちた狂(享)楽の空間の中、思いきり自分を開放してゆく快楽を覚えてゆくはずだ。
とくに序盤から中盤にかけては、闇と光、両極を成す二つの要素がケミカルを起こしながら、その場にいる人たちに"闇へ溺れてゆく熱狂と悦楽"を伝えてゆく演奏や演出が、次々と描き出されていく。曲が一つ一つ進むごと観客たちも、頭振り乱し、身体折り畳みながら、暗黒の舞踏(武闘)劇へ夢中で溺れ続けていた。
RUKIがMCで語った「ヤバい夜にしようぜ!!」の言葉通り、重厚な唸りや、重く激しく疾走してゆく音楽を作り出す儀式の調べに、誰もが身悶え恍惚と熱狂に溺れ続けていた。
「Sugar Pain」の始まりと幕引き時に魅せた、葵の弾く恍惚さ背負った重い旋律が導き出した絶頂感。「DERACINE」や「GRUDGE」の中から見えた嘆いた歌の表情。「WASTELAND」では、無数の炎が灯り、恍惚に酔いしれる儀式のような風景さえ描き出していた。
「今日は、生まれて初めてステージ上で失神するくらいの熱気だよ。空気が薄いよ」とRUKIも語っていたように、この日のライブは、暴れ続ける観客たちの熱気と熱狂に支配され続けていた。もちろん、その興奮と高揚を導き出したのも、the GazettEのメンバーが作り上げたステージングがあってのこと。
「LUCY」では、RUKI自身が飛び跳ねながら熱唱。絶叫と絶頂の空間導きだした「INCUBUS」や「BLEMISH」。とにかく、終始重い絶頂を抱かせるライブをthe GazettEは作り続けていた。だからこそ本編最後に、その熱狂をふたたび闇の中へ落とし込むように「OMINOUS」が流れたとたん、言いようの無い絶頂感と、トリップしながらも優しく嘆いた恍惚を覚えていたのかも知れない。
繰り返しになるが今回のツアーの本編は、最新アルバム『DOGMA』を軸に据えた形で構成している。そのぶんアンコールでは、現在のダウンチューニング曲に連なりを持ちながらも、大騒ぎしてゆくうえで欠かせないthe GazettEの人気"暴れ祭りナンバー"が次々飛び交っていた。
ライブ本編を始める前に行ったインタヴューでは、メンバーそれぞれが「ツアーを進めるごとに内容も変えてゆく」と語っていたように、今回のツアーも、回数を重ねるごとメニューが変わっていく可能性も大いに感じさせられる。
本編に関しては、「アルバム『DOGMA』を軸に据えて」という前提があるように、ツアーを通しても極端な変化は見受けられないかも知れないが、アンコールに関しては、何が飛び出すのかわからない楽しさもありそうだけに、これから足を運ぶ人たちは、そこも楽しみにしていて欲しい。
もちろん、あえて繰り返すが、アルバム『DOGMA』を聴き込んでこそ深く楽しめるツアーになっているように、そこはマストな条件であることも最後に述べておこう。
(PHOTO:田辺佳子 TEXT:長澤智典)
【the GazettE OFFICIAL WEBSITE】
http://www.pscompany.co.jp/gazette/
LIVE TOUR 15
DOGMATIC -UN-
09.05(sat) 羽生市産業文化ホール HERESY ONLY
09.06(sun) 羽生市産業文化ホール
09.08(tue) 金沢市文化ホール
09.10(thu) 新潟テルサ
09.14(mon) 神奈川県民ホール
09.17(thu) 市川市文化会館 大ホール
09.19(sat) 千葉県文化会館
09.22(tue) 相模女子大学グリーンホール
09.24(thu) 茨城県立県民文化センター
09.26(sat) コラニー文化ホール(山梨県立県民文化ホール)
09.29(tue) 三重県文化会館 大ホール
10.03(sat) サンシティ越谷市民ホール
10.04(sun) サンシティ越谷市民ホール
10.06(tue) 長野県・ホクト文化ホール 中ホール
10.07(wed) 富山県民会館
10.09(fri) 前橋市民文化会館
10.11(sun) 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール
10.14(wed) 栃木県総合文化センター
10.15(thu) 大宮ソニックシティ
10.27(tue) 弘前市民会館
10.28(wed) 秋田市文化会館 大ホール
10.30(fri) 郡山市民文化センター 中ホール
チケット一般発売日 2015年7月4日(土)
料金 指定席 前売 ¥6,800(税込)※3歳以上有料
総合問い合わせ
Zeppライブ 03-5575-5170(平日13:00~17:00)
LIVE TOUR 15-16
DOGMATIC -DUE-
2015
12.01(tue) よこすか芸術劇場
12.03(thu) オリンパスホール八王子
12.09(wed) 松戸・森のホール21
12.11(fri) 高知市文化プラザ・かるぽーと
12.13(sun) サンポートホール高松
12.15(tue) 広島アステールプラザ 大ホール
12.17(thu) 倉敷市芸文館
12.19(sat) オリックス劇場
12.20(sun) オリックス劇場
12.23(wed) 和歌山市民会館
12.24(thu) 神戸国際会館 こくさいホール
12.27(sun) 仙台サンプラザホール
2016
01.07(thu) 旭川市民文化会館大ホール
01.09(sat) 札幌市教育文化会館
01.11(mon) 山形市民会館 大ホール
01.13(wed) 盛岡市民文化ホール
01.16(sat) 福岡市民会館 大ホール
01.18(mon) 鹿児島市民文化ホール 第2ホール
01.23(sat) 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(名古屋市民会館)
01.24(sun) なら100年会館 大ホール
チケット一般発売日 2015年10月24日(土)
料金 指定席 前売 ¥6,800(税込)※3歳以上有料
総合問い合わせ
Zeppライブ 03-5575-5170(平日13:00~17:00)