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ハリウッドビューティ専門学校&ESP ミュージカルアカデミー presents 「ヴィジュアル ビューティ&ミュージック」イベントレポート!

ベル


ハリウッドビューティ専門学校&ESP ミュージカルアカデミー presents
「ヴィジュアル ビューティ&ミュージック」

8月20日(木)、専門学校ESPミュージカルアカデミー12号館ホールを舞台に、「ヴィジュアル ビューティ&ミュージック」と題したイベントが開催になりました。この日は、3部構成で実施。それぞれの模様をお伝えします。
(TEXT:長澤智典)


  


 このイベントは、「ヴィジュアル」をキーワードに、「ビューティ」と「ミュージック」とのコラボレートを実践しようと立ち上げたのがきっかけ。その説明を、星子誠一さんと山本昇さんとの対談を通して語りつつ、イベントは幕を開けた。

 ここでは、星子さんがヴィジュアル系というスタイルに出会い、ヴィジュアル系の専門雑誌を立ち上げ、今のシーンを隆盛させてゆくまでの流れを「ビューティ」という視点も交えながら熱く、しかも、わかりやすく語ってくれた。

 さらに「ここだけの話」として、hideのことも星子さんは語り出した。軽く紹介するなら、星子さんが千葉に住んでいる頃、夜中過ぎに撮影を終えたhideが一緒についてきて、星子宅で2人の子供のために、早朝に朝御飯として目玉焼きとトーストを作ってあげたエピソードを披露。他にも、酔っているときに虹色に髪の毛を染められた話など、深い交流を続けてきたhideとの微笑ましい話をあれこれ語ってくれました。




 

「トークセッション第一部」



  


 第一部には、星子さんと山本さんを司会に、漫画『小学生の妹がバンギャです』の作者であり、モデルとして活動中の竹内星菜さんが登場。

 最初に、『小学生の妹がバンギャです』の既発表作から、このイベントのために描き下ろしたドラマ仕立ての新作連続漫画までを大きなスクリーンへ投影し、披露。その後、竹内星菜さんがステージに姿を現した。

 妹がヴィジュアル系が大好きで、その影響から竹内星菜さんもヴィジュアル系に興味を持ち出したのが、イラストを描き始めたきっかけ。妹がガンガンにヴィジュアル系を勧めてきたことから、妹の熱狂する姿をイラスト漫画として描き、それをtwitterに上げたところ、どんどん支持を獲得し、いつしか人気に。

 星子さんと繋がったのも、彼女が描いた漫画の中へ星子さんが登場したことから。その話を伝え聞いた星子さんがtwitter上を通し漫画を確認。その内容を見て星子さん自身が気に入り、最初はtwitterを通して交流を取り始めたそう。ちなみに、星子さんのことを竹内星菜さんに勧めたのも、妹ちゃん。その流れから、過去の作品を掲載する連載が「club.Zy.チャンネル」(http://ch.nicovideo.jp/visualkei-manga/blomaga/)でスタート。

 今でも毎日1枚ずつ描いているように、その数は膨大。ちなみに中学生になったばかり
の妹ちゃんは、この日が初の生ライブ観戦。それまではひたすらネットでライブ映像を見ていれば、今も見続けているそう。

  妹ちゃんは、お風呂上がりにヘドバンで髪の毛を乾かせば、小学生のときの習字の課題に「己龍」と書いてしまうくらいバンギャな子。でも、身近にはヴィジュアル系好きな友達がいないようで、少しでもヴィジュアル系の良さを身近に広げようと奮闘しているそうだ。

 妹ちゃんは、己龍の九条武政が大好きで、いつもマスクをしている。ご飯を食べるときにも、マスクをめくりあげて食べてしまうほど。ちなみに母親は美大出身。絵の技術についても、竹内星菜さんにいろいろアドバイスをしてくれているそうだ。

 「妹が喜んでくれたら」との想いで『小学生の妹がバンギャです』を描いている竹内星菜さん。さらに、星子さんとも「一緒にヴィジュアル系を広めていこう」という共通の想いで繋がりあっていることから、これからも、それぞれの形を取りながらヴィジュアル愛を伝えてくれるに違いない。

 ちなみにこの日、夏休みを利用して会場に遊びに来ていた妹ちゃん、やはりマスク姿をしていた。

 「妹のヴィジュアル系熱が続く限りは、『小学生の妹がバンギャです』を描き続けていく」と宣言。ネタの宝庫の妹ちゃん、ずっとバンギャで居続けてくださいね。

  
 

 

 

──竹内星菜握手会──


トークショー後に、竹内星菜さんの握手会を実施。数多くの人たちが列をなし、短い時間?!とはいえ、彼女と手を握りあいながらいろんな話を交わしていた。側には、妹ちゃんの姿も。竹内星菜さんと握手を終えた人たちは、そのまま妹ちゃんとも話をしていた。

 何より、妹ちゃんが本当に嬉しそうに会話を弾ませていた姿が印象的。良かったね、一緒に足を運べて。

 


「トークセッション第二部」
 


  


 第二部は、星子さんと山本さんを司会者に、トップヘアメイクアーティストの柳延人さんとのトークを実施。ここでは、「ビューティ」を題材に語りだした。ちなみに、柳さんがハリウッドビューティ専門学校時代に通っていた1学年上にいた先輩が、hideだった。

 柳さんと星子さんとの接点は、今から27年前。音楽専科という雑誌の取材で、「ハノイロックスのヴォーカリスト,マイケル・モンローがヘアメイクを探してる」というオファーを受け、そこで星子さんのディレクションで撮影をしたこと。日本人で初めてマイケル・モンローのヘアメイクをしたのが柳さん。でも、星子さんはまったく記憶がない。さすが星子さんですね。笑。 

 柳さんがヴィジュアル系(ヘヴィメタル)のヘアメイクを始めたきっかけが、28年前にLOUDNESS第二期のヴォーカリスト、マイケル・ヴェセーラを担当したことから。その後も柳さんは、ずっとLOUDNESSのヘアメイクを担当。

 最初は特殊メイクを手がけたい想いを柳さんは持っていた。理由は、「猿の惑星」という映画からの影響。なるほど、納得だ。その頃は、海外にまで足を運び、武者修行。柳さんは「【ハロウィンメイク】コツさえつかめば真似できちゃう!キュートなゾンビメイク」(https://www.youtube.com/watch?v=ytxYFjcNFGw)などのテクニックもYouTubeに上げている。ぜひ、ご覧になってください。

 今は、ハリウッドビューティ専門学校でヴィジュアル系のメイクの仕方も教えている柳さん。'80年代、'90年代、'00年代と、10年毎のメイクの違いも表現。髪の毛やアイメイクの変遷を、ここでは簡単に紹介してくれた。

 ヴィジュアル系と言えば黒いアイライン。ライブでは耐久性のある落ちないものを使えば、撮影では落ちやすいけど発色の良いアイラインを使用。最近では、みずからオリジナルのアイラインを作り出している。ヘアスプレーでも、付けた瞬間にすぐ乾いたり、ミスト状になったりという、いろんなヘアスプレーも制作。プロ使用のヘアメイク道具の数々は、とても気になるところ。

 最近は、エアーブラシを使ってのフェイスペイントなども行っている柳さん。その技術は、トークショー後に行うヘアメイクショーで披露。「「和」「耽美」「キラキラ系」3つのパターンを実際に示す」と答えていた。

 「音楽とメイクの融合をやりたい」という強い想いを持っている柳さん。理想は、生演奏とファッションショーをコラボレートしてみたいから。具体的な願望として、「マスクをして2曲ほど演奏したあとに、マスクを取ったら格好いいヘアメイクをしている」。そんなバンドのプロデュースを手がけてみたいとのこと。

 失敗談では、ウィッグを付けた女優が、とある舞台の本番でダンスを始めたら、途中で取れてしまい、赤っ恥。公演後、楽屋で「死ね」と言われた経験も。今では、カツラ用のピンを開発。「絶対に取れないウィッグのつけ方」をしているそうだ。

 最近は作詞家デビューも飾った柳さん。しかも相手は、アイドルグループのLovely☆Vivid。こちらでも、ウィッグを使用。そのこだわりが、柳延人スタイル?!

 柳さんの教え子にいるのが、SuGのギターのmasato。卒業のときに「僕は美容師にならないでバンドで頑張っていきます。デビューしたら僕のメイクをしてください」と約束。実際にデビューしたことから、今でもSuGのメイクをしているそうです。

 余談ですが、この日の柳さんは赤い髪の毛。これも、今日のために色を入れてきた。さすが、見た目を彩る方らしい生き様じゃないか。

 続いては、「ヴィジュアル系の歴史から近未来」までをヘアメイクと衣装でプロデュースしたファッションショーを実践。「和」「耽美」「キラキラ系」という3つのスタイルで魅せてくれた。

 ショーでは、柳さんを筆頭に3人のヘアメイクアーティストたちがモデルを目の前に、それぞれヘアメイクを実践。スクリーンいっぱいにメイクしてゆく様やカットしていく姿を映し出していたように、その道を目指す人たちにはとても勉強になっていたに違いない。


     

──柳延人メイクアップ講座──       


 トークショーの後には、実際に訪れた人たちにヘアメイクを実践。ハリウッドビューティ専門学校の講師の方々が、直接訪れた人たちにメイクを施したり、セミナー風に、今のメイク界の流行について説明しながら、メイクがいかに時代と寄り添いながら進化しているのかを、その場へ足を運んだ人たちに教えていた。




  
 

  
 


      

 

「トークセッション第三部」       


  


 第三部は、星子さんと山本さんを司会者に、ヴィジュアル系バンド「ベル」とのトークセッション。ハロ/夢人/明弥/正人とも,星子さんとは親しい間柄。

 いきなり話題は、正人がいつも隠れて着替えることから、「なぜ?!」という謎を探るトークへ。星子さんとベルとは、「stylish wave」で数多く一緒に接してきた仲。メンバーいわく「星子さんが楽屋へ来ると明るい雰囲気になる」と語っていた。

 メンバーとの会話は、今年2月、明弥の誕生日にメンバー4人と星子さんが居酒屋へ呑みに行ったときのことへ。いい感じで呑んでいた明弥だが、途中から泣きわめき、怒り、ケータイを投げ、地球にパンチしながら泣いていた話が飛び出した。本人は、ほとんど記憶がない。しかも星子さんにも喜び?!のあまり絡んだことから、星子さんは渋々相手していたらしい。

 明弥はESP ミュージカルアカデミー 出身。この日のステージは学生時代にアンサンブルの授業で上がっており、懐かしんでいた。夢人は、ESPとギターのモニター契約中。「モニター契約をしているとメンテナンスが無料、ピックなどの消耗品が無料、必要なギターをレコーディングなどで提供してくれる」という裏話まで教えてくれた。

 ベルのメンバー同士が出会ったのは、「出会い系」という冗談もありつつ。最初に、夢人とハロが友人を介して会ったのがきっかけ。夢人いわく「新しいバンドのヴォーカルは、これから華を咲かせる原石とやりたいと思っていたら、まさに原石と出会った」と解説。正人とは、夢人が以前やっていたバンドでドラムのサポートをしていたことや、その当時から彼の才能へ目を付けていたことから誘い込んだことを報告。明弥とは、ハロが以前に活動していたバンドが終わったときに、ハロが「新しいバンドをやるなら明弥を誘いたい」という想いから。その当時からハロは,夢人と一緒に新しいバンドを組もうとしていた。

 その時の話の中、「歌謡テイストを持ったロックバンドをやりたい」構想が2人とも同じだったことから、「コンセプトが一緒だからくっつけてしまえ」とハロが直感。「歌謡サスペンス」をテーマに据えたベルの結成に至った話をしてくれた。

 この日のイベントは「ビューティ」がテーマということで、メイクの話へ。この日の明弥のメイクは紫だけでも3種類を使用。夢人に至っては茶色を4色使ってメイクをしていた。

 ベルは、「歌物」を押し出したバンド。話の流れから、何故か明弥がデスボイスをしてゆく場面も。「ベルは、曲中にシャウトはない」のに、なぜ明弥がデスボイスをしたのか?!。それは、ここに来た人たちだけの話ということにしておこう。

 ベルは、10月にMV付きのシングル発売を予定している。「今までで一番ベルらしい」(正人)と語っていたように、完成が楽しみだ。

 星子さんいわく、ベルに対して「歌謡曲をベースにしているのが新鮮で。しかも演奏がしっかりしている」「sylish wave」をガンガンまわっていくことでバンドとしての演奏も安定してきた」と熱いエールを送っていた。もちろん、冬の「stylish wave冬将軍」にもベルは登場するので、お楽しみに。

 ベルというバンド名について、「謎めいた感じに。しかも一発でわかりやすく、どこにもかぶってない」(ハロ)想いもあって命名。最初はヴェルという案もあったが、ベルになったというエピソードも語ってくれた。

 10月18日には、新宿ReNYで1周年記念のワンマンライブを実施。この時点では、いろんな構想を練っている最中。「特攻をやりたい」というアイデアもあったが、新宿ReNYの規約的に出来ず。「それに変わるいろんなアイデアを練り込んでいる」(ハロ)そうなので、そこは楽しみにしておきたいところ。

 最後に、卒業生の明弥からメッセージが。「音楽って素敵なもの。つらい気持ちなどを励ましてくれるのが音楽。それを一緒に作っていく人たちが今後も増えてくれたらなと思います。僕らは演奏する側だけど、いろんな人たちとの関わりがあって出来ること。その出会いを作りながら、これからも音楽人生を楽しんでください」と答えてくれた。

 トークショーはここまで。次は、いよいよベルのライブだ。
  




        

 

──ベル ライブ──          


 

 それまで端っこにいた妹ちゃん。ファンの子たちに呼ばれ、予定では星子さんがライブを観る場だった?!最前列ど真ん中の客席で、妹ちゃんも待機。ついにベルのライブが幕を開けた。

 「ようこそ、歌謡サスペンスの世界へ」。ベルのライブは、『あの日の僕と君と雨』から幕を開けた。クールな仕種で?!むしろ、爆発しそうな感情をレッドゾーン寸前まで上げつつ、観客の熱したい感情を上手く昂らせたといったほうが正解か?事実、会場の人たちは、誰もが手の花咲かせながら無邪気に跳ね続けていた。

 情熱的なサビ歌が場内にこだました。軽快に跳ねる『ノンフィクション』に導かれ、会場中の人たちが横の人たちと両手を繋ぎ揺れている。その場にいる人たちと、いつしか気持ち一つに熱狂の中へ溺れてゆく。この楽しい感覚を与えてくれるのが、ベルのライブだ。

 一気に駆けだした演奏。ムーディな歌謡メロも印象的、『午前3時の環状線』が連れ出した哀愁浪漫な歌世界。何処か妖しい香り漂うのに、曲自体が駆け続けてゆくせいか、その艶めいた歌に気持ちも身体も嬉しく酔っていた。

 ファンキーに跳ねたビートとスリリングなギターサウンドが絡みだした。哀愁味を持った歌が、触れた人の気持ちをウキウキと上げてゆく。『涙傘』では、会場中に無数の団扇が舞い踊っていた。胸をキュンと疼かせながら、身体はしっかり熱を帯びて踊りの輪の中へ。その感覚が気持ち良いじゃない。

 サスペンスかつソリッドな演奏が身体中に突き刺さってきた。『バイバイ』が連れ出した騒がずにいれない嬉しい衝動。誰もが「Oi!Oi!」と声を張り上げ、舞台上へ熱した想いを返してゆく。

 最後にぶつけた『やってない』の頃には、場内も祭状態へ。ハロの煽りに合わせ、飛び跳ねれば、サビでは会場中に咲いた無数の花が演奏へシンクロするように大きく大きく揺れ続けていた。火照った感情一つに、互いに心地好く絶頂を迎えてゆく。いいね、これがライブだよ。みんなで一緒に「楽しさ」を作りあげてゆくライブなんだよな。

 ライブ後は、メンバーたちが訪れた人たちをお見送り。最後の最後までファンたちと触れ合いの場を作りながら、この日のイベントは幕を閉じていった。