REPORT

stylish wave MAX'15 ”一撃乱舞” ライブレポート!

Black Gene For the Next Scene FEST VAINQUEUR GOTCHAROCKA Jin-Machine Lycaon ギガマウス グリーヴァ ベル
 


今年の夏、全国各地で猛威を奮った?!イベント「stylish wave CIRCUIT'15 夏の陣"今宵狂乱"」。そのファイナルとなるイベント「stylish wave MAX'15 "一撃乱舞"」が8月16日(日)に新宿ReNYを舞台に行われた。出演したのは、GOTCHAROCKA/Lycaon/FEST VAINQUEUR/Black Gene For the Next Scene/Jin-Machine/ベル/グリーヴァ/ギガマウスという面々。この日の模様を、ここにお伝えします。
TEXT:長澤智典
 



□Jin-Machine


 閣下がいきなりマッチョな身体?!をさらし、メンバー全員が横一列に並びながら『ありがとう筋肉』を歌い出した。なんともインパクトあふれる幕開けを飾ったのが、Jin-Machineだ。美しい調べに乗せ朗々と、シニカルな歌詞を歌いあげるメンバーたち。その姿へ、場内からは温かい拍手も。

 一転、ラウドな演奏炸裂した『救声』を轟かせ、Jin-Machineは場内に汗ほとばしる熱気を描き出した。終始盛り上がりの空気絶えない「stylish wave」にピッタリじゃないか。

 スットコドッコイな曲調?!コミカルなドラマ劇をラウドな音に乗せて伝えた『宇宙忍者アメリカ』。演奏はシリアスなのに、歌詞やパフォーマンスがC調なところがJin-Machineのライブの醍醐味。その祭り劇へ一緒に参加してこそ、その場にいる意味ってなもの。

 舞台上に大漁旗やマグロのぬいぐるみも登場。観客たちを左右にモッシュさせ続けたのが、『マグロに賭けた男たち』。気持ちをはしゃがせる演奏と凛々しいコミカルな歌に、熱く血が騒ぎだすのも納得だ。

 場内にヘドバンや折り畳みの風景作りあげたシニカル/シリアスなメッセージソング『環境デストロイ』まで、止まることなく暴走し続けながら、夏に起きる台風のよう凄まじい熱狂と圧倒される存在感を、Jin-Machineは場内へぶち蒔け続けていった。

[SET LIST]
1.ありがとう筋肉
2.救声
3.宇宙忍者アメリカ
4.マグロに賭けた男たち
5.環境デストロイ



□ギガマウス


 「バカ騒ぎだ、かかってこい!!」、式の声に続いて飛びだしたのが、躍動的なダンスロック『チックタックヘッジホッグ』だ。ラップするように観客たちを煽る式。リズムアタックの強い楽曲に乗せ、会場中の人たちが上へ上へ飛び跳ねてゆく。なんて絶景な光景だ。

 会場中に舞い出した団扇やタオル、サイリウムの数々。騒がずにいれない高揚与えてゆく『プラトニック』に身を預け、誰もが祭りへ嬉しく溺れていた。とてもキャッチーな歌なのに祭り祭りしているせいか?!、身体のムズムズが止まらない。

 哀切なメロディが胸をチクチク刺してゆく。歌謡ロック/音頭なビートも印象深い『夕顔』へ、どんどん身が、心が溺れていく。この痛心地好い浪漫な物語が、たまんなく刺激的だ。
 
 新宿ReNYにおっきい雷が次々と落ちてゆく感覚?!轟き爆走した『ジャパニーズサンダー』が、身体中の血をたぎらせた。「星子」「サンダー」など、式と観客たちとのコール&レスポンスも登場。「雷落とせ!!」の歌詞ではないが、ここで熱狂を場内へ落とさず、いつ落とす?!それくらいの興奮をギガマウスがぶつけていった。ラストの『監獄ロックメン』でも、「Cutしたい、Fxxk off期待、Bad未来」と熱い絶叫のやり取りも交わしつつ。式に至っては客席の中、観客たちの騒ぐ場にまみれながら会場中をギガパーティ空間に塗り続けていった。メチャ元気満載にバカ騒ぎしてゆく、この感覚こそがギガパーティなのは間違いない!!

[SET LIST]
1.チックタックヘッジホッグ
2.プラトニック
3.夕顔
4.ジャパニーズサンダー
5.監獄ロックメン



□グリーヴァ


 狂鬼の絶叫声からの幕開け。痛い闇を秘めながら、哀切な歌が、触れた人の心の臓を握りしめるような感覚でせまってきた。真の狂気とは、こんな感覚なのかも知れない。『終焉』を奏でながら、嬉しい意外性を持った幕開けで、この日のグリーヴァは攻めてきた。

 一転、『密室104号室~暗イ部屋ニ僕ト君~』を通し、キリキリとした激痛音を響かせ、グリーヴァはさらに恍惚を持った痛みを増幅しせまってきた。大きなライトを振りまわし歌う狂鬼。ここは、まるで儀式の場のように…。

 「痛みや苦しみ、憤りを全部僕にぶつけてくれないか!!」「今の自分を殺してください」。曲中、何度となく登場した「殺せ×5」のやり取り。『自己精神殺害推進會』に触れながら、誰もが理性をかなぐり捨て、腹の底から絶叫しながら猛り狂っていた。そう、これぞグリーヴァのライブらしい暴れの風景じゃないか。続く『黒蟻ノ群レ』でも、会場中の人たちが荒れ狂う演奏と全身でリンクし合うよう、群れる黒蟻の如く、終始跳ねるかヘドバンするかに興じていた。そして…。
 
 暴れることが、野生の姿に戻ることが、今宵のすべての正解か?!『妄想主義者ノ背徳』の演奏中、会場中の人たちの身体が止まることなく大きく揺れ続けていた。闇の世界で繰り広げられた宴は、とても刺激的で狂気的じゃないか。

[SET LIST]
1.終焉
2.密室104号室~暗イ部屋ニ僕ト君~
3.自己精神殺害推進會
4.黒蟻ノ群レ
5.妄想主義者ノ背徳



□Black Gene For the Next Scene


 BFNのライブは、キラキラとしたラウド&トランシーなダンスロック『涙-kHz-』からスタート。魂を武者震い立たせる躍動的な演奏に飛び乗り、会場中の人たちが大騒ぎ。途中、Iceが麦わら帽子と虫取り網を持って写真を撮る場面も登場。いやいや、それよりも、気持ちを熱く熱く掻き立てる演奏へ一緒に身を預け、クルクルとモッシュし続けたことが、何よりもの嬉しい快楽だった。

 突き刺すような。でも、高揚した歌声が、自然と拳を頭上高く突きあげさせた。『SHOOTING STAR』でも、場内に生まれた熱を、彼らはけっして下げることはなかった。

 地を這うような重く激しい音が土煙上げながら走り続けゆく。そんな衝撃音を軸に据えた『逆卍』を、BFNは演奏。1曲の中へ多彩な表情を詰め込んでいるように、その過激な音の彩りへ身を委ねていると、暗黒なドラマのヒーローやヒロインになったような感覚にさえ陥っていた。

 躍動し出した鋼のラウドグルーヴ、『黒煙のうねり、泥に孵り、全てを灰に』が連れ出したのは暴れに興じたくなる光景。猛り狂った音の洪水が、なんて気持ちを掻き立てていくんだろう。「殺ろうぜ!!」、最後に叩きつけた暴れ祭り導く『癲狂のRobEr』では、観客たちが左右へモッシュするたびに会場中が大きく揺れ続けていた。それくらい騒ぎゆく光景が、新宿ReNYには広がっていた。

[SET LIST]
1.涙-kHz-
2.SHOOTING STAR
3.逆卍
4.黒煙のうねり、泥に孵り、全てを灰に
5.癲狂のRobEr



□ベル


 心地好くスキップ踏むジャジーなリズムの上で、浪漫な香り抱きながら『飴と無知』を奏で出した、ベル。誰もが、優しく弾む演奏とたおやかさを持った歌へ、ゆったりと身を寄り添わせていた。このムーディなほろ酔いな感覚が、気分をうっとりさせてゆく。

 表情は、一変。情熱的な歌謡ロック『ノンフィクション』が跳ねだした。甘く蕩けそうな歌に酔いつつ、誰もが、スキップ踏まずにいれない気分も味わい続けていた。

 手にした団扇が頭上高くヒラヒラと舞い踊ってゆく。哀愁メロウな歌も印象的な『涙傘』が連れ出した、夏祭りな風景。演奏は、さらに熱狂導く速度まで駆けだした。続く歌謡ロック『バイバイ』では、会場中の人たちが手の花を咲かせ、ハートマークを舞台上のメンバーへ届けたりと、揺れる2本の手を用い、さまざまな熱狂の想いを示していた。

 「綺麗に咲いて」。場内中に咲き誇った花たちが、情熱的な『やってない』の演奏に合わせ、大きく大きく揺れだした。いつしか場内中の人たちが、ベルの歌に導かれ祭りに興じてゆく。ずっと心に染みる歌に触れながら、身体も火照った熱をしっかり抱き続けていく。そんな忘れたくない風景を、ベルが届けてくれた。

[SET LIST]
1.飴と無知
2.ノンフィクション
3.涙傘
4.バイバイ
5.やってない



□FEST VAINQUEUR


 お祭り騒ぎと言えば、やはりFEST VAINQUEURの存在は欠かせない。胸をくすぐる情熱を持った歌と、疾走性満載に突き刺さるソリッドな演奏がミックスアップ、『ヴァレンシアとヴァージニア』が連れ出した、熱狂という言葉さえ突き破りそうな大騒ぎの風景。

 走り出した熱狂は止まらない。ハード&グルーヴィな『ソレイユ』に飛び乗り、会場中の人たちがタオルを振りまわし、自分たちの身体もクルクル回転させ、祭りに興じてゆく。すでに場内はFEST VAINQUEURらしい宴の場に染め上げられていた。

 会場中の人たちが合掌ポーズを決めながら飛び跳ねたり、頭振り乱したりと、マイナーヘヴィな『合掌』に導かれ騒ぎの中へ飛び込んでいた。もう、理性なんて言葉は忘れちまったね。轟くビートと気持ち掻き立てるメロディアスなギターの旋律が絡みだした。『現代的疑惑都市"DOUBT!"』が炸裂したとたん、場内中が折り畳みの風景に染まってゆく。暴れてこそ、騒いでこそ、狂ってこそFEST VAINQUEURのライブじゃないか。

 最後は、気持ちを嬉しく高揚させる『COLOR』だ。心の琴線に響く歌。でも、演奏はしっかり熱いウネリを描いてゆく。それまでの興奮劇によって熱を持った身体に心地好い高揚を感じながら、いつしか笑顔で彼らを見つめていた。最後に笑顔で飛び跳ねながら、そんな気持ちを胸に抱いていた。

[SET LIST]
1.ヴァレンシアとヴァージニア
2.ソレイユ
3.合掌
4.現代的疑惑都市"DOUBT!"
5.COLORS



□GOTCHAROCKA


 ヒステリカルでフリーキーなギターの旋律の上で、樹威が艶かしく舞台上からせまってきた。『SorM』を通しGOTCHAROCKAは、場内中の人たちを妖しくも浪漫な舞台劇の中へ誘い出した。なんて陶酔覚えてゆく楽曲なんだ。むしろ、ライブとい場を通し、体感する舞台劇を共に作りあげてゆく感覚を与えてくれるのが嬉しいじゃない。

 演奏は、一気に熱を帯びだした。神経をゾクゾクさせるスリリングさなのに、とても甘美な香りも届けてくれたのが『Director's cut』だ。歌詞の引用ではないが、翼に火を付けて夜空を駆けめぐるような熱狂と陶酔呼び起こす演奏が、ゆっくりと、でも確実に絶頂へと気持ちを突きあげていった。もう、視線は舞台上へ釘付け状態だ。

 ファンキーに弾けたラテンビートの上で、最上級に病んでるスタイリッシュナンバー『恐想ロワイヤル』が響きだした。場内からは、ボイボイ叫ぶ声も?!。誰もが、甘美なディスコロックに飛び乗り、一緒に絶頂へと続くパーティロックに酔いしれていた。とてもスタイリッシュでダンサブルなのに、下手な豪音ナンバーよりも激しく熱狂したくなる。それこそが、GOTCHAROCKAの作り出すROCKなMAGICだ。

 最後の『Starry eyes』では、一気に爆走した演奏へ誰もが駆け乗り、サイリウム振りながら一緒に歌を口ずさみつつ、熱狂へ夢中になっていた。歌に、演奏に惚れる?!その感覚をGOTCHAROCKAは与えてくれた。熱狂するのは激しいからじゃない、その演奏に本気で惚れてしまったからだ。

[SET LIST]
1.SorM
2.Director's cut
3.恐想ロワイヤル
4.Starry eyes



□Lycaon


 トリを飾ったのが、「stylish wave」にはお馴染みのLycaon。11月6日に解散する彼らにとっては、これが最後の出演。

 椅子へゆったり寄り掛かる悠希。彼の声を合図に、Lycaonのライブは『shadow』から幕を開けた。攻めたてる演奏の上で、嘆きむせぶように歌う悠希。闇の淵で、激しく唸りを上げる演奏と悲嘆な歌声を放ちながら、彼らは生きる意味を問いかけてゆく。とても陶酔呼び起こす演奏だ。ヤバいよ、早くもLycaonの舞台にどっぷり溺れだしてしまっているよ。

 ヒステリカルな激音劇に、Lycaonは観客たちを誘いだした。『赤い林檎』の演奏に陶酔した大勢の人達が、一斉に右へ左へと大きく揺れ動けば、頭上高く掲げた両腕で、たくさんの花を咲かせてゆく。誰もがすっかりLycaonの奏でる毒に嬉しく犯されていた。こんな甘美で熱狂な毒なら、いくらでも味わいたい。

 轟く音の隙間から覗かせる妖艶な音色と香り。激しいウネリの中へ滲み出た壊れそうな感情のままに揺れる歌声。搔きむしる感情のままに、激しくも哀切なドラマを届けてくれた『BALLAD』。なんて、なんて気持ちを揺さぶっていく歌と演奏なんだ…。

 闇に包まれた舞台。甘美なワルツに合わせ、場内中の人たちも手拍子を返してゆく。『霊猫香とマゾヒスト』が示した、後半へ向けた、しばしの穏やかなひととき。一転、闇の中から狂気の手が誘いを招くと同時に、答えの出ない問いをみずからへ唱えるよう『君を壊すガラスの衝動』をLycaonは奏でだした。黒い宴?!いや、みずからの心の慟哭を、彼らは嘆く熱狂へと様変えていた。
 
 会場中の人たちが、左右へ駆けだした。『LIAR』が場内に描き出したのは、理性を失くし、欲望のままに踊り騒ぎ続けるための、心を自由に解き放つに相応しい赤黒い宴の場。誰もが、この瞬間をその身に刻もうと全力で暴れ続けていた。そして…。

 「ズッと変わらず愛してるから。君もズッとLycaonのことを愛し続けてください」。Lycaonが「stylish wave」のイベントの最後に持ってきたのが、『gossip』だ。響き渡るオーケストラヒットの音と突き刺さる鋭利な音を背景に、妖しく艶かしく悠希が歌いかけてゆく。なんて上質で甘美な酩酊導く宴なんだろう。赤いワイン以上の芳醇な陶酔感に、ズッとズッと酔い続けていたい。そんな熱狂と衝動を、Lycaonは訪れた人たちの心と身体に深く深く刻み付けていった。

[SET LIST]
1.shadow
2.赤い林檎
3.BALLAD
4.霊猫香とマゾヒスト
5.君を壊すガラスの衝動
6.LIAR
7.gossip



□エンディング


最後は、この日出演したバンドが舞台上に勢揃いし、恒例のファンへの挨拶会へ。その後、今宵が「stylish wave」出演最後となるLycaonのために、この日の出演者たちが花束や、この日の出演メンバーたちからのメッセージ入りカレンダーをメンバー一人一人へプレゼント。この温かさが、「stylish wave」というイベントらしさ。
さらに、こちらもお馴染み、舞台上のメンバーらへファンたちが大声張り上げ絶叫してゆくコーナーも。ライブが終わってもなお、メンバーらも触れ合う楽しさを味わえるのが「stylish wave」というイベントだ。今後も参加する方は、ぜひ最後まで会場に居続けてくださいね。


 

NEXT EVENT

stylish wave CIRCUIT'15 冬将軍
12月19日(土) HEAVEN'S ROCKさいたま新都心 VJ-3
出演:the Raid. / AvelCain / ギガマウス / Sick2 / ALIVE / Synk;yet

12月20日(日) 柏PALOOZA
出演:the Raid. / AvelCain / ベル / ギガマウス / 少年記 / Synk;yet

12月23日(水・祝) 新横浜NEW SIDE BEACH!!
出演:the Raid. / AvelCain / ベル / えんそく / ジン / アンフィル

12月25日(金) 名古屋E.L.L
出演:the Raid. / AvelCain / ベル / えんそく / ギガマウス / ジン

12月26日(土) 大阪MUSE
出演:the Raid. / AvelCain / ベル / ギガマウス / パノラマ虚構ゼノン / Smileberry

12月30日(水) 渋谷REX《- カウントダウン前夜祭 -》
出演:the Raid. / Sick2 / Synk;yet / アンフィル / ALIVE / パノラマ虚構ゼノン / Purple Stone / the LOTUS / ソニックデスモンキー / Neverland / ViV / 乙女国家(O.A)

[さいたま・柏・新横浜・名古屋・大阪公演]
OPEN 16:00 / START 17:00
前売り ¥3,700- / 当日¥4,200- (消費税込み)
オールスタンディング / ドリンク代別途

[渋谷公演]
OPEN 14:30 / START 15:30
前売り ¥4,000- /当日¥4,500- (消費税込み)
オールスタンディング / ドリンク代別途
 
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