stylish wave GENERATION Vol.7-次代を紡げ!- ライブレポート!

世代を超え、「ビジュアルシーンを牽引し続けてきた/牽引してゆく存在」たちを一堂に会したイベント「stylish wave GENERATION」。その第7弾となる「stylish wave GENERATION Vol.7-次代を紡げ!-」が、5月24日(日)にTSUTAYA O-EASTで行われた。出演したのは、THE MICRO HEAD 4N'S/Mix Speaker's,Inc./FEST VAINQUEUR/コドモドラゴン/ベル(O.A.)という面々。転換の合間には、ヴィジュアル系評論家の大島暁美さんが、ライブを終えたばかりのメンバーと、汗ほとばしる熱いトークも繰り広げていた。この日の模様を、以下にお伝えしよう。
TEXT:長澤智典
□ベル(O.A.)
イベントのオープニングアクトとして登場したのが、これから大きな飛躍期待出来るベル。この日は4曲と短い中とはいえ、「らしい」ステージングを繰り広げてくれた。
冒頭を飾った、切ない歌謡メロが印象深い『飴と無知』。聞き手の胸をキュンとさせる歌と旋律の数々には、哀愁味というフレイバーがたっぷり注がれていた。続く『ドラマ』は、メランコリックなフレーズが印象深い、こちらも哀愁歌謡スタイル曲。何処か影を背負った艶かしさに心が切々と濡れていた。
歌始まりの『ノンフィクション』を通して、一斉に観客たちの身体をベルは揺らし出した。この歌にも哀愁味が漂いながら、その演奏に触れていると跳ねずにはいれない気分だ。最後の『やってない』でも、ベルは大勢の観客たちを飛び跳ねさせていった。
身体は熱を求めながら。何よりも歌謡ロックした楽曲の数々に、キュンとした痛みを抱えながらも、気持ちは心地好く揺れ続けていた。
[SET LIST]
1.飴と無知
2.ドラマ
3.ノンフィクション
4.やってない
□コドモドラゴン
飛躍著しいコドモドラゴン。「上げていくよ」の言葉に相応しく、この日は、いつものライブでは終盤に熱狂作り出す『RIGHT EVIL』を冒頭に叩きつけてきた。デジタルハード/ラウドグルーヴな演奏に飛び乗った観客たちも、最初から感情剥き出しで舞台上へ熱気をぶつけていた。その勢いは、タオル振りまわし左右にモッシュし続けた『64』に手渡された。
「世代の壁を壊していこうぜ!!」。フリーキーなギターのリフが炸裂。『naked』に飛び乗り、さらに熱狂の波を大きくしてゆく観客たち。この日は、メロディックながらも攻めな表情を持った曲たちをラインナップ。その影響もあるのか、つねに会場中の人たちが全身で舞台上に想いをぶつけていた。その気持ちを呼び起こすだけのコアな熱を持ったライブをコドモドラゴンが繰り広げていたことが、そもそもの要因ではあるが。
重く刺々しい音が爆発。『RAD MUSIC!!』を奏で、うねる重厚な音の渦に熱狂人たちをを引き込めば、『シリアルキラー』でも、場内中にヘドバンの風景を描き出していった。気持ちを熱く高揚させてゆく歌と演奏に、感情がどんどん高ぶり続けた『DIVA』。最後に届けた『WARUAGAKI』まで、その熱気をコドモドラゴンはずっと沸点のまま祭り立てていた。魂揺さぶるこの光景に包まれていると、頭カラッポに大騒ぎしていけるからいいよね。
[SET LIST]
1.RIGHT EVIL
2.64
3.naked
4.RAD MUSIC!!
5.シリアルキラー
6.DIVA
7.WARUAGAKI
□Mix Speaker's,Inc.
Mix Speaker's,Inc.の物語は、怪しいホラー感満載な。でも、どこか気持ちを浮き浮きと沸き立たせる『Hello Bad Communication』からページをめくり出した。ツインヴォーカルという強みを活かした2人のストーリーテラーが、魅惑/幻惑な物語の欠かせないキャストとして観客たちを招き入れてゆく。視線も心も6人の姿へ一気に釘付けだ。続く『YOU♪愛♪メッセージ』では、踊らずにいれない宴の空間へ、モンスターたちは迷い人たちを引き込んでいった。なんて危険な匂いのするファンタジックな世界なんだ。
一転、踏み出したその先には、暗黒な宴の空間が広がっていた。激しく黒く、でも、何処か艶やかな雰囲気を漂わせる『うらめし屋敷』だ。会場中の人たちが、メンバーの動きに呼応するように扇子を振り。途中には、掛け合いしてゆく様も挟みながら騒ぎ続けていた。フリーキーにダークに猛々しく駆け出した演奏。激しさとは裏腹に、とても艶かしい歌も印象深い『Friday Night Busters』。だから、観客たちも嬉しく揺れていたのか…。
まるで止まらないジェットコースターを楽しんでいる気分だ。煽り続ける『No,5 COASTER』に飛び乗ったが最後、緩急描いてるとはいえ、頭振り乱し、右手振り上げ飛び跳ねずにはいれないわくわくした衝動が止まらない。最後は物語を笑顔で締めくくるに相応しい、とてもロマンチックでポップな気分で包んでゆく『Last hours』を奏で、気持ちを幸せに満たし、宴の幕を閉じていった。
そのライブに触れている間、その空間にいるだけで物語の住人感覚を味わえるMix Speaker's, Inc.のライブ。ぜひ、一度体感しては如何だろうか?!
[SET LIST]
1.Hello Bad Communication
2.YOU♪愛♪メッセージ
3.うらめし屋敷
4.Friday Night Busters
5.No,5 COASTER
6.Last hours
□FEST VAINQUEUR
とてもスタイリッシュなのに何処か刹那な表情を備えた『奇跡の翼』からFEST VAINQUEURのライブは幕を開けた。観客たちを凛々しく攻めながら、着実に場内の熱を上げてゆく。何処かクールな様も、彼らの持つ魅力の一面か?!。手にしたタオルが一斉に左右へ揺れながらまわりだした。『RUSSIAN ROULETTE』を奏で、5人は一気に荒々しく攻めていく。
続いて奏でたのが、FESTAという言葉が相応しいラガロックナンバーの『NANIWAリスペクト~Yah man!俺たちラガマフィン~』。心地好い横揺れのビートに、大勢の人たちがゆったり/激しく身体を揺らし、歌と演奏に酔いしれていた。この手のトリッキーなスタイルも、しっかり味のあるV系スタイルへ昇華してゆく手腕はさすがだ。
ゴシックハードな音が炸裂。重厚激烈な『God knows』を通し、観客たちを暴れの空間へFEST VAINQUEURは導き出した。荒れ狂う中から響いてくる刹那な歌も、胸に痛い。演奏は激しさを加速させながら、暴れ祭りな様描き出した『BLAZE』へ。騒がずにいれない衝動が会場中を包みだした。感情高揚させる歌も印象深い『現代的疑惑都市"DOUBT!"』まで続いた、三連打な激しい熱狂。冷めることを知らない会場の熱気。そして…。
最後は、サンバのリズムに身体が浮き浮き弾み出すFESTAナンバー『NANIWA SAMBA』を演奏。お祭りバンドらしさを全開。場内の空にタオルの花が舞い踊る風景を描き出し、トリのバンドへ熱狂のバトンを渡していった。
[SET LIST]
1.奇跡の翼
2.RUSSIAN ROULETTE
3.NANIWAリスペクト ~Yah man!俺たちラガマフィン~
4.God knows
5.BLAZE
6.現代的疑惑都市"DOUBT!"
7.NANIWA SAMBA
□THE MICRO HEAD 4N'S
THE MICRO HEAD 4N'Sのライブは、頭から重厚かつ激しい音そびえ立つ『EARNEST GAME』からスタート。身体を直に揺さぶる音の衝撃は、経験の成せる技?!。分厚い演奏の上でさえしっかり歌を届けてゆくRickyの歌唱力も、さすがだ。
「世代の壁をぶち怖そうかー!!」。熱狂導き出す『Curtain Call』の登場だ。雄々しい歌と演奏が熱く気持ちを掻き立ててゆく。押せ押せな表情ながら、そこへ親しみやすさを覚えるのも、楽曲としてしっかり存在感を放っているからか?!。暗鬱な、暗黒な世界へと『PRISONER』が導き出した。なんて、ダークでドラマチックなんだ。奈落へ引き込むようなヤバさも、嬉しい快楽じゃないか。
THE MICRO HEAD 4N'Sが初ライブを行ったのが「stylish wave GENERATION」。彼ら、3年ぶりに同じ舞台に戻ってきた形だ。「世代の壁、僕たちが受けて立とう」、その発言が嬉しいじゃない。『イカレタリアル』のような重厚耽美でドラマ性描いた楽曲に触れていると、この壁を超えるのは生易しいものじゃないことを痛感。
「一緒に遊ぼうかっ!!」。ラウドなグルーヴが身体を、感覚を大きく揺さぶっていく。絶叫のやりとりも登場、『REVERBRATIONS』を通した大騒ぎの風景。最後の『BREAKING & SHOUT OUT!!』まで、会場中を巻き込んだ豪圧な熱狂劇を描きながら、トリに相応しい貫祿と興奮あふれたステージングをTHE MICRO HEAD 4N'Sは見せてくれた。
アンコールでは、コドモドラゴンのハヤト、Mix Speaker's,Inc.のNIKA、FEST VAINQUEURのHALがステージに登場。THE MICRO HEAD 4N'Sの『I Surrender』を一緒にセッションするという嬉しいサプライズも。最後は、舞台上も客席も共にタオルを振りまわし、身体揺さぶるダンスロックナンバーに乗せ、熱気あふれた空気を描き、イベントの幕を閉じていった。ライブの最後に、世代を超えたセッションを味わえるのも「stylish wave GENERATION」の魅力だ。
[SET LIST]
1.EARNEST GAME
2.Curtain Call
3.PRISONER
4.イカレタリアル
5.REVERBERATIONS
6.BREAKING & SHOUT OUT!!
7.I Surrender
□最後に…
最後は、コドモドラゴンのハヤト、Mix Speaker's,Inc.のseek、FEST VAINQUEURのKAZI、THE MICRO HEAD 4N'SのSHUN.とTSUKASAというメンツで、星子さんとのミニトークを実施。「今日のライブの感想話」では、星子さんのVineで撮影してはtwitterに上げる話から、世代の壁を縮めた話、関西人との壁の話などが語られていた。「このイベントのための秘策話」では、星子さんが「朝起きてレッドブルを飲み、控室でユンケル皇帝液を飲み、開場前に回転寿司を食べて元気をつけてた」話をすれば、SHUN.は「大人の…おっさんの魅力で」と、ハヤトが「お客さんに嫌われないように」と語っていたが、なぜかseekとハヤトが金沢の居酒屋で間接的に繋がった話をし出したりと、かなりフリーダムな話が飛び交っていた。
最後の最後にステージ上へ出演バンドが全員集合。ちなみにコドモドラゴンの華那とFEST VAINQUEURのHIROが衣装を交換して登場したのもポイント。「stylish wave」恒例の、メンバーへの熱狂コールコーナーを行いつつ。帰りには、メンバーとのハイタッチ会も実施。会場を出るまで楽しみが残っているのが、このイベントだ。
NEXT EVENT
stylish wave GENERATION Vol.7- 次代を紡げ! -
2015年5月24日(日) TSUTAYA O-EAST
OPEN 16:00 / START 17:00
出演:THE MICRO HEAD 4N'S / Mix Speaker's,Inc. / FEST VAINQUEUR / コドモドラゴン / ベル(O.A.)
★終演後ミニトークショー開催!
★お帰りの際には、全出演アーティスト(O.A除)によるハイタッチ会有り!
チケット:前売り ¥4,320 /当日¥5,000 (消費税込み)
※オールスタンディング / 入場整理番号有 / ドリンク代別