REPORT

6月27日(土) LUNATIC FEST.速報レポート!!

LUNA SEA

6月27日(土)と28日(日)に幕張メッセを舞台に行われた、LUNA SEA主催によるジャンルの垣根を越えた史上最大のフェスティバル「LUNATIC FEST.」。

この熱狂と興奮と狂気を忘れたくはない。ふたたび、この狂気の集会が開かれることを、切に願いたい。奇跡の二日間ではなく、歴史を繋ぎ続ける二日間として…。

TEXT:長澤智典

 

6月27日(土)
出演:
LUNACY(オープニングアクト)/9mm Parabellum Bullet/the telephones/TOKYO YANKEES/coldrain/LADIES ROOM/SIAM SHADE/Fear, and Loathing in Las Vegas/DIR EN GREY/DEAD END/X JAPAN/LUNA SEA

 

LUNACY


25年の時を隔てて、伝説は、より進化した形で舞台上に姿を現した。メンバーらの登場と共に、その伝説を瞼に、身体へ焼きつけようと、大勢の観客たちが一斉にステージ前方へ駆け出した。伝説の幕を開けたのが、インディーズ時代に発売したアルバムにも収録。LUNACYの活動初期を彩った『CHESS』だ。猛々しいビートに乗せ、よりバージョンアップした演奏を通し、伝説は進化してゆくことを彼らは提示。そう、ここは懐かしむための場ではない。今も進化し続けるモンスターたちが、始まりの息吹を、みずからも感じるために降り立った場だ。

  


 激しくも開放的な表情を通し、観客たちを熱狂の中へ包み込んだ『MECHANICAL DANCE』では、RYUICHIの煽りを受け、サビ歌の合唱も場内に起きていた。この日の最後を飾った『SHADE』でも、激しく猛り狂うビートとヒステリカルなサウンドがクロスオーバーしながら、これから始まるイベントへ、最上級の狂気の前菜を与えていった。いや、前菜と言うには、あまりにもこってりとしたメインディシュ並の味わいだったが…。

   


ライブを見終えた観客たちも、口々に興奮を隠せない言葉を仲間たちと交わしあっていた。そう、俺は、私は、伝説を体感したんだと。。。
 





9mm Parabellum Bullet


 冒頭からソリッドなギターロック・ナンバー『Discommunication』を叩きつけた9mm Parabellum Bullet。コアなエナジーが、ガンガンに身体を突き刺してゆく。続けざま、ヒステリカルでクレイジーなモンスターナンバー『ハートに火をつけて』が炸裂。火のついた感情は、どんどん昂り続けていく。

『Cold Edge』には、LUNA SEAのJが乱入。テンション高いハードエッジナンバーを共に演奏。歪みを上げたヘヴィビートを炸裂させ、会場中の人たちを狂気の渦へ落とし込んでいった。
 


すさまじいコアな熱と疾走する演奏をハイテンションで叩きつけた『Black Market Blues』。『生命のワルツ』でも、駆け上がった高揚は冷めぬ炎のように上がり続けていた。最後にブチ噛ました『Punishment』まで、9mm Parabellum Bulletは高めきった熱いエナジーが炸裂した激烈な轟音ギターロックを通し、観客たちを熱狂で釘付けにし続けていた。
 


the telephones


狂気と狂喜が混じり合うDEATHなDISCO BEATが炸裂。the telephonesは、冒頭を飾った『Monkey Discooooooo』からフリーキーなダンスロックを奏で、観客たちの視神経を狂わせ出した。身体を嬉しく弾ませるディスコビートに乗せ、無邪気に踊り狂う観客たち。心地好い熱狂は、ここにも確実に浸透し始めたようだ。
 


スケールあふれながらも躍動的。ファンキーでフリーキーな『HABANERO』を通し、彼らは会場をダンスフロアーに変貌させていった。頭真っ白に踊り続けた変態ディスコナンバーの『Baby,Baby,Baby』。「WE ARE」「DISCO!!」のコール&レスポンスも登場。ディスコホラーな『I Hate DISCOOOOOOO!!!』をぶつける頃には、観客たちも踊り狂いFEVERしてゆく楽しさとその意味を実感。最後に演奏した開放的な、とてもピースフルな香りを振りまいた『Love&DISCO』まで、嬉しい狂気放つディスコナンバーを次々と放ちながら、the telephonesもしっかり場内の熱を上げていった。 


                        
TOKYO YANKEES


 和製MOTER HEADの異名は伊達じゃない!!。ド頭から図太いスラッシュ/ハードな『Drugstore Cowboy』を叩きつけ、重低音の熱狂という洗礼を浴びせたTOKYO YANKEES。X直系の精神を持つバンドのように、骨太な音からも、そのスピリットはガンガンに伝わってきた。

 爆走し続ける演奏。轟音&シャウトな興奮を突きつけた『Drugstore Cowboy』を通し、 目の前にあるすべてをなぎ倒すように突き進んでゆく暴走戦車のような様のもと、暴れ狂う音を振り降ろし続けていったTOKYO YANKEES。途中、MOTOR HEADの『Ace of Spades』のカバーも挟み、TOKYO YANKEESの顔とも言える『RatRace』を思いきりぶち噛ましながら、彼らの揺るがぬ姿勢を真正面から提示。時代の変遷がどうだろうと、けっして曲げぬ精神を持つことで生み出される鋼の魂の音。その音楽を通した生き様を、彼らは、今を生きる若者たちへ突きつけていった。
 


 X JAPANのPATAが乱入。最後に超絶ヒステリカル&轟音スラッシュな『Hollywood Heartbreaker』をぶっ放し、TOKYO YANKEESはロックな生き様を、場内の連中にしっかりと継承していった。

               

 
coldrain


 猛々しいラウドロックの洗礼を浴びせ、場内にモッシュの嵐を導き出したのがcoldrain。今の時代の息吹を投影した『THE REVELATION』が届けた衝撃に、観客たちも興奮の想いをぶつけ返していた。全身全霊の感情をぶつけ、観客たちを絶叫の空間へ突き落とした『NO ESCAPE』。 やばいくらいにいきり立った音が身体を直撃。ラウド/メロな音の衝動に魂震えた『Six Feet Under』に、身体をつんざくラウドな音に興奮隠せずにいた『Die tomorrow』。
 


「歴史の一部を担えて光栄です」。最後に奏でたスケールあふれたラウドナンバー『THE WAR IS ON』まで、今、この時代において輝くべき轟音と狂気をはらんだ音楽を、coldrainはしっかり提示してくれた。

                          

        
LADIES ROOM


 いきなりハードロックバージョンにアレンジしたSEX PISTOLSの『Anarchy In The UK』を噛ましたのが、LADIES ROOM。「俺らは俺らの姿勢でぶつかっていくぜ」という、彼ら流のぶれない我流な姿を示したところに、LADIES ROOMらしさを実感。

 『SEX,SEX & ROCK’N ROLL』からは、豪放かつ無頼漢でハード&ロックンロールな姿勢を提示。ルーズ&グルーヴなノリで観客たちを挑発してゆく姿が、とてもイカしてるじゃないか。
 


なんて妖しくも挑発的なんだ。男の色気ムンムンに、パーティロックンロールナンバーの『 GET DOWN』を演奏しながら、ロックが持つ"イカしたヤバさ"をLADIES ROOMは観客たちへ突きつけてゆく。そう、このやばい空気こそ、刺激的なロックンロールって言うんだよ。

激しくも開放的にドライブしてゆく『Damage』を体感しながら覚えた、股間震える興奮と高揚。最後に、LUNA SEAのRYUICHIが登場。何故か、LADIES ROOMのメンバーと一緒に河島英五の『酒と泪と男と女』をカバー。彼らのルーツを探れば、この歌がステージ上のメンツへぴったり寄り添う理由も納得だが…。百太郎とRYUICHIの色気と妖しさをたっぷりと含んだ歌のデュエットは、なんと男の色気に満ち満ちていたことか…。
 

 


SIAM SHADE


 幕が落ちると同時にハード&ドライヴィンな演奏が炸裂。SIAM SHADEは、冒頭に開放的かつ晴れな姿を描き出した『RAIN』を演奏。会場中の人たちを満面の笑顔へと導き出した。なんて気持ちを、魂を解き放ってゆく歌と演奏なんだろう。ズクズクとしたギターの音が炸裂。観客たちへ挑むようゴリゴリでワイルドな轟音ロックを突きつけた『D.Z.I.』。

ここでLUNA SEAの真矢が乱入。「あの有名な曲をここで聞いていいかな?」と、リクエスト。その言葉を受けて演奏が始まったとたん、真矢が歌いだすというハプニングも。真矢には一度楽屋に引き上げていただき、ここでSIAM SHADEが改めて『1/3の純情な感情』を演奏。こういう洒落た遊び心に、LUNA SEAとSIAM SHADEの深い絆も実感。
 


ハートフルな想いも込めながら、気持ち揺れるままに歌い、奏でた『Still We Go』。触れた人たちの心に、確かな勇気と力を授けてくれた『Dreams』。
終盤には、フリーキー&ワイルドな『 BLACK』やハードエッジなロックンロールナンバー『GET A LIFE』を突きつけ、凛々しいSIAM SHADEの姿を提示。つねに、時代の中へ己を貫く姿勢を提示してきた彼ららしい、剥き出しな姿を突きつけたのが嬉しいじゃない。

 最後は、ワイルドな演奏炸裂した『Don’t Tell Lies』を叩きつけ、貫祿漲るステージングを通し、場内へ熱狂のロックンロールパーティを描き、SIAM SHADEのライブは幕を閉じていった。

 


    
Fear,and Loathing in Las Vegas


 デジタル/ラウド/ダンスミュージック…三つ巴の熱狂がクロスオーバーする演奏を聞いて騒がずにいれるわけがない。Fear, and Loathing in Las Vegasが『Rave-up Tonight』を叩きつけた時点で、ステージ前は荒れ狂う人たちによる 凄まじい熱狂が生まれていた。
 


牙剥き出しの激烈&ファンクな音を突きつけた『Thunderclap』を身に受け、魂震えた衝撃。身体の裏側から、外側からと魂を奮い立たせた『Let Me Hear』。トランシーでフリーキーなダンスビートロックに乗せ、誰もが心地好く跳ね続けた『Flutter of Cherry Blossom』。荒れ狂う音の塊が身体を武者震わせた『Virtue and Vice』。恐るべきコアなエナジーを凝縮したラウド/ダンスロックが炸裂。最後の『Love at First Sight』まで、Fear, and Loathing in Las Vegasは熱狂という狂気を突きつけ続けていった。
 

 


DIR EN GREY


 本当の狂気とは、静けさの中にこそ潜んでいる。『and Zero』を通したDIR EN GREYのライブの幕開けこそ、まさにスリリングという言葉だけでは言い表せない狂気と恐怖が充満していた。幕の内側で繰り広げられるミッドグルーヴでダークな音のウネリ。そこに触れているだけで、ゾクゾクっとした嬉しい震えが止まらない。

その狂気が一気に覚醒した!!けたたましい音がヘヴィな唸りを上げてせまってきた。『SUSTAIN THE UNTRUTH』を突きつけられたときに感じた、ヤバいくらいに嬉しい絶叫感。彼らは、狂気をむさぼり喰らっている。
 


傲慢なほどに狂気と刹那の唸りを上げ、熱狂と絶叫を喰らい続けた『激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇』。観客たちを、奈落の底で刹那く抱きしめた『朔-saku-』に『THE FINAL』。DIR EN GREYの演奏が進むごと、その存在から一瞬たりとも目が放せなくなる。これが、世界を狂気で魅了した力なのだろう。

 LUNA SEAのSUGIZOが奏でたヒステリカル&メロウなヴァイオリンの音色と、アコギの旋律から幕を開けたダーク&メロウな『空谷の跫音』では、一筋の光を身に感じる子守歌のよう、その歌声が哀切な色を持って会場中に響き渡っていた。

映像とシンクロさせながら歌いあげた『Un deux』に記した、暴発寸前の狂気と嘆き。妖しくも華激な桃源郷へと心連れ出した『Revelation of mankind』に描いた、破裂前の衝動。最後に暴発させた『羅刹国』まで、数々の映像へ想いを巧みにシンクロさせながら、DIR EN GREYは熱狂と心に秘めた精神的な狂気その二つの真実を、僅かな時間の中に描き出していった。その姿へ、ヤバいくらいに魅了された。DIR EN GREY、やはり痛いくらいに格好いいじゃないか!!

            


DEAD END


 DEAD ENDのライブは、妖しさを秘めながらも開放的に駆け上がる『I Want Your Love』から花開き出した。熱狂を導き出す火種を背負いながら、その炎を次第に、ゆっくりと彼らは場内に広げてゆく。何時しか観客たちも、その演奏に身が、心が引きつけられていた。

闇に潜んだ狂気が、チクチクと刺を出し始めた。穏やかに狂い出した熱が、『Psychomania』の調べに導かれ、ゆっくりと闇の中で踊り出した。この痛い心地好さに、これから始まる熱狂の幕開けを覚えてゆく。
 


ここで、LUNA SEAからRYUICHIとSUGIZOが登場。SUGIZOのアコギの音色に乗せ、奏でたのが、SUGIZO自身がDEAD ENDのTRIBUTE ALBUMへ参加したときにもカバーした『Serafine』だ。朗々としたRYUICHIの歌声と狂気をばらんだMORRYの歌声が妖しく絡みあってゆく。SUGIZOとYOUが互いに向き合いながら音を絡ませていた。たおやかな中から滲み出る圧倒的な存在感。美しい暗黒へ飲み込まれてゆく??。まさに、そんな感覚だ。

剥き出しな狂気が飛び散った。『Dress Burning』が場内を、大きな熱を持ったウネリで飲み込んでゆく。最後に、狂った牙を思いきり剥き出した『Devil Sleep』を通し、DEAD ENDは、みずからが持つ底無しの狂気を大勢の観客たちへ知らしめていった。
 

 


X JAPAN


 もう一つの伝説が、幕を開けた。X JAPANのライブは、『JADE』からスタート。その狂気は、ゆったりとしたウネリと華やかな狂気を抱きしめながら、会場中の人たちをどんどん飲み込みだした。ダイナミクスな演奏とは裏腹に、TOSHIの歌は朗々とした響きを場内にはべらせてゆく。次第に大きく口を開けだした偉大なる狂気…。

YOSHIKIのドラムの音が炸裂すると同時に、火花が爆発。流れ出したのが『Rusty Nail』だ。サビでは会場中の人たちがToshiと一緒に大声で歌いあげてゆく。いや、歌いたくなる衝動を抑えきれない。それくらい武者振い立つ興奮と高揚を、X JAPANが舞台上から放っていた。
 


それまでの高揚から、一転。YOSHIKIがグランドピアノに…。奏でたのが、『KURENAI』。哀切さ抱きながらも美しき狂気抱いたピアノの旋律の上で、TOSHIが、大勢の観客たちが歌いだした……「紅だー!!」。その声を合図に一気に猛々しくもドラマチックな演奏か駆けだした。すでに会場中の人たちがX JAPANのメンバーとなり、共に大声で歌っている。そう、気持ち一つになった熱狂こそがX JAPANのライブだ。「紅に染まったこの俺を」「なぐさめるやつはもういない」。場内中にこだまする観客たちの合唱。まさに、そこには無敵な空間が確実に生まれていた。

ここでX JAPANが、約20年ぶりに発売を予定している新作アルバムへ収録する楽曲用に、『kiss the sky』の公開レコーディングを実施。YOSHIKIの奏でるピアノの音色とTOSHIの歌声に合わせ、数万人の観客たちが「WOW WOW WOW」と大きな声で歌いあげた。その声が、しっかりアルバムへ刻み込まれ、この世界に羽ばたいてゆくことを楽しみにしていようじゃないか。


ピアノを奏でるYOSHIKIの側へTOSHIが寄り添いながら歌いあげた、『ENDLESS RAIN』。美しく、感涙な想いも背負いながら広がってゆく歌。やがて演奏は静かに音をひそめ、「ENFLESS RAIN」の大合唱が場内に響きだした。ふたたび、合唱に寄り添うように奏で出したYOSHIKIのピアノとTOSHIの歌声。なんて、心泣き濡らす感動を呼び起こしてくれるんだ。そのまま演奏は、『Born To Be Free』へ。ふたたひドラム台へ座ったYOSHIKIが猛り狂うビートを叩き出すと同時に、楽曲は激しくドライブしながら狂気を満載したロックンロールをぶつけだした。何時しか会場中がうなる激しい演奏に飛び乗り、熱狂の宴に酔いしれてゆく。そして…。

 最後は、会場中の人たちがX JUMPをしながら熱狂した『X』へ。巨大な会場を揺らすほど、数万人の観客たちが飛び跳ね熱狂してゆく様は、圧巻のひと言。X JUMPには、LADIES ROOMのGEORGEも乱入。最後の「WE ARE」「X」の掛け声時には、天の国へと先に旅立ったhideとTAIJIにも声を届けようと、YOSHIKIの声を先導に、何度も何度も掛け合いを繰り返していた。歳後に映し出されたhideの煽り声の映像。そこからファイナルへと繋がった、狂気と狂喜渦巻く熱狂。イベントとはいえ、やはりそこにはX JAPANにしか作り得ない唯一無二なライブ劇が描き出されていた。

                   


LUNA SEA


 LUNA SEAのライブは、美しい旋律を場内へ解き放ってゆく繊細でトライヴァルな『LOVELESS』から、ゆったりと息吹を上げだした。やがて描かれる熱狂のための、おだやかな。でも、その中には爆発寸前の熱をはらんだうえでの幕開けだ。

真矢の激しいドラムロールから、一転。巨大な爆発音と同時に流れだしたのが『Dejavu』だ。初期からLUNA SEAを彩った支持の高い楽曲の登場へ、観客たちのテンションも一気に跳ね上がってゆく。サビでは、コール&レスポンスも登場。この魂を歓喜させる歌と演奏に、心がたまんないくらいに震えてゆく。

なんてスリリングでハートボイルドな空気だろう。心地好い緊張感を持ったソリッドな演奏が、身体をグサグサに貫いた『Rouge』。この張りつめた心地好さが、とても刺激的じゃないか。RYUICHIのコールから始まった『JESUS』では、ゴリゴリなギターサウントとタイトなビートが炸裂。さらにスリリングさを増した演奏の上で、RYUICHIの凛々しい歌声が空高く駆け上がってゆく。なんて感情を掻きむしってゆくステージングなんだろう。もう、神にかしづくくらいの気持ちだ。

激しく掻き鳴らすギターの音の上で、輝きと熱いエネルギー放つ歌が飛び出した。『TONIGHT』に合わせ、会場中の人たちが「WOW WOW」とみずからメロディー(雄叫び)を上げ、熱狂の想いをぶつけてゆく。なんて熱いエナジーとエナジーのぶつかり合いなんだ。会場中に轟き渡る大合唱が、なんて心地好い興奮か!!

「みんなと共に、今夜はイキます」。ゆったり、おだやかな顔を見せながら、『gravity』の音色と歌声が、ゆったりと会場中の人たちの想いを包みだした。おおらかな表情を通し、仲間たちの熱狂した想いを抱きしめてゆく様が嬉しいじゃない。

咆哮したSUGIZOのギター。その絶叫の旋律を受けて流れ出したのが、ヘヴィグルーヴな『Sweetest Coma Again』だ。重厚な音のウネリの上でじんわりと歌いあげてゆくRYUICHI。重くウネる音は、心地好いくらいに腰を震撼させていた。後半からは熱を帯びた演奏が、どんどん高ぶる気を場内へ放ち出していた。その狂気を抱いたままステージは、優しさ携えた『I for You』へ。ゆったりとした楽曲が、じんわりと一人一人の胸の内へと染み込んでは、それぞれの心を両手で優しく包んでゆく。そして、何時しか一緒に溶けていく…。ぞんな感覚さえ覚えていた。
 


「このシーンを一緒に支え、盛り上げてきた仲間がこんなに居て、とても幸せです。この人も、今夜、この会場に来てくれていると思います」。RYUICHIの言葉に続いて流れたのが、hideの『ピンク スパイダー』だ。これも、仲間を、先輩を、後輩を何よりも大切にするLUNA SEAらしい想いの現し方じゃないか。このステージ上に描き出した、無限に、自由に羽ばたける羽根さえあれば、あの空だって、そんな高くはないはず。。。だよね。

「嵐の中を思いきり楽しんでください」。『STORM』が連れ出した、魂を嬉しく揺さぶるミッドグルーヴな高揚感。
 「いくぞー!!」「TIME IS DEAD!」。飛び出した『TIME IS DEAD』へ、熱いコールをぶつけてゆく観客たち。心地好いスリリングさが、たんまないくらいに気持ちを煽ってゆく。もう感情は破裂寸前だ!!そして…。

最後を飾った『ROSIER』では、会場中の人たちがRYUICHIと一緒に大声張り上げ熱狂しながら、このひととき忘れたくない永遠の思い出として身体に、心に刻み込んでいた。RYUICHIも、心のマイクを観客たちへ預け、ともに『ROSIER』の大きな大きな合唱を作りあげていた。演奏が進むごとに巨大化してゆくRYUICHIと観客たちによる歌声のエール。LUNA SEA25年の歴史を短い時間の中へ詰め込み、その歴史の歩みの深さを知らしめつつ、最後までLUNA SEAは熱狂を描き続けていった。

 熱狂止まない声を受け,ふたたびメンバーが舞台上へ姿を現した。最後は、この日出演したメンバーたちが大集合。X JAPANのYOSHIKIに至ってはhideのギターを持って姿を現した。このメンバーで最後に『PRECIOUS』を演奏。あの時には戻れないが、これからまだまだ新たな歴史を、この仲間たちと一緒にLUNA SEAは築いてくれるはず。そんな気持ちにさせられた、最後の大セッションだった。

 と、本来ならここで終わるはずだったが、LADIES ROOMのGEORGEの無理やりな!?リクエスト?!によって、ダブルアンコールとして『WISH』を演奏。誰もが5人の歌と演奏に全力で、歌声を、想いをぶつけては、この日の記憶を、永遠に心へ、身体へと刻み込んでいった。場内中を揺るがした「I WISH FOR」の大合唱が、ずっとずっと心に残り続けていた…Q

 そしてこの興奮は、翌日へとバトンを手渡された。

 

 

LUNATIC FEST.
6月27日(土)
出演:
LUNACY(オープニングアクト) / 9mm Parabellum Bullet / the telephones / TOKYO YANKEES / coldrain / LADIES ROOM / SIAM SHADE / Fear, and Loathing in Las Vegas / DIR EN GREY / DEAD END / X JAPAN / LUNA SEA

6月28日(日)
出演:
LUNACY(オープニングアクト)/ 凛として時雨 / ROTTENGRAFFTY / minus(-) / AION / KA.F.KA / MUCC /[Alexandros]/ GLAY / D'ERLANGER / BUCK-TICK / LUNA SEA


【 LUNA SEA OFFICIAL WEBSITE 】 http://www.lunasea.jp/