REPORT

stylish wave EXTRA'15 ”乱一夜” ライブレポート!

Black Gene For the Next Scene GOTCHAROCKA HERO Lycaon NOCTURNAL BLOODLUST the Raid. アルルカン ギガマウス

 

4月19日(日)に新宿ReNYを舞台に行われた「stylish wave EXTRA '15 ”乱一夜”」。出演したのは、HERO/GOTCHAROCKA/Black Gene For the Next Scene/Lycaon/アルルカン/NOCTURNAL BLOODLUST/GIGAMOUS。オープニングアクトとしてthe Raid.も登場。今の若手シーンを語るうえで欠かせないバンドばかりが勢ぞろいしたこのイベント。さっそく、当日の模様をお伝えしよう。

TEXT:長澤智典

 

□the Raid.


オープニングアクトという立場ながら、冒頭に叩きつけた『純潔ピラニア』を通し、会場前方の人たちをモッシュさせれば、後ろの観客たちの拳もしっかり天へと掲げさせていたthe Raid.。普通にイベントを彩るメンツとして参加しても可笑しくない力量を持っているように、訪れた人たちも嬉しい出会いになったのは間違いない。

キラキラとした輝き放つ『色彩モノクローム』を通し場内に華やかな熱狂を描き出せば、『欠落LOVER』では会場中に折り畳みの風景を作りあげていた。ライブ特有の激しさ伴った勢いを持ちながら、歌でしっかり心も揺らしてくれたのが嬉しい。これからも彼らは、「stylish wave」に熱狂の刺激を与え続けてくれるに違いない。

[SET LIST]
1.純潔ピラニア
2.色彩モノクローム
3.欠落LOVER




□HERO


イベントのトップを飾ったのが、HERO。意外性を持った出演順に観客たちも大興奮。「大きな声で」「出てこいや!!」、お馴染みの掛け声を通し流れたのが『超過激愛歌』。触れた瞬間からファンたちが頭からっぽに、HEROへ熱愛した想いを注ぎ全力ではしゃぎ続けてゆく。HERO以外のファンたちもJINの心つかむ煽りトークに導かれ、HEROファンを真似ては大声張り上げ騒いでいた。その冴えた手腕が、JINらしさ。

ハートフルな歌ながら、高ぶる感情を抑えきれない観客たちが跳ね続けてゆく。『feeling』を通し、会場の床を揺らし続けた風景。新曲『Not Title』では、荒々しいロックな姿勢を提示。つねにメロディアスな歌を届けてゆくHEROらしく、勢いの中にも、一緒に手の花咲かせる微笑ましい一体感も作り出していた。

『歌詞が出来ねぇ2014』を通し場内中の人たちがはしゃぎ続ければ、最後の『ソプラノ』でもJINと観客たちとが一緒に歌を掛け合い、ワンマンライブのような会場中が一つになった風景を描き出していた。この日も、イベントキラーな要素を満載。短い時間の中、大勢の人たちを瞬時にHEROファンへと塗り上げた手腕はさすがだ。

[SET LIST]
1.超過激愛歌
2.feeling
3.歌詞が出来ねぇ2014
4.Not Title
5.ソプラノ




□GIGAMOUS


冒頭からポップに弾け飛んだギガパーティナンバー『GIGA SPEAKER』を奏で、場内の熱を上げだしたGIGAMOUS。パンキッシュな姿勢を見せながら、どの楽曲もギガキャッチー。しかも、気持ちに嬉しい力を注いでゆく歌詞が中心。GIGAMOUSの音に触れながら、笑顔ではしゃぎたくなるのも納得だ。会場中の人たちが右手を掲げ跳ね続けた『チックタックヘッジホッグ』でも、爆走する音に身を預けていると騒がずにいれない気分。

猫の手ポーズをしながら熱狂、歌謡スウィングしてゆく楽曲の上で妖しい雰囲気たっぷりに届けた『ギガキャットのテーマ』。♪走れ×3♪、客席前方では逆ダイの風景が広がった『監獄ロックメン』。暴走した熱狂の様は、GIGAMOUSのライブではお馴染みの風景。「もーいいかい」「まーだだよ」のやり取りも印象的。最後にぶつけた『SCARY GODS SHOW』でも、パンキッシュな祭ビートに身を預け、会場中の人たちが熱狂に浮かれ続けていた。

[SET LIST]
1.GIGA SPEAKER
2.チックタックヘッジホッグ
3.ギガキャットのテーマ
4.監獄ロックメン
5.SCARY GODS SHOW




□Black Gene For the Next Scene


しょっぱなから最新歌『裏返り』を用い、会場中の人たちの頭を思いきり揺さぶり出したのがBlack Gene For the Next Scene。ハンマーを振り降ろすように、重量感満載な音を叩きつけてゆく。なんて、身体をガツンと揺さぶる演奏なんだ。

その重厚な勢いに、ヒステリカルなサイバー音が加わった。デスサイコトランスナンバー『シニカルワー悪』を奏で、デジタル/ゴシックな世界観へBlack Gene For the Next Sceneは観客たちを連れ出した。そのスタイルがトランスだろうが生音重視だろうと、今のBlack Gene For the Next Sceneは、体感的な衝動与える重厚な音を魅力の軸に据えているのは確かな事実。

「混沌とした空間に混ざり合って暴れ倒していこうかー!!」。Iceの叫びに続いて流れたのが、豪圧な音が激しくうねる『黒煙のうねり、泥に孵り、全てを灰に』。重い衝撃と言うに相応しい唸りに身を預けた観客たちが、思いきり頭を振り暴れ続けていた。その熱狂に拍車をかけたのが、ヘヴィサイコトランスナンバーの『涙-kHz』。会場中の人たちが身体をクルクルまわす洗濯モッシュを行いだした。彼らのライブではお馴染みの風景。最後の『Fear Dance』では、客席の中心から左右に分かれた観客たちがIceの合図にぶつかりあう「合戦」も登場。このカオスな熱狂こそが、Black Gene For the Next Sceneのライブだ。

[SET LIST]
1.裏返り
2.シニカルワー悪
3.黒煙のうねり、泥に孵り、全てを灰に
4.涙-kHz
5.Fear Dance

 

 

□NOCTURNAL BLOODLUST


冒頭から身体と身体の、魂と魂との肉弾戦が繰り広げられてゆく。NOCTURNAL BLOODLUSTのライブではお馴染みの風景だ。彼らの演奏に触れていると、暴れずにいれない衝動が全身を突き刺していく。『Punch me if you can』を通して作りあげたカオスな熱狂。重厚かつ大きな音の唸りが身体中を貫いた。太い牙を剥き出しながら『Vanilla』が噛みついてきた。激しくうねる狂乱のドラマが、とても心地好い。

「揺らしてくれるか!!」。その声と激リフ躍動ナンバー『DEAD END』の演奏を合図に、会場中の人たちが一気に跳ね出した。途中、しゃがんだ観客たちが一斉にジャンプする場面も登場。大きく揺れ続ける床の振動を通し、観客たちの興奮の様がダイレクトに身体に響いてきた。「生きてるかー」。『V.I.P』では誰もが野生の自分に戻り、メンバーらの煽りゆく様に熱狂と絶叫の声や拳を返してゆく。熱にまみれ狂った宴に浸ってこそ、NOCTURNAL BLOODLUSTのライブを体感している嬉しさなのは間違いない。

雄大かつドラマチックな幕開けだ。シンフォニックハードな『Ⅰ-V-Ⅲ』が、理性の箍を外した会場中の人たちを恍惚の域へと連れだした。最後は、NOCTURNAL BLOODLUSTの真骨頂とも言える重厚な熱狂のドラマ曲を通し、この日の狂乱の宴を締めくくっていった。

[SET LIST]
1.Punch me if you can
2.Vanilla
3.DEAD END
4.V.I.P
5.I-V-III




□GOTCHAROCKA


「全員で撃ち愛しようかー!!」。スリリングかつハードボイルドな『撃愛』が流れ出した、クールな中にも強い熱を持った楽曲に身を預け、誰もが右手を掲げ熱いエールを舞台上へ返してゆく。サビでは、「狙い外さないで」と大きな合唱も起きていた。歌物でもしっかり熱狂を描き出してゆくのが、GOTCHAROCKAのライブの嬉しい魅力だ。続く『japanesQ』では、樹威の「おいで×2」の声へ同じよう「おいで×2」と叫び声を返し、エモーショナルな一体感を場内に作り出していた。

「最高に狂った世界を見せてやるから、かかってこい!!」。ヒステリカルな演奏が炸裂。何処かアダルトなムードを醸しながら、その中へぎらついた刃のようなヤバさを隠し持った『Director's cut』。美しい旋律が、空へ駆け上がるように響き出した。告白するように『Emotion』を歌う樹威の歌が届けた、温かな愛に包まれた想い。尺八の音色が響き出した。最後は和心を満載、雅な熱狂を描き出した『Samurai dreeeeeeam breaker』だ。心地好い高揚に包まれながら、何処か夢見な気持ちを感じていた。会場中の人たちと愛を交わしあってゆくその姿こそ、GOTCHAROCKAのライブの魅力だ。

[SET LIST]
1.撃愛
2.JapanesQ
3.Director's cut
4.Emotion
5.Samurai dreeeeeam breaker



□Lycaon


とても艶かしい歌が場内に流れ出した。その声を合図に、妖しくも重厚な音の絨毯が会場中に広がっていく。Lycaonが『追憶』を歌いながら、場内の人たちを異空間へと連れ出した。観客たちも舞台を司るのに欠かせないキャストに変え、幻惑的な物語彩る風景へと会場を様変えてゆく。

「派手に飛ばしていこうかー」。演奏は一気に炸裂。艶やかながらも狂気を抱いた『赤い林檎』を通し、Lycaonは瞬時に会場を熱狂の儀式の場へと塗り替えていった。お立ち台の上に真っ赤な椅子を置き、その上に立って歌う悠希。その姿が艶かしく瞼に焼きついていた。

荒々しい牙を剥き出し突き付けたのが、『gossip』。感情を痛く刺激する演奏に合わせ、会場中の人たちが大きく手を咲かせ熱狂の花を満開にさせてゆく。「さぁぶっ飛ばせー!!」。『LIAR』の演奏に合わせ、場内にはモッシュやヘドバンの風景が次々と描き出されていた。荒れ狂うLycaonの演奏を合図に、誰もが理性をかなぐり捨て、ただただ暴れの空間へ恍惚抱きながら堕ちていた。

なんてポテンシャルの高い演奏なんだ。解散してしまう事実が嘘のよう、今のLycaonには触れた人を魅了する華がある。もちろん、毒を持った華が…。悠希がスポットライトを手にして熱唱。最後の熱狂嘆き歌『Shadow』まで、気持ちを掻き立ててゆく演奏に恍惚な夢を味わい続けていた。

[SET LIST]
1.追憶
2.赤い林檎
3.gossip
4.LIAR
5.Shadow




□アルルカン


ライブが始まったとたん、場内の空気が一変した。『ジレンマ』を通しアルルカンが連れ出したのは、熱狂に身を燃やしてゆく空間。その場に流れる音の空気に触れていると、歌へ溺れずにはいれない気分だ。その嬉しい衝動を求めたくて、たくさんの人たちがアルルカンのライブに足を運ぶのだろう。

猛々しい演奏が炸裂。身体突き刺す重い槍のような音が、膨らんだ理性を次々破裂させてゆく。『imp』が導き出した熱狂に支配された空間。何時にも増して暁の叫びが、感情を嬉しく、痛く揺さぶっていた。『あの窓に教わった事』では、哀切さや狂気性を含んだ歌謡スタイルという新たな表情も提示。歌心を大切にしているバンドのように、これもアルルカンにとっては有るべき魅力的な姿だ。

『墓穴』を合図に繰り広げたのは、暴れ狂うことが最上の喜びに思える狂喜の宴。胸を打つ美しいサビのメロディーが感情を嬉しく震わせてゆく。熱狂と絶望と救いと狂気をごちゃ混ぜにさせ、頭の中を攪拌させてゆくアルルカンのライブ。でも、それが最上級な嗜好の味なんだ。

絶叫と絶叫の、熱狂と熱唱のバトルが展開。『ダメ人間』の演奏に合わせ場内に広がったのは、まるで恍惚にまみれる儀式のような風景。最後に叩きつけた『像』が流れる頃には、暴れる観客たちにより場内の温度が凄まじく上昇していた。熱狂に溺れるという言葉があるが、まさにアルルカンのライブこそ、その表現が似合う場なのは間違いない。

[SET LIST]
1.ジレンマ
2.imp
3.あの窓に教わった事
4.墓穴
5.ダメ人間
6.像





最後は、この日出演した全バンドが舞台上へ勢ぞろい。それぞれに挨拶を行いつつ、3月から続いた「春の陣」のツアーを、今年も熱狂の花を咲かせ幕を閉じていった。

 
 
 
 

NEXT EVENT
stylish wave EXTRA'15 “乱一夜”
2015年4月19日(日) 新宿ReNY
OPEN 15:30/START 16:30
出演:the Raid.(O.A) / HERO / GOTCHAROCKA / Black Gene For the Next Scene
Lycaon / アルルカン / NOCTURNAL BLOODLUST / GIGAMOUS

【チケット】 前売り¥4,200(税込)/当日¥4,700(税込)
※オールスタンディング / 入場整理番号有 / ドリンク代別