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THE MICRO HEAD 4N'S✕defspiral COUPLING TOUR 2015〝9BALL GAMES〟ライブレポート!!

THE MICRO HEAD 4N'S defspiral


 

THE MICRO HEAD 4N'S✕defspiral
COUPLING TOUR 2015〝9BALL GAMES〟
2015.1.11 SHINJUKU MARZ

2015年1月11日 新宿MARZで行われた、「THE MICRO HEAD 4N'S✕defspiral COUPLING TOUR 2015〝9BALL GAMES〟」の模様をお届けします。
(TEXT:権田アスカ / PHOTO:THE MICRO HEAD 4N'S 土屋誠 / defspiral 上野宏幸)

 


演奏力とパフォーマンスに定評があり、ライヴバンドとして圧倒的な支持を集めるTHE MICRO HEAD 4N'Sとdefspiral。そんな2バンドの個性派メンバー9名が一堂に会するカップリング・ツアー〝9BALL GAMES〟が、新年早々に実現した。3カ月で9カ所18公演を巡るツーマンツアーの幕が切って落とされたのは、SHINJUKU MARZ 2 days。両日とも早々ソールドアウトになり、涙を飲んだファンも多かったことだろう。2日目の1月11日は、開演が16時とまだ外が明るかったにもかかわらず、会場には早い時間からマイクローンとフリークスが集結した。

2daysの両公演を楽しめるよう、1日目と2日目ではそれぞれセットリストが大きく異なり、2バンドが交互にトリを務める流れとなっている今回のツアー。2日目のオープニングを飾ったのは、THE MICRO HEAD 4N'Sだった。ステージを覆っていた幕が開き、SEが流れだすと、待ちわびた観客から大きな拍手がわく。TSUKASA(Dr)、kazuya(G)、ZERO(B)、SHUN.(G,DJ)が順に姿を現し、最後にヴォーカルのRickyが登場。全員、黒のパーカー姿だ。照明が赤に変わると同時に、“HELLO MY CLONE”でライヴがスタート。「ようこそ!」というRickyの声に、ファンが割れんばかりの歓声で応える。「行くぞ、東京!全員で総力戦をかまそうぜ!」とさらにフロアを煽り、「ヴォイ! ヴォイ!」と、激しいコール&レスポンスが繰り広げられる“Curtain Call”へ。会場の温度が一気に上昇する。続く“UN-CONTROLLED”ではSHUN.が正面に躍り出し、kazuyaとZEROがすさまじい勢いで頭を振り乱す。そんなバンドのエネルギーに触発されるかのように、フロアはヘドバンの嵐に。

 

    


「18本にわたる長いツアーの2戦目です。昨日は僕たちがトリだったんですが、defさんがステージを温め過ぎて、僕たちが出てきたときにはサウナ状態だったので、今日は同じ思いをあいつらにさせてやろうと思っています」というMCに、フロアから笑い声がわく。「次は最新シングル、愛にあふれた曲です――キモいかい? そうだよ、ビジュアル系は基本、キモいんだよ!!」と、さらなる笑いを誘って、“PARASITIC EMOTION”に突入。ダークな照明の中、妖しさと爽やかさが交錯していく。“PRISONER”では、Rickyの動きに合わせ、腕をクロスさせて体を大きく折りたたむマイクローンたち。kazuyaがさらにフロアを煽り、すべての観客がマイフォの虜にされていく。
 

  


一挙に5曲をたたみかけたのち、MCタイムに。「〝9BALL GAMES〟はdefsprialとの合コンツアーツアーでもあるから、それぞれ誰を狙っているかを発表しよう」とRickyが提案。RickyはTAKA一筋、SHUN.は「昨日はMASAKIさんだったけど、もう浮気をして、さっきはMASATOくんと写真を撮ったし、次の横浜ではTAKAさんかも…」と、心を揺らす。ZEROは「1対4で、全員持っていきます。欲張りなんで」と強気発言。TSUKASAは「ドラマーで孤立した同士、MASAKIさんを狙います」と宣言し、SHUN.の嫉妬を買う。kazuyaは「僕は女の子が好きです♡」と前置きしつつ、「一緒に飲みにいくなら、誘ってくれる人が好きなんだけど、どのメンバーがいいんだろう…」とつぶやくと、客席から「RYOさん!」と声があがる。

オネエトーク(?)ですっかり場が和んだところで、「defspiralの4人みんなと仲良くやっていきたいと思っているので、マイクローンも、フリークスも、合わせてフリークローンのみなさんも、仲間になってください! 最高のゲームにしようぜ!」と“EARNEST GAME”が炸裂。SHUN.の叫ぶようなコーラスと、縦横無尽にステージを跳びまわるkazuyaとZEROに触発され、会場は再びヘドバン合戦に。軽快なダンスチューン“I surrender”では、会場が揺れるのを感じるほど、観客が一斉にジャンプ。いくつものタオルが勢いよく頭上を舞う。フロアはすでにサウナと化としていたものの、「まだまだ昨日より涼しいぞ! もっと温度を上げていけ!!」と、Rickyがファンに追い打ちをかける。ZEROはサイドスピーカーの上に立って、後方の観客まで煽っていく。続く“REVERBERATIONS”では、「マイクローンもフリークスも、お前ら全員、後ろを向いて、ヘッドバンギングしろ!」と、バンドに背を向けた後ろ向きヘドバンを観客に強要。「最高の眺めです。君たちは、いい子だ!」と、Rickyもご満悦だ。

息をつく間もなく、「この曲でdefspiralにつないでいくぞ!」と、ラストの“BREAKING & SHOUT OUT!!!!!”がバースト。マイクローンとフリークスが交互に声をあげるコール&レスポンスが巻き起こる。Rickyが怒涛のごとくシャウト、kazuyaとSHUN.が上手で向かい合い、ギターバトルを繰り広げる中、ZEROは跳ぶわ、ハイキックするわのアグレッションで、ファンをさらに突き動かしていく。各メンバーのソロパートでは、フロアから大歓声があがり、会場の温度がさらに上昇。フロアを温めるどころか、これでもかと熱くした状態で、defspiralにバトンを渡す。

 


 

笑いあふれるMCを織り交ぜながら、攻めのセットリストで勝負したTHE MICRO HEAD 4N'Sに、トリのdefspiralはどう対峙するか。短い転換のあと、アッパーなSEが流れはじめ、興奮冷めやらぬ観客の前に、MASAKI(Dr)、MASATO(G)、RYO(B)が姿を見せた。大きなハンドクラップが、熱気に満ちた会場に響き渡る。MASAKIがスティックを高く掲げてフロアを鼓舞したところで、満を持してTAKA(Vo)が登場。目の覚めるような鮮やかな青いジャケットをひるがえし、センターに立ったTAKAがマイクスタンドを持ち上げると、フリークスもマイクローンも拳を高く突き上げる。疾走感溢れるロックナンバー“Arcoromancer”でライヴの幕が切って落とされるやいなや、RYOとMASATOはもちろん、観客も一気に前傾姿勢に。勢いはそのままに、「共に自由に楽しんでいきましょう! 踊ってください!!」と“MASQUERADE”に突入すると、会場が瞬く間にダンスフロアに変貌。得も言われぬ一体感が早くも生まれる。続く“PARADISE”では、「温まっているか、新宿!? その調子で、もっともっと上げていこうぜ! 愛しあおうぜ!!」とTAKAが観客を煽ると、フロアから「オイ! オイ!」と大きな掛け合いの声があがる。「フリークスもマイクローンも関係ねぇ、ナインボーラーとして盛り上がっていこうぜ! Yeah! Yeah!」とファンをさらに奮い立たせると、観客が次々にジャンプし、会場全体がバウンス。激しいコール&レスポンスが巻き起こった。



  
 

  


ハートマークを作っている指がかすんで見えるくらい、熱気があたりに立ち込めるも、攻撃の手を一切緩めないdefspiral。「いいか、新宿!? もっともっと楽しんでいこうぜ! 次は新曲を贈りたいと思います。聴いてください」と、美しい光が放射状に放たれる中、メタリックなイントロで“Dream of You”がスタート。次々とドラマティックな展開を見せる楽曲と、ヴィブラートの効いたエモーショナルなヴォーカルに、すっかり魅了されるナインボーラーたち。続いて、透明感のあるさわやかなメロディが胸に刺さる“SNOW”で心地いい酩酊感を味わったところで、“Babylon”が炸裂。MASATOの熱いシャウトがフロアに強烈な一撃を喰らわせ、ラヴソングに聴き惚れていたナインボーラーたちが、一気に覚醒したかのように頭をアグレッシヴに振り乱す。

ステージの照明が明るくなり、お気に入りのメンバーの名前を呼ぶ観客の声があたりに鳴り響く中、TAKAのMCが始まった。「2daysで各地を巡る〝9BALL GAMES〟2日目、盛り上がっていますか? まだまだツアーは続くので、どんどん上げていきましょう。2バンドで、お互いに高まっていきたいと思っているので、みんなも高まっていこうぜ!いいか!?思い切り心を解放していってください!」と、後半戦がスタート。静と動が脈動する“BREAK THE SILENCE”“SALVAGE”をたたみかけ、激しさを一気に加速させていく。所狭しとステージを駆けまわり、モニターに足をかけてフロアをアジテートするメンバーたち。パワーに満ち満ちたバンドに必死に食らいつこうと、張り裂けんばかりの声で歌い、V字ヘドバンで熱く応酬する観客に、もはやフリークスもマイクローンもない。

  
“MELODY”で少しチルアウトしたあと、MASAKIのドラムソロが炸裂。RYOが「もっと帰りたくなくならせて」と笑顔を見せ、“トワイライト”へ流れ込むと、フロアから再び、いくつもの拳が高く突き上げられる。スピーカーにのぼり、後方の観客を煽るRYOに向かって、手を大きく伸ばすファンもいれば、グルーヴに身を任せ、心地よいヘヴィネスの渦に巻き込まれていく観客もいる。自由に楽しむナインボーラーたちを、肩を組んだTAKAとMASATOが不敵の笑みを浮かべながら見つめている。


本編ラストの“LOTUS”では、SHINJUKU MARZが再び、狂気のダンスフロア化。赤い照明に照らされながら、RYOとMASATOが烈火のごとく頭を振り乱す。4つ打ちのビートと、TAKAの小気味いいハンドクラップが会場に響き渡り、誰もが思い思いにジャンプ! ステージとフロアの境界がなくなり、空間が完全に一体化。会場の盛り上がりが最高潮に達した瞬間だった。


色気を帯びたクールで刺激的なパフォーマンスで、才気と毒牙を見せつけたdefspiralのメンバーがステージをあとにした途端、アンコールが巻き起こる。前日に行われた公演初日、2バンドによるセッションが実現していただけに、アンコールを求める声は次第に大きさを増していき、ついに黒のツアーTシャツに着替えたdefspiralのメンバーがステージに戻ってきた。MASATOにいたっては、THE MICRO HEAD 4N'Sのパーカーまで羽織っている。「アンコールをありがとう。まだまだ物足りないよな? では、この人たちと一緒にやりたいと思います、THE MICRO HEAD 4N'S!」と、TAKAがマイフォのメンバーを呼び込む。THE MICRO HEAD 4N'Sのメンバーも同じTシャツ姿だ。kazuyaとMASATOがハイタッチ、RickyとTAKAが言葉を交わし、お互いのタオルを交換するなど、両バンドがステージ上であらためて絆を深める。「ありがとう! また次の会場で会いましょう! 声出していこうぜ!!」と、アンコールセッションがいよいよスタート。THE MICRO HEAD 4N'Sがトリを務めた初日は“I surrender”だったが、この日はdefspiralの“DIVE INTO THE MIRROR”を両バンドでセッション。TAKAとRickyが交互にメインヴォーカルをとり、kazuya、SHUN.、ZERO、RYO、MASATOの弦楽器隊が肩を寄せ合いながらステップを踏んだり、チューチュートレインをして遊んだりする中、TSUKASAはスティックを空中で振ってエアドラムをし、後方から2バンドをがっちり支えるMASAKIや、他のメンバーにちょっかいを出しながら、楽しそうにダンス。蒸し返す空気の中、このツアーでしか見られないハイライトに、マイクローンもフリークスも狂喜乱舞。終演後、会場が明るくなっても、拍手が鳴り止まなかったのは言うまでもない。

THE MICRO HEAD 4N'Sとdefspiral、それぞれのアプローチの違いを堪能しつつ、2バンドのメンバーはもちろん、ファン同士が徐々に交わることで、単独公演では決して味わうことのできない盛り上がりを体感できる、稀有なイベントだった。経験値の高い個性豊かなメンバーが揃っているだけに、今後ツアーが進み、日々刺激し合いながら結束力を高めていくと、一体どんな化学反応が起きるんだろう。変化と驚きに満ちた、予測不能なとんでもないツアーになりそうだ。

(TEXT:権田アスカ / PHOTO: THE MICRO HEAD 4N’S 土屋誠 defspiral 上野宏幸)
 

 

THE MICRO HEAD 4N'S × defspiral
COUPLING TOUR 9BALL GAMES


1月31日(土)名古屋UP SET
2月01日 (日)名古屋UP SET

2月10日(火)梅田Zeela
2月11日(水)梅田Zeela

2月27日(金)新宿LOFT
2月28日(土)新宿LOFT

3月06日 (金)仙台HOOK
3月07日 (土)仙台HOOK

3月12日(木)西川口Hearts
3月13日(金)西川口Hearts

3月28日(土)札幌DEUCE
3月29日(日)札幌DEUCE

4月04日 (土)福岡DRUM SON
4月05日 (日)福岡DRUM SON

【9 BALL GAMES 特設サイト】
http://9ballgames.com