5月6日に最新シングル『THE BEGINNING』をリリース。同時に、初の「47都道府県単独ツアー」となる「The 47th Biginners」を行うRoyz。彼らがどんな思いで「47都道府県単独ツ アー」へ望むのか、じっくりその心模様を感じていただきたい。

撮影：菅沼剛弘 / インタビュー：長澤智典
Photographs by Takehiro Suganuma / Interview by Tomonori Nagasawa

――様々な試練を乗り越えるたびに器の深い存在に成長し続けているRoyz。みなさん、いろんな壁にぶち当たるたび、挫折しそうになりながらも、しっかり毎回乗り越え続けていませんか??
昴　そういう壁にぶち当たるたび、自分ら自身に強く言い聞かせていくことは多いです。しかも、その時々の感情を歌に乗せていくことも多い。
僕ら、その時々のバンドが抱えているリアルな気持ちを、そのタイミングごとに描き出していくのが好きなんですね。そういう気持ちって、形は違えど、聞いてくれる人たちのいろんな心情に重なっていくことも多いじゃないですか。それを実感しているからこそ、僕ら自身が「一つ一つの物事をあきらめることなく大事にしながら、ズッと夢を追い続けていく」気持ちを伝えてゆくことって、とても大切なことだと思っています。
ちなみに今回の『THE BEGINNING』というシングルは、「前作『Supernova』を出したときに、この4人でしっかりRoyzを進めていける確信も自信もつかめたし、それがわかったんで。だったら、「またここからスタートラインだな」「また新しいこの4人で始めよう」という意志を伝えたくて作りました。

――ここから、4人のRoyzでふたたび進撃していくと宣言した形だ。
昴　そうですね。ちょうど初の「47都道府県単独ツアー～The 47th Biginners」も始まりますしね。
じつはお客さん方も、メンバーが一人抜けたときに、「このままRoyzは解散してしまうんじゃないか??」と心配していたんですよ。実際、そういう手紙やメッセージをいただくこともありました。だからこそ、今回『THE BEGINNING』という タイトルを掲げ、この歌に込めた想いを伝えることで、きっと応援してくれる人たちも余計な心配はなくなるはず。むしろ、僕ら自身がファンたちに余計な心配をかけさせたくなかったんですよ。だからこそ、きっとみんなも安心を覚えるであろう言葉をタイトルに付けたわけだし。自分たちも、「またここから新たに4人一丸となって突き進もう」と思っているように、本当にいろんな意味を込めた『THE BEGINNING』というタイトルになっています。

――過去にも、何度も「解散まで考えた」という発言が出てきてましたが、それだけ毎回真剣にバンドのことを考えているからこそ出てきた言葉。ときには、そこまで自分を追い込んでしまうこともあったわけですね。
昴　そこは人間なんでね、いろいろネガティブに考えてしまうこともありますよ。だけど、その「人間らしさ」がいいのかなって思いません??Royzは、すごく人間臭いバンドです。もちろん完璧な存在にはなりたいけど、でも本音を言えば、けっして完璧というのは求めてなくて。

――そうなんですね。
昴　だって、付け入る隙がない人間って、逆に面白くないと思うんです。ある意味、隙のあるバンドのほうが、お客さんとしても同じ心境を感じれるというか。そのほうが、リアルさがあって面白いなと思いますからね。

――昴さんも、だいぶメンタル面は強くなったんじゃないですか??
昴　いろいろありすぎてへこたれなくなったというか、だいぶメンタル面は強いと思います…と言うか、強くなりました(笑)。昔なんか、ほんま豆腐メンタルやったしな。今は、何処まで行けたやろな??プリンくらいかな??
智也　それでも、だいぶ柔わい(笑)。
昴　冷凍プリンくらいかな?!
公大　スルメくらい。
昴　スルメって、それカチカチやな。

――メンバーみなさん、メンタル面は弱い性格??
公大　僕と昴の2人だけですね。
昴　杙凪と智也は、ほんまメンタル面が強いからな。
公大　うちら2人は、本当ね、ゴミ屑野郎でしたよ。
昴　ゴミ屑やったね。
公大　社長にいろいろ説教されても、言うこと聞かなかったしな。
昴　そうやったね。
公大　今でこそ、言ってくれる人の気持ちの意味もわかるんですけど。昔は、ただ単に怒られるの嫌だから逃げようみたいな意識だったというか。言われるたびに凹むのがわかってたんで、「面倒くせー!!」となっていたんですよ。

――中には、言われる悔しさをバネにしていく人もいますよね。
昴　今のうちらも、そうなりました。やはり、Royz自体が人生を賭けてやっていくべきバンドだと思ったからこそ、目の前のことから逃げるのが嫌になったというか。「この先もずっと、生きてくことから逃げたくない」と思ったことが、心を強くしていった一番のきっかけでしたね。

――杙凪さんと智也さんは打たれ強い性格??
智也　俺も杙凪もポジティブ思考なんで、何事も前向きに考えていく性格なんですよ。
公大　2人は消火の仕方が上手い。とくに杙凪は、もともと振れない強い芯を持っている人間だから、何言われても絶対に挫けないし、めげない。でも、俺と昴は、ただのフニャチン野郎だったんで。
昴　いろんな人の意見を聞いては、「あっ、それいいなぁ」ところっころ変わっていく、自分の芯を持ってない、ただのスカスカ人間。ちくわみたいな存在やったからね。

――智也さんや杙凪さんのような超ポジティブ人間がいると、バンドとしても、良い心の支えになっていくんじゃないの??
公大　本当にそう。俺なんか智也を見ながら、たまに「なんでこの人は、こんな無茶苦茶言われても言い返さずに、普通に会話が出来るの??」って思いますもん。

――それだけ心が強いってこと??
智也　どーなんでしょうね。たまに右から左の耳に抜けてということもありますけど(笑)、必要な言葉だけは脳味噌で止まり、あとは全部受け流してしまえるというか。すべてを抱えてしまったら、絶対に心がパンクしちゃいますからね。

――あえて、口に出して反撃はしないんですか??
智也　しないですね。そこで口に出しちゃったりすると、物事をますますゴチャゴチャにしてしまうじゃないですか。そういう面倒くさいことって僕は嫌いですし。だったら、自分の中だけで消火出来ることは消火して、それを次に繋げたほうが、その目的に早くたどり着けますからね。

――なんかRoyzって、どんどん人間臭いバンドになってるよね。
公大　うちらほど楽しいバンドは、他にはいないと思います。

――メンバーどうしでも、日々楽しんでますもんね。
公大　そうなんですよ。春前にもファンクラブの旅行で沖縄に行ったんですけど。そのときって4人部屋だったんですね。うちら、机くらいの小さなお風呂に、4人一緒に入ってメイク落としたりとかしてましたからね。
昴　本当は大浴場に行きたかったんですけど、終了の時間が遅くなり、もう大浴場が使えない状態で、しょうがなく部屋のお風呂を使ったんですけど。順番通りではなく、メンバーみんなで一斉に入ってしまうところがRoyzらしいというか。まぁ、4人の洗い流したあとのお風呂は、かなりどろッどろでしたけどね(笑)。でも、そうしていけるのも、いろんな試練や経験を乗り越え、強い信頼関係を築いているからだと思うんです。

――まさに「戦友」だ。
昴　いやー、戦友ですね。
杙凪　戦友って格好ええな。
公大　すっかり戦友になりましたね。
昴　戦友になったね。けっして最初から戦友だったわけじゃないんでね。
公大　なんかね、『Supernova』を出したときにやった「Royz WINTER ONEMAN TOUR『N.E.S』」の前までの僕って、心底ツアーを「楽しいな」と思えたときがないっていうか。つねに次の展開を考えたり、目の前の歌題や悩みを乗り越えてくことを考えながら毎回必死になって向かっていたように、何処か純粋に楽しむという意識ではなかったんです。だけど「Royz WINTER ONEMAN TOUR『N.E.S』」に関しては、心底4人でツアーし ていくことを楽しんでた。メンバーのモチベーションも高かったし、ツアーを終えたあとの「やり切った感」もかなり強かったんでね。

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