INTERVIEW

葵(the GazettE) ロングインタビュー 第1回(全4回)  「あの頃だからこそ表現出来た良さ。今だからこそ出来るクオリティ。」

the GazettE

5月に、最新DVD『the GazettE LIVE TOUR 13-14 [MAGNIFICENT MALFORMED BOX]FINAL CODA LIVE AT 01.11 YOKOHAMA ARENA』をリリースしたばかりのthe GazettE。7月からは、「STANDING LIVE TOUR 14 PULSE WRIGGLING TO DIM SCENE」もスタート。今回、ギターの葵がインタヴューに登場。昨今のヴィジュアル・シーンに対して抱いてる想いや自らの使命感について、熱く語ってくれました。
 

撮影:菅沼剛弘 / インタビュー:長澤智典
Photographs by Takehiro Suganuma / Interview by Tomonori Nagasawa

 

あの頃だからこそ表現出来た良さ。今だからこそ出来るクオリティ。


――今回は、葵さんから見た「今のヴィジュアル・シーン」についていろいろ伺いたいと思います。が、ちょうど7月より「STANDING LIVE TOUR 14 PULSE WRIGGLING TO DIM SCENE」がスタートします。春に行った「STANDING LIVE TOUR14 NAMELESS LIBERTY DISORDER HEAVEN」では、1stアルバム『DISORDER』と2ndアルバム『NIL』を基に。夏に行う「STANDING LIVE TOUR 14 PULSE WRIGGLING TO DIM SCENE」では、3rdアルバム『STACKED RUBBISH』と4thアルバム『DIM』を軸に。秋に予定している「STANDING LIVE TOUR 14 GROAN OF VENOMOUS CELL」では、5thアルバム『TOXIC』と6thアルバム『DIVISION』の楽曲を中心にライブを構築していきます。自分たちが作りあげてきた楽曲たちを、改めて演奏していく試み。一発目となった「STANDING LIVE TOUR14 NAMELESS LIBERTY DISORDER HEAVEN」をやってみて、どんな風に感じていますか??
 単純に新鮮という気持ちはあったんですが。昔の曲たちだからって、今の視点で振り返っても、そんな変な楽曲を演奏してたわけじゃなかったというか。
もちろん、昔は、今とは違って音楽の作り方もいまいちよくわかっていなかったし、誰も教えてくれなかったからこそ、全部自分たちで試行錯誤しながらやっていた。そういう理由もあってか、さすがに今の自分たちの視点で見たら、「こうすればもっと良くなる」というように足りなかった部分も感じたけど。でも、どれもしっかり作っていたように、どの楽曲も「ちょっと手直しすれば、今でもぜんぜんイケるな」という内容ばかりでした。

――過去の楽曲を今のレベルの自分たちで演奏していくと、やはり新鮮味を感じることも…。
 ありましたよね。もちろん、今も言ったように、「今だったらこう表現する」という面もいろいろあったうえでね。

――逆に、「あの頃だからこそ出来た表現」もあるのでしょうか??
 ありますね。楽曲の面でもガチャガチャしていた部分なんかは、そう。今だったら、もっと整理していくんだろうけど。でも、楽曲の持っているポテンシャルは、初期の頃だろうとやっぱ高いなっていうのは感じました。

――その高い楽曲クオリティがあったからこそ、シーンの中からどんどん抜き出て来たんでしょうからね。
 当時は、そんなことさえ思ってる余裕もなかったというか。とにかく、何事もがむしゃらでしたからね。それでも、改めて客観的に初期のアルバムを聞きながら、「あれだけバタバタした中で作りながらも、ちゃんと考え込んで曲たちを作ってたんだな」というのは感じましたね。

――あの頃からすでに、レコーディングはDTMスタイルでした??それとも、スタジオに入って「せーの」での方法でした??
 the GazettEに関しては、初期の頃からパソコンは導入していたように、今のようなDTMスタイルにとても近い形でやってはいましたけど。ただ、今と比べた場合の機材面での差も含め、まだまだ手探りな状態でやっていたのも事実。でも、あの時期は、うちらに限らず、みんなDTMで音源を作るのが当たり前になり出していた時代だったんじゃないかな?
 

 

 

あの頃は、決められた事柄へ全力で向かっていくのが当たり前だった。


――the GazettEの場合、最初から矢継ぎ早に作品をリリースし続けてという中で活動をしていましたよね。
 あの頃は、制作するにも、日数も時間も限られていたように、その期日内で最高の作品を作りあげなきゃいけない環境でした。そのための準備期間だってつねに作り続けていたように、いくら時間があっても足りない毎日でしたね。
今でこそ、もうちょっと余裕を持った日程で制作も行えれば、呑みに行く時間も作れたりするんだけど。あの頃は、そんな時間さえまったくなかった。もちろん、お金もなかったんだけど(笑)。でも当時は、バンド活動にすべての時間を費やすのは当たり前のことだった。さすがに今は、あのときと同じ環境では出来ないけどね(笑)。

――そういう時期も経験してきたからこそ、今があるんでしょうね。
 あの頃は、「決められた」ことに対して全力で向かっていくことが当たり前だったし。それしか見えていなかった。まぁ、ようやく今は「その日程じゃ無理だから、もう少し余裕が欲しい」とも言えるようにはなりましたね(笑)。

――7月のツアー「STANDING LIVE TOUR 14 PULSE WRIGGLING TO DIM SCENE」で披露する2枚のアルバム『STACKED RUBBISH』『DIM』の頃には、the GazettEとして表現していきたい軸となる音楽性も明確になっていたんじゃないですか?!
 ただ、あの頃のthe GazettEの制作環境というのが、まだthe GazettEの理想とするスタイルを形にしてくれるエンジニアさんが見つかっていない時期。なので、いろんな人と一緒に制作をしては、新しく出会う人ごとに、the GazettEの求めたい音楽性を説明してということをやっていたし、レコーディング中もその説明のやり取りをすることが多かったように、そういうストレスはすごくあった。

――the GazettEの場合、求める音の質感をしっかり提示出来なきゃ意味がないというか。ニュアンスが違ってしまったらthe GazettEの音にならないですからね。
 そうなんです。当時はメンバー自身も、「これもいいけど、他にも似合う音があるかな?!」と手探りしていたように、エンジニアさんのみならず、メンバーもまた試行錯誤はしていたと思うんですけど。そういう「良い意味での手探りの時期」が、結果的に、自分たちの揺るがないスタイルを形作ったのも事実なんで。
そういうのって経験を重ねながら見えてくることだから、遠回りしていくやり方も正解だったし。この時期にそういう経験を経たことで、「アレンジ面では安心出来るな」ともなっていけたので。

 

 

 

再定義と銘打っただけあって、昔の曲も今のクオリティーまで持っていけた手応えは感じてた。


――ところで、何故「STANDING LIVE TOUR14 NAMELESS LIBERTY DISORDER HEAVEN」「STANDING LIVE TOUR 14 PULSE WRIGGLING TO DIM SCENE」「STANDING LIVE TOUR 14 GROAN OF VENOMOUS CELL」と3本のツアーを組もうとしたのか?!改めてそのきっかけを教えてください。
 最新アルバムの『BEAUTIFUL DEFORMITY』は、「その当時の最新の5人の姿を詰め込んだアルバム」であり、そこで一つの達成感を得ることが出来た。その意識があったからなんだろうね、その先へ進む前に、「一度、自分たちの歩んできた過去を振り返ってみるのはどうだろう?」という話がメンバーの中から自然と出てきて。
今年実施している、アルバムを2枚ごとに括りながら行っているツアーに関しても、単純に「こういうツアーもいいかもしれない」という、すごくライトな会話な流れから始まったことなんですよ。

――実際に、やってみたらどうでした??
 正直、ハードルは高かったですね(笑)。最初の頃は、今とも曲調が違うし。「あの頃の楽曲を今のthe GazettEでやるのは、バンドとしてどうなのか」という心配もありながら。でも、最初に「2枚のアルバムを軸に演奏する」とコンセプトを決めた以上、やらないわけにもいかないし。結果的には、割とすんなり出来ましたね。

――メンバー自身も、新鮮に演奏を楽しんだ感じでした??
 以前から、たまに昔の曲を引っ張りだしてはツアーで演奏もしていたんですけど。それまでは、どうしても昇華しきれない部分があったんですね。だけど今回は、そういうのもなく。それこそ「再定義」って銘打ってるだけのクオリティーになったのではないかと、自分たちでも思っています。

――むしろ、5-6枚目のアルバム頃のほうが、今の感覚で表現出来るから楽なんでしょうね。
 そうですね。秋のツアーでは、今のライブでやっている曲たちと同じテンションでぜんぜん向かっていけるんで、秋のツアーも楽しみです。

――ここ近年の楽曲のほうが、演奏していく面でもしっくり来るのは当たり前のことですからね。
 やっぱし、経験という場数を経た上で制作してきた楽曲たちのほうが、ライブの中でも長く親しまれ続けてくというか。「ここで、あの武器を使いたい」「ここでなら、あの手法が使える」など、最近の曲たちのほうがフレキシブルに対応していけるのも確かなことなんで。だからこそ、まだまだその武器を手に入れるには未熟だった初期の頃の楽曲をどう扱っていくかのほうが、正直、いろいろ楽しい試行錯誤はありました。

――ファンの人たちは、1-2枚目のアルバム曲たちを堪能出来て嬉しかったんじゃないですか??
 そう思ってもらえてるのなら、一番理想とする形になれたってことだから嬉しいですね。
 

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【初回生産限定盤】
[DISC1収録内容]
01.MALFORMED BOX
02.INSIDE BEAST
03.UNTIL IT BURNS OUT
04.FADELESS
05.鴉
06.HEADACHE MAN
07.13STAIRS[-]1
08.DEVOURING ONE ANOTHER
09.LOSS
10.REDO
11.LAST HEAVEN
12.IN BLOSSOM
13.THE STUPID TINY INSECT
14.ATTITUDE
15.黒く澄んだ空と残骸と片翅
16.COCKROACH
17.DISCHARGE
18.TO DAZZLING DARKNESS
19.CODA

[DISC2収録内容]
01.Ride with the Rockers
02.TOMORROW NEVER DIES
03.Hyena
04.SLUDGY CULT
05.Filth in the beauty
06.関東土下座組合
07.LINDA~candydive pinky heaven~
*初回生産限定盤のみドキュメント映像を収録
DISC1:本編
DISC2:アンコール+[MAGNIFICENT MALFORMED BOX]FINAL CODA-Behind the scenes

 

【通常盤】
[DISC1収録内容]
01.MALFORMED BOX
02.INSIDE BEAST
03.UNTIL IT BURNS OUT
04.FADELESS
05.鴉
06.HEADACHE MAN
07.13STAIRS[-]1
08.DEVOURING ONE ANOTHER
09.LOSS
10.REDO
11.LAST HEAVEN
12.IN BLOSSOM
13.THE STUPID TINY INSECT
14.ATTITUDE
15.黒く澄んだ空と残骸と片翅
16.COCKROACH
17.DISCHARGE
18.TO DAZZLING DARKNESS
19.CODA

[DISC2収録内容]
01.Ride with the Rockers
02.TOMORROW NEVER DIES
03.Hyena
04.SLUDGY CULT
05.Filth in the beauty
06.関東土下座組合
07.LINDA~candydive pinky heaven~

 


STANDING LIVE TOUR 14 PULSE WRIGGLING TO DIM SCENE
SCENE 02 / [ STACKED RUBBISH × DIM ]
7月01日(火) CLUB CITTA' 川崎
7月02日(水) CLUB CITTA' 川崎
7月08日(火) EX THEATER ROPPONGI
7月09日(水) EX THEATER ROPPONGI
7月14日(月) Zepp Sapporo
7月18日(金) Zepp DiverCity
7月21日(月) Zepp Namba
7月24日(木) Zepp Fukuoka
7月28日(月) Zepp Nagoya
7月31日(木) TSUTAYA O-EAST
8月04日(月) 新木場STUDIO COAST

チケット:前売¥6,480 / DRINK別
※3歳以上有料
※Official Fan Club[HERESY]会員限定
http://fanclub.pscompany.co.jp/thegazette/
問:HERESY TEL 03-5305-3813(weekday 12:00-18:00)

 

the GazettE STANDING LIVE TOUR14 GROAN OF VENOMOUS CELL
SCENE03 / [TOXIC × DIVISION]

11月04日(火) 赤坂BLITZ
11月05日(水) 赤坂BLITZ
11月07日(金) CLUB CITTA' 川崎
11月09日(日) Zepp Tokyo
11月11日(火) 新木場STUDIO COAST
11月14日(金) Zepp Sapporo
11月18日(火) なんばHatch
11月19日(水) なんばHatch
11月25日(火) Zepp Nagoya
11月27日(木) Zepp Fukuoka
12月02日(火) 豊洲PIT
12月03日(水) 豊洲PIT
※Official Fan Club[HERESY]会員限定

チケット受付の詳細はオフィシャルサイトをご確認ください。
http://fanclub.pscompany.co.jp/thegazette/
問:HERESY TEL 03-5305-3813(weekday 12:00-18:00)

 

 

 

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【 the GazettE OFFICIAL WEBSITE 】
http://www.pscompany.co.jp/gazette/