REPORT

stylish wave EXPERIENCE "無礼区#08" 2018.6.30 渋谷REX ライブレポート

DAMY JILUKA ジグソウ てんさい。 ハクビシン まみれた 未完成アリス

 

お馴染み「stylish wave EXPERIENCE "無礼区"」、シリーズを6月に東京と大阪で開催。ここでは、6月30日(土)に渋谷REXで行われたイベントの模様をお伝えしたい。

出演したのは、JILUKA/DAMY/てんさい。/未完成アリス/ハクビシン/まみれた/ジグソウという面々。
イベント終演後には、ミニトークショー&プレゼント企画へJILUKA/DAMY/未完成アリスが参加。さっそく、この日の模様をプレイバック。

TEXT:長澤智典

 

■ジグソウ
 


暗闇の中、メンバー一人一人に当たる白いスポットライト。闇の中に浮かび上がるメンバーたちの姿のなんと………なことか。しかも舞台前には、無数の赤い糸が張りめぐらされていた。。。

ジグソウのライブは、闇の中、小さな白い光とブキミの歌声が響き渡る中、不気味な様相を描きながら幕を開けた。おどろおどろしい、怪しいホラーでスプラッターな物語を描き語るように流れる『ロマン劇場「人体剥離見世物地獄」』。彼らは見世物小屋の住人?? いや、衝撃的な惨劇の光景を、触れた人たちの目の前で脳裏に映し出す病み/闇の語り部たち。

歌に合わせ、手にした鋏で目の前の赤い糸を次々と切り刻むブキミ。演奏は『鋏』へシフト。ヒステリックでサイコホラーな楽曲の上で、理性の箍を外した不気味な男が、歪んだ感情のままに歌う様が目の前には広がっていた。壊れた感情へシンクロするように嘆き、猛り狂う演奏。つかみを持ったサビ歌も耳に心地好いが、それ以上に情念な様を映し出すステージングに、心が、身体が強く惹かれていた。

身の毛もよだつ怪しい音が響く場内。ブキミの歌声へ導かれた演奏が激烈な音を突きつけると同時に、楽曲は、神経を痛く刺激する『少女TYPE[B]』へ。ダークホラーで破壊的な音の上、螺子の壊れた姿で嘆き、叫び、歌うブキミ。破壊的な衝動が、胸をキリキリと切り刻む。だけど、その痛みこそが快楽だ。

その音色は、奈落の闇の奥底まで観客たちを引き込む誘いの調べ。ブキミが怒号のような叫びを上げると同時に、楽曲は『ブリキのオモチャ』へ。ギターのマルとベースの智依が振る旗の動きに合わせ、フロアーのあちこちで同じよう両手にした旗を振りながら、ジグソウへ熱狂のエールを送る人たちの姿も。熱狂と衝動を従えた豪快な演奏は、どんどん病みの度数を上げてゆく。

「僕はここからとびおりくん」、 最後にジグソウは『とびおりくん』を吐き出した。ブキミと一緒に拝みヘドバンをしながら、ときには両手の上で拝みポーズを取り、飛び跳ねる人たち。情熱と情念が渦巻く楽曲の上、人の心の奥底に潜む黒い感情へ、ジグソウはどす黒くべったりとした衝撃を塗り重ねてゆく。ブキミは、最後に演説台の上から飛び下りる姿も披露。その痛い衝動に導かれ、何時しか大勢の人たちも心の中、現実から飛び下り、逃避していった。

[SET LIST]
1.ロマン劇場「人体剥離見世物地獄」
2.鋏
3.少女TYPE[B]
4.ブリキのオモチャ
5.とびおりくん
 

               
≫写真をもっと見る(月額コース会員限定)

 

 

 

■ハクビシン

 


「可愛くておっきい声をちょーだい」、煽るヴォーカルのナガシマユイ、「始めようか、stylish wave。可愛がってやる」「あなたの心の隙間をお埋め致します」の叫びを合図に、凄まじい轟音を叩きつけたのが、ハクビシン。「もっとバカになれ!!、もっと幸せになれ!!、跳ねるんじゃない、もっと高く飛べ!!」。ハクビシンが提示した幸せの法則は、理性の留め金を外し、熱く騒ぎ狂うこと。サビで開放的な歌を届けるが、それ以外は『幸せなら手を叩こう』を通し破壊的な音を突きつけ、フロアー中に騒ぎ祭る光景を描きだしていった。体感的な衝動には、理性を軽くふっ飛ばすくらいの楽しさがあるように、暴れていた人たちもきっと幸せを覚えていたに違いない。

「絶望に突き落としてやる、飛べ!!」。幸せへ導いたと思ったら、今度は絶望の世界へハクビシンは『絶望ディスプレイ』を通して連れだした。変わらぬ激しい演奏だ。でも楽曲自体は、より歌要素を強めていた。彼らの煽りに導かれるまま、このまま騒ぎ狂うのか。それとも、圧倒され傍観者になるのか…。ハクビシンは、「嫌われるように愛されたい」と歌う『絶望ディスプレイ』を通し暴れ騒ぐことで、互いの人間関係を縮めようとしていた。

「裏切られたくなかったら、自分を見つめ直せ」、想いを熱くアジテートするように、ハクビシンは『フレネミー右手の法則』を通し、重厚な音を全力で叩きつけた。身体を前のめりに歌うナガシマユイ。胸に心地好いサビ歌では、フロアーのあちこちで手の花が大きく揺れていた。緩急ドラマを描きながら感情的に歌い煽り立てる、その姿には、ただただ圧倒されるばかりだ。

「その心の隙間を埋めてあげよう、汚い声をください」、ノンストップで煽り続けるメンバーたち。『スキマニュアル』が豪快に炸裂すると同時に、フロアーのアチコチへ左右にモッシュする光景が生まれていた。サビでは、大きく右手を振る姿も。心の隙間を熱狂と轟音でハクビシンは埋めてゆく。その隙間をビッチリ黒く埋めたいなら、もっともっと理性をかなぐり捨て、騒げばいい。

最後にハクビシンは、どす黒い衝動を抱いた重轟音ナンバー『表白-悪口-』を吐き出した。現実の世界を飛び越えた人たちは、豪快な演奏に合わせ無我夢中で暴れ、騒ぎ続けてゆく。破壊的な演奏を通し、ハクビシンは訪れた人たちへ、理性を消し去り感情を解き放つ楽しさを、その身体と心へたっぷりと塗り込んでいった。

[SET LIST]
1.幸せなら手を叩こう
2.絶望ディスプレイ
3.フレネミー右手の法則
4.スキマニュアル
5.表白-悪口-


  

 

 

 

■てんさい。
 


カルトの叫びから、てんさい。のライブはスタート。「暴れましょうか」の声と『センパイの彼女』が引き金だった、感情を明るく開放する演奏に触発され、フロアー中の人たちが笑顔で熱狂の宴の中へ飛び込みだした。てんさい。が導く熱へ寄り添うように、会場中の人たちが自由奔放に暴れ狂う。タオルを振りまわす人もいれば、手を突き上げる人、カルトの叫びに絶叫を返す人たちなど、誰もが、みずからの沸き立つ気持ちのまま自由に騒ぎ続けてゆく。振りを一つにするだけが熱狂ではない。心を開放し、自分の楽しみたいスタイルで自由に騒ぐ。それこそがあるべきライブの姿だ。

「遊べる奴だけ遊べればいい」。豪快に跳ねる『諭吉ROCK!!』でも、激しく躍動する祭りビートに合わせ、一緒に飛び跳ねずにいられない気分だ。騒ぐ騒がないじゃない、てんさい。の楽曲に触れていると、勝手に身体が激しく動きだす。触れた人たちの気持ちを無邪気に、無条件で開放する。だから、てんさい。のライブに惹かれてゆく。人の隠したい理性をぶち蒔けた歌世界も、最高だ!!

強烈なビートへ重ねるように、フロアー中から熱い手拍子が沸き起こる。「やっちゃって!!」の声を合図に、『俺is俺』に合わせ、フロアー中の人たちが思いきり高く飛び跳ねながら、右へ左へとモッシュに興じだした。躍動する豪快な演奏に触発され繰り広げたメンバーコール、細かい理屈はどーでもいい。気持ちをはしゃがせる楽曲に合わせ、楽しく祭り上がればそれでいい。

「俺たちと一緒にお祭り騒ぎしようぜ、躍れ!!」、神経を破壊する祭りビートが轟音と一緒に飛び出した。ハードコアばりの衝撃を持って、てんさい。流の祭り歌『クソワロタ音頭』を演奏。心真っ白に気持ちを開放する、サビに描いたノリも最高だ。中盤に生まれた、カルトと観客たちとの熱いやり取り。黒く大きな唸りの中へ飛び込み、ただ騒げばいい。それ以外に何が必要だ。理性を失くし踊り祭ることの楽しさを、てんさい。が教えてくれた。

最後は、歌始まりの情熱ナンバー『MARIA』の登場だ。熱を持った歌が、胸に突き刺さる。沸き上がる感情のままに、高揚した気持ちをそのまま絶頂まで導くよう、てんさい。は『MARIA』を通し、会場中に解き放った気持ちを一つにまとめあげていった。凄まじい熱狂の渦に支配された場内。なぜ、こんなにもみんなが騒ぎはしゃぐのか。理由は簡単だ。どんな表情だろうと、てんさい。の楽曲は「楽しい気持ち」にさせてくれるんだもの。その運動の消費量、なかなかのもんじゃねぇ?!

[SET LIST]
1.センパイの彼女
2.諭吉ROCK!!
3.俺is俺
4.クロワロタ音頭
5.MARIA~禁断の呪われし堕天使の涙と共に繰り返す悲しきワルツと終わらないレクイエムに支配されし女王の亡骸に添えし一輪のたんぽぽ~
 

              

≫写真をもっと見る(月額コース会員限定)

 

 

 

■まみれた
 


羽織袴姿で舞台へ姿を現したのが、まみれたのメンバーたち。その姿の時点で、メデタイ雰囲気じゃないか。「殺れんのか!!、全員で心中だ!」、ヴォーカルの伐の煽りを合図に飛び出したのが、一瞬にして観客たちの理性をぶっ壊し、騒ぐ狂人と成した『死因:暮らし』。凄まじいパワーと熱、煽りに触発され、最初から後ろの観客たちまでが思いきり身体を折り畳み、頭を振り乱してと、理性をかなぐり捨てて暴れ続けていた。まさに、ライブだからこそ味わえる一体感。その様を、まみれたは最初から場内に描き出していった。

伐の煽りへ触発され、全力で頭を振り乱し暴れ狂う観客たち。煽りと歌を1曲の中で巧みに振り分け、融合しながら、まみれたは『僕が溶けてく帰り路』を通し、フロアー中へ頭振りまわす光景や歓喜に溺れ花咲かせる風景を描きだしていった。破壊的な衝動を抱いた楽曲へ触れたら、そりゃあ理性を消し去り、熱狂の中で一緒にまみれたくなる気持ちも納得だ。

熱狂を引き連れながら、まみれたがノンストップで送り込んだのが、ダークでラウドでミッドなグルーヴを導き出す『死因:無視』だ。毒々しい音に身体中が浸食されてゆく。重厚なビートに合わせ身体を折り畳む光景は、まるで儀式のようにも見えていた。

「君たちには起こり得ないことだって、僕らのライブでは起こります、俺たちは何でもするからな!!」。重厚で暗鬱な音の衝撃を次々と塗り重ねる演奏。その上で感情をブチ切らし煽り続ける伐。『死因:被害妄想』に合わせ会場中を埋めつくした、激しい折り畳みの風景。その勢いを、さらに加速させるように、まみれたは『終日終わり』をぶつけてきた。煽り続ける演奏に合わせ、右へ左へ移動しながら踊る観客たち。伐の煽りに刺激を受け、己の限界を越える勢いで誰もが暴れ続けていた。終盤には伐がフロアーへ飛び下り、一人騒ぎ狂う様も。野生の自分に戻り、感情を剥き出しにどれだけ一緒に暴れ狂えるか。それ以外に、何が必要だ。

最後に突きつけた『お邪魔します』でも、まみれたの演奏に触発され、フロアー中から轟き渡る「お邪魔します」の絶叫。もちろん、まみれたのライブだもの。終始、会場中を震撼させ暴れる様を描き続けていた。終盤、場内中の人たちが飛び跳ねたときには、床から強い振動が伝わってきたほどだ。「正直に生きろ、嫌なことは何もするな」。久々に、理性を徹底して破壊し、触れた人たちを野生に変えてゆくバンドに出会えた。

[SET LIST]
1.死因:暮らし
2.僕が溶けてく帰り路
3.死因:無視
4.死因:被害妄想
5.終日終わり
6.お邪魔します


   

 

 

 

■未完成アリス
 


疾走する演奏の上で転がるキャッチーでポップな歌を通し、未完成アリスは瞬時に会場をカラフルな色に染め上げた。彼らが冒頭へ掲げたのが、未完成アリスのライブを活動初期から熱狂で支え続けてきた『2次元ラヴァーズ』だ。胸をスカッとくすぐる歌に触発され、フロアー中に無数の手の花が咲き誇る。間奏では、晏の破壊的なギター演奏を通し、熱狂の花咲く場面も。何より、触れた人たちの心の中へ無数にカラフルな歌の花を咲かせる様へ、心は一瞬で虜になっていた。

ちょっと妖しい香りも振りまきながら、ソリッドなギターサウンドを高らかに響かせ疾走する演奏の上で、ヴォーカルの琉火が毒々しい歌の宴を描きだした。『歌舞伎町ミッドナイト』が連れだしたのは、ちょっと危険な香りと、それ以上に好奇心が勝り、ヤバい扉を開きたくなるゾクゾクッとする刺激だ。琉火と一緒にタオルを振りまわし、踊り騒ぐ観客たち。激しい演奏で暴れるのとは異なる、歌が持つワクワクとした嬉しさや衝動に魅了され、笑顔ではしゃぎだす。まさに、歌系バンドの未完成アリスらしいステージングじゃないか。

挑発するように、挑むように唯依葉のギターが炸裂。ザクザクとした華激で危険な香りも背負いながら、未完成アリスは『夢幻∞メリゴ』をプレゼント。タオルをくるくる振りまわし、はしゃぐ琉火と観客たち。スリリングで躍動的な演奏が示すように、このメリーゴーランドはメルヘンな世界なんかじゃない。妖しい刺激を注入し熱狂で酔わす、最高の煽りゴーアラウンドなナンバーだ。

勢いを携えたまま、演奏はストーカーしたい衝動を歌に投影した『ストーキングジェシー』へ。場内に生まれた熱し騒ぐ喧騒を、未完成アリスはもっともっと大きく膨らませと煽りたてる。疾走し躍動する演奏に触発され、身体は跳ね続けるが、心はずっと、琉火の妖しくも魅惑的な声とキャッチーな歌に惹かれ続けていた。会場中の人たちが飛び跳ね、大きな手の花を咲かせていたのも、未完成アリスの楽曲が持つ華やかさに魅了されてのこと。

最後に未完成アリスは、観客たちの頭を熱く揺さぶる『夢世界少女』を突きつけた。荒れ狂う激しい演奏の上で、妖しい香りを振りまきながら、胸をくすぐる歌で観客たちを魅了する琉火。どんなに楽曲が華激な表情を描こうと、琉火が歌の魔力で心を虜にしていく。何より、乙女心の裏に隠された毒々しい感情を妖しくえぐりだす歌世界がとても魅力的じゃない。正直、アッという間のライブだった。それくらい未完成アリスの描きだした幻想熱狂浪漫で華激な毒メロワールドに嬉しく犯されてたということ。ほんと、ストーキングしたくなるバンドだ。


[SET LIST]
1.2次元ラヴァーズ
2.歌舞伎町ミッドナイト
3.夢幻∞メリゴ
4.ストーキングジェシー
5.夢世界少女

 


              
≫写真をもっと見る(月額コース会員限定)

 

 

 

■DAMY
 

 

 「さぁ、みなさん、まずは準備運動をしよう」の声が合図だった。準備運動なんてもんじゃない、DAMYはド頭から神経を破壊するような轟音を叩きつけ、瞬時にフロアー中へ騒ぎ祭る風景を描き出した。「死ね、死ね」と連呼する椋。『汚物』を通しDAMYは、場内を震撼するほどの凄まじい暴れ狂う風景を描きだした。

ドラムとベースが作り出すヘヴィでタイトなビートの上へ、身体を切り刻むようにザクザクとしたギターの音か重なりだす。 かなり体感的な楽曲だが、それ以上にインパクトを持って胸に突き刺さったのが、言葉もしっかり響くほど存在感の強い椋の歌声だ。危険な匂いを孕んだ『解剖家族の真意』でも、身体は轟音渦巻く音に触発され騒ぎ続けるが、心は、ずっと椋の届ける歌に強く惹かれていた。DAMYが高い支持を得ているのも、体感的なバンドだからではない、歌で心を激しく揺さぶるバンドだからだ。

「そんな嘘つきの君たちに」。デジタルビートへ重く豪圧な演奏が重なりだす。凄まじい破壊力を持って場内へ飛び込んだのが、『嘘吐き』だ。歌と絶叫を巧みに使い分け、観客たちを煽る椋。フロアーでは全力で頭を振り乱し、腕をグルグル振りまわす観客たちの熱気により、暴れゆく凄まじい光景が生まれていた。サビで花咲かせる風景もヴィジュアル系ならでは。何より、これまで以上の速度と破壊力でせまる楽曲に、身体は熱く騒いでいた。胸にストレートに突き刺さる感情的な歌声に、魂が熱く揺さぶられた。

「本当は僕イケメンなんです。ごめんなさい、嘘つきました。虚言癖なんです。僕は歌でみんなとぶつかりあいます」、その言葉を受けて…いや、止まることない演奏の上で、椋はそう叫んでいた。演奏は、熱をさらに増幅させるように『虚言癖』へ。その歌は、触れた人たちの気持ちを高ぶらせる。破壊力満載な演奏を通し感情を増幅させながら、椋の歌へ引き寄せられるように、誰もが轟音の嵐の中、生きている実感を覚えていた。

「お前らも欲しいよな、だったらくれてやるよ」「お前ら、生きてる理由はここ(心)に持ってる」。最後にDAMYは一人一人の生きている理由を証明しようと、誰もが生きてる価値があることを示そうと、破壊力満載な『理由』を突きつけた。フロアーでは、左右に分かれた観客たちが何度も何度もぶつかりあっていた。全力で身体を低く激しく折り畳んでいた。そう、これが生きてる理由だと言わんばかりに。ライブハウスという空間の中、互いに大好きな音を合図に身体をぶつけあうことが、生きてる実感を覚えることだと示すように、DAMYのメンバーも場内を埋めた観客たちも、身体を張ってその言葉の意味を楽しんでいた。

[SET LIST]
1.汚物
2.解剖家族の真意
3.嘘吐き
4.虚言癖
5.理由


            
≫写真をもっと見る(月額コース会員限定)

 

 

 

■JILUKA
 

 

トリを飾ったのが、8月のGab.やclub Zy.にも特集で登場するJILUKA。これまでとまったく音量や音圧が違うんじゃないか?! いや、確実に違っている。破壊的どころではない、何もかもなぎ倒すような衝撃音を突きつけながら、JILUKAのライブは幕を開けた。凄まじい勢いで爆走する『Divine Error』。耳をぶっ壊すほどの激熱音にも関わらず、Rickoの歌がしっかり胸をときめかせ、観客たちの感情を煽りだす。 当たり前のよう、会場中の人たちが拳を高く突き上げ、頭を振り乱し、身体を激しく折り畳み、全力で跳ね続ける。この衝撃こそが、JILUKAのライブの持ち味だ。

雄大な世界観を描く同期音の上へ、激熱なリフビートが破壊という絵筆を塗り重ねてゆく。『Necropolis』へ触発され、理性の箍を壊し、轟音の中へ身体を熱く沈め込む観客たち。とてもスケールあふれた楽曲だ。まるでコスモの世界へ導くように、その衝撃は、意識を彼方へと連れだしていった。

「全員でぶっ壊れていくぞ。全力の拳を見せて欲しいんだよ」。激烈で先鋭的なギターリフが身体をグサグサと切り刻む。音数の詰まったリズム隊の演奏が、聴覚どころか理性までぶち壊す。過激に攻め込む『Hellraiser』の上で、スクリーモし続けるRicko。その衝撃に刺激を受け、身体を深く深く折り畳まずにいれない。サビでは、拳を振り上げ舞台上へ想いを返す様も描きだされていた。

「まだまだイケるよな。思いきりぶつかりあいたいんだよ、やれるよな」。理性を壊し、その場にいた人たちを狂人と化すように突きつけたのが、『M.A.D』だ。エキセントリックな楽曲に感覚を歪ませた観客たちが、長い髪の毛を振り乱し、頭を揺さぶり続けてゆく。もちろん、この曲でも折り畳みや飛び跳ねる光景も登場。轟音ライブのコンダクターであるRickoの煽りに従い、暴れ狂う。それが何よりも楽しいこと。熱狂は、天井知らずで上がり続けてゆく。

絶叫のコール&レスポンス、そしてRickoのスクリーモから、楽曲は『Lethal Affliction』へ。メンバーも観客たちも、互いに体力の限界へ挑む勢いで戦い続けてゆく。どちらが先に倒れるかではない、互いに限界を超えた先に生まれる絶頂や恍惚を味わい尽くしたくて、自分の限界を超えたところでぶつかりあっていた。でも、それが最高に気持ちいいんだよ。騒いでるときは頭真っ白で理性なんか忘れてたけど、そんなライブほど嬉しい余韻がずっとずっと身体や心へ残り続けていくのだから。

「この会場にぶっ壊れた一体感を見せてください」、最後にJILUKAは超絶轟音爆走破壊衝動ナンバー『Twisted Pain』をぶち込んだ。凄まじい衝撃を持ちながら、サビではとてもメロディアスで抑揚を持った歌が響き渡る。歌に魅力され花咲かせつつも、スクリーモの続く激熱パートでは無我夢中で頭を振り続けていた。体力の限界さえ越え、共に絶叫と拳を交わす光景を、壊れるほどの一体感を、JILUKAはしっかりとこの空間に描きだしてくれた。

[SET LIST]
1.Divine Error
2.Necropolis
3.Hellraiser
4.M.A.D
5.Lethal Affliction
6.Twisted Pain


           
≫写真をもっと見る(月額コース会員限定)




■JILUKA/DAMY/未完成アリスと星子さんによるトークセッション

ライブ終了後は、星子さんを司会に、未完成アリスの琉火、DAMYの颯熾、JILUKAのRickoが舞台に姿を現した。
行われたのが、星子さんとのトークセッションと、この日のためにメンバーらが用意したプレゼントのジャンケンによる抽選大会。「stylish wave」では恒例行事の一つ。何より、ファンにはとても嬉しいコーナー。これがあるから、最後までイベントを見ている人たちもいる。「stylish wave」のライブへ足を運んだ方は、最後のコーナーまでを含め、楽しんでいただけたら幸いだ。

今後の「stylish wave」だが、7月8日(日)渋谷REXより、「stylish wave CIRCUIT'18 夏の陣"今宵狂乱"」がスタートする。今年の夏も、「stylish wave」と一緒に楽しいひと夏の想い出を刻んでくれ。

 

TEXT:長澤智典

 

 


 

▶NEXT EVENT

stylish wave CIRCUIT '18 夏の陣"今宵狂乱"


7月8日(日) 渋谷REX
出演:JILUKA / シェルミィ / BabyKingdom / マイナス人生オーケストラ / てんさい。 / ハクビシン / メリーバッドエンド

7月15日(日) 新横浜NEW SIDE BEACH!
出演:JILUKA / シェルミィ / マイナス人生オーケストラ / まみれた / IGGY / メリーバッドエンド / ジグソウ

7月21日(土) HEAVEN'S ROCK さいたま新都心VJ-3
出演:JILUKA / シェルミィ / マイナス人生オーケストラ / まみれた / IGGY / ハクビシン / ジグソウ

7月28日(土) 仙台MACANA
出演:JILUKA / シェルミィ / BabyKingdom / IGGY / ハクビシン / ジグソウ

8月4日(土) 大阪MUSE
出演:JILUKA / Vexent / シェルミィ / BabyKingdom / てんさい。/ 未完成アリス / Leetspeak monsters

8月5日(日) HOLIDAY NEXT名古屋
出演:JILUKA / Vexent / シェルミィ / BabyKingdom / てんさい。/ 未完成アリス / メリーバッドエンド

8月25日(土) 高田馬場AREA
出演:JILUKA / Vexent / シェルミィ / DAMY / BabyKingdom / てんさい。 / 未完成アリス

OPEN 16:00 / START 16:30
前売り ¥3,800 / 当日 ¥4,300(tax in)
オールスタンディング、入場整理番号有り
*ドリンク代は各会場ごとに異なります
主催:JVK 企画:club Zy. / club Zy.チャンネル 制作:com agent 
協賛:ESP Entertainment Group 協力:Gab. / club Zy. MAG

 

チケット情報など、各公演の詳細はこちら