REPORT

stylish wave CIRCUIT'18 夏の陣 2018.7.8 渋谷REX ライブレポート

BabyKingdom JILUKA シェルミィ てんさい。 ハクビシン マイナス人生オーケストラ メリーバッドエンド

 

「stylish wave」夏の風物詩「stylish wave CIRCUIT'18 夏の陣"今宵狂乱"」が、ついにスタート。
出演したのは、JILUKA/シェルミィ/BabyKingdom/マイナス人生オーケストラ/てんさい。/ハクビシン/メリーバッドエンド。終演後には、シェルミィがハイタッチ会を実施。他にも、当日券を購入した方には入場時に好きな出演アーティストの粗品をプレゼント(参加アーティスト:シェルミィ/BabyKingdom/マイナス人生オーケストラ/てんさい。/ハクビシン/メリーバッドエンド)していた。
ここでは、初日となった7月8日(日)渋谷REX公演の模様をお伝えします。

TEXT:長澤智典

 

■メリーバッドエンド
 


8月17日(金)名古屋BOTTOM LINE公演を持って、この世界への音楽による干渉を終了させるメリーバッドエンド。ヴォーカルのロキは病状を考慮し、7月のライブは欠席。演奏陣のみによるスタイルでライブは行われた。

「今日は、始めから奇凛と一緒に踊って欲しいの。メムペソメムペソチンチンチーン」、ライブは奇凛のMCを合図に、『サクラメント』からスタート。ザクザクとした、荒々しい音を突き付ける演奏陣。ロキの変わりに、この日は奇凛が観客たちを煽る役割を担っていた。奇凛の振りに合わせ、同じ振りをしながら騒ぐメリーバッドエンドのファンたち。ヴォーカルが不在のぶん、メンバーもファンたちも、最初から気合いを全開にライブへ挑む光景がそこには広がっていた。

舞台を左右に走る奇凛の動きに合わせ、モッシュする観客たち。激しく疾走する『Mの憂鬱』を通し場内に描き出した、モッシュ/ヘドバン/ジャンプ/モンキーダンスへ興じる様。奇凛も、休むことなくずっと舞台上で身体を動かし、ファンたちを煽り続けてゆく。

猛々しいドラムビートから、楽曲は『Why?』へ。荒れ狂う演奏に合わせ、全力で頭を振る観客たち。本来はデスボナンバーのように、観客たちも荒れ狂う演奏に刺激を受け、思いきり身体を揺さぶり、折り畳みを繰り返しながら暴れ続けていた。

軽快に跳ねた贖いのスカーフェイスのギター演奏から、楽曲は最新シングルナンバーの表題歌『神厄性書』へ。心地好く走るギター演奏とスラップ効いた跳ねるベース演奏が絡みながら、身体はしゃぐグルーヴを生み出してゆく。サビでは、胸くすぐるキャッチーなメロが心へ華やかな色を塗りたくる。ぜひ、ロキの歌入りで聞きたかった良質な楽曲だ。

奇凛とヒロムの「殺せ、殺せ」の声に合わせ、フロアーから沸き立つ「殺せ、殺せ」の叫び。最後にメリーバッドエンドは、ダークで激烈なモッシュナンバー『G.D.F』を叩きつけ会場中を揺さぶる風景を描き出し、場内へしっかりと熱を生み出していった。

[SET LIST]
1.サクラメント
2.Mの憂鬱
3.Why?
4.神厄性書
5.G.D.F
 

                
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■ハクビシン

 


ハクビシンのライブは、観客たちを煽る様からスタート。「全員まとめて上手にモッシュ!!」、その勢いを増幅させるように彼らは『スキマニュアル』をぶつけてきた。「迷ったときには上手にモッシュ」の言葉じゃないが、荒れ狂う演奏に身を預け、今は、ただ騒げばいい。サビでは、胸をつかむキャッチーな歌も披露。暴れの光景だけではなく、しっかり歌で心を揺さぶる面も描き出すところが、ハクビシンの楽曲やライブに於ける魅力と言えようか。

疾走する跳ねた演奏に合わせ、拳を振り上げ高く飛び跳ねる観客たち。激しく煽る表情を軸に据えながらも、歌で心を揺らす面を1曲の中へ巧みに融合。『BAD×スプラッターガール』でも、ハクビシンは観客たちの理性を消し去り、騒ぐ楽しさを全身へ塗り込んでいった。

「君たちを幸せにしてやる、しっかりついてこい!!」、煽るナガシマ ユイ。彼の言葉を証明するように飛び出したのが、豪快な音を全力で叩きつけた『幸せなら手を叩こう』だ。観客たちへ挑むように声をぶつけるナガシマ ユイ。サビでは「幸せなら手を叩こう」と、逆に仲間たちを胸へグッと引き寄せるように歌う様も。フロアーでは、三半規管を狂わせる演奏に触発され、壊れた人形のように頭を振り、身体を折り畳む人たちの姿も。手を叩く人はいなかったが、身体を揺らし、フロアー中でまみれる様を見ていたら、十分に幸せを感じている姿は伝わってきた。

「やる奴はやる、やらねぇ奴はやらねぇんだ。やりてぇ奴は勝手にやれよ」「お前のついてきた嘘を全部吐き出せ」、さらに激しさと勢いを増した演奏を通し、ハクビシンが突き付けたのが『ダウト~嘘吐き~』。その言葉へ触発されたのか、フロアーの後ろでボーッと見ていた観客たちまで、何時しか身体を揺さぶり、拳を頭上高く掲げていた。

「やりてぇ奴がいっぱいいて嬉しい」「信用しても裏切られるのが人生です」「すべては自分の心て決めろ」、最後にハクビシンはデスボナンバー『フレネミー右手の法則』をぶつけ、観客たちを暴れゆく風景の中の重要な一員として熱狂のカンバスの中へ塗り込んでいった。

[SET LIST]
1.スキマニュアル
2.BAD×スプラッターガール
3.幸せなら手を叩こう
4.ダウト~嘘吐き~
5.フレネミー右手の法則


  

 

 

 

■マイナス人生オーケストラ
 


SEが流れると同時に、場内のあちこちで無数の羽根扇子が舞いだした。「暴れていけるか、我々とエロいことをしようぜ」、栗山"H∧L"ヰヱスの煽りを受け流れだしたのが、ギラギラなほど派手派手しい演奏を通し、観客たちを極彩色な宴の世界へ導く『厭世』だ。物語の語り部のように、まるでこの世界の救世主のような様で、栗山"H∧L"ヰヱスは観客たちをとても華やかな空間へと導きだす。胸をつかむのはもちろん、その楽曲が持つ世界観へ深く深く飛び込みたい。たった1曲で、僕らはマイナス人生オーケストラの描く舞台劇の中、熱狂を求めるキャストと化していた。

「わたしのために死んでくれ」、気持ちを明るく開放してゆく?!。極楽へ連れ出すように流れたのが『絶命、絶対。』だ。疾走する演奏へ身を預け、騒ぎに興じる観客たち。いや、マイナス人生オーケストラが開いた幸せに満ちた世界へ一緒に飛び込み、快楽へ溺れ続けたい。そんな気分だ。歌詞では、だいぶネガティブな言葉を吐き出しているのにね。でも、そのアンバランスさもまた音楽の楽しさじゃない。

「踊っちまいましょう」。栗山"H∧L"ヰヱスの導きに誘われ、フロアー中に無数の羽根扇子が舞い踊る。『花よ 蝶よ』が、浮かれモードへ気持ちをウキウキと上げてゆく。快楽の宴へ身を預け、思いきり踊ろうか。頭を振るだけがライブじゃない。心が嬉しくはしゃぐなら、想いのまま身体を横揺れさせればいい。花のような華麗な歌に身を預け、蝶のように心地好く舞い踊ろう。それが、快楽へと続く近道だ。

演奏は、一気に激しさと速度を上げだした。マイナス人生オーケストラ流アッパーな煽りナンバー『ゴスロリを脱いでも』の登場だ。荒ぶる演奏に身を預けたファンたちは、指に灯したリングライトを揺らし、両手で手の花を華麗に咲かせ、快楽の中へ嬉しく溺れていた。

最後も、マイナス人生オーケストラは『FREAKS A GO! GO!』を通し、会場中の人たちをモンキーダンスへ興じさせていった。なんて華やかな歌と演奏だろう。まるで極楽浄土で満面の笑顔を浮かべ宴を楽しんでいる気分。胸くすぐるキャッチーな歌世界を魅力に、マイナス人生オーケストラは「楽しい」という快楽を届けてくれた。初見だろう人たちまで、何時しか手拍子をしながらわちゃわちゃ派手な宴の中ではしゃいでいた。巻きこんでゆく?!。いや、それこそがライブとしてあるべき楽しさ、マイナス人生オーケストラらしいライブスタイルなんだと思う。


[SET LIST]
1.厭世
2.絶命、絶対。
3.花よ 蝶よ
4.ゴスロリを脱いでも
5.FREAKS A GO! GO!
 

                 
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■てんさい。
 


セッティングの時点から、幕の内側ではカルトが司会者となり、メンバーたちを雑談で煽れば、セッティングの様を言葉で中継していた。転換中も楽しませる、そのサービス精神がてんさい。流のエンジョイスタイル?!

華やかで開放的な音色と荒ぶり疾走する演奏が混在しながら喧騒派手な世界観を描き出す。てんさい。は『夢見ガチ村☆ふぁっきん少女』を届け、冒頭から会場の中へ浮かれ騒ぐ楽しい宴の様を描きだした。熱く煽るカルト、彼の高揚した感情を、さらに盛り立てる派手で豪快な演奏。常識なんかぶっ壊し、楽しい宴の中で気持ちを暴走させろ。そんな風にてんさい。は煽りかけてきた。

突き上がる無数の拳、『傾奇ブルース』へ触発され、何時しか大勢の人たちが手拍子をしながら浮かれていた。「踊ってちょーだい」、カルトの声と演奏へ導かれ、羽目外しはしゃぎ騒ぐ観客たち。同じ騒ぐでも、気合いを入れるのではなく、心リラックスし、気持ち跳ねるまま宴に身を投じてゆく。その楽しみ方をてんさい。は伝えてくれた。

「あなたたちが一つになれたら、その瞬間、僕はお尻をだします」。こいつら、いい感じでぶっ壊れてんな。『俺is俺』では、今のシーンには珍しいメンバーコールを投影。煽る演奏に合わせ、右へ左へモッシュし、高く跳び続けるファンたち。シモネタも飛ばしながら、てんさい。は会場中を巻きこむ宴の様を作りあげてゆく。そのノリへ共鳴し、大騒ぎする人たち。同時に、引きまくる一部の人たちも…。ちなみにカルト、この日は半ケツ状態でお尻を見せていた。

「踊れ!!」、てんさい。流の音頭ナンバー『クソワロタ音頭』の登場だ。ハードコアな演奏と音頭のビートを巧みに融合。観客たちを徹底した煽り地獄へ導けば、随所に音頭を取り入れ、浮かれ騒ぐ様もしっかりと描き出す。このはちゃめちゃさこそが、常識を軽く逸脱したてんさい。らしさ?! むしろ、このノリに巻きこまれ、頭からっぽにはしゃがなきゃもったいない。

フロアーの真ん中を開けるカルト。ギターの那央弥が客席に飛び込み奇妙な踊りを披露。その流れを受け、てんさい。は最後に『センパイの彼女』をぶち噛ました。派手な、挑発的な演奏を通し、この空間を、理性の壊れた人たちの踊りはしゃぐ宴の様へてんさい。は塗り上げてゆく。カルトの声に触発され、右へ左へ踊り騒げば、手にしたタオルをくるくるまわし、螺子の壊れた人形のように思いきり飛び跳ねる人たちの姿の波がフロアー中へどんどん広がっていた。予測のつかないはちゃめちゃなライブをぶち噛ますてんさい。、こういうアバンギャルドな存在は貴重かも。

[SET LIST]
1.夢見ガチ村☆ふぁっきん少女
2.傾奇ブルース
3.俺is俺
4.クロワロタ音頭
5.センパイの彼女


              
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■シェルミィ
 


これから何かが起きそうな予感を覚える厳かな幕開けだ。豹の歌を合図に、楽曲は『御礼参り』へ。轟音渦巻く演奏が炸裂。サビでは、幽玄な雰囲気も醸しだす。巧みに緩急を効かせ、激しさと幻惑な世界観を曲の中に描きながら。その演奏の上へ人を心地好く惑わす艶めいた歌を豹は塗り重ねてゆく。なんて不思議な、でも、熱狂もしたくなる楽曲だ。その不可思議で奇天烈な様が、とても特徴的だ。

「常識なんか覆してやれ」の言葉を合図に飛び出したのが、『ファッションマイスリー』。熱を持って爆走する演奏と和要素やおどろおどろしい音色も加えた同期音が妖しく混在。その上で、豹が胸を熱く揺さぶるインパクトの強い歌をぶち噛ます。いや、豹の歌声自体が雅で幻惑的な香りをまとっている。その妖しい雰囲気と豪快に攻める演奏との融合が、独創的な世界観を描き出す要因だ。人の隠したい気持ちをチクチク刺激する痛烈て皮肉満載な歌詞も、最高じゃない。

「アメダマを頂戴」のコール&レスポンスが続く場内。どうしようもなく満たされない人たちの心を熱狂で開放し満たすように、シェルミィは『フラッシュバック炉利ポップ』をブチ噛ました。ポップな表情も携えながら、その実、楽曲は轟音響かせ爆走し続けてゆく。何時しかフロアー中の人たちが大きく手を振りかざし、頭を振り乱し、シェルミィの作り出す喧騒の中で浮かれ騒いでいた。豹の「飴玉をちょーだい」の声に合わせ折り畳みしてゆく光景、その宴はどんどん狂乱を増してゆく。「あー、おかしくなりそう」と叫ぶ豹。でも、その様こそが何よりも楽しいということの証明だ。

熱い手拍子に導かれ飛び出した豪快爆裂和風ナンバーの『噂』でも、フロアー中の人たちが全力で舞台上へ熱をぶつけていた。互いに挑みあいながらも、しっかりと熱を分かち合う。その関係性が最高じゃない。

最後にシェルミィは、世の中の不条理さや押し殺した悲しみを歌に投影した『優しい世界』をぶつけてきた。荒れ狂う演奏へ激しく寄り添うように舞い踊る無数の扇子や手の花が、フロアー中を覆い尽くす。すべてのわだかまりを霧散するように、シェルミィは熱狂と狂乱を通し、観客たちの心を痛い鎖から解き放っていった。それが、シェルミィ流の優しさだと言うように…。

[SET LIST]
1.御礼参り
2.ファッションマイスリー
3.フラッシュバック炉利ポップ
4.噂
5.優しい世界


              
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■BabyKingdom
 

 

「飛ばしていこうぜっ!!、全員で一体感を出していこう!!」、咲吾の煽りに続き飛び出したのが『ハイカラ』だ。とてもポップでチャッチーな、胸くすぐるJ-POP要素満載な歌メロだ。でも、演奏へはしっかりギター音を歪ませた激しいノリを投影。つかみを持った歌なのに、身体は楽曲に触発され騒がすにいれない。事実、会場中の人たちが、大きく手を揺らしたり、拳を突き上げ、飛び跳ねてと、多彩に表情を変えてゆく楽曲へ身を預け夢中ではしゃいでいた。BabyKingdom、やるじゃない。なんて無我夢中な楽しさをプレゼントしてゆくバンドだろう。

「欲求不満の全女子に捧ぐ」『カマッチャイナ!』では、会場中の人たちが羽根扇子から和扇子、手扇子などを駆使し、場内に華やかな舞い踊る光景を描きあげてゆく。「かまってもっと、かまってもっと、かまっちゃいな」と歌う咲吾に合わせ踊る様が最高に楽しいじゃない。意識を無条件でアゲてゆくBabyKingdom流のハッピーパーティチューンに合わせ、心無邪気にはしゃげばいい。むしろ、もっともっとかまって欲しい。いいよね、この手のパリピ気質なヴィジュアル系バンドって。

「ヴィジュアル系バンドたるもの、世界観って大切だと思うんです」…ベースのもにょを見てて、その言葉に納得だ。
 『僕DRIVE』では、咲吾の「折り畳め、タオルを」の言葉に合わせ、会場中の人たちが頭上高く掲げたタオルを振りかざしだした。触れた瞬間から、気持ちがウキウキ弾みだす楽曲へ触発され、何時しか会場中の人たちが、BabyKingdomの導きに合わせ、タオルを振りまわせば、身体とタオルを折り畳んだり、その場で走ったりと、メンバーらと一緒に、この空間の中で思いきり楽しさを共有していた。それ以上に、超キャッチーな歌に触発され、ウキウキとした、わちゃわちゃとした楽しい気分がガンガンに沸き立ち続けていた。

夏にしか演奏しない『ライドンザビーチ』は、超ファンキーでアゲアゲなBabyKingdom流サマーパーティチューン。ヴィジュアルシーンでは珍しい、会場へ灼熱の太陽を連れ出す楽曲だ。咲吾の振りに合わせモンキーダンスに興じれば、開けっ広げに弾けた曲調へ刺激を受け、大勢の人たちが夏のビーチでディスコ気分を味わう感覚で踊りはしゃいでいた。でも、素敵じゃない。この超アッパーで明るいパーティなノリがさ!!

最後もBabyKingdomは、キャッチーな歌でハートをガチっとつかんで離さない『Heart Beat』をプレゼント。折り畳みや手の花を咲かせてと、ヴィジュアル系特有のノリではしゃぎながらも、明るさ100%な世界観の中、誰もが無邪気に夢中で楽しく騒ぎまくっていた。触れた人たちを、何時しか満面の笑顔で満たしてゆく、その楽しさを届けてくれるのがBabyKingdomのライブなのは間違いない。

[SET LIST]
1.ハイカラ
2.カマッチャイナ!
3.僕DRIVE
4.ライドンザビーチ
5.Heart Beat


              
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■JILUKA
 

 

最近では「stylish wave」のトリが定位置になりつつあるJILUKA。「しょっぱなからぶっ飛ばしていくぜ!!」、Rickoの言葉に相応しい光景が、冒頭からフロアー前に起きていた。

「暴れようか」、重轟音轟かせ豪快に飛び出した『Hellraiser』に触発された観客たちが、前へ前へと押し寄せ全力で暴れ倒す。その熱気に負けじどころか、凄まじい演奏と雄叫びを上げ観客たちを圧倒してゆくメンバーたち。バトル描き出す様こそ、JILUKAのライブに相応しい風景だ。

熱い手拍子沸き起こる場内。「この会場をすごい熱気で満たしていこうぜ、ぶちアゲろ!!」、Rickoの言葉に続いて飛び出したのが、爆裂ナンバー『Raison d'etre』だ。己の存在理由を示そうと全力て頭を振り、思いきり飛び跳ねる観客たち。その様を見ながら、ニヤッとした笑顔を浮かべつつもソリッドな音の塊を次々と撃ち放つJILUKAのメンバーたち。互いに「生きている」存在証明を提示しながら、JILUKAも観客たちも、この会場に凄まじい熱風を巻き起こしていた。

舞台上へ向け、観客たちが絶叫と拳をぶつけてゆく。その様を見てベースのBoogieが、ギターのSenaがお立ち台に上がり、「もっと来いよ!!」と演奏を通し煽り続ける。Rickoのスクリーモを合図に楽曲は『Screamer』へ。凄まじい絶叫が飛び交う場内。その叫びを糧に、伸びやかな歌と激しいシャウトをぶつけるRicko。感情と感情を、気迫と気迫をぶつけあう最高の光景がそこには広がっていた。

「全員でぶっ壊れていこう!!」「何もかも忘れて、頭の螺子なんでぶっ壊してさ、思いきり楽しんでいこう」。Rickoの言葉、その後に続くスクリーモを合図に、楽曲はラウドでエクストリームな『Lethal Affliction』へ。凄まじい音の攻撃に対抗するには、無我夢中で騒ぐだけ。そこで生み出される熱が気迫となり、この会場へ熱気や熱狂を生み出してゆく。それ以外に何が必要だ。馬鹿になるくらい無邪気に暴れ倒す、それが答えだ。それこそが、JILUKAのライブに必要な熱狂の手形だ。

美しく壮麗な幕開け。Rickoの、胸を熱く揺さぶる感情的な歌声が響き渡る。その声に轟音渦巻く演奏が折り重なった。楽曲は、シンフォニックでプログレッシブな『Crossing Fate』へ。激しい演奏の中へ描き出す美しくドラマチックな展開と、胸をキュッと揺さぶる歌に心が惹かれてゆく。激とメロ、2つの表情に触発された観客たちは、拳を突き上げたり大きく手の花を咲かせながらも、その歌をしっかり胸の内側に抱きしめていた。

最後にJILUKAは、滾る血をさらに熱しきろうと『Bloodshot』をぶつけ、会場に熱狂のトルネードを作りあげた。凄まじい勢いで爆走する演奏、その勢いに負けじと左右にモッシュをぶち噛ましたりなど、思いきり飛び跳ね騒ぎ狂う観客たち。最後までJILUKAは熱風を巻き起こしながら、イベントの最後を飾るに相応しい様をしっかりと描き出していた。

[SET LIST]
1.Hellraiser
2.Raison d'etre
3.Screamer
4.Lethal Affliction
5.Crossing Fate
6.Bloodshot


           
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■「stylish wave CIRCUIT'18 夏の陣"今宵狂乱"」スタート!!

「stylish wave CIRCUIT'18 夏の陣"今宵狂乱"」は始まったばかり。この勢いを持続したまま、イベントは8月25日に高田馬場AREAで行われるファイナル公演まで続いてゆく。短い期間の中で立て続けに行われるイベントのように、同じバンドを何度も味わうファンたちも多いだろう。同じ楽曲のセットリストを微妙に変えただけの安易な内容を届けるバンドたちから、1公演ごとに演奏曲を変え、毎回新鮮な表情を見せてゆくバントたちまで、どう中身を形作るのかはバンド次第だけに、こちらが注文をつけるのは筋違いになるのだが、短期間の中で同じバンドを立て続けに観るなら、定番も味わいつつ、毎回のライブに新しい発見をしたい気持ちがあるのも事実。その辺がどう描かれるのかも含め、「stylish wave CIRCUIT'18 夏の陣"今宵狂乱"」シリーズを楽しんでいただけたら幸いだ。

TEXT:長澤智典

 


 

▶NEXT EVENT

stylish wave CIRCUIT '18 夏の陣"今宵狂乱"


7月8日(日) 渋谷REX
出演:JILUKA / シェルミィ / BabyKingdom / マイナス人生オーケストラ / てんさい。 / ハクビシン / メリーバッドエンド

7月15日(日) 新横浜NEW SIDE BEACH!
出演:JILUKA / シェルミィ / マイナス人生オーケストラ / まみれた / IGGY / メリーバッドエンド / ジグソウ

7月21日(土) HEAVEN'S ROCK さいたま新都心VJ-3
出演:JILUKA / シェルミィ / マイナス人生オーケストラ / まみれた / IGGY / ハクビシン / ジグソウ

7月28日(土) 仙台MACANA
出演:JILUKA / シェルミィ / BabyKingdom / IGGY / ハクビシン / ジグソウ

8月4日(土) 大阪MUSE
出演:JILUKA / Vexent / シェルミィ / BabyKingdom / てんさい。/ 未完成アリス / Leetspeak monsters

8月5日(日) HOLIDAY NEXT名古屋
出演:JILUKA / Vexent / シェルミィ / BabyKingdom / てんさい。/ 未完成アリス / メリーバッドエンド

8月25日(土) 高田馬場AREA
出演:JILUKA / Vexent / シェルミィ / DAMY / BabyKingdom / てんさい。 / 未完成アリス

OPEN 16:00 / START 16:30
前売り ¥3,800 / 当日 ¥4,300(tax in)
オールスタンディング、入場整理番号有り
*ドリンク代は各会場ごとに異なります
主催:JVK 企画:club Zy. / club Zy.チャンネル 制作:com agent 
協賛:ESP Entertainment Group 協力:Gab. / club Zy. MAG

 

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