宏崇(R指定) ロングインタビュー 第1回(全4回)「バンドをやりたい、バンドをやりたいと思っていながら結局できなくて、1人でひたすらX JAPANのコピーをして、ずっと家で弾いていました。」
R指定が掲げた9つの題材を実践してゆく「-苦執念企画-此の子の九つのお祝いに」の内容もすべて公開、1月8日の豊洲PIT公演でファイナルを迎える。まさに今、佳境へ突入しているR指定のメンバーをつかまえ、「-苦執念企画-此の子の九つのお祝いに」をやり続けての想いを伺った。
撮影:菅沼剛弘 / インタビュー:村上孝之
Photographs by Takehiro Suganuma / Interview by Takayuki Murakami
バンドをやりたい、バンドをやりたいと思っていながら結局できなくて、1人でひたすらX JAPANのコピーをして、ずっと家で弾いていました。
――今回のインタビューでは、宏崇さんの人となりやドラマー像などについて迫らせていただきます。まず、幼少期はどういう家庭で育てられた、どんな子供でしたか?
宏崇 家庭は、もう全然普通という感じでした。父親も母親も特に厳しくもなく、すごく甘やかすということもなくて。いいことをすると褒められて、悪いことをすると叱られるという、本当に普通の家庭でしたね。ただ、幼稚園の頃の僕は、すごく泣き虫だったんです。幼稚園とかで、ずっと泣いている子が、たまにいるじゃないですか。自分がそれでした。泣いて、動かないヤツ(笑)。運動会の行進のときに、なぜか泣いて動かなくて、引きずられるという(笑)。
――そういう子、いましたね(笑)。その頃は、内向的だったのでしょうか?
宏崇 多分そうだと思います。もともと人見知りだったし、親の転勤で引っ越すことが多かったんですよ。それで、内向的な性格になったんだと思う。他に原因があったとしたら、もう自分ではわからないです(笑)。それに、泣き虫だったのは幼稚園に入った最初の1年くらいで、その後は普通の子になったんですよ。なぜ、それまでは泣いていたのかわからないし、なぜそれが止まったのかもわからないですけど。
――幼少期に多い謎の一例といえますね(笑)。小学生の頃は、いかがでしたか?
宏崇 活発でした。放課後とかは、いつも友達と鬼ごっことかをしていましたね。家でゲームをしたりすることもあったけど、外で遊んでいることのほうが多かった。虫を捕まえたりとか。僕の実家は福岡の宗像市というところで、すごい田舎なんですよ。激田舎で、車がないとどこにもいけないという(笑)。家の近くにコンビニとかもなかったし。そういう環境だと、子供は自然と外に出ますよね。
――いい環境で、伸び伸びと育ったことがわかります。学校の得意科目、不得意科目などはありましたか?
宏崇 得意は算数でした、完全に。数字だけの頃は大丈夫だったけど、急に変な記号とか、方程式とかが出てくるようになって、もう訳がわからなくて(笑)。算数が得意な人はこれだけ覚えればいいから簡単だと言うけど、僕はそれをどう使えばいいのかがわからなかった。数字がいっぱいあるけど、どの数字を、どこにはめるのかがわからないという(笑)。優秀だったのは体育ですね。音楽は……たぶん人並だったと思います。小学校の音楽の授業は、そんなに楽器を演奏したりしないじゃないですか。リコーダーくらいじゃないですか。だから、特に楽しくもないし、苦手でもないという感じだった気がします。
――ミュージシャンの方に話を聞くと、幼少期から音楽に親しんでいた人と、音楽には興味がなかったという人に、わりと分かれるようです。
宏崇 音楽に親しんでいたということでは、僕は小学校の6年間ピアノを習っていたんです。自分からやりたいと言ったわけではなくて、親にやらされていたので、正直嫌でした(笑)。知っている曲を弾くのはいいけど、全然知らない曲とか、「猫踏んじゃった」のメチャクチャ進化系みたいなのを弾かされたりしたんです。リズムがハネていて、めっちゃ難しいという。発表会でそれを弾かされて、“なぜ、俺はこの曲なんだ?”と思ったことを覚えている。アニメの曲を弾いたりするなら楽しかっただろうけど、クラシック系だったので、楽しいとは思えなかったです。
――なるほど。そんな少年が後に音楽やロックに目覚めたんですね。
宏崇 目覚めたというか、ロックに興味を持つようになったきっかけはX JAPANでした。小学校5年生のときに『ミュージック・ステーション』のランキングでX JAPANの「Forever Love」を見て、まず“この声は男かな? 女かな?”と疑問が湧いたんですよ。それが気になって、ちゃんと「Forever Love」を聴いてみたら、ギター・ソロがめちゃめちゃカッコよかった。それで、“おおっ!”と思って、Xを聴くようになるんです。最初は“えっ?”みたいに思ったけど、聴いているうちにどの曲も好きになって、もう昔の曲まで遡って聴き漁りました。周りには、そんなヤツは1人もいなかったけど(笑)。
――小学生ですからね(笑)。X JAPANが好きになって、自分も楽器をやりたいと思うようになったのでしょうか?
宏崇 それは、なかった。ギターとかは、一般の人は買えないと思っていたんです(笑)。仕事として音楽をやっている人しか買えない楽器なんだろうなと。そうしたら、父親の実家に、すごく昔のアコギがあったんですよ。それで、ギターって普通の人も買えるんだ…という(笑)。そのギターをお祖父ちゃんの家から持ってきて弾いてみるんですけど、音がX JAPANとは違うじゃないですか。僕はX JAPANみたいな“ギャーン!”という音を出したいのに、“ジャンジャン”という音しかしなくて(笑)。でも、一応ちょこちょこ触ってはいたんですよ。なにか弾けるのかといったら、なにも弾けなかったですけど。
――弾けないけど、惹かれてしまうという気持ちはよくわかります。ということは、最初はギターから入られたんですね。
宏崇 そうです。僕は高校を卒業するまで、ずっとギターを弾いていたんです。
――えっ、そうなんですか?
宏崇 はい。X JAPANから入ってドラムというと、みんな「YOSHIKIさんだね」と言うけど、違うんですよ。「Forever Love」のギター・ソロを聴いてすごくカッコいいと思ったし、その頃は新聞しかなくて、新聞のテレビ欄に“X JAPAN”と書いてあったから観たら、HIDEさんのソロだったことがあって。そのときに「Beauty & Stupid」をやっていて、この人カッコいいなと思ったんです。だから、やりたいのはギターだった。
――高校卒業するまでということは、長い間ギターを真剣にやっていたことになりますね。ギターで、バンドもされていましたか?
宏崇 バンドをやりたかったけど、人がいないんですよ、田舎だから(笑)。中学のときは、できたんです。中学生になると、みんなモテようと思って楽器を触るじゃないですか。それで、中学の文化祭はバンドをやったんですけど、高校ではバンドを組めなかった。僕はX JAPANのコピーバンドをやりたかったのに、ちょうど洋楽のブームがきてしまって、みんなレッド・ホット・チリペッパーズとかをやっていたんです。それで、バンドをやりたい、バンドをやりたいと思っていながら結局できなくて、1人でひたすらX JAPANのコピーをして、ずっと家で弾いていました。高校の文化祭で、予選まではいけたことがあるんですよ。でも、なぜか……理由は忘れたけど、落とされたんですよね。たしか、メンバーの誰かのシャツの第一ボタンが開いていたとか、そんな程度のことだった気がする。“ちょっと、考えてくださいよ。わざと開けているわけないでしょう”という(笑)。
――自分が通っていた高校もうるさかったので、わかります。ちょっとしたことで、「風紀を乱す」とか言われるんですよね。
宏崇 そう(笑)。そういえば、文化祭の予選のときに、エフェクターとかをカバンに入れて、教科書を全部忘れたことがありました(笑)。学校に着いてから気づいて青ざめるという(笑)。それくらい、気持ちが文化祭にいっていたけど本番には出られなかったというのが、ほろ苦い思い出になっています。
第1回|第2回|第3回|第4回
※第2回は1月16日更新予定
INFORMATION

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開場16:00/開演17:00
出演:R指定 / ミオヤマザキ
チケット:¥5,000(ドリンク代別)
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怪帰大作戦〜新春見世物地獄
1月20日(日) 大阪・味園ユニバース
開場14:00/開演15:00
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チケット:前売¥4,590 / 当日¥5,100(ドリンク代別)
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黒服限定GIG『ブラックアウト〜黒焦げジンギスカンの悪夢〜』
1月24日(木) 札幌KRAPS HALL
開場18:00/開演18:30
チケット:前売¥4,860 / 当日¥5,400 税込・ドリンク代別
※5歳以上チケット必要
R指定札幌限定特別単独公演
白服限定GIG『ホワイトアウト2〜したっけ村の祟り〜』
SOLD OUT!!
1月25日(金) 札幌KRAPS HALL
開場18:00/開演18:30
チケット:前売¥4,860 / 当⽇¥5,400 税込・ドリンク代別
※5歳以上チケット必要
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『チケ発大戦争~反逆のハロウィンナイト3~』開催決定!!
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*詳細近日発表
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