INTERVIEW

the Raid. ロングインタビュー 第1回(全4回)「今までこの業界で当たり前とされていたスタイルではなくやっていこう。その一つの方法論が「デカ箱リクエストONEMAN TOUR」でした。」

the Raid.

 

114日の豊洲PIT公演でthe Raid.が発表した新たな展開、それが「デカ箱リクエストONEMAN TOUR」。ファイナル公演は、2020329日の中野サンプラザ。1112日には最新シングル「殺したくなるほど誰かを愛したことはありますか?」も発売。今回は、the Raid.の新たな動きについて5人に話を聴いてきた。

Interview:長澤智典 Photo:菅沼剛弘 Hair&Make:稲田あい子 Costume&Styling:Shino(DRESS en DORIS)

 

 

今までこの業界で当たり前とされていたスタイルではなくやっていこう。その一つの方法論が「デカ箱リクエストONEMAN TOUR」でした。


――豊洲PITの公演で次の展開を発表。それが、「デカ箱リクエストONEMAN TOUR」。これは、どういう発想から生まれたものなんですか?
 

bo_ya これまでにもthe Raid.は「47都道府県ツアー」を何回か回らせてもらえば、47都道府県までは行かずとも大規模なツアーを何回も経験してきました。もちろん、細かくまわるツアーも大事だし、それを続けるのも良いことなのはわかるけど。各地での手応えが大きくなるたびに、一個一個のステージの規模を上げるというか、今よりもおっきい箱へ挑戦していきたい気持ちがバンド内にも芽生えてきました。その気持ちをメンバーみんなが感じ、抱えている中で星七が提案したのが、今回の「デカ箱リクエストONEMAN TOUR」でした。

  the Raid.がすべての運営を自分らでまわしていることはみなさんもご存じだと思うんですけど。そこを前提に踏まえてのことですが、時間の使い方ってバンドによっていろいろ違うと思います。僕らに関して言うなら、ほとんどの時間をthe Raid.に注ぎながら。とくに今年は、ほぼ全部の時間をthe Raid.の活動へ費やしています。とくに豊洲PITへ向けての期間中は、本当に休む暇もなくメンバー全員頑張っています(取材時点では、まだ47都道府県ツアー中)。

 

――確かに、そうだね。 

bo_ya これまでのthe Raid.は、「日本全国のみんなに出会うことを何よりも大切に」という想いから細かく会いに行くことを大事に、全国ワンマンツアーを中心に据えた活動をしてきましたけど。ツアーを活動の中心に置くことで、制作など他のことを行う時間が奪われることも多くなり、どうしてもライブ以外に割ける時間が限られてしまうんですね。もちろん僕らは、その中でも一切手を抜くことなく全力でぶつかり続けているわけですけど。

  今回、豊洲PITという場所を経験することや改めて短期間で47都道府県をまわったことで、細かくまわることも大事だけど、その中でもとくに支持の高い場所を中心に、そこの場所でもう一つ上のステップを踏むための挑戦をしたいなと思いました。その気持ちを反映し星七が提案したのが、いくつかの地域に分け、その地域の中でとくに大きい箱。いわゆるデカ箱へ挑戦し、全国から東京に集めるのではなく、その地域の人たちを、その地域の中でもとくに推したい場所へ集めようという今回の企画でした。しかもその地域の中、「うちの地域にも来て欲しい」というファンたちからの投票を集め、投票の中で一番票数の多かった地域にもライブをしに行こうと決めました。

 

――その発想が面白いよね

bo_ya これまでは47都道府県すべてへ平等に力を注いできましたけど。あえて今回はステップアップした場所を絞り、そのうえで空いた時間を他のいろんな活動に割いていこうという想いもあって、こういう方法を選びました。

 

――むやみやたらと「47都道府県ツアー」を繰り返してもどうなのかという疑問も、メンバーの中にはあったのでしょうか。

bo_ya もちろん、会いに来てくれるみんなのところを細かくまわることはこれからも大事にしたい理念の一つですけど。The Raid.の活動も8年目のように、いろんなバンドさんがやっているのと同じような活動ばかりを真似てやっていて果たして良いのかと。

  長くバンド活動を続けるうえで、作品をリリースし、その作品を手にツアーをやってという流れを繰り返し続けることが大事なのもわかります。ただ、the Raid.に関して言うなら、完全自主で活動をしているからこそ、CDの販売方法やイベントの開催スタイルなども、今までこの業界で当たり前とされていたスタイルではなくやっていこうともいろいろと策を練っています。そういう定められた暗黙のルールさえthe Raid.は壊していけたらなと思って活動をしている。その一つの方法論が、「デカ箱リクエストONEMAN TOUR」だったわけなんです。まさにこれぞ、the Raid..だからこそ出来る新しい展開だなと思っています。

 

――確かに。

bo_ya もちろん、これからも「47都道府県ツアー」は大事にしていきます。だけど、それをふたたびやる前に、いろんなことへ挑みたいのが今のthe Raid.なんですよ。

 

 

「デカ箱」と言ってるように、そう宣言することで、僕らの気持ちをより強く引き締めてゆく面はありますね。

 

――他のメンバーも、bo_yaさんの語った気持ちと一緒だ。

由羽  もちろんです。

 

――ライブ本数を絞ったほうが、一本一本のデカ箱へ挑戦してゆく気持ちの集中度も高まっていくわけだし。

由羽  そうですね。確かに今回、ワンランク上のライブハウスに絞ってはいますけど。どんな大きなデカ箱だって、どんなに小さな箱だって、そこでライブをやる気持ちはぜんぶ一緒なんですよ。お客さんが集まって、俺らがライブをするという姿勢は何処の場所や箱でも同じこと。ただ、お客さんらに「デカ箱」と言っちゃってるように、そう宣言することで、僕らの気持ちをより強く引き締めてゆく効果もありますからね。

 

――今回選んだ場所は何処も、その地域の中でとくに動員の多い場所ですよね。

由羽  そうです。

 

――でも、九州は福岡ではなく熊本なんですね。

由羽  そこはテンシの生まれ故郷ということで。

テンシ  九州地区の中で熊本を選んでもらえたのは嬉しいですね。熊本公演も、いつもなら熊本DRUM Be-9 V2という3つある箱の中箱でやっているんですけど。今回はワンステップ上がって一番デカ箱の熊本DRUM Be-9 V1でやれる。以前からV1に立つのは一つの目標にしていたことだったんで、それを実現出来ることが嬉しいですし、やるからにはしっかり会場を埋める気持ちでやります。

 

――一陽さん、ワンランク上の展開を組み出したことについてはどんな気持ちですか?

一陽  僕らが前々回にやった「見栄と現実」ツアーの、まさに「見栄」ツアー時の箱でやっていたときと同じか上のキャパシティになっているように、一本一本の重みはより感じています。だからこそ、一本一本のライブをしっかりこなさないとあかんなという気持ちですね。

 

 

テンシの家と書かれたら、テンシの家に行きます。

 

――今回の「デカ箱リクエストONEMAN TOUR」のシステムのことを、改めて教えてください。

由羽  今回、最初に決めた場所が幾つかあるんですけど。たとえば北海道という地域を取っても、本当にバカでかいじゃないですか。ライブハウスだって札幌以外にもいろんな場所にあるし。札幌公演に関しても、電車で何時間もかけて観に来てくれる道民の方たちも大勢います。だからこそ投票制にして、投票が一番多かった場所のライブハウスへ足を運びたいなと思って。

  北海道に関しては、とくに場所は指定していませんけど。中国地方だったら広島に行きますよね。そこの会場へ足を運んでくれた人たちに、あらかじめ定めた鳥取・島根・岡山・山口の中「他の場所でthe Raid.を観るとしたら、何処で観たい?」とアンケートを取り、一番投票の多かった場所へ次に行くんですよ。しかも、その日に集計して、その日に行く地域も発表。もちろん、その後すぐに日程と場所抑えに入ります。そうやって、それぞれの地域ごとにお客さんらとキャッチボールしていけたら面白いなと思っています。

一陽  たとえば九州だったら、佐賀県がその日200票だったら佐賀県に行きます。つまり、その日の投票数によって次の同じ地域でやるライブ会場を決めるということです。

 

――最初に指定した会場のライブに足を運んだ人たちが、次のライブ会場も決めるということですね

由羽  そうです。テンシの家と書かれたら、テンシの家に行きます。

テンシ  ありえるかも知れない。

由羽  それは、ありえへんって(笑)

 

――お客さんたちも、自分らの地域へ来てもらいたいなら、まずは定められた地域の会場に足を運んで投票しようよということだ。

由羽  そういうことです。

 


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<the Raid. インフォメーション>

 


ー 各メンバーが選ぶ思い入れのある箱TOUR 

11/12(火)大阪MUSE【大阪】⇒ 由羽

11/14(木)名古屋HOLIDAY【愛知】⇒ bo_ya

11/25(月)柏PALOOZA【千葉】⇒ テンシ

11/28(木)小倉FUSE【福岡】⇒由羽

12/4(水)仙台HooK【宮城】⇒星七

 

ー デカ箱リクエストTOUR ー 

■12/14(土)熊本DRUM Be-9 V1[熊本]

■12/28(土)札幌cube garden[北海道]

■1/5(日)仙台darwin[宮城]

■1/11(土)広島VANQUISH[広島]

■1/12(日)梅田TRAD[大阪]

■1/18(土)金沢EIGHT HALL[石川]

■1/19(日)新潟NEXS[新潟]

■1/25(土)高松GET HALL[香川]

■1/26(日)浜松窓枠[静岡]

■2/2(日)名古屋ボトムライン[愛知]

■2/24(月祝)渋谷WWW X [東京]

<TOUR FINAL>

2020年3月29日(日)中野サンプラザ【東京】

 

 ー その他ワンマンライブ 

12/13(金)福岡DRUM LOGOS【テンシ生誕】

12/25(水)渋谷WWW【クリスマス特別公演】

12/31(火)梅田バナナホール【カウントダウン】

1/30(木)マイナビBLITZ赤坂【由羽生誕】

 

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