Interview：長澤智典　Photo: 菅沼剛弘　Hair&Make: izabella　Costume&Styling: creative works Velonyca

ハロウィンの日、ライブが終わったあと、そのときの格好のまま街へ繰り出したことがありました。

 

――まずは、最新シングル「過食性障害嘔吐/グルーミーパペットミスフィッツ」についていろいろ聞かせてください。

豹：最初に考えて出したテーマが、「過食」と「ハロウィン」。衣装面でも、ハロウィンに似合う世界観を設定した中で制作を始めたのですが、レコーディングを進めていく中、「こうした方がいいんじゃないか」「ああした方がいいんじゃない」とメンバーの中からいろんな意見やアイデアが出たことにより世界観もどんどん広がりだし、結果、今回の「過食性障害嘔吐/グルーミーパペットミスフィッツ」という両A面シングルという形になりました。

 

――二つのテーマ設定がシェルミィらしいというか、冴えていますよね。

豹：そう言われると嬉しいですね。今回両A面にしたのも、2曲とも勝負が出来る曲だなと思ったことからその形を取らせていただきました。

 

――先に「グルーミーパペットミスフィッツ」の話から進めますが、この楽曲、昨今の、ハロウィン時期に渋谷の街中で起きている様子をかなり皮肉った内容にして書いていません??

豹：そうですね(笑)。そんな感じです。

 

――みなさんも、あのお祭騒ぎの中へ参加した経験が??

豹：ハロウィンで騒ぐ人たちがいる街中へ、同じように仮装??をした格好で参加した経験はあります。ただし、それは大阪時代の話であって、渋谷のハロウィン時期に、まして仮装をして遊びに行ったことはないです。

 

――さすがに渋谷のバカ騒ぎに参加する気はないと。

豹：いや、興味はあるんですけど。その時期やハロウィン当日は毎年何かしらスケジュールが入ってて、行きたくても行けない。

 

――バンド活動をやっていると、ハロウィンの時期にはいろんなライブへ参加する機会が増えますからね。

豹：そうなんです。

 

――みなさん、仮装して参加までは行かなくとも、街中の騒ぎっぷりを観に行くなどもしないんですか??

凌央：いやー、ないっすね。豹も言ってたけど、まだ大阪に住んでいた頃に街中での騒ぎっぷりを観に行ったことがあるくらいで。

 

――それは、何年くらい前のこと?

爻：多分、みんな同じ時期だよね。

凌央：うん、同じくらい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

豹：だと思います (笑)　

友我：あのイベントのときだ。そうか、あのときはみんな一緒だったんだ。

豹：ちょうどハロウィンの日に、みんなが仮装してライブをやるイベントがあって、そこにみんな仮装をして出てたんですよ。そのライブが終わったあとに、そのときの格好のまま街へ繰り出したことがありました。

友我：あのときはまだ、みんな違うバンド。たまたまこのメンバー全員がそれぞれのバンドでイベントに出ていて。それで、イベント後にみんなで仮装姿のまま街へ繰り出しました。

 

――それってけっこう前ですよね。その頃から、街中に仮装している人たちが繰り出していたんですね。

爻：なんか、人がめちゃくちゃ多かったですね、

 

――みなさん、当時はどんな格好をしていたんですか?

爻：それはちょっと…(笑)

 

――言いたくないと??

豹：いや、言えますけど。僕は、R指定のマモさんのコスプレをしていました(笑)

凌央：僕だけ、街へ繰り出したときは私服でした。

爻：あっ、そのときはもう仮装は辞めてたんだっけ?

凌央：その日のライブのヘアメイクが、あまりにも理想と違いすぎてて。

爻：あー、なんか言ってたの思い出した!!

凌央：なので、ライブを終えたら即効でヘアメイクを全部落として。でも、みんなにくっついて行きながら美味しくお酒でも呑めたらいいかなぁと思い、俺だけ私服に着替えてみんなの後を追っかけていきました。

 

――ライブの時には、どういう仮装をしていました?

凌央：ライブの時は「ワンピース」のキャラクターでしたね。当時の俺は、爻くんのバンドのサポートをしていたんですけど。そのときのバンドメンバーの人らから「ハロウィンのイベントに出るときみんなで「ワンピース」の仮装をするから、好きなキャラの衣装を用意しといて」と言われ。

爻：そうだった(笑)。

豹：けっこう、投げっぱなしな感じだ。

友我：サポートメンバーなのに、「自分で買っといて」扱い…。

豹：むしろ、サポートメンバーなのに仮装をさせるっていう(笑)。

凌央：そう、「「ワンピース」のキャラであれば自由にやって」と投げられて(笑)。

 

――じゃあ、爻さんも「ワンピース」のキャラクターの格好をしたわけだ。

爻：僕も「ワンピース」の仮装をやりましたね。と言っても僕自身がレアキャラ好きなことから、漫画の中でも隅っこへちょこっと描かれているような、「そのキャラ知ってるなんてレアだね」的なキャラクターの仮装をしていました。

 

――あえてレアキャラを狙うところが爻さんらしいですよね。

爻：あえて、そこを狙いましたね。みんなと写真を映るときも、あえて隅のほうでちっさく写るようにと自分から遠のいて撮っていたように、そこも忠実に再現させてもらいました。

凌央：今でも彼自身がレアキャラのように、昔も今もそこの立ち位置は変わってないですからね(笑)。

 

――爻さん、自分の活かし方をすごくわかっていらっしゃる。

爻：それこそが僕らしい生き方かなと(笑)。

 

――友我さんはどんな格好をしてました??

友我：僕は、X JAPANのhideさんのコスプレをしていました。

 

――豹さんと友我さんは、バンドマンの仮装をしていたんですね。

友我：そうでした。

豹：なんで、そうしたんやろな？

友我：そりゃあ、お客さん向けに有名バンドさんの格好をしたり、その曲をその格好で演奏すると余計にイベントが楽しくなるからって理由じゃない？もう覚えてないけど(笑)。

 

――ハロウィンライブとはいえヴィジュアル系バンドたちのイベントのように、バンドマンの仮装をするのも当たり前と言えば当たり前ですよね。

豹：そうですよね。ただ、その格好で街中にも繰り出したように、まずキャラが被ることはなかったという(笑)。

 

 

自分もハロウィンのお祭騒ぎは別に嫌いじゃないんで。ただ、それを客観的に捉えている人の視線で歌詞は書きました。

 

――「グルーミーパペットミスフィッツ」の歌詞は、ハロウィン時期の渋谷の喧騒もそうですが、ハロウィン時期に街中でバカ騒ぎをする世の中の人たちのことも巧みに皮肉っていますよね。

豹：そうなんですけど。ただ、そこまで否定はしてないというか。自分もハロウィンのお祭騒ぎは別に嫌いじゃないんで。ただ、それを客観的に捉えている人の視線で歌詞は書きました。

 

――確かに、街中の風景が「グルーミーパペットミスフィッツ」からは見えてきます。しかも、酔っぱらってどんどん理性が壊れていく人たちの様までがね。

豹：そうなんです。でもそういう人は、行き過ぎるあまり人生が狂ってしまい、後でとんでもない目に遭うんで。むしろ、そうやって反省すれば良いと思ってます。

友我：でも、普通に暮らしてると仮装をする機会ってまずないから、そうやっていろんな人たちに仮装した自分の姿を見せては騒ぎたくなる気持ちもわかるんですよね。僕らヴィジュアル系のバンドマンは何時も化粧をして現実を離れた世界にいるから、逆にハロウィンの時期だからと無理に仮装する気持ちもないっていうか。

 

――確かに、そうですよね。だけど最近では、バンドマンたちもハロウィン・イベントになるといろんな仮装をしているように、どんどん懲り始めていません?

友我：確かにそうなんですけど。でも、みんな街には繰り出さないですよね。あくまでもライブハウスの中、そのイベントの中だけでやっていることなので。

 

――せっかくだから、その格好で街へ繰り出そうとは…。

友我：さすがに、今は思わないです。昔は、それを楽しんでいましたけどね(笑)。

 

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