INTERVIEW

SARIGIAインタビュー 第1回(全2回) SARIGIAが、ワンマン公演のチケットをオークションで販売した結果、賛否両論生まれたまさかの結果とは…。

1月26日(日)、池袋BlackHoleを舞台に結成2周年ワンマン公演「2nd ANNIVERSARY ONE MAN LIVE『THE SEVEN DEADLY SINS』」を開催するSARIGIA。現在、チケットは絶賛発売中。そのチケットの販売にあたり、彼らは画期的な方法を用いて世の中へ一つの提案を示した。それが「チケットをオークションに賭けること」だった。SARIGIAは、e+でのBチケットの販売に先駆け、あえて30枚のみ"先行Aチケット"としてオークションへ出品。スタート価格を1円に設定し、行った。その結果、早い番号のチケットが高騰すれば、後ろの番号ほど、本来3500円である価格よりも安くチケットを手にすることが出来た人たちも相応数現れた。
  今回の販売方法に対して、「転売商法と異なるとはいえ、新たな高額販売のやり方ではないのか」と声もぶつける人たちも。むしろ、賛否で言えば否のほうが多かったそうだ。メンバーは、転売防止の打開策として提示した販売方法だったが、これまで誰も?やってない試みだったこともあり、いろんなメリットとデメリットが生まれていた。そのやりとりの模様を、以下へ記したので読んでいただきたい。
                                                
TEXT:長澤智典

 

チケットの転売を防ぐため、チケットをバンド側からオークションへ出品!!

 

――SARIGIAは、1月26日(日)に池袋BlackHoleで結成2周年ワンマン公演「2nd ANNIVERSARY ONE MAN LIVE『THE SEVEN DEADLY SINS』」を開催します。その先行Aチケットを、これまで誰も行ったことのないユニークなスタイルで発券。それが、「チケットをオークションに賭けること」でした。まずは、その手法を選んだ理由から教えてください。

翔磨 そのアイデアを最初に口にしたのが、ギターのNatsu。彼が「2周年ワンマン公演へ向け、何かインパクトのある打ち出し方をしたい。たとえば、昨今話題になっているチケットの転売を防ぐためにも、そのチケット自体をバンド側からオークションに出し、お客さんに欲しい価格をつけてもらおうか」と言い出した言葉に、メンバー全員が「それ、面白いね」と賛同。「販売価格1円をスタート」に実践しました。

――チケットの高額転売問題は、いろんなバンドさんが抱える悩みですからね。
翔磨 そこはSARIGIAも同じで、実際にファンの方々からも「何処そこのオークションサイトで、何々公演のチケットがいくらで転売されていた」という報告が入るんですけど。僕ら自身それに対処しようにも正直難しいこと。それを、どうしても防止したかった想いもあって、今回のスタイルを試したわけなんです。

――今回、30枚のAチケットをオークション販売しました。実際の成果は、どうでした??
翔磨 1番から30番まで、30枚すべて1円からオークションをスタートする形で出品。自分たちでも予想していたとはいえ、早い番号のチケットは競り合いが多かったことから高くはなりましたけど。後ろの番号は、その後にe+で発売を始めたBチケットの3500円よりも安価な値段で競り落とされています。つまり、使い方次第ではオークションのほうが通常に設定した値段よりも安く手に出来る場合もあることを確認出来ました。

――ちなみに、一番高額と低額との差はどれくらいだったのでしょうか。
翔磨 チケットの価格に、かなりのばらつきはありました。そのうえで最高額と最低額を語るなら、1万5千円強の差がつきました。

――その結果を受け、バンド側へ外部からいろんな声が返ってきたとも聴きました。
翔磨 今回のオークションを行うにあたり、その目的も明確にWebフライヤーへ記していたとはいえ、チケットによっては通常価格以上の値上がりをしたことから「バンドがお金儲けのためにやっているんじゃないのか」という見方の反応が相応数あったように、詳しく知らない人たちからは否定的な声が多かったのは事実です。ただ、実際にオークションでチケットを手に入れた人たちからは「通常価格よりも安く手に入れられて嬉しい」という賛同の声も相応あったように、賛否の声に関しては僕らも真摯に受け止めながら、今後へ活かしていきたいなと思っています。
Natsu  実際、1/3強のチケットが定価割れしているように、こういうチケットの入手方法も、やり方次第ではお客さんに支持されるなという結果になりましたからね。
翔磨 もちろん、まだまだ解決しなければならない問題もあります。中には、入札し、競り落としたはいいけど入金されなかったり、落札者と連絡が取れなくて、再度出品にかけたチケットもあります。そのチケットに関しては、定価の半分での落札も出たように、ファンの人たちにはとてもお得だったと思います。ただ、そういう問題面も生まれてくるように、今後も「オークション」というスタイルを取る場合、その辺を解決してからだなとも感じています。

――今後も、このスタイルを取るのかは、制度の再構築などシステムを見直してからになりそうだ。
水希  そうなると思います。今回は初めての試みもあって、賛否の否のほうが多い形でしたけど。でも、このチケット販売方法が広く定着すれば、それが正義にもなるわけですからね。
翔磨 そういった面でも、やって良かった挑戦だったなとバンド側は受け止めています。
Natsu  今も、オークションへ参加したファンの人たちからいろんな意見をもらっては、今回のやり方の中でのデメリット面を浮きだしては、そこへどう対処するかも考えているように、お互いにプラスになる形が取れるなら、また改めてやるかも知れないよう、そこは自分たちでも今後へ向けて前向きに検討していきたいなと思っています。

――まさに、世の中へ一石を投じ、その審判を仰ぐスタイルをSARIGIAは実践したわけですね。
Natsu  そうなっていたら嬉しいですね。初めての試みだったように改善点はいろいろとあるように、そこは前向きに受け止めようと思っています。

――バンド活動を続けていく中、チケットの転売問題はずっとついてくるものじゃないですか?
Natsu  自分たちに限らず、そこは、いろんなバンドさんが抱えている悩みですからね。まだSARIGIAの規模であれば、高額と言っても限度はありますが、本当に規模の大きいバンドさんになると、早い番号ほど何十万という価格で転売されれば、それをビジネスにしている業者まで実際にいるし、早い番号ほどあらゆる手段を使ってでも手にしようとする意識を持つファンの子たちもいるように、そこは、バンド側としてもなんともしようがないもどかしさ。だからこそ、その環境を少しでも改善したくて行ったのが、今回の試みだったわけなんです。

 

毎回のライブごと「どれだけ、その場にいる人たちを楽しませられるか」を考えてライブも構築。

――現在、SARIGIAは1月26日に行う2周年ワンマン公演へ向けて走り続けています。SARIGIAの音楽性も、1年目と2年目ではいろいろ変わってきていません?
水希  求める視点が、1年目と2年目では変わってきましたからね。
翔磨 結成から最初の1年間は、まわりに何を言われようが「本当に自分たちのやりたい音楽性のみを徹底して追求しよう」という姿勢で活動を行なえば、SARIGIAの土台となる音楽性を築きあげることに重点を置いてきました。そのうえで活動2年目からは、ファンの人たちの求めるSARIGIA像や、シーン自体がバンドに求めている風潮なども客観的に捉え、それらをバンドとしてプラスに変えていける糧に出来るのならと、1年目に作り上げた土台の上にいろいろと経験を重ねてきました。 
水希  より、お客さんたちと「楽しさ」を共有する姿勢は強くなったよね。
翔磨 そうだね。2年目以降は、ライブのセットリスト一つを取っても、自己満足な構成ではなく、お客さんたちと一緒にどうライブを盛り上げていけるのかを考えるようになれば、毎回のライブごと「どれだけ、その場にいる人たちを楽しませられるか」を考えてライブも構築すれば、楽曲にも、それを反映させるようになったんですよ。

――バンドの広がりを作るうえで、まずは1年目にしっかりSARIGIAとしての土台を固めたかったわけだ。
翔磨 1年目の活動は、間違いなくそうでした。やはりバンドの基盤をしっかり作り上げないと、何かあったらすぐに崩れてしまいますからね。ただ、その過程の中で「とっつきにくい」「怖い印象がある」などの声もいただいてきました。だからこそ、そういう声を上手く取り入れ、バンドの変化や進化に繋げたのが2年目からの活動だったわけなんです。
アスカ  最初の1年間は、何を言われようが自分たちのスタンスを頑なに貫いていたからね。
水希  そこは、メンバー内でも誓いあっていた姿勢でした。
アスカ  もちろん、インストアのような場所では多少砕けたトークもしていたとはいえ、つねに衣装姿だったように、まずはバンドの印象をしっかり植えつけたかったんですね。それもあったのか、2年目以降、企画で女装などを行えば、緩いトークをするたびに、嬉しい驚きや親しみやすさと親密さをみなさんが覚えてくれたようで、それも良かった成果だなと思ってる。

――何処までお客さんたちと近しい距離を持つのか、そこのバランスは難しくないですか。
Natsu  そこは、常日頃からメンバーでも話しあっているところです。
水希  最初の1年間はイメージを植えつけるためにと格好つけていましたけど。今は、そこを少しずつ崩せば、変に気取ることもなく、お客さんたちともラフな関係性を築くようにしています。
Natsu  バンドも、お客さんも、互いに一番求めているのは「楽しい」なんですよね。1年目の活動ではそこのズレがあったからこそ、2年目以降はそこを共有していくことを心がけるようにもなれば、その結果、これまで以上にライブでも一体感が生まれるようになった感触も覚えています。
翔磨 お客さんたちが楽しんでいると、自分たちも楽しくなってくるからね。だからこそ、どうやってお客さんを盛り上げ、楽しませるか。まだ明確な答えは出てないですけど。そこを追求しながら活動をしているのが、今のSARIGIAなんですよ。

 

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★映像★

INSULT KISS 【Official Music Video】

 

★LIVE情報★

SARIGIA presents 2nd ANNIVERSARY前々々夜祭 完全無料ミニワンマン『1才と361日の反抗期 〜 みんなの魂いただきます 〜』
2020.01.23 [Thu] Ikebukuro CYBER
開場 : 17:30/ 開演 : 18:00
TICKET:ADV \0 / DAY \0(+D)

SARIGIA presents 2nd ANNIVERSARY ONE MAN LIVE『THE SEVEN DEADLY SINS』
2020.01.26 [Sun] 池袋BlackHole
開場 : 17:30/ 開演 : 18:00
TICKET:ADV \3,500(イープラスチケット) / DAY \4,000(+D)