INTERVIEW

団長(NoGoD)×featuring16(Jin-Machine)対談 第1回(全4回) 「久しぶりにお客さんの前に立ってライブをやったとき、間違いなくいろんな感情が沸き上がってくるんだろうなとは思う。」(団長) 「久しぶりにお客さんの前に立ってライブをやったとき、間違いなくいろんな感情が沸き上がってくるんだろうなとは思う。」(featuring16)

Jin-Machine NoGoD

お互いに、今年結成15周年を迎えた間柄。本当なら、今年15周年を迎えるバンドたちと一緒にいろんな企画を行うはずだった。が、ご存じのように「コロナ」の影響で、春からは様々なバンドがライブ活動の停止を余儀なくされた。そんな中、ネットを介しリモートワークで積極的にバンドの情報を配信し続けていたのが、結成15周年組のバンドのヴォーカリストである団長(NoGoD)とfeaturing16(Jin-Machine)だった。彼らが、ライブ活動もままならない今の時期だからこそ伝えるサバイブ法を、2人の対談という形を通してお伝えしたい。

Interview:長澤智典

 

お互い、今年結成15周年を迎えました。本当なら一緒にいろんなイベントも企画していましたが、今の社会情勢的にライブ活動どころか、春先は、バンドとして表立って動くのも難しい期間を過ごしてきました。

 

featuring16  こういう騒動がなければ、いろいろと計画はしていたんですけど…。

団長  同じく、今年結成15周年を迎えるjealkbやえんそくらと一緒に面白いイベントを行おうと計画をしていて、みんなその時期をすごく楽しみにしていたんだけど…。

featuring16  残念ながら、すべて中止になってしまいました。きっと、あのまま一緒にイベントを決行出来ていたら、「次はこういうことをやろうよ」など、一緒に過ごしている時間の中でいろんな話をしながら、「じゃあ、次はこういうことをやろうか」という話にまで発展していたのかも知れないけど。イベントの中止どころか、お互いのバンドどうしが会うこともままならない状況へ陥ってしまったから、その先の話さえ何も出来ない状態。

団長  当初は、イベントが中止になったことから、みんなで「ごめんね配信」をやろうかという話もあったけど。それ以前に、それぞれのバンドの中でもメンバーどうしで直接会うことが難しい状態へ陥ったことから、それぞれのバンドが、まずは目の前のことを…という環境になっていたからね。

featuring16  それまでに決まっていたライブも中止や延期にしなきゃいけない。バンドとして活動できない状態の中、押さえていた箱のキャンセル料など、必要な経費だけがどんどん出ていく日々。まずば、自分たちのバンドをどう進めていくかでそれぞれのバンドとも必死だったように、またみんなで一緒に何かしようという話まで意識をまわす余裕は正直なかった。

団長  ライブハウスさんによっては、バンド側からキャンセル料金を取らない箱もあったようだけど。自分らの活動の拠点となるライブハウス自体が潰れてしまっては元も子もないことから、支払うべきものはしっかりと支払いながら。加えて、箱やイベンター、事務所によってはチケット払い戻しの手数料経費もかかるなど、今も大変な状況ですからね。取材を行った6月上旬時期でも、まだライブハウスは再開できてない状態ですけど。春先は、本当に地獄のような毎日だったんじゃないかと思いますよ。

 

――それは、バンドにも言えることですよね。いかにバンドを継続させ、未来へ繋いでゆくかが大事な時期ですし、今もその環境の中にいますからね。

団長  俺自身は、ネットを通していろいろ配信をしていましたけど。Jin-Machineも、もともと映像系が強かったようにYouTubeを上手く活用をしていたよね。

featuring16  ネット放送なども積極的にやったけど。自宅から出れない状態だったように、そもそもメンバーらと会えてない環境。もうメンバーみんなで集まって音を出すことが出来なくなって、すでに4ヶ月目に入りましたからね、うちは。

団長  うちは、6月中旬よりライブの生配信を行うことを決めたように、つい先日、約3ヶ月ぶりにみんなで集まってスタジオに入って音を出した。でも、活動を止めた最期のライブの日と比べたら、やっぱ感覚は鈍ってたね。

featuring16  その感覚はわかる。じつは今、WEB SHOP限定で発売用にと新作を作っているんだけど。久しぶりにマイクの前に立って歌ったときは、気持ちに力が入り過ぎてたのか、感覚がつかめなくて「声の出し方わかんねぇ」状態へ陥ったからね。

団長  ヴォーカリストの場合、「この時期に歌うことなく喉を休めていたから、みんなめちゃくちゃ喉の調子が良くなっているはず」という話をよく聴くんだけどさ。

featuring16  確かにね。でも、久しぶりにヘッドフォン越しに自分の歌声を聴いたせいか、いまいち自分の理想と現実の差に違和感を覚えてて。それで初日は「今日は駄目だ」と切り上げて帰ったら、家に着いたとたんすっげぇ身体に疲れが押し寄せて。そのぶん、ぐっすりと寝れたんだけど(笑)。あとで、「あのときはめっちゃ力を入れて歌ってたんだ」と気づけたように、何処か感覚が鈍っていたのはあった。

団長  俺、久しぶりにスタジオに入ったとき、言われてた噂通り、喉を休めている期間が多かったせいか「すげぇ調子いいな」と思ってたんだけど。久しぶりにシャウトしたら、そのシャウトが出来なかった。というか、喉が「イテテテテ」となったように、「ちょっとのシャウトで、こんなに喉が痛くなるなんてどうしようかと思ったくらい、初めてバンドでスタジオに入って張り切ったような状態に陥ってた(笑)。

featuring16  やっぱり、リハビリは大事。とくに今は、緊急事態宣言も解除になり、世の流れ的に配信ライブを行う人たちも多くなりそうだし、自分らもそういう環境が生まれたとき、しっかりライブに向けたリハビリをしてないと、肩が痛くて上がらず、マイクを口まで持っていけないとかになってしまう(笑)。

団長  さすがにそれはないだろう(笑)。

featuring16  マイクスタンドの高さを調整し、ギュッと固定していたつもりでも、急にガクッと下がったりとかね。何時もだったら当たり前に気づくことにも気づけなくなる可能性もありそうだからね。

団長  そうだね。やたらケーブルを踏んでしまうとかね。

featuring16  前までは、ケーブルなんて絡まるものだと思っていたのに、今は絡まることに怒りが込み上げてくるとかね。

団長  今、一番怖いのが、お客さんを意識した瞬間、変に緊張してしまわないか。お客さんを前にしたライブを再開したときに「こいつらみんな野菜だと思え」状態になってたりしたら、なんか怖い(笑)。

featuring16  でも、久しぶりにお客さんの前に立ってライブをやったとき、間違いなくいろんな感情が沸き上がってくるんだろうなとは思う。

団長  そうなるだろうねぇ。

featuring16  緊張もそうだし、「やったぜ」という気持ちや嬉しさも含め、きっと喜怒哀楽いろんな感情が押し寄せるんだろうなという気はしてる。団長 「 俺らは、その怖さがあったから、NoGoDの無観客配信ライブは、通常のライブスタイルではなく、中央のカメラを囲む形でやろうと思ってる。」

featuring16 「 自分らは、通常のライブのような配信スタイルも、団長が言ってたような配信スタイルも両方試してみたい気持ちはある。」

 

――NoGoDもJin-Machineも、6月に入り、ようやくメンバーとも顔を合わせだしたと聴きました。

featuring16  この間、久しぶりに撮影をしたときに、メンバーとは3ヶ月ぶりに会いました。

団長  うちらも、約3ヶ月ぶりに入ったスタジオのときが、久しぶりにメンバー全員で顔を合わせた日。俺の場合、WEB SHOPで販売を始めたばかりのソロアルバム「凡人歌集」のレコーディングのため、スタジオでshinnoとKには会っていたけど。Kyrieとは配信で会ってはいても、直接会うのは約3ヶ月ぶりだったからね。Kyrieの場合、もともと声が小さいから配信だと何を言ってるのかわかんないんだよ。LINEなども含めてやりとりをしてたとはいえ、Kyrieとは上手く言葉の意思疎通が出来ないまま(笑)、NoGoDとして動き出したときに、すぐ新曲の制作に入れるようにと準備を続けていたんだけど。でも、やっぱし全員で顔を合わせ、そこで一緒に音を出したときはめちゃくちゃ楽しかった。

featuring16  初心に戻る感覚だ。それ、それわかる!!

団長  みんなでデカい音を出すだけで楽しかった高校生の頃のような感覚を思い出してた。

featuring16  うちはまだスタジオに入ってないんだけど。それまでは、スタジオに入って音をガーンと出すたびに、うるさすぎて「耳が痛ぇ!!」と言ってたけど(笑)。今は、その感覚を懐かしがっているからね。

団長  あと、スタジオやライブハウスに機材を運ぶことがなくなったからなのか、この3ヶ月で腕が細くなったんだけど。以前より、筋肉落ちてたりしない?

featuring16  いや、自粛期間中も家のスタジオの改良などのために重い荷物を運んでたりしてたから。と言っても、それを毎日やっていたわけではないように、多少は筋肉が落ちてるのかも知れない。

団長  今更思うのが、キャビネットなど、あの重い機材の運搬をしていたのが、じつは良い運動になっていたんだなということ。

featuring16  それ以上に心配なのが、ステージに立ってライブをやったときに、どんだけ体力がなくなっているのか…。そこは、実際にライブをやったときに実感するんだろうなと思ってる。

団長  そうなるのが怖いから、俺は自粛期間中もずっと走ってた。ただ…。

featuring16  走る体力や持久力と、ステージ上で使う体力や自持久力は違うからね。

団長  そう。あと、心配なのがMC。お客さんを前にしてしゃべることからしばらく遠ざかっているからさ、この間にMCが下手糞になり、ずっと滑ったまましゃべり続けてたりしないかが気になってさ。

featuring16  そうだね。たとえ配信ライブをやったとしても、目の前でお客さんの反応を見れるわけではないから、どんだけボケても直接笑いが返ってくるわけではない。配信でお笑いをやっている芸人さんらからも、反応が見えないやりにくさがあるとは聴いてるけど。それがバンドにも当てはまるのかが気になる。

団長  俺らは、その怖さがあったから、NoGoDの無観客配信ライブは、通常のライブスタイルではなく、中央のカメラを囲む形でやろうと思ってる。というのも、いろんな無観客配信ライブを観ていて感じたのが、カメラの向こうにいる人たちに向けてなのはわかっていながらも、目の前に人がいない中で「いくぜっ!!」と煽るのってめちゃくちゃだせぇなと思って。それに、ライブ中のメンバーの目線を直接感じれるのは、ライブに来た人たちだからこその特権。その意識を強くもっていることから、NoGoDの初配信ライブは客席を向かずにやる!! 

featuring16  客席を向かないというか、客席がない(笑)。

団長  そう。カメラをメンバーが四方で囲む形を取って演奏をしようと思ってる。その変わり、カメラも上からメンバーを映したり、それぞれのメンバーの手元を映したりなど、普段のライブでは観れない角度からの映像にしていこうと。それこそが、通常のライブとは異なるライブ配信ならではの楽しみ方だなと思って。なので、うちらに限っては「元気かー、みんな行けるのかー!!」みたいな煽りはやらない予定です。

featuring16  自分らは、通常のライブのような配信スタイルも、団長が言ってたような配信スタイルも両方試してみたい気持ちはある。むしろ、ニコニコ生放送で弾幕が流れる感覚と同じで、どんだけタイムライン上の文字やスタンプで盛り上がりを共有していけるのかにもすごく興味を持っているように、そこでの勝負もしてみたいなと思ってて…。

 

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