INTERVIEW

団長(NoGoD)×中島卓偉 対談インタビュー! 第1回(全4回) 「団長は、会うたび何時も中島卓偉に影響を受けたと言ってくれるじゃない。でも、うちのファンはNoGoDの音楽を聞いて、「中島卓偉の影響を1mmも感じられない」って言うんだよ(笑)。」

NoGoD 中島卓偉


 

 団長が定期的に配信中、団長と星子編集長のもと、毎回ゲストを招いてトークしてゆくニコ生ラジオ番組「NoGoD団長の★オールナイトサイタマ」。そこへ、中島卓偉さんがゲストで訪れたときに、放送とは別に対談を実施。2人の熱いトークを、ここに再現します。

  中島卓偉さんは、9月20日(日)にライブ配信「中島卓偉Live2020 Let's Soul On & Dream On〜Cotton Club〜」を実施。さらに、中島卓偉・鈴木愛理・松原健之・PINK CRES.・Bitter&Sweetという組み合わせで、観客たちを入れたイベントライブ「Heart to Heart 2020〜Covers〜」を東名阪埼で開催します。2枚目のベストアルバムBEST YOURS Ⅱ 2010-2020 Double Decade」も発売中なので、ぜひ聞いてください。

  NoGoDは、今は配信ライブを主軸にしながも、毎回様々な展開を示しているように、こちらもホームページを通し、随時活動を追いかけてください。

 

TEXT:長澤智典

 

団長 今回は対談ありがとうございます。今は「ご飯行きましょう」とも言いづらい時期じゃないですか、なので、卓偉さんに会う口実を作りたくて声をかけさせていただきました。

卓偉 今はまだ、そういう時期だからね。

団長 だからこそ、自分の番組に呼べば合法的に卓偉さんに会えるなと(笑)。

卓偉  団長の、その気持ちが嬉しいよね。

団長  自分は「影響を受けたアーティストは誰ですか?」と聞かれるたびに、かならず「中島卓偉」と言い続けてます。それくらい、卓偉さんの存在が好きなんですよ。

卓偉  団長は、会うたび何時もそう言ってくれるじゃない。でも、うちのファンはNoGoDの音楽を聞いて、「中島卓偉の影響を1mmも感じられない」って言うんだよ(笑)。

団長  俺が卓偉さんから影響を受けているのを一番最初に感じ取ったのが、うちのギターのKyrie。前に卓偉さんとNoGoDでツーマンライブをやらせていただいたじゃなですか。そのときに卓偉さんのライブを観たKyrieが、「団長の曲の作り方は卓偉さんを意識しているのが、ライブで曲を聞いててわかった」と言ってきたんですよ。

卓偉  やはり、団長に近い人だから、それを感じ取れたんだろうね。 僕のファンには、Kyrieくんみたいな視点で観ている人は誰もいない(笑)。もちろん、良い意味でね(笑)。

団長  いや、そうだと思いますよ。表面上の音楽性はまったく違いますから。だけど、ヴォーカリストとしてのスタイルや生きざまに共通項があるというか。そういう影響を含め、理想とするヴォーカリストの金字塔が、俺の中では卓偉さんなので。

卓偉  その言葉は本当に嬉しいです。そうやって人の生きざまを継承してゆく文化があるのなら、すごく光栄なこと。団長が僕に言ってくれた言葉を借りるなら、僕にとってZIGGYの森重樹一さんが、そう。僕も、音楽性面でZIGGYからの直接的な影響を感じさせないのかも知れないけど。僕自身は、昔からずっと森重さんのことを崇拝してきたし、今もし続けている。

 

その衝撃って、きっと俺らの親父世代が尾崎豊の音楽と出会ったときと同じ衝撃なんだろうなとも思ったんですよ。

 

卓偉 僕は、森重さんのように身長が高くもなければ、そもそも長髪だって似合わない。外見的な要素を取り入れるのは無理というのは最初からわかっていたこと。でも、曲の作り方や歌詞の書き方、声の出し方などにはすごく影響を受けている。

団長  まさに、そこは一緒ですよね。

卓偉  ありがたいことに、僕は森重さんと何度か対バンさせていただいて、一緒に音源を作らせてもらったこともある。僕自身が森重さんを崇拝する気持ちを示してゆく中、とあるライブ後に、僕より年上ののZIGGYファンの方から「ライブ、すごく良かったよ」と声をかけられたことがあって。そのときにかけてもらえた言葉が、すごく嬉しかった。まさに団長の言葉通り、ジャンルに関係なく、ロックンロールという生きざまや文化を継承していけるのであれば、それが一番良いことだなと僕も思ってる。

団長  卓偉さんは、森重さんのスタイルやたち振る舞いも含めてリスペクトしているじゃないですか。自分が卓偉さんを観ている視点も、そう。音楽的な面でリスペクトもしていますけど。それ以上に、卓偉さんのヴォーカリスト然とした姿に憧れてて。中でも、一番影響を受けたのが歌詞の書き方なんですよ。

  自分はまさに、90年代が思春期の時期。90年代のJ-POPは、あまりストレートな言い方をしない音楽が多かった印象が自分の中にはあって。だけど、あるときラジオで卓偉さんの曲が流れてきたのを聞いたときに、「この人の歌詞はラジオを通して聞いただけなのに、メッセージがちゃんと伝わってくる。この人は、一体どういう曲を歌ってるんだろう」と興味を示し、そこから卓偉さんの作品を聴き漁り、のめり込んでいきました。それが、1stアルバムの「NUCLEAR SONIC PUNK」だったんですけど。あの当時の卓偉さんって、まだ20代頭頃でしたよね。

卓偉   まだ、20代前半の頃だね。

団長  どの曲も、とにかく歌詞が尖ってるけどストレート。しかも、大人に対しての皮肉が利いている。その衝撃って、きっと俺らの親父世代が尾崎豊の音楽と出会ったときと同じ衝撃なんだろうなとも思ったんですよ。若者の代弁者じゃないけど、自分の鬱屈したフラストレーションを皮肉混じりに音楽にしてゆくことを、自分とそんなに年齢も離れてない人がやっている。それが、すごく衝撃的でした。

卓偉  団長って、僕の何個下だっけ?

団長  俺は、5個下になります。そこまで年齢が離れているわけじゃないのに、そのやり口にすごく興味を持って。しかもライブを観たら、音源を余裕で上回るライブ感とクオリティの高さを持っていた。そのときは、渋谷公会堂の2階のけっこう後ろの席で観ていたんですけど。ステージを去るときに、卓偉さんが生声で「俺が卓偉だー!!」と叫んだ声が、俺が観ていた席までしっかり届いたんですよ。その声を聞いたときには、俺、魂が奮えて泣いちゃいましたから。

 

卓偉さんは、つねに「俺が発信してるんだ」ということを、すごく責任を持ってやっている方。

 

団長 俺、知らず知らずのうちに卓偉さんの影響を受けてんなと思うのが、ライブ時の煽り方なんですよ。卓偉さんって、下手から上手まで全部隙間なく声を届けようとするじゃないですか。自分もそうなんですけど、かならずフロア全部を観るんですね。「誰一人として置いていかないぞ」「ここにいる全員にメッセージを届けるぞ」という意識を持って歌ってるんですけど。卓偉さんのライブを観るたびに、じつは俺、卓偉さんの想いや動きが好きでやってるんだなと思いますからね。ほんと、いろんなところで卓偉さんの影響が自分の中から出てますよ。卓偉さんは、つねに「俺が発信してるんだ」ということを、すごく責任を持ってやっている方なんだという姿勢は、自分の心にいつも響いてきます。

卓偉  いやぁ、その言葉、ほんと嬉しいねぇ。当時の自分は、いろんな事柄とたくさん戦っていたからね。

団長  当時のインタヴューでも、よく「大人と喧嘩した」と言ってましたよね。あの当時、「この人は、いつも大人と喧嘩してるんだなぁ」と思いながら読んでました(笑)。

卓偉  あの時期は、社会と自分の気持ちがそぐわない時があって。僕も、もう21年音楽業界にいるけど。デビューしたての頃って、みんなそうだと思うけど、右も左もわからないじゃない。業界の勝手もわからない。それを自分の中へ呑み込むまでにも時間がかかったし、当時は、自分の中に充実感があったかといえば、すごく少なかった。それこそ20代前半の頃はとくに、自分はステージの上くらいしか充実感が無かったし、「自分でいられる場所はここしかない」という感覚が強かった。

団長  そうだったんですね。

卓偉  心の底から「やってきて良かった」と思えることが少なかった。団長が僕のことを好きでいてくれる話をしてくれたように、僕も同じようなことを森重さんに話をすると、森重さんも「俺も腑に落ちないことや納得できないままに進まなきゃいけないことはいろいろあった。だけど、卓偉に「あのとき感動した

「すごく嬉しかった」と言われると、ここまで頑張ってきて良かったと素直に思えるよ」と言われたことがあって。まさしく今、団長に言われている自分の気持ちが、そう。

  団長の言ってくれる言葉を聞いてると、僕が森重さんにぶつけた想いに対して言葉を返してくれた森重さんと、今、同じ気持ちなんだよね。頑張ってきて良かったというか。さっき、団長がライブの話をしてくれたけど。あのときは、未来もよく見えていない状態だったからこそ、自分自身を保つために「俺は卓偉だ!!」と叫んでいたのかも知れない。

  人って、自分が弱いからこそ叫ぶじゃない。もちろん、あの頃から歌やパフォーマンスしてゆく自信はあったけど。自分に気持ちの葛藤があったし、自分はなんのために活動しているのかを考えることもよくあった。それこそ、認められたいからやっているのか。自分の才能を知らしめたいがためにやっているのか。ただただ歌が好きで、曲を書くのが好きで、パフォーマンスをしたいからやっているのか。いろんな気持ちが渦巻けば、気持ちが着地しないままに、とくに20代の頃は活動していたなと振り返ってしまう。加えて、自分の性格的に同じことができない。一つやり遂げたら、それを壊し、また新しいものを作り上げてゆく。そうやって新しいことをやり続けていく姿勢が格好いいなと思っていたし、その気持ちは今も変わらない。ファンが中島卓偉に望むものが固まる前に、一度全部壊し、また新しいものを示してゆく。僕は、そういう性格なんだろうね。

団長  その気持ちって、どのアーティストも一緒だと思います。

 

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卓偉インフォメーション

 

 

●ライブ配信のお知らせ  

タイトル:中島卓偉Live2020 Let's Soul On & Dream On 〜Cotton Club〜

配信日:9月20日(日) 開場19:30 開演20:00

アーカイブ〜9月21日 23:59

PIA LIVE STREAM

発売:8月30日〜9月21日18:00

 

●2枚目のベストアルバム

「BEST YOURS Ⅱ 2010-2020 Double Decade」 発売中

 

●企画コンサート 

Heart to Heart 2020 〜Covers〜

出演:中島卓偉・鈴木愛理   松原健之・PINK CRES.・Bitter&Sweet

 

9月27日(日) Zepp Tokyo

10月11日(日) 名古屋市芸術創造センター

10月17日(土) なんばHatch

10月31日(土) 彩の国さいたま芸術劇場大ホール