INTERVIEW

千聖 ロングインタビュー 第1回(全4回)

Crack6 千聖 PENICILLIN

今年前半、表ではPENICILLIN、裏ではCrack6制作の活動に邁進していた千聖。梅雨から夏にかけてはCrack6のツアー、秋からはPENICILLINとしての活動もいろいろとスタート。今年は彼にとってソロ活動20周年目。改めて千聖に、ソロとして、PENICILLINとしての自分を語っていただいた。
 

撮影:菅沼剛弘 / インタビュー:長澤智典
Photographs by Takehiro Suganuma / Interview by Tomonori Nagasawa

 

「とのさま GIG」を始めてから今年で20年目なのは間違いないです。


――9月17日と18日に新宿ReNYを舞台に、お馴染みO-JIRO BIRTHDAY LIVE「とのさま GIG 2016」が開催になります。
千聖 5月辺りで表向きは止まっていたPENICILLINが、この日を皮切りに地上に出ていよいよ動き出します。

――今年前半部の千聖さんは、Crack6としての活動が中心でしたもんね。
千聖 正確に言うと、今年の頭から4月まではPENICILLINとしての活動を中心にしてたんですが、新しい作品をリリースしてという形ではなく、PENICILLIN結成24周年を祝うライブを東京と大阪、そしてメジャーデビュー20周年を祝う関東サーキットを行ってたんですよ。その裏で、Crack6のアルバム『薔薇とピストル』の制作をずっとやってたのと、6月にそのアルバムのリリースやツアーを行ってきて現在に至る、といった感じ。なので、今(8月)は、ふたたびPENICILLINのモードにシフトしながら、11月中にリリースを予定しているミニアルバムの制作も始めつつ、全国ツアーも視野に入れていろいろと作業を進めている感じです。もうすでに一曲は新録しているので、新しく進化したPENICILLINの作品達が、これからどんな感じになっていくのかが楽しみでしょうがないといった感じです(笑)。

――「とのさま GIG」も、PENICILLINにとっては9月の恒例行事じゃないですか!?
千聖 この時期になると、もう当たり前のようにO-JIROくんの誕生日ライブ「とのさま GIG」を行うんで、どのくらい続けてるのかさえ定かではないですけど… う~ん、確か僕の記憶では、今年が「とのさま GIG」開催20年目のはずです。PENICILLINがメジャーデビューしたのが1996年で、その年の9月に初めて日比谷野外大音楽堂で「とのさま GIG」を行ったはずなんですよ。
新井マネージャー それで合ってます。

――千聖さんもHAKUEIさんも、今年はソロ活動20周年イヤーになりますよね。ということは、「とのさま GIG」も20周年になるんですね。
千聖 そうなんですよね。あの野音からもう20年経つとはね…(笑)。

――毎年恒例の行事として行っていると、つい本数を数えることさえ忘れてしまうのもわかります。
千聖 そうですよね。僕は毎年恒例の行事だと思い込んでいたんだけど。O-JIROくんいわく、開催しなかった年も1-2回あったそうなんです。なので、20年連続ではないんですけど。でも、「とのさま GIG」を始めてから今年で20年目なのは間違いないです。

――バースデーライブを20年続けてるって、なんかすごいことじゃないですか??
千聖 今でこそメンバーのバースデーライブを行うのはどのバンドさんも当たり前の行事になっているけど、PENICILLINが「とのさま GIG」を始めた頃は、バースデーライブ自体をやってるアーティストがあんまりいなかった気がするんですよね。

――確かに。
千聖 あくまで僕のイメージですが、あの頃は、誕生日とバンド活動を重ねて大々的にライブを行うって、珍しかったかも知れない。あの野音のライブは、デビューアルバム『VIBE∞』がバンドにとって新曲だったから、その当時、ジロさんの初めて作った曲「吸血鬼」をやった記憶がありますね。でもライブが終わったあとバックステージで、ソロ(CHISATO)のデビューシングル『DANCE WITH THE WILD THINGS』のリリース直前の時期だったから、レコード会社だった徳間ジャパンの人々と、デビュー後の展開についていろいろ話をしていたことを思い出した。懐かしー(笑)

――そこから歴史を積み重ね、ついにソロ活動も20周年ですもんね。
千聖 途中からはCrack6としての活動にシフトしていますけど。でも、気がついたらそんなに年月が経ってしまいましたね。時が経つのって早いんですね。

 

 

 

何事にも「二度と帰ってこない時間」はある。PENICILLINだって、そう。20代の時期のPENICILLINや30代の時期のPENICILLINを、メンバー全員が40代の今に求めてもけっして同じにはならない。だからこそ「そのときのPENICILLINに接している時」を大事に感じて欲しいなと強く思います。


――PENICILLINの場合、活動を始めてから一度も止まることなく動き続けています。来年は結成から数えて25周年。その継続した力こそが大きな強みになっているなとも感じています。
千聖 今でもライブを演ったり新しい作品を発表しながら、みんなと共有する場所を作り続けられるって幸せなことであり、それをやり続けられるのが楽しいんですよ。
そういう環境って、誰もが「当たり前にあるもの」と想像しがちかも知れませんけど、その「当たり前を継続すること」こそ難しい。それこそ、何か運命のいたずらでピュッと事故や事件が起こってしまったら、それまでの当たり前だったことが一瞬で失くなってしまう。その現実をわかっているからこそ、毎回死に物狂いで一つ一つの物事に立ち向かっていける。一つ一つの事柄を楽しみながら、ここまで続けさせてもらってるんですよ。

――当たり前を続けることの大変さは、経験を重ねるごとに感じます。言われたように、何がきっかけで当たり前と思っていた活動や流れが失くなるかはまったく予想の出来ないこと。むしろ、当たり前を続けていくため、どれだけ毎回死に物狂いで立ち向かい続けられるかが大事になっていきますからね。
千聖 そう、でも若い頃や、始めたばかりの時期は「当たり前じゃないのに、それを当たり前と思ってしまう」ものじゃないですか。この間、友達のラーメン屋に遊びに行ったときのことですが、ちょうど自分の向かいのテーブル席に中学生の集団が座ってラーメンをガツガツ食べてたんですよ。中には「俺は3杯食べたぜ!!」と豪語している子もいたんですけど。今の僕らが3杯を食べるなんて絶対に不可能に近いけど、自分が同じ中学生だったら、「俺も食えるぜ」と挑んでいたかも知れないし、同じように食べれたと思う。あの頃は、それが「当たり前の常識」という認識でいる。きっと彼らも僕と同じくらいの年齢になると気づくんですよ、「あれが当たり前と思っていたけど、その常識は永遠じゃないんだよな」ということにね(笑)。

――すっごい、わかりやすい説明です(笑)。
千聖 40代の今だからこそ思うのが、何事にも「二度と帰ってこない時間」はあるということ。PENICILLINだって、そう。20代の時期のPENICILLINや30代の時期のPENICILLINを、メンバー全員が40代の今に求めてもけっして同じにはならない。逆に捉えれば、40代のPENICILLINだって、今味あわないと二度と味わうことは出来ない。だからこそ自分らは、目の前の1本1本のライブを「その瞬間のもの」として大切にしていれば、観る側の人たちにも「1本1本のライブ」や「そのときのPENICILLINに接している時」を大事に感じて欲しいなと強く思いますよね。

――「そのときのPENICILLIN」に説得力があるからですよね、長年応援し続けるファンも多ければ、新規で入ってくるファンたちもつねにいる状況を作り続けていれてるのは…。
千聖 以前にも増して…とくにここ近年は、一個一個の物事すべてに勝負を賭けていれば、何をやるにしてもそれを大切にしています。事実、楽曲を大切に育てあげたり、全身全霊注ぎ込んだライブをしっかり重ね続けていけば、みんなの反響もすごく良くなっていく。結局は、それの積み重ねが、活動の継続を作りあげてゆくことに繋がるわけですからね。
 

 

 

シーンが活性化するというのは、みんなが今共通認識を持って輪になっていくことだと僕は思ってる。


――千聖さんの場合、PENICILLINとしての未来図を描く活動はもちろんですけど。PENICILLINやCrack6を通し、ヴィジュアルシーン全体の活性化という活動も行い続けていません!? 中でも、近しい世代のバンドたちを集め定期的に開催しているイベント「Crazy Monsters」では、キャリアを重ねたバンドたちみんなで長く活動していける環境作りを積極的に行っていますよね。
千聖 これは、音楽とは違う世界で成功を収めた人も言ってたことなんですけど。何ごとも「人と人との輪(和)が大事」なんだと。その輪というのは、何処も凹むことのない均等に円の状態を保ち続けること。たとえ誰かが突出しようが、誰かが凹もうと、同じ意識を持った人たちが繋がりあい、互いを助け合うことで均等な輪を保っていける。
その考え方って、僕らが「Crazy Monsters」を通してやりたかったことに近いなと思う。同じ意識を持った人たちが繋がりあい、互いを助け合うことで均等な輪を保つ。「自分だけが勝ち抜けば良い」と歪(いびつ)に突出しようとすると、その輪自体に歪みが生じてしまう。もちろん、誰かが突出しながら引っ張っていって、凹んだ人を引っ張り上げるというのもあるかもしれませんが。みんなが同じ意識を持ったうえであれば、その歪さも消えてまた大きい輪を膨らませていける。そんなバランスをしっかり取りながら、みんなで輪を大きくしていきたいなとは思っています。

――なるほどー。
千聖 シーンが活性化するというのは、みんなが今、共通認識を持って輪になっていくことかな?と思っているんですよ。みんなの意識が繋がることで最強になる。そういう希望を込めながらイベント「Crazy Monsters」は進めていますね。

――互いに協力しあいたいと思いながらも、その音頭を取る人かいないことには、なかなか具体的な動きには繋がらない。そこへMSTRこと千聖さんが牽引役として登場したのは、大きな結束のための起爆剤になったんだろうなと想像します。
千聖 自分も含め、今の「Crazy Monsters」に参加してくれているバンドさんらにとって、ちょうど良いタイミングだったのかも知れないですよね。
互いに20代の頃だったら、それぞれ尖っていた面が強すぎるから、輪になれる可能性は少なかった。その経験を超えてきた人たちだからこそ、今は、互いに手を取り合う楽しさを共有していけるんだろうなと思います。

――若い頃は、それぞれに尖っては、互いに競い合うことが大事でしたもんね。
千聖 むしろ、20代は尖ってて当然だと思う。僕らもそうだったし、何より、あの世代がロックを演るというのは、そういうことじゃないですか。それを踏まえたうえで、今はみんな逆の楽しみ方も出来ている。だから、こうやって繋がりあえてるんでしょうからね。

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Crazy Monsters ~HALLOWEEN PARTY 2016~

2016年10月22日(土) 大阪 MUSE
OPEN16:00 / START16:30
出演:Crack6 / ALvino / THE MICRO HEAD 4N'S / Ricky / C4 / S.Q.F / defspiral / 矢田 耕平(司会)

2016年10月23日(日) 名古屋 ElectricLadyLand
OPEN16:00 / START16:30
出演:Crack6 / ALvino / THE MICRO HEAD 4N'S / Ricky / C4 / S.Q.F / defspiral / 矢田 耕平(司会)

2016年10月30日(日) 新宿 ReNY
OPEN16:00 / START16:30
出演:Crack6 / ALvino / THE MICRO HEAD 4N'S / Ricky / C4 / S.Q.F / wyse / Dacco(司会) / 矢田 耕平(司会)
スペシャルゲスト:ROLLY


【Event Talk Live】
Crazy Monsters ~HALLOWEEN AFTER PARTY 2016~「クレモン・アワード」
11月2日(水) 高田馬場 AREA

OPEN18:30 / START19:00 / END21:30予定
出演:HALLOWEEN PARTY ALL STARS
※参加バンドの代表者が出演いたします!
矢田 耕平(司会)

 

 

O-JIRO BIRTHDAY LIVE 「とのさまGIG 2016」

2016年9月17日(土) 新宿 ReNY
OPEN 17:15 / START 18:00

2016年9月18日(日) 新宿 ReNY
OPEN 16:15 / START 17:00

【チケット発売中】
スタンディング ¥6,500(税込/D別)
※ご入場には6歳以上からチケットが必要になります。

プレイガイド:
・e+ http://eplus.jp
・ローソンチケット http://l-tike.com / 0570-084-003 / Lコード:77403
・チケットぴあ http://t.pia.jp / 0570-02-9999 / Pコード:302-439

問い合わせ:
サイレン・エンタープライズ
TEL.03-3447-8822(平日12:00〜18:00)
http://www.siren-enterprise.com


 

千聖 BIRTHDAY LIVE
「ROCK×ROCK 4×5=20 ということでハタチになりました!」

2016年10月1日(土) 恵比寿 LIQUIDROOM
OPEN 17:15 / START 18:00

2016年10月2日(日) 恵比寿 LIQUIDROOM
OPEN 16:15 / START 17:00

【チケット発売中】
スタンディング ¥6,500(税込/D別)
※ご入場には6歳以上からチケットが必要になります。

プレイガイド:
・e+ http://eplus.jp
・ローソンチケット http://l-tike.com / 0570-084-003 / Lコード:77403
・チケットぴあ http://t.pia.jp / 0570-02-9999 / Pコード:302-439

問い合わせ:
サイレン・エンタープライズ
TEL.03-3447-8822(平日12:00〜18:00)
http://www.siren-enterprise.com

 

 

WINTER TOUR 2016

11月20日(日) 仙台 MACANA
OPEN 17:30 / START 18:00
INFO. キョードー東北
TEL. 022-217-7788

11月23日(水・祝) 岡山 IMAGE
OPEN 17:30 / START 18:00
INFO. 夢番地 岡山
TEL. 086-231-3531

11月26日(土) 福岡 DRUM Be-1
OPEN 17:30 / START 18:00
INFO. GreeN Music
TEL. 092-714-0230

12月3日(土) 柏 PALOOZA
OPEN 17:30 / START 18:00
INFO. サイレン・エンタープライズ
TEL. 03-3447-8822

12月10日(土) 大阪 Shangri-La
OPEN 17:30 / START 18:00
INFO. 夢番地 大阪
TEL. 06-6341-3525

12月11日(日) 名古屋 ell. FITS ALL
OPEN 17:30 / START 18:00
INFO. ズームエンタープライズ
TEL. 052-290-0909

【チケット】
スタンディング ¥6,500(税込/D別)
16.10/1(土) 10:00発売
※ご入場には6歳以上からチケットが必要になります。

【プレイガイド】
・e+ http://eplus.jp
・ローソンチケット http://l-tike.com / TEL.0570-084-003
・チケットぴあ http://t.pia.jp / TEL.0570-02-9999

【TOTAL INFO.】
サイレン・エンタープライズ
TEL.03-3447-8822(平日12:00〜18:00)
http://www.siren-enterprise.com

 

 

WINTER TOUR 2016 FINAL & HAKUEI BIRTHDAY LIVE
「SUPER HEART CORE ’16」

12月17日(土) 渋谷 TSUTAYA O-EAST
OPEN 17:15 / START 18:00

【チケット】
スタンディング ¥6,500(税込/D別)
16.10/15(土) 10:00発売
※ご入場には6歳以上からチケットが必要になります。

【プレイガイド】
・e+ http://eplus.jp
・ローソンチケット http://l-tike.com / 0570-084-003
・チケットぴあ http://t.pia.jp / 0570-02-9999

【TOTAL INFO.】
サイレン・エンタープライズ
TEL.03-3447-8822(平日12:00~18:00)
http://www.siren-enterprise.com

 

 

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【 PENICILLIN OFFICIAL WEBSITE 】
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