1月よりスタートした「シェルミィ全国14ヶ所申告制単独見世物公演「14-需要-の【大罪】と【美徳】ツアー」も終了。4月3日には、TSUTAYA O-WESTで「最後の審判」公演を開催するシェルミィ。4月30日には、大阪MUSEを舞台に平成最後の単独見世物公演「平成32年へ。」公演も行われる。今後の展開も含め、ここに4人の声をお届けしよう。

撮影：山内洋枝 / インタビュー：長澤智典
Photographs by Hiroe Yamauchi / Interview by Tomonori Nagasawa

いつかもっと大きな場所へ立つ意思がある以上、TSUTAYA O-WESTでの単独公演は通らなきゃいけない道。

――この記事を目にする頃は、4月3日にTSUTAYA O-WESTで行う「最後の審判」公演が目前。シェルミィにとってTSUTAYA O-WESTとはどういった場所なのでしょうか?

豹　僕が思うに、TSUTAYA O-WESTという会場は誰でも出来るところでもなければ、誰もが気軽に立てるわけでもない場所。実際に僕らも「TSUTAYA O-WESTでの単独見世物公演へ挑戦しようか」という想いからメンバー内で検討を始めたとき、その会場へ立つうえでの大きな壁を感じていました。そのうえで、「立とう」と決めたわけですけど。シェルミィとしても、TSUTAYA O-WESTに単独公演で立つことに関しては、とても重く受け止めています。

ただ、実際に目の前へTSUTAYA O-WEST公演がせまった今の心境として話すなら、今後のシェルミィには、今よりももっと大きな壁が出てくる可能性だって有り得ること。もちろん、今でも不安はあります。でも、それ以上に「シェルミィを通して観るTSUTAYA O-WESTってどういう景色なのかな」というのが純粋に楽しみですし、今は、そこにワクワクしています。

――バンドマンにとってもTSUTAYA O-WESTは、その後大きく飛躍してゆくうえでの登竜門となる場所。その会場を壁と捉えるのか、チャンスの場として狙うのか…。

豹　そうなんですよね。シェルミィにとっては、今でも大きな壁という意識が気持ちの片隅にはあります。だけど世の中には、その挑戦を避けるバンドだっているわけじゃないですか。それを「臆病」と捉えるのか、「無難な選択」として選ぶのか。もちろん、両方の選択肢だってシェルミィとしては、すごく肯定していること。そういう選択肢も考えたうえで、シェルミィは「挑戦」の道を選んだわけですからね。

――その理由も気になります。　

豹　いつかもっと大きな場所へシェルミィとして立つ意思がある以上、やはり「TSUTAYA O-WESTでの単独公演は通らなきゃいけない」という意識があったことからでした。

――これまでにも、いろんなバンドやアーティストの方々がTSUTAYA O-WESTでの単独公演へ挑戦をしてきました。もちろん、その会場をステップアップの場にした人たちもいれば、結果を残すことが出来ず、それが唯一の挑戦として終わってしまった人たちもいるし、結果が出るまで何度でも挑戦する人たちもいます。シェルミィがどういう結果を出すのかはさておき、バンドとしては、自分たちの歩む歴史の中、TSUTAYA O-WESTという場所へ立ったという足跡をしっかり残しておくべきだったのでしょうね。

豹　その決断というか、TSUTAYA O-WESTに立つという選択肢がこのバンドにとっては大切という姿が現実的になり始めたなとは自分らでも感覚的に感じていたこと。だからこその今回の選択だったのは確かです。

どんな会場で演奏をしても、いつも通り、変わらず全力で立ち向かうだけですから。

――TSUTAYA O-WESTでの単独公演は、早い時期から決めていたことなのでしょうか?

豹　TSUTAYA O-WESTの舞台に実際に立つ1年前頃には、その意識は持っていましたね。その具体的な挑戦が見えたうえで、そこへ向けて「ここでこう動こう」「TSUTAYA O-WESTを一つの終着点と捉えるなら、その前にはこういう単独見世物公演の動きを作ろう」「TSUTAYA O-WEST公演のあとには、こういう動きを描けるようにしたい」など、TSUTAYA O-WESTでの単独見世物公演を軸に、その前後の動きは、前々からみんなで話しあってはいろいろと決めてきたし、今も決め続けています。

――4月30日には大阪MUSEでの単独見世物公演もあるように、4月は、東京と大阪の登竜門となる会場での単独見世物公演を行います。

豹　東京公演と大阪公演では意味あいが違うんですけど。どちらもシェルミィにとって大切な公演になるのは間違いないです。

「このメンバーなら絶対にTSUTAYA O-WESTでの単独見世物公演も成功させられる」とも思いましたからね。

――友我さん、TSUTAYA O-WESTでの単独見世物公演についてはどんな意識でいます?

友我　あまり気にしてないです。

――あっ、そうなんですね。

友我　僕自身は、数あるライブハウスの中の一つという感覚です。僕は…シェルミィは、どんな会場で演奏をしても、いつも通り、変わらず全力で立ち向かうだけですから。

――凌央さんも、そこは同じ意識??

凌央　どの会場でも全力というのは、友我と同じ意識ですけど。もともとシェルミィは大阪で活動してきたバンド。僕ら、口では「シェルミィもTSUTAYA O-WESTに立ちたいなー」「TSUTAYA O-WESTに立てるバンドになろうや」と言ってましたけど、正直、そこまで現実味がなかったのも事実なんです。

シェルミィは、「1年後に何々をしていよう」いう目標を掲げ、そこへ向かって毎年活動を続けながら、5月15日で活動3年目に入るんですけど。何故か昔から自分の中には、「新しくバンドを始めたら、活動3年目にはTSUTAYA O-WESTでワンマン出来るバンドになってなきゃいけない」という意識がずっとあって。それって、一人で何となく思っていたときは、まだまだフワフワとした目標やったんですけど。今、こうやってシェルミィとしてしっかり地に足をつけて活動出来ている中、今回のTSUTAYA O-WEST公演は、絶対にいいライブにしていける自信がある。だから、すっごい楽しみです。

――大阪で活動してきたバンドの場合、まだ大阪MUSEでの単独公演のほうが登竜門という実感は強いんでしょうね。

凌央　まぁそうですね。大阪バンドにとってのTSUTAYA O-WESTって、みんなそんな感じで受け止めてない?? もちろん、TSUTAYA O-WESTという場所のことはみんな知ってるし、登竜門というのもみんなわかっているけど。実際に立つどころか、観たこともない会場だったように、口では「TSUTAYA O-WESTでワンマン公演しようや」というけど、その発言自体が軽々しいというか、全然現実味がなかったな…。実際に自分もその中の一人だったし。

――でも、今は現実味を持って受け止めているわけだ。

凌央　TSUTAYA O-WESTの舞台に単独見世物公演として立てることはとても感慨深いですし、「やったるか!!」という気持ちにもなっています。

――豹さんも、同じ気持ちですか?

豹　TSUTAYA O-WESTでの単独見世物公演は、昔からシェルミィが一つの目標としてきたことでしたけど。凌央も言ってたように、このメンバーみんなTSUTAYA O-WESTで見世物公演をやったことがなかったから、なかなかその重要さを実感出来ずにいたんですけど。実は今年の年明けに、イベント公演への出演を通して初めてTSUTAYA O-WESTの舞台に立ったんですね。そのときに初めて「こっちからはこんな風に見えるんだ」と感じれば、「ここのフロアーを全部自分たちのお客さんだけで埋まったらめちゃくちゃ恰好いいだろうなぁ」とも思ったように、今まで以上にすごく楽しみになっていました。

――実際にステージに立ってみたら、大したことないなぁって感じでした?

爻　その逆で、「やっぱ広いなぁ」と感じてました。でも同時に、「このメンバーなら絶対にTSUTAYA O-WESTでの単独見世物公演も成功させられる」とも思いましたからね。

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