INTERVIEW

シェルミィ ロングインタビュー 第1回(全4回)「中学生や高校生の頃など戻りたくない自分の過去の痛みさえも、シェルミィでの表現を通して自分自身が救われているなって感じてる。」

シェルミィ

  シェルミィ過去作品音源集『カルティックオカルティック』を発売。現在、◆負け犬からの三大復讐計画◆を実施中。第一弾となる「第一の復讐・単独見世物公演~「目黒グランギニョル-復讐編-」を終了。6月23日より、第二弾となる「第二の復讐・単独見世物公演ツアー「全校集壊-全国編-」がスタートする。第三弾となる「第三の復讐・全校集壊ツアーファイナル単独見世物公演「スクールカースト」は、9月21日(土)に高田馬場AREAで実施。今回の計画について、メンバーらに話を聞いた。

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撮影:山内洋枝 / インタビュー:長澤智典
Photographs by Hroe Yamauchi / Interview by Tomonori Nagasawa
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このままなりたくない大人になってしまうんだったら、若い自分のまま死んでいきたい。そう本気で思っていた。
――YouTubeに公開中のMV『大人になったら死にたい』、これ、かなりの衝撃作じゃないですか?!
 この楽曲、今は「謎の新曲」ということにしておいてください。というのも、『大人になったら死にたい』に込めた想いなどの詳しい内容については、「負け犬からの三大復讐計画」が始まっている今、あえて言いたくないと言いますか。そこへ込めた想いを、聞いた人たちそれぞれに解釈して欲しいからなんです。素直に「いい曲だな」と思ってくれれば、今はそれで十分です。

――『大人になったら死にたい』が、スタートしたばかりの「負け犬からの三大復習計画」シリーズへどのように絡んでゆくのか、そこがとても気になります。 
 いやいやいや、そこは後々の楽しみにしていただければ。もしかしたら、込めた想いがどこかで判明していくかも知れないですし、そこはどうなるか…。

――確かに、深い意味がありそうですからね。
 そうなんです。 

――『大人になったら死にたい』というタイトルが衝撃です。普通、大人になるにつれ、青春時代特有の「死にたい衝動」って一般的には収まるものだと思います。でも、豹さんはそうでもなかったということ?? 
 僕が17-18歳の時期はもちろん、20歳の頃を振り返っても、自分が30歳まで生きているビジョンはまったくなかった。このままなりたくない大人になってしまうんだったら、若い自分のまま死んでいきたい。そう本気で思っていたし、そういう思いをこの曲にも投影しています。

――まだ若さを残した頃に生涯を終えたいという美学、その意識は、誰もが考えたことのあることかも知れません。 
 僕自身、若いことへ価値があると思っていた時期もあったし、その意識は今も変わっていないこと。だけど、そう思いながらも、実際にはこうやって大人になっていく。 世の中には、自分と同じような意識のまま大人になってしまった人たちだっていると思うし、今も、10代の頃と変わりない気持ちを持ったまま大人として日々を生きている人だっていると思います。そういう人たちに、『大人になったら死にたい』という歌を通し、何かしら想いが伝わればなと思っています。 

――若い頃は、年取った自分の姿なんか想像がつかないのは、もちろん。華やかな頃に亡くなったほうが格好いいと思ってしまうのって、なんででしょうね? 
 僕もわからないです。昔も今も、自分に子供が出来るなんて想像もできないし、それどころか、結婚さえも想像できない。そういう曲です。 

――メンバーも、そこは同じ気持ちですか? 
 俺は、結婚はしてみたいけどね。 
 いきなり、その発言ですか(笑)。 
凌央 確かに年齢は大人ですけど、自分が大人という自覚はないです。とくにバンドをやっていると、そういう自覚は持てないですね。むしろ、ずっと子供のまま生きている感覚です。 
友我 僕もそう思っています。最近も、親に「お前は小学生で止まってるよ」と言われました。でも、僕はそれを褒め言葉として捉えています。
 僕は大人ですね(笑)。いや、自分では大人という認識はないですけど、身体は大人です(笑)。 でも、心は大人にはなれないですね。 

――どの辺が大人になれないところですか? 
 まだまだ自分が人間的に甘いので、そこはもっと成長していけたらなと思っています。 

――具体的にどの辺に甘さを覚えているのでしょうか? 
 責任感ですね。責任感が欠けてるように、しっかり自覚を持って動かなければとは思っています。 

――バンドの規模が大きくなるにつれ、爻さん自身の気持ちも大人になってはいますよね。
 まだまだ未熟です。日々、精進しております。
 
中学生や高校生の頃など戻りたくない自分の過去の痛みさえも、シェルミィでの表現を通して自分自身が救われているなって感じてる。
――『大人になったら死にたい』のMVを見ておくと、今からの展開をより深く楽しめるわけですね。 
 そうなります。それこそ、過去作品を収めた音源集『カルティックオカルティック』へ収録している『放課後の凶室』が、クラスメイトの話などイジメを題材にした楽曲。『放課後の凶室』のシングルを発売した時期にシェルミィがテーマとして掲げていたのが、「若さ」というコンセプト。今回の展開ではそこへも照準を合わせつつ、『放課後の凶室』のときのリバイバルじゃないですけど、同じ学生服の衣装をまとって帰ってきた感じにしています。 

――「若さ故の」という気持ちは、シェルミィとしてずっと表現し続けていきたいテーマだ。 
 そうですね。僕らが始動したときから掲げているのは、もちろん。自分の歌いたい想いの根源にあるのが、「若さ故の」ということ。シェルミィは、そこへすごく照準を合わせたバンドなんです。 「自分が若いからこう思うんやろな」と思うときもあれば、僕等の世代だからこその視点じゃないと理解を深められんこともたくさんあるやろうし。逆に、大人にはわからんこともいっぱいある。そういうことを昔から考えていれば、昔からそれらの想いを歌いたいと思ってたんで。だからこそ『大人になったら死にたい』や『放課後の凶室』のような、わかりやすく若者に寄り添った曲を書けているんやと思います。 

――シェルミィのファンは若い子たちが多いように、豹さん自身、そういう人たちの意識へ寄り添っていたい方なのでしょうか? 
 そうですね。やっぱり、若いっていいことだけじゃないし、わからんことだらけやし、つらいこともいっぱいある。もちろん、楽しいことある。。。 僕は、音楽に出会っていなかったら今頃どうしとったんやろなって考えてしまう。きっと、今よりも絶望した人生を送っていただろうなと思う。中学生や高校生の頃など、戻りたくない自分の過去の痛みさえも、シェルミィでの表現を通して自分自身が救われている。だからこそ、同じように感じている人たちの心の救いにシェルミィがなれたら。僕らはそういうバンドでありたいし、そういう想いをシェルミィの楽曲を通して提示していきたいと思っています。 

――そこが、シェルミィの、豹さんの根底にあることだ。 
 そうです。 

――いろんな経験を積んだからこそわかるし、伝えられることもある。
 そうだと思います。こうやってインタヴューで話せている自分を客観的に見たら、自分でも「大人になっているな」と思いますからね。 

――負け犬(ファン)たちも、シェルミィの音楽へ心救われている方々が多いんですよね。
 負け犬のみんなからも、よく「救われる」と言ってもらえています。中でも、一番多いのが「共感できる」という声。ただし、共感は出来ても、自分ではどうやったらそれを解決出来るのかがわからない人が多いのも事実。それでも、CDのブックレットへ記した歌詞を読むことで、「こういう手段があるんだ」「こういう経験をしてきたんですね」など、自分なりの考え方をしてゆくうえでの参考にしてくれる人たちもいるように、そこは嬉しいことだと思っています。 

――具体的な答えは提示しないんですね。
 自分たちから答えを示すのは違うというか、あくまでも歌を通して自分自身の経験や想いを発信していきたいのであって、けっして「誰かを救いたくて歌っている」わけではないので。
 
今回の行動は、僕らの今後の展開にも繋がっていくこと。
――すでに手に入らない音源も多いことから、シェルミィは過去にリリースした『「平成メンヘラセオリー』『放課後の凶室』『優しい世界』へ収録した曲たちを集約し、過去作品音源集『カルティックオカルティック』を作りました。今のシェルミィにとって、この作品を作るのはとても大切であり、意味のあることだったわけですよね。
 もちろんです。過去作品音源集『カルティックオカルティック』を出したことで、昔からシェルミィを応援してくれている子たちの中には「懐かしい」と言ってくれる人もいれば、これから始まる「全校集壊-全国編-」ツアーに対して、「また、あの頃の感じが見れるのかなぁ」と期待してくれる子たちもいます。もちろん、中には「過去は過去のままでいいじゃない」という人もいるように、そこは賛否両論すごく多いんですけど。今回の行動は、僕らの今後の展開にも繋がっていくことであり、同時に、他にも意味があってのことなんです。 

――そこ、気になります。
 僕らが過去にしたかったけど、そのときの自分たちの実力では求める形までには到達出来なかったこともじつはいろいろとあること。それを、今のシェルミィならしっかり清算できれば、それをやることで、よりバンドとして高みを目指せるんじゃないかと思って。その想いがあっての過去作品音源集『カルティックオカルティック』であり、「負け犬からの三大復讐計画」であったりするわけなんです。 

 

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V系フリーペーパー「Gab. vol.99」の表紙にシェルミィが登場!
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●謎の新曲
「大人になったら死にたい」


 

 

第二の復讐・単独見世物公演ツアー「全校集壊」

2019年6月23日(日)福岡graf
2019年6月24日(月)広島セカンドクラッチ
2019年6月29日(土)奈良ネバーランド
2019年6月30日(日)静岡UMBER

2019年7月5日(金)浦和ナルシス
2019年7月7日(日)水戸SONIC
2019年7月9日(火)岡山CRAZYMAMA 2ndROOM
2019年7月10日(水)徳島CROWBAR
2019年7月13日(土)京都MOJO
2019年7月14日(日)福井CHOP
2019年7月20日(土)ホリデーネクスト名古屋
2019年7月24日(水)千葉LOOK
2019年7月27日(土)新横浜NEW SIDE BEACH!!
2019年7月28日(日)仙台enn3rd
2019年7月31日(水)池袋サイバー

2019年8月3日(土)前橋DYVER
2019年8月4日(日)長野ライブハウスJ
2019年8月7日(水)宇都宮HELLO DOLLY
2019年8月10日(土)心斎橋fanj twice
2019年8月17日(土)姫路Beta
2019年8月18日(日)高松TOONICE
2019年8月23日(金)札幌クレイジーモンキー
2019年8月24日(土)札幌クレイジーモンキー
2019年8月29日(木)新潟GOLDEN PIGS BLACKSTAGE
2019年8月30日(金)福島アウトライン

全校集壊ツアーファイナル
単独見世物公演「スクールカースト」
2019年9月21日(土)高田馬場AREA

*各公演の詳細はオフィシャルサイトをご覧ください

 

その他ライブ情報や最新情報は OFFICIAL WEBSITE、Twitterをご覧ください。
【シェルミィ OFFICIAL WEBSITE 】
http://shellmy.net/

【 シェルミィ OFFICIAL Twitter 】
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