INTERVIEW

宏崇(R指定)× 直人(ダウト)スペシャル対談 第1回(全4回) 直人の第一印象は、とにかく群を抜いてドラムが上手かった。こんなに上手いのに、俺と同い年なんや…という。(宏嵩) 古くからのつき合いで、わりと知っているつもりではあるけど、“やっぱり、こいつはよくわからねぇ”と思うことが多い。(直人)

R指定 ダウト

コロナ禍の影響などでしばらくお休みとなっていた宏崇(R指定)の対談シリーズが、めでたく再開を果たした。第5回となる今回は、ダウトの直人がゲスト。あまり接点のない2人のようにも感じるが、実は長いつき合いだという。彼らの少し変わった関係性やコロナ禍の中で感じたことなどを、4回に渡ってお送りしよう。

Interview:村上孝之

 

まずは、お二人はどんなふうに知り合ったのかを話していただけますか。

 

宏嵩:直人も俺も福岡出身で、年も同じなんですよ。最初に会ったのは10代のときでしたね。俺が福岡でライヴをしたときに、対バンのドラムが直人だったんです。2人とも今やっているバンドとは違うバンドですけど。直人の第一印象は、とにかく群を抜いてドラムが上手かった。こんなに上手いのに、俺と同い年なんや…という。当時の俺はドラムを始めてちょっと経ったくらいだったこともあって、同い年でこんなに上手いんやと衝撃を受けた。それで、興味が湧いて声をかけたんです。

 

――同年齢で上手い人を見るとライバル心やジェラシーを感じて敵視してしまうこともありますが、宏嵩さんは違ったんですね。

宏嵩それは、なかったです。俺は、そんなにドラムは好きじゃないので(笑)。

直人:ええっ?(笑) そんなこと言って、大丈夫?

宏嵩:うん、本当のことだから(笑)。ドラムは好きではないので、そこはどうでも良かったんです。同い年でドラムをやっている人と面白おかしく話せればいいなと思って話かけました。

直人:宏嵩と初めて会ったときのことは、鮮明に覚えています。ライブハウスの前で話しかけられたんですよ。ファーストタッチから褒められて、いい気持ちになりました(笑)。

宏嵩:そのときの俺は、直人が京本政樹に似ていると言ったんです(笑)。

直人:そう(笑)。そのときは梅雨かなにかで、多分もみ上げがウネッていたんだと思うんですよ。その印象で、京本政樹と言ったんだと思う。もみ上げがウネッていたのはそのときだけだったのに、宏嵩はいまだに言うんです(笑)。

宏嵩:京本政樹のイメージがついてしまったから(笑)。

直人:まぁ、別にいいけど(笑)。俺らの出会いは、そんな感じでした。初めて会ったときから今に至るまで、宏嵩の印象はずっと変わらないですね。彼はなんていうんだろう……掴みどころがない人って、いるじゃないですか。宏嵩は、いい分類のほうの“掴みどころがない人”です(笑)。古くからのつき合いで、わりと知っているつもりではあるけど、“やっぱり、こいつはよくわからねぇ”と思うことが多い。

 

――親しいけど、ミステリアスという感じでしょうか?

直人:そう、ミステリアス。それは欠点ではなくて、そういうところが魅力になっていて、面白いヤツだなと思います。

宏嵩:ミステリアス? 自分では全然わからない。俺は常に自然体というか、ただ生きているだけだから(笑)。

直人:“ただ生きてるだけ”って(笑)。

宏嵩:いや、本当にそんな感覚なんだよ。ミステリアスなヤツを装ったりはしていない。直人に対しても自然体で接しているから。

 

――宏嵩さんが常に自然体というのは、わかる気がします。では、宏嵩さんから見た直人さんの人柄は?

宏嵩:直人はイケメンじゃないですか。だけど、見た目と中身にちょっとギャップがあるんですよね。俺はカッコつけがすごく苦手なんですけど、彼はそういうタイプではない。イケメンなのにわりとおちゃらけていて、そこが好きです。

 

――直人さんはダウトのサポートをしていたときは覆面をして、ライヴ中にちょっと変なこととかもされていましたよね。後に素顔を知って、“こんなイケメンが、ああいうことをやっていたんだ”とビックリしました。

宏嵩:そう(笑)。ああいう変なことも無理してやっていたわけじゃなくて、自ら率先してやっていたという(笑)。

直人:やってた(笑)。いや、見た目というのは遺伝子レベルの話なので、自分的にはどうでもいいんですよ。持って生まれたものだから、それをどうこう思ったりはしない。人気商売だから見た目にも気を遣うけど、それよりも俺の中では“自分はいかに面白い人間であれるか”ということが重要なんです。それは、金をかけずに磨けるものだし(笑)。

宏嵩:たしかに(笑)。

 

――子供の頃から人を笑わせたりするのが好きでしたか?

直人:いや、絶対に違ったと思う。ドラムを始めて人前に出るようになってから、そういう意識が芽生えた気がしますね。自分がなにかをすることで人が笑顔になるというのを経験して、それは嬉しいことだなと思うようになったんです。

 

――エンターティナー精神に目覚めたんですね。それにしても、博多のミュージシャンというと強面だったり、骨っぽい人が多い印象がありますが、お二人は違っていますね

宏嵩:博多のミュージシャンが怖いイメージというのは、わかります。ただ、俺らはその世代ではないんですよね。俺らの前はあったみたいなんですよ、体育会系で、あの先輩怖い…みたいなことが。でも、俺はヴィジュアル系に入ったのが遅かったこともあって、もうそういう世界ではなかった。みんなが怖い怖いといっている人とかも、俺には全然優しくてくれたりしたし。俺はその人が怖いということを知らないから普通に話しかけるんですよ。そうしたら全然優しくて、なんでみんな怖いとか言うんだろう…みたいな。

直人:俺も先輩が怖くてビクビクしたり、嫌な思いをしたこととかはなかった。たしかに、俺らの頃にノリが変わったのかなという気はしますね。

 

――博多に限らず、バンドをやる人が昔とは少し違うタイプの人が多くなっていることは感じます。お二人は10代の頃に知り合って、プレイベートでも頻繁に会ったりされているのでしょうか?

直人:いや、全然会わないです。

宏嵩:そうなんだよな(笑)。

直人:それこそドラム会をやるからという流れで会うくらいですね。たまたまいきつけのバーでバッタリ遭遇することはあるけど、2人で会う約束をしてどこかにいったり、飲んだりしたことは1回もない。

宏嵩:ないね。会えば話をするし、そのたびにやっぱりいいヤツだなと思うけど、時間を作って…ということはしない。

直人:だから、関係性としては変ですよね。

宏嵩:つき合いの期間は長いじゃないですか。だから、半分“幼なじみ感”があるんですよ。でも、会う機会をあえて作ったりはしないという(笑)。

直人:変な間柄だよね。俺らは、ずっとそんな感じです(笑)。

 

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