『未完成アリス7都市×2周 700円 「7×7ワンマンツアー」』が、6月20日の 池袋CYBERよりスタート。このツアーは、チケット代金が700円。しかも、新潟・仙台・名古屋・大阪・福岡・高崎では同じ会場をサーキット。東京は、初日が池袋CYBER、ファイナルが9月23日に高田馬場AREAと場所を変えて実施。しかも、ツアーファイナル公演は未完成アリス結成1周年記念も兼ねている。

他にも、3rdシングル『Nana～私の中の7人の少女～』と4thシングル『Nana～繰り返す7人の私～』のシングル連続リリースも決まっているなど、様々な動きを展開中。未完成アリスの魅力、さっそく紐解こうか。

撮影：山内洋枝 / インタビュー：長澤智典
Photographs by Hiroe Yamauchi / Interview by Tomonori Nagasawa

 

2マンは短期間で一気に距離を縮めていける。

 

――この記事を目にする頃には、i.Rias『我儘ORDER』発売記念主催ツアー「天下統一！全国制覇〜テメーどこ中だよ〜」へ帯同し全国各地をツアーしている頃。未完成アリスの場合、イベントを通しての全国ツアーもそうですが、けっこう2マンスタイルで各地をサーキットする機会も多くないですか??

琉火　ありがたいことに、一緒にやってくれるバンドさんや、未完成アリスを指名してくださるバンドさんがいろいろといらっしゃるので、結果的に2マンライブは増えてますね。

バンドとしても、2マンスタイルだと長い時間演奏が出来る嬉しさがあるじゃないですか。もちろん、たくさんのバンドさんが出るイベントにも、イベントだからこその楽しみ方があるんですけど。あえて2マンについて話を絞るなら、ワンマンとはまた異なる形で、長い時間未完成アリスのライブを見てもらえるのは嬉しいこと。相手バンドさんとの絆の深まり方もより濃くなったりと、有意義なことが多いのが2マンライブだなと僕らは受け止めています。
 

――しかも未完成アリスの場合、2マンスタイルでツアーを行うことも増えていますからね。

琉火　それが嬉しいですよね。単発だと、どうしても相手との距離の深まり方にも限度があるじゃないですか。それがツアーになると、短期間で一気に距離を縮めていける。しかも、一緒に小旅行をしているような気持ちにもなれるんですよね。

たとえば海外旅行中に不安な気持ちにさいなまれている時に、異国の地で日本人と出会うとすごく仲良くなれたりするという話がありますが、それと似たような感覚を僕らは2マンツアーに感じてるんですね。そこも魅力なんだと思います。

 

 

 

僕らは2列目で、すやすやとお休みになる係を担当しています。

 

――ツアーでの移動も大変じゃないですか??

琉火　移動は、なかなかね(と晏を見る)。

晏　ひと言で言うなら、「しんどい」です（笑）。

和希　確かに移動はしんどいな。

琉火&晏　えっ??
 

――運転してるのは??

和希　琉火と晏の2人で、僕や唯依葉は後ろの席にいるんですけど。運転手チームと後ろ側チームでは確かに心境に違いがあるなとは思います。

晏　運転側はけっこうしんどいです。
 

――唯依葉さんと和希さんも、助手席で運転手をフォローするわけですよね。

和希　ないですね（笑）。

唯依葉　助手席に座れたらフォローはするんですけど、先客がいることが多いのでほとんど座ってないです。

晏　えっ、座りたいの?? いっつもすぐに後ろの席に行くからさ。

唯依葉　助手席のほうが、実は好き。

和希　なんか雰囲気的に、前の席は運転する人たちどうしみたいな流れになってるんで、僕らはそこを邪魔するのはよそうかなと。

唯依葉　そう。だから僕らは、2列目ですやすやとお休みになる係を担当しています。

和希　なんか、助手席には乗れない空気を感じるというか。

唯依葉　前の席はリクライニング出来るけど、2列目以降はリクライニング出来ないから、意外と寝るのもしんどいんですよ。やっぱ、寝るなら少しはリクライニングシートにしたいなと思って。

琉火　っていうか、助手席に来ても寝るのかよ（笑）。

唯依葉　いや、寝ようと思ってるわけじゃないんだけど、気がついたら寝てしまってるんで。

和希　そうだね。

晏　二人は後ろで寝ててください（笑）。

唯依葉　でも助手席だと景色もよく見えるし、「よし、行くぜ!!」という気持ちにもなれるんだけど。なんか2人とも「運転は任せてくれ」というオーラを出してるんで、僕らは「OK、任せた!!。寝る!!」となるわけですよ。

和希　そう、車へ乗った瞬間「あっ、今は俺ら求められてないな」と察知するというかさ。

唯依葉　僕らは「寝る係」を任命されてると思ってるので。

晏　……僕らに任せてください（笑）。

 

 

 

今は、どんどん各地の人たちへ会いに行きたい心境なんですよ。

 

――未完成アリスの場合、今は地方公演も積極的に行っていません??

琉火　今年に入ってからは、とくに増えてきているなとは感じます。

和希　4月以降、今もそうだし、これから夏過ぎにかけても、そう。月の2-3割しか東京にはいない日々を過ごしていますからね。

唯依葉　確かに、東京へ居る期間って少なくなったね。

晏　今は、どんどん各地の人たちへ会いに行きたいなという心境なんですよ。

琉火　今は、それを大事にしていきたい。
 

――精力的に地方へ進出しているように、各地でもファンは増え続けています??

晏　3月に高田馬場AREAで琉火くんの生誕祭も兼ねたワンマン公演を行ったんですけど。そのときに関東圏以外からもけっこう多くの人たちが足を運んでくれたんですね。それを観たときは、着実に各地にファンが根づいてるなとは感じました。

琉火　ただし、バンドとして目指している高みはこんなものじゃないように、今でも地方公演は少ないほうだなと思ってる。なので、将来的にはもっともっと地方公演を増やしていきたいし、そのためにも、今は主軸にまわっている都市での支持をしっかり固めなきゃとも感じています。

 

 

 

これまでの人生の中でも一番頭をフル回転させているにも関わらず、それでも追いつかないくらいの展開を描けている。

 

――未完成アリスが始動したのが、昨年の9月23日。まだ1年経ってないんですよね。それにしては、かなり濃い日々を過ごしてるんじゃないですか??

晏　ほんと濃いですねぇ。

和希　半年経った時点で、もう3年は活動をしてきた心境だったから、1周年のときにはどんな気持ちでいるのか…。

琉火　僕自身もそうだし、メンバーみんなも、そう。これまでの人生の中でも、とくに濃い日々を未完成アリスを通して過ごしているなと感じてます。

和希　メンバー同士で未完成アリスの未来図についてもよく話し合っているように、一緒に過ごしているだけで、通常のバンド活動よりも数倍も濃い日々を過ごしている感じがする。

晏　ただし、すべてが順調に進んでいるわけでもないんです。むしろトラブル的なことも多いのが未完成アリスなのかも知れない。ただ、それを乗り越えた先につかめる手応えや嬉しさのほうが常に大きく勝っているからこそ、ネガティブな要素さえ、結果的にポジティブに変えていけてるんだろうし。何より、バンド活動へここまで邁進していける日々が、ホント楽しいんです。

琉火　ただただ平坦な活動をしているよりも、価値のある濃い日々を過ごしているほうが充実感は強いですからね。
 

――今までどんなトラブルがあったのでしょう??

晏　大きな自動車事故に合い機材車が大破した事や、ベースの栞が休養することになったのは全く予期していませんでした。ですが、結成半年も経たない中、琉火くんの生誕祭を兼ねたワンマン公演で今まで見たこともない程の大勢のファンが集まってくれたり、そこで7都市×2周ワンマンツアーという大きな発表も出来ました。様々な困難があってもバンドとしてファンに希望や喜びを与えられる展開を届けたいと思っています。それが僕たちの人生においての充実にも繋がっているんです。

琉火　確かに、すべてが順風満帆だったわけではないけれど、決して歩みを止めずにファンの皆にワンマンツアーという発表を出来て良かったと感じてる。だからこそファンの皆が付いて来てくれているんだなぁと。何より今は、これまでの人生の中でも一番頭をフル回転させているにも関わらず、それでも追いつかないくらいの展開を描けている。それくらい、とても充実した日々を過ごせていますからね。

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