INTERVIEW

九条武政(己龍) スペシャルインタビュー「まさに音楽しかないですね、僕の人生には。」【前編】

己龍

「ヴィジュアル系愛」を声高に上げ続けている、己龍の九条武政。11月14日に通算6枚目となるアルバム『転生輪廻』を発売。その後に全国単独巡業「転生輪廻」をスタート。12月21日にTOKYO DOME CITY HALLで行う千秋楽公演まで巡業は続いていく。忙しい日々を送る九条さんをつかまえ、改めて「ヴィジュアル系(LOVE)愛」を熱く語っていただいた。


インタビュー:長澤智典
Interview by Tomonori Nagasawa


 

「なんかよくわかんないけど、この人らは凄い!!」みたいに、九条少年の胸に『紅』が響きました。

 

――九条さんと言えば「ヴィジュアル系(LOVE)愛」にあふれている方。そこは、音楽を好きになってからずっとぶれずにきていること?

九条 ぶれてないです。中学生のときからズーッとヴィジュアル系…一筋ではなく、他のジャンルの音楽も聞いてはいましたけど(笑)。行き着くところというか、一番はヴィジュアル系。まさに、ヴィジュアル系の音楽が自分の側にはつねにありました。
 

――九条さんがヴィジュアル系を好きになったきっかけを教えてください。

九条 一番最初のきっかけは、小学六年生のときにテレビで観たX(X  JAPAN)ですね。そのとき、ミュージックステーションで出演アーティストの特集ランキングをやっていたんですけど、そこに出たXさんが演奏をした『紅』を聞いたのと、そのパフォーマンスを観て「めっちゃ恰好いい!!」と衝撃を受けたことがすべてのきっかけでしたね。
 

――小学生だった九条少年の胸に『紅』が…。

九条 響きましたね。「なんかよくわかんない派手な人たちだけど、この人らは凄い!!」みたいな(笑)。
 

――当時から音楽自体にも興味を持っていたわけですね。

九条 そうです。ちょうど小学校高学年の頃からテレビの音楽番組を見るようになって。そこからXに辿り着いて。その頃はまだ世間的にもヴィジュアル系という言葉が浸透していなかったし、僕もガキだったしというのがあって、そこまで強くヴィジュアル系という存在を意識はしていなかったんですけど…。

ヴィジュアル系にはまり出した一番のきっかけって、中学生のときに観たテレビ番組の「Break Out」。ちょうど観始めたときに、ヴィジュアル四天王と呼ばれるLa'cryma Christi/FANATIC◇CRISIS/SHAZNAが出ていれば、その中でも僕はJanne Da ArcやPIERROT、L’luviaなどに衝撃を受けていました。当時は、毎週深夜に起きていればヴィジュアル系に触れられたことから、この番組をきっかけに、どんどんヴィジュアル系にのめり込んでいきました。

 

 

 

当時は「病んでる曲」や「聞いててつらくなる曲」ってヴィジュアル系くらいしかなかったんですよ。

 

――あの当時は、Xや「Break Out」に出ていたヴィジュアル系バンドたちを好きになり音楽に目覚めたり、ヴィジュアル系を好きになった人たちが大勢いましたけど。でも、そこから卒業するファンの人たちも少なくなかったのも事実。でも九条さんは、ヴィジュアル系(LOVE)愛をずっと貫き続けてきたわけですよね。

九条 あのとき以来、ズーッとですね。最近の音楽だとそうでもないですけど。当時は「病んでる曲」というか、「聞いててつらくなる曲」ってヴィジュアル系くらいしかなかったんですよ。いや、ないこともないんですけど、あまり目には止まらなかったし、耳にもつかなかった。

その中でもとくに、病んでる心を歌ってくれるのがヴィジュアル系。当時の僕には、それが支えになっていたというか、僕の心にヴィジュアル系の音楽が強く響いたんですよね。
 

――九条さんも、心に闇を抱えていた少年だったのでしょうか。

九条 今よりぜんぜんネガティブでしたね。今、こうやって自分がインタビューを受けているなんて、昔の自分からは想像もつかないこと。昔の通知表を見ても、先生に「自分の意見を言わない」「おとなしい」と書かれるくらいだったんで。
 

――そういう人にこそ、ヴィジュアル系の音楽は昔も今も響きやすいですからね。

九条 そうなんです。なんか慰めてくれている感じがして。しかも、激しい音楽性に気持ちを滾らせてもくれたり。それくらいヴィジュアル系から得た影響は大きかったですね。
 

――当時からいろんな音楽には触れていたと思いますが、その中でも一番九条さんの胸を刺したのがヴィジュアル系だったわけだ。

九条 心の側にあるのは、いつもヴィジュアル系でしたね。
 

――「Break Out」ブームということは、学校で「ヴィジュアル系が好きだからと後ろ指を刺される世代」ではなく??

九条 ないこともなかったかなぁ。クラスで目立っている不良グループが、「メイクしている男の音楽がなんで好きなんだよ」みたいに言ってくることはありましたけど。それでいじめられたこともないし、僕は僕で、初めて自分で心から「好き」って友達にも言える音楽がヴィジュアル系だったように、そこへプライドを持っていましたからね。

 

 

 

お客さんを見ていると、当時の自分と同じことを思っていたり感じてたりする。

 

――己龍に至るまでもいろんなバンドをやってきたと思いますが、九条さんの場合、年月を重ねるほどに「ヴィジュアル系(LOVE)愛」が強まっていません??

九条 たぶん、お客さんのファンレターやファンメールとか、そういうところを僕がめっちゃ見るからじゃないですかね。お客さんを見ていると、当時の自分と同じことを思っていたり感じてたりするから。だから、変にバンドマン目線だけを考えて発言しないようにはしています。
 

――つねに、その言葉を聞いてファンの人たちがどう思うかを意識して発言しているわけだ。

九条 そうです。
 

――表現者なら当たり前でしょうけど、どうしても自分中心の発言になるじゃないですか。でも、九条さんはそこではないと。

九条 素直な所は素直でいいと思うんですけどやっぱり、バンドをずっとやっていると…連日連夜のようにライブ活動を続けていれば、ライブ一本一本のありがたみって薄れてくるじゃないですか。インタヴューだって、初めてのときと、これを受けている今の気持ちって絶対に違うし。でも、お客さんも、昔の自分も、それが何本目のライブだろうと、何本目のインタヴューだろうが、どれもピュアな気持ちで接していたんですよ。そういうときの感覚を、僕は今でも忘れないようにしています。
 

――その感覚を今でも持っていれば、それを提示してゆくからこそ、ファンの人たちもその空気を察知し、九条さんを支持してゆくわけですし、同じ視線で見ているわけですもんね。

九条 そうだといいなと思っています。
 

――twitterのリプだって、かなり小まめに見ていますよね。

九条 そういう性格というのもありますけどね。好きなことなんで、「めんどくさい」にはならないです。
 

――それって、なかなか出来ないことだと思います。

九条 そう言ってもらえると嬉しいですが、僕からすれは普通のことなんですよね。日々、当たり前にやっていることだから。
 

――ケータイのバッテリー、直ぐに無くなるでしょ。

九条 無くなりますね。とくにツアー中は、夕方頃には切れてたりするから小まめに充電しているんですけど。でも、それが楽しくてやっていることなので。

 

 

 

「時代のインフルエンサー」になっていかないと。

 

――九条さんの場合、いろんな人たちをヴィジュアル系というシーンの中へ引き込もうともしていません??

九条 そうですね。これからもっと引き込もうと思ってて。ちょうど今、裏でいろんなことを考えたり仕込んでいます。
 

――今のヴィジュアルシーンはけっして盛り上がっているわけではない。だからこそ、己龍が積極的にそこを盛り上げていこうという意識だ。

九条 これからめっちゃ動きます。
 

――ヴィジュアルシーンの活性化という行動は、己龍の場合、以前からやり続けていることですよね。

九条 そうですね。でも、まだまだこんなもんじゃないくらいにもっと動こうと思っています。そこは期待してもらってていいかなと思います。「こんなにも胸を張って"楽しみにしていろよ"とはなかなか言わないぜ」という気持ちです。アハハハハッ。
 

――ヴィジュアルシーンの活性化は、己龍自体が持つ使命感だったりもするのでしょうか。

九条 使命感みたいなものはあります。俺らがやらないで誰がやるじゃないけど、そういう感覚はありますね。
 

――確かにここ何年かは、「47都道府県ツアー」や「日本武道館公演への挑戦」など、己龍が新しい挑戦の道筋をいろいろ作っていますからね。

九条 そうですねぇ。イマドキの言葉を使うのであれば「時代のインフルエンサー」になっていかないと、こういう業界は駄目なんだと思いますからね。
 

――まさに己龍自体が、ヴィジュアル系という世界の中でのインフルエンサーとしての役割を担っているわけだ。

九条 はい、もっと上を目指しながら、己龍がシーン全体を引っ張っていける存在になれたらなと、今はすごく思っています。

 

 

 

取るときは辞めるときかなぁと。それくらいの覚悟を持ってマスクも身につけています。

 

――そういう意識を持ちながら、己龍は独自の世界観をズーッとぶれずに描き続けてきました。

九条 そこがぶれたら終わりなんで。売れたとたんに化粧を落とすバンドとか…。僕、ぶれるバンドは昔から嫌いなように、僕らは絶対に化粧は落としません。化粧を落としただけで、僕は「裏切り者」って心の中で叫んでは、そのバンドのCDを買わなくなる人だったんで。
 

――最初から化粧の薄いソフビ系はどうなんですか?。

九条 ソフビ系は好きです。コテコテだった人がソフビになるのが嫌いなんですよ。芯がぶれちゃった人には、やっぱついていけないなと思います。それと、「メジャーデビューしたから化粧を落としたのかな」とか、やっぱしそれも寂しくなりますよね。
 

――ヴィジュアル系をやっていたけど、途中からヴィジュアル系という言葉を使わなくなった人たちも嫌いだ。

九条 否定はしないけど、僕は、ついてはいかないかなぁ…。
 

――九条さんが絶対にマスクを取らないのと一緒ですよね。

九条 絶対に取らないですね。取るときは辞めるときかなぁと。それくらいの覚悟を持ってマスクも身につけています。
 

――そのこだわりは、己龍のメンバーみんなに言えることだ。

九条 他のメンバーでも、それぞれに「ここだけは折れちゃいけない」という芯はあること。うちのバンドはとくに、そこが強いと思う。だから、こうやって長く活動が成立しているんだろうなと思います。
 

――互いに尊重しあっていますしね。

九条 そうですね。己龍のいいところって、自己プロデュースがちゃんと出来ていて、それを表に出していて。しかも、各メンバーがそれを尊重しあえているところ。なおかつ、5人ともキャラクターがかぶらない。そこがうちの売りだと思うんで。
 

――九条さんは、メンバー愛も強いですよね。前回の巡業が終わり、日和さんが治療のために期間入院していた時期にも、さっそくお見舞いに行ってましたよね。

九条 ハハハハハッ。そうそうそう。「2日連続で行ったら喜ぶかな」とか、そういう感じで。あと、入院中はきっと暇だろうなと思ったから、本屋へ行って漫画の「BECK」の単行本を全34巻買って持っていったり。びっくりしたのが、「BECK」を差し入れで持っていったその翌日もお見舞いに行ったら、一晩ですでに20巻くらい読破してたってこと。よっぽど、暇だったんでしょうね(笑)。
 

――その、さりげない優しさが、九条さんらしさですよね。

九条 まぁなんか、そこは各々じゃないですか。

前編後編
※後編は11月14日に更新予定

 

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6th FULL ALBUM「転生輪廻」
2018.11.14 3type RELEASE!!

 



 


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【「転生輪廻」3タイプ同時購入特典】
己龍「転生輪廻」Aタイプに封入されている応募ハガキに「転生輪廻」A・B・Cタイプに封入されている各応募券を貼って送ると、単独巡業「転生輪廻」巡業パンフレットを応募者全員にプレゼント!
*詳しくはAタイプに封入されている応募ハガキをご覧ください。




己龍単独巡業「転生輪廻」

11月17日(土) 柏 PALOOZA
11月18日(日) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3
11月22日(木) HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2
11月27日(火) 盛岡 CLUB CHANGE WAVE
11月30日(金) 札幌 cube garden
12月03日(月) 青森 Quarter
12月05日(水) NIIGATA LOTS
12月08日(土) 名古屋E.L.L.
12月09日(日) 梅田CLUB QUATTRO
12月12日(水) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
12月16日(日) 福岡 DRUM LOGOS 〜己龍11周年〜

-千秋楽-
12月21日(金) TOKYO DOME CITY HALL

 

 

B.P.RECORDS PRESENTS COUNT DOWN LIVE 2018-2019

12月31日 川崎CLUB CITTA’
出演:己龍/Royz/コドモドラゴン/零[Hz]/OA:BabyKingdom
前売¥4,500 / 当日¥5,000
開場18:30 / 開演19:30
チケット一般発売:11月24日(土)〜
※バンド予約なし
入場順:スマフォサイト先行→プレイガイド同時→当日
問:H.I.P. 03-3475-9999 / www.hipjpn.co.jp

 

 

己龍単独公演「遠海准司生誕祭」

2019年1月11日(金) 川崎CLUB CITTA'
開場17:15 / 開演18:00
前売¥4,500(税込)※ドリンク代別途
チケット一般発売日:2018年12月15日(土)〜
<FC先行チケット受付期間>
2018年11月6日(火)16:00~11月19日(月)23:59まで
【子龍HP】http://www.shiryu.jp/
【問】H.I.P. 03-3475-9999 / http://www.hipjpn.co.jp


 

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