INTERVIEW

清春 ロングインタビュー 第3回 「僕らの世代が目指すのは普遍的な音楽だと思う」

清春


清春というアーティストは誰にも似ていない。黒夢、sadsでヒット曲を放ち、男性ファンにも熱く支持される一方で、2003年には清春としてソロデビュー。バンドでの攻撃的でひりひりした側面とは異なるアンニュイで大人な世界観を打ち出した。また今でこそ珍しくないことだが、ファッションリーダーとしても定評があった清春は自身のブランドを早くから立ち上げ、ブランドオーナーとして活躍。近年では彼の音楽に通じる空間を具現化した会員制のバー「BABYLON TOKYO」のプロデュースも手がける。多岐にわたる活動にも関わらず、“清春”は“清春”だ。バンドであろうがソロであろうがアーティストイメージに全く手垢がつくことがなく、広い世代の後輩からリスペクトされ続けている。昨年の10月に50才の誕生日を迎えた清春がシーンでサヴァイヴしてきた視点とそのバランス感覚に迫る。


インタビュー:山本弘子
Interview by Hiroko Yamamoto

カメラマン:宮脇進 / ヘアメイク:諏訪内めぐみ
Photo:Susumu Miyawaki / Hair&Make up:Megumi Suwanai


 

■僕らの世代が目指すのは普遍的な音楽だと思う

 

——それ以前にラーメン屋は似合わないです(笑)。ブランドの服にしても太ってたら着れないサイズ感だし、美意識がありますからね。

清春:ただ世の中、変わってきちゃってるから僕は置いていかれている感がありますよ。バンドのタイプもファンの人の応援の仕方も音楽が生活の中で占める割合も前とは違いますよね。カッコつけることを恥ずかしいとするバンドが増えてるし、身近な存在になってきている。僕らの世代は「圧倒的であれ」、「カリスマであれ」というシーンの中でやってきたので、ロックフェスにポンッて出ていっても「イエー!」って盛り上がれないというか、笑顔で見る音楽じゃないですからね。僕には娘がいるから日常の中でも感じる。YouTube見てて「これナシだろ」と思ったアーティストを「これいいよね」ってフツーに言ってくるから(笑)。だけど、そんな中、親子2代で「カッコいいよね」と思うものもあるんですよ。
 

——世代間のギャップを埋める音楽が。

清春:少ないけれど、新しい音楽にも古い音楽にも共有できるものがあるんです。それが普遍的なものなんだと思うんですよ。
 

——どちらにも響くということですものね。

清春:そう。残念ながら僕はよけいなTVには出ないとか、フェスに出たくないとかこだわって活動してきた結果、聴かれるチャンスがないですけどね。それは後悔してないですが。
 

——ええ、ええ。

清春:ヴィジュアル系という言葉にしても僕らの世代にはちょっとした拒絶感があるんですが、今の世代には1つのジャンルでしかないし、自然に捉えてますよね。アニメもそうだし。
 

——昔はアニメ好き=オタクみたいに思われていましたよね。

清春:オタクにも今は市民権があってメンヘラもそうですよね。それがいいのか悪いのかは置いておいて僕らの世代は何を目指すのかっていったら、さっき言った普遍的なものですよね。
 

——なるほど。

清春:例えばお父さんやお母さん、お兄さんとかバイト先の店長が好きでYouTubeのリンクを送ったりとかして「意外といいじゃん」とか、そういうことでしかないんですよ。今は音楽を聴くツールも違うし「CDって何?」っていう時代なので。僕らにできることは自分たちが思う普遍的ないい曲を作ることしかない。つまりミュージシャンですよね。作る、鳴らす、演じるっていう3つをやるしかないんじゃないかなと。
 

——そこを極めていくということですかね。

清春:いちばんは音を鳴らすっていうことでしょうね。それは最初に話したバンドマンにはできないんです。1人1人の音が鳴ってないとね。もちろん僕も若いときはできなかったですけどね。

 

——では、最後にデビュー25周年イヤーとなる清春さんの2019年を予告してください。

清春:レコード会社を移籍して初のカバーアルバムを出します。
 

——清春さんはこれまでに中森明菜さんの「TATOO」とか沢田研二さんの「背中まで45分」とかさだまさしさんの「防人の詩」とか洋楽もふくめ多くのカバーをされていますよね。

清春:そうですね。内容的には歌謡曲やニューミュージック、フォークのカバーになると思うんですけど、レコード会社の人からのリクエストを聞きつつ選ぶと思います。きっと明るい曲は1曲も入らないですね。
 

——(笑)。メジャーコードの曲は入らないという。

清春:明るくて簡単に幸せな気持ちになる曲はやれないと思います(笑)。
 

——カバーアルバムということで世代を超える普遍的なものになるんじゃないでしょうか?

清春:どうだろう。僕の場合、そんなにメロを変えなくても「オリジナルと違うね。清春さんの歌みたいだね」っていうふうになると思うんですけど、そこを超えたいんですよね。自分っぽく歌うことはできるけど、「誰が歌ってるのかわからないけど、これいいよね」っていうような。
 

——音源としてはカバーからスタートする2019年?

清春:新曲も作ってますけどね。カバーアルバムは引退するまでに作ってみたかったものの1つなんですよ。2017年に出した暗いアコースティックアルバム『エレジー』もやってみたかったことだった。
 

——今後はより歌にフォーカスを当てた活動になるんですか?

清春:最終目標は隠居生活をしたときに自分がずーっと聴いていられるアルバムを1枚作ることなんです。あとから“うーん”ってなったりする箇所が1つはあるから一生無理なんですけどね。2月からライヴ(KIYOHARU 25TH ANNIVERSARY YEARS debut days『REPLAY』)が始まるので過去の曲もやるんですけど、2006年以降に作った曲は自分の歌が恥ずかしくないので、ちょっとは可能性があるのかなと。なかなか自分の音楽って人の音楽みたいに冷静に聴けないんですけど、リスナーの自分に勝つようなアルバム……ほかの人の音楽みたいに感じてしかも好きになれるようなものを作れたら「もういいかな」って思うかもしれないですね。

 


第1回第2回第3回

 

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カヴァー・アルバム、今夏リリース決定!


LIVE DVD
sads 『FALLING』THE LIVE
2019.3.20 RELEASE

PEBF-3223/¥7,130(+税)

■DVD収録内容
2018年11月30日 品川ステラボールのLIVE映像
【特典映像】
2018年12月21日 川崎CLUB CITTA’公演の模様を一部収録

■CD収録内容
2018年12月21日 川崎CLUB CITTA’公演よりLIVE音源を厳選し収録

 



KIYOHARU 25TH ANNIVERSARY YEARS
debut days『REPLAY』

2月9日(土) 恵比寿ガーデンホール
OPEN 17:00 START 18:00
(問)HOTSTUFF PROMOTION:03-5720-9999

2月15日(金) 梅田CLUB QUATTRO
OPEN 17:30 START 18:30
(問)大阪ウドー音楽事務所:06-6341-4506

3月1日(金) 名古屋ダイアモンドホール
OPEN 17:30 START 18:30
(問)ズームエンタープライズ:052-290-0909

 

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KIYOHARU 25TH ANNIVERSARY YEARS
fc only『愛ノ巣』

3月20日(水) 梅田CLUB QUATTRO
OPEN 18:00 START 18:30
(問)大阪ウドー音楽事務所:06-6341-4506

4月2日(火) 名古屋CLUB QUATTRO
OPEN 18:00 START 18:30
(問)大阪ウドー音楽事務所:06-6341-4506

4月6日(土) 渋谷CLUB QUATTRO
OPEN 17:30 START 18:00
(問)HOTSTUFF PROMOTION:03-5720-9999

※FC限定公演。

 

■EVENT SCHEDULE

「GBGB2019」
6月29日(土)、30日(日) 高崎アリーナ

OPEN : 11:00 / START : 13:00 / 終演 20:00 (予定)

■出演アーティスト
6/29(土):ROGUE / SILENT SIREN / 清春 and more
6/30(日):ROGUE  and more

http://gbgb.jp/


 

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【 清春 OFFICIAL WEBSITE 】
https://kiyoharu.tokyo/

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@ki_spring