INTERVIEW

club Zy.ロングインタビュー 大志(Sick²) 第1回(全4回) 大志「気持ちの整理はなかなか難しいです。」

Sick2

昨年11月に行ったZepp DiverCityでのワンマン公演。それからすぐに、Sick²から一つの報告がなされた。それが、ドラマーの大志が2020年1月末日をもってSick²を脱退することだった。目の前には、大志がドラマーを担う最後の東名阪ツアー「Sick² 大志脱退ワンマンツアー 『らぶサンキュー』」が控えている。今、彼がどんな心境でいるのかを4回に分け、ここにお伝えしたい。

Interview:長澤智典

 

大志:気持ちの整理はなかなか難しいです。

 

──昨年11月に行ったZepp DiverCityでのワンマン公演。それからすぐに、Sick²から一つの報告がなされました。それが、ろっしーがSick²を脱退するという発表でした。あのときは、様々な反響が押し寄せたのではないですか??
大志 ありましたね。反応や、返ってくる言葉も人それぞれでしたけど…。みんなを悲しませちゃいましたよね。今もそうですが、ファンたちの中には「それでもろっしーのことを応援するよ」と言ってくれる人もいれば、「いまだ気持ちを切り換えられません。寂しいです」という人もいますし。そこは……。

──ファンたちも、すぐに気持ちの切り換えが難しいのはわかります。
大志 そうなりますよね。発表した僕自身、未来を見据えてるとはいえ、いまだに上手く気持ちの整理が出来ていません。そこは自分も含め、それぞれが時間をかけて解決していくべきことなのかも知れません。

──ろっしーも、ファンの人たちも、そう。そこは、Sick²を卒業するまでの期間の中で。いや、卒業をしてからの時間を通し、ゆっくりと気持ちを切り換えていけば良いことだとも思いますからね。
大志 きっと、自分もそうしていくんでしょうね。ただ、現状ではいろんな気持ちが入り交じれば、考えや想いを巡らせることも多いように、気持ちの整理はなかなか難しいです。

──長くSick²のメンバーとして歩み続けてきましたから、尚更ね。
大志 そう。俺自身、今まで「Sick²で頑張ろう」「Sick²を通して夢を叶えたい」という想いを抱きながらここまで進んできたように、その夢から先に抜けたことで、「メンバーを裏切ったことにもなっちゃうのかな」と自分でも思いますし…。だから今、ろっしーのことを応援してくれているファンたちが今後自分の前から居なくなっても、それはしょうがないことかなとも思っているので…。

──ろっしー自身、つかみたい夢や想いをずっと胸の中に抱きながら活動を続けてきましたよね。本当なら、その夢をSick²を通してつかもうとしていたわけですけど…。
大志 そうなんですけど、でもね………。

 

他人行儀の関係だったら、ここまで一緒に活動をしていなかった。

 

──ろっしーは、Sick²結成時からのメンバーですよね。
大志 そうです。もっと言うなら、その前身バンドの最初からやっていました。Sick²の活動自体は2月で7周年ですけど、その前の活動時期を入れたら8年。ジェネ★さんやまっつん(祭-まつり-)と会ってからを数えたら9年くらいの日々を一緒に過ごしてきましたからね。

──とても長い時間を一緒過ごしてきたわけだ。
大志 そうなんです。俺自身、ときには気持ちのズレを感じてイライラすることもあったけど。でも、やっぱ約9年間一緒に活動してきたメンバーのように、いまだに感謝の想いがあれば、大事な仲間だと思ってる。ホント、俺の人生の中でも大切な仲間たちのように、今でもメンバーは大好きです。

──ぶつかりあえるのも、お互いに信頼関係があるから出来ること。最初から距離を持っていたら、ぶつかろうともしないですから。
大志 そこなんですよね。他人行儀の関係だったら、ここまで一緒に活動をしていなかったと思います。

──今回の脱退も、お互いに信頼関係があれば、互いに認め合ったうえでの結論なわけだ。
大志 そこ、言葉にするにはなかなか難しいですけどね。

 

満足って、一生出来ないこと。


──ろっしー自身は、前々から大きい会場でワンマンをやることを目標にしていれば、何時だって現状には満足できていなかった人。ワンマンのたびに「悔しい」「悔しい」と叫んでいたように、その悔しさをバネにしながら日々活動を続けていましたよね。
大志 そうですねぇ。もしかしたら、人間ってみんなそうかも知れないけど。満足って、一生出来ないことなのかなと思うんですよ。バンド活動だって、そう。最初は、みんなで音を合わせるだけで幸せだったし、ライブが出来るだけで楽しかった。そのうちライブの動員が増えだし、それがバンドへ夢中になるモチベーションになれば、それこそ、イベントライブで動員が30人を越えただけですごく嬉しかったんです。あの当時は、みんなで「このまま頑張り続ければ、こうなれる」と夢を語りあっていましたしね。だけど、規模が大きくなるにつれ、そこじゃ満足出来なくなれば、夢や希望の規模感も変わっていった。そのうえで、互いに持っている意識に差が生まれるのも当たり前だと思いますからね。

──Sick²自体が求める夢や欲求。それを形にするための行動と、それに伴う結果がズレていった。ろっしーの中では、それに対するジレンマも大きかったのでしょうか。
大志 そうですねぇ…。結果のためにどう行動をしていくかじゃないですけど、求める規模が大きくなり、目標が高くなるにつれ、メンバーやスタッフ間、ファンたちとの意識の中でもいろんな食い違いも出てきます。でも、それって当たり前のことだし、仕方のない面でもあるんですけど…。

──今のSick²を取り巻く環境に関しては、「バンドが好きだからやっています」だけではやれない環境と言いますか、前へ進み続けるためにも何かを提示しなきゃいけない。もはや、動員30人で満足をキープする環境ではないからね。
大志 そうなんですよねぇ。

 

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<インフォメーション>
 

【ライブ】

・Sick² 大志脱退ワンマンツアー
『らぶサンキュー』

■2020年1月25日(土) HOLIDAY NEXT
■2020年1月26日(日) 心斎橋soma