INTERVIEW

club Zy.ロングインタビュー HAKUEI(PENICILLIN) 第1回(全4回) HAKUEI「僕にとってラーメンを食べに行くのはイベントなんです。」

HAKUEI PENICILLIN The Brow Beat

毎度、おいしいゲストを酒の肴に迎え、大好評企画の『居酒屋はくえい』。ここでは毎回、ゲストの方との対談をお送りしてきましたが、今回は久々にHAKUEI本人のロングインタビューを決行! 近況から話題のつけ麺店『銀座 魄瑛』、さらにはthe Brow Beatの誕生秘話など、4回にわたって熱く語ってもらいました。貴重な話のてんこ盛りなので、じっくりお楽しみください。

Interview海江敦士

 

僕にとってラーメンを食べに行くのはイベントなんです。

 

――好評のニコ生番組『居酒屋はくえい』で活躍中のHAKUEIさんですが、キッチリと近況などについて語る機会がありそうでなかった……ということで、まずは音楽以外で話題のラーメン屋『銀座 魄瑛』について聞かせてください。
HAKUEI:僕自身が経営しているお店なんですけど、厳密に言うと味のプロデュースをしてくれている人は、ラーメン業界のカリスマ、塚田兼司さんっていう方なんですよ。で、僕は経営者側の意見として“こういうラーメンを作って欲しい”っていうコンセプトをお伝えしたんですね。そこから1年半ぐらいかけて準備しました。もうね、味が全然決まらなくて……。

――そもそもバンドの方ってツアーも多いし、全国のおいしいラーメン屋さんを網羅している人が多いですからね。だからこそ、どういうラーメンにするかっていうところは難しかったんだろうなと思います。
HAKUEI:僕自身はウマいラーメンならジャンル問わず好きなんですけどね(笑)。なので、まず塚田さんに「最高の作品を作って欲しい」と。それだけでした。その上で自分なりにどんなものをお願いしようかと考えた時に、白湯スープ系の濃厚なもの……例えば、豚骨とか鶏白湯だと、ある程度味が安定するなと思ったんです。
安定しておいしい……だからこそ、そういうお店ってたくさんあるわけですよ。それだと面白くないじゃないですか。しかも、最近スーパーに売っているようなインスタント系ものでも、かなりおいしく再現できてるなと。そういうラーメン事情を考察しつつ、いつでもどこでも食べられるんじゃなくて、そこでなければ食べられないものにしなきゃと思ったんですよ。僕にとってはラーメンを食べに行くのってイベントなんですね。なぜなら普段は低糖質の食生活をしているから、月に1回とか2回のラーメンって、間違いなくイベントなんですよ。ここまでラーメンに対してシビアな感覚を持っている人ってなかなかいないと思いますよ。

――確かに(苦笑)。
HAKUEI:まぁ、ラーメンなんて普通食ですからね。でも僕はラーメンを食べに行くという感覚を重く受け止めているんです。だから、まずこの重さを表現したいなと。そんな話を塚田さんとあれこれしていたら、“つけ麺がやりたい”ということになって。で、僕はすごく繊細な味でうま味のインパクトがある透き通ったスープで勝負したいって言ったんですけど、塚田さんは「つけ麺専門店で透き通った清湯(ちんたん)系はありえない」って言うんですね。

――言われてみると、つけ麺で透明感のあるスープってあまり見たことがないです。
HAKUEI:あんまりないですよね。“(濃いスープ以外に)清湯もありますよ”だったらあるかもしれないけど、メインは絶対に濃いスープですよね。だからこそ僕はチャレンジしてみたかったんですよ。でも、「そんなの絶対に損するよ」とか「客が来ないよ」って言われましたね。それも塚田さんはラーメン業界を熟知しているからこその意見だったんですよ。ただ、僕はタブーに挑戦したかったんで、そこを納得してもらうのに時間がかかりました。

――最終的にはHAKUEIさんの熱意が伝わったわけですよね?
HAKUEI:伝わる前に、僕が折れなかったんで(苦笑)。でも、途中気持ちは揺れましたけどね。塚田さんはよかれと思って言ってくれているわけだし。まぁ、最終的には塚田さんが折れてくれてね。「もう損しても知らないよ。で、こういうことでしょ?」って試作で作ってくれたのが、今『銀座 魄瑛』で出しているスープの原型だったんです。そのスープで食べた時に“この味だよ!”って。とはいえ、ビジネス的にはぶっちゃけよくないのね。

――クオリティーの割には確かにリーズナブルな料金設定だと思います。
HAKUEI:ラーメン屋さんって、回転率も大事だからラーメンを作る時間が短ければ短いほどいいわけでですよ。製造原価だけじゃなく、作っている人の人件費もあるからね。そう考えたら、ものすごく高いラーメンなんです。

――お店の雰囲気も、パッと来てパッと食べて帰るっていう感じじゃないですしね。
HAKUEI:普通のラーメンって、ゆで時間が2分くらいなのよ。それがここではゆで時間がまず7分なわけ。そこからお湯を切って氷でしめて洗って、そこから麺を巻いてトッピングして……で、その間に1人前ずつ清湯にシジミを入れて沸騰させて、シジミの味を思いっきり出してこしてっていう作業があるんだよね。だからこのイケメン店長(2月10日の放送を見た方にはご紹介済み)じゃないと作れないんですよ(笑)。ホントに経営的には不利なんです。なので、普通よりはちょっとお高めの設定ではあるんですけど、それでも儲けはゼロです。イケメン店長:増税のタイミングでも1200円のまま値上げしませんでした。

――絶対安いと思います。普通のラーメン屋さんでも1000円前後なのに……。
HAKUEI:しかも銀座でね。席もつめれば10席くらい入れるところを、マックス7席でゆったりやってるんです。それは、しっかりおいしいものを楽しんで欲しいからっていう理由でね。もうマジでミシュランの☆を取りにいく勢いで(笑)

――すごい!
HAKUEI:マジで儲け度外視。だから僕、経営者としては一銭ももらってないんですよ。でも、そこには夢があって、ここでちゃんといい評価を得られて店舗展開できるようになれば、少しずつ利益があがっていくと思うんです。言ってみれば、曲を作って作品を出すみたいなもんですよ。とにかく自分がいいと思うもの妥協なく出したい。

――だからこそ銀座という場所を選んだということですか?
HAKUEI:そこはたまたまなんですけど、結果的に銀座でよかったなって思ってます。たぶん、どこでやってもこういう感覚でのぞんだとは思いますけど、銀座だったから思い切り高級路線で勝負できたのかもしれない。

――銀座にはゆっくり食事をしたいっていう層が来ますもんね。環七沿いのラーメン屋激戦区ではダメだったかもしれないです。
HAKUEI:はははは! そうだね。ウチはホントにこだわってるからね。しかも銀座だからっていうのもあって、近くにトリュフの専門店があるんですよ。そこで買った白トリュフオイルで香り付けしてますからね。あと、麺にのっているチャーシューも豚肩ロース、和牛、鴨の3種類にして味の変化を楽しめるようにしているんです。

 

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※パソコン、スマートフォンからご利用いただけます。
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